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※出典:金沢市オープンデータ「市史年表 金沢の百年」、金沢市「金沢の歴史(通史)」ほか。日付がはっきりしている出来事だけを「きょう」として紹介しています。毎朝、自動で切りかわります。

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Disaster

災害と金沢

備えと、使える制度
📊 能登半島地震、金沢はどうだったか金沢市の実数

令和6年(2024年)1月1日。金沢市の震度は5強でした。

🏠
罹災証明書の申請
14,260件
受付は令和6年12月で終了
🏯
金沢城の石垣
27か所
金沢城公園・兼六園が臨時休園
🌊
液状化
粟崎地区など
復旧は今も続いています
📄 「罹災証明書」ってなに? 家が災害でどれだけ壊れたかを、市が調べて証明してくれる書類です。「全壊」「半壊」「一部損壊」などに区分されます。これがないと、支援金も税の減免も受けられません。

⚠️ 能登半島地震の交付申請は、令和6年12月27日で終了しました。すでに交付を受けた方の追加交付は、引き続き受け付けています。持ち家だけでなく借りている家の人も申請できます

※市役所の書類では「り災証明書」と書かれています(「罹」が常用漢字ではないため)。同じものです。
⚠️ 震度5強で、これだけの被害が出ました: 震源から離れた金沢でも、1万4,260件の住宅被害の申請がありました。専門家の調査では、同じ学区でも、通り1本挟んだだけで被害がまったく違ったケースが報告されています。
💡 液状化が起きる3つの条件: ①ゆるい砂地盤 ②地下水の水位が浅い ③大きな地震動。この3つがそろうと起きます。自分の家の地盤を知ることが、いちばんの備えです。

※出典:日本経済新聞(村山市長発表・2024年11月18日)、金沢市公表資料、さくら事務所「緊急調査からの提言」。

🧭 金沢市民の防災意識のリアル——市のアンケートを読んでみた金沢市・eモニター

金沢市が市民モニターに毎年行っている「eモニター」調査。令和7年の防災意識アンケート(回答205人)は、能登半島地震の課題検証の指標になる調査と明記されています。あの地震を経験した翌年度の調査——数字が示す「備えの現在地」がこれです。

🏠
自宅の地震対策
42.9%
「どれも実施していない」
🎒
非常持ち出し袋
30.7%
今も持っていない
📱
水害アプリ「にげまっし」
17.1%
知っている人の割合
⚠️ 震度5強を経験しても、4割は「何もしていない」
家具の固定をしている人は38.0%、耐震改修は16.1%。一方で「どれも実施していない」が42.9%と最多です。非常持ち出し袋も「持っている」6割のうち半分は地震後も中身を見直していません。持たない理由の最多は「保有していたが賞味期限が切れた」——備えは買って終わりではなく、続ける仕組みの問題なんです。
📲 市のアプリ、知られてなさすぎ問題
防災アプリの認知度は、ウェザーニュース66.8%・Yahoo!防災速報62.4%に対し、公式金沢市アプリ41.0%、市の水害ハザードマップアプリ「にげまっし」はわずか17.1%、金沢市AlertQueに至っては2.0%。せっかく作った市のツールが届いていない——「作る」と「届ける」は別の仕事だ、という好例です。
🤝 いちばん深刻なのは「つながり」かもしれない
災害時に地域の民生委員・町会長などと連絡が「取れる」人は48.3%。「取りたいが、どこに連絡すればいいか分からない」が34.1%もいます。避難のきっかけも「市の避難指示」頼みが52.2%で、地域の呼びかけはわずか5.9%。共助の入口である「顔と連絡先」が、まだつながっていません。ハザードマップを見たことがない人も11.7%——備えの第一歩は、自分の家の地図からです。

※出典:金沢市eモニター制度「防災意識についてのアンケート」(令和7年7月実施・対象250人・回答205人・回答率82.0%、市民協働推進課公表)。

💴 知らないと損をする、使える支援制度金沢市
⏰ 期限が近い制度があります

被災者生活再建支援金(基礎支援金)
金沢市の申請期限:令和8年7月31日(金)

最大100万円。加算支援金とあわせると最大300万円
📞 金沢市 生活支援課 076-220-2292
🏗 被災宅地等復旧費補助金:最大958万円

液状化で傾いた家の基礎の修復、地盤改良、のり面や擁壁の復旧が対象。

補助額 =(工事費 − 50万円)× 6分の5 限度額 958万3,000円

⚠️ 罹災証明書の区分による制限はありません(一部損壊でも使えます)
実際にいくら戻るか
⚠️ 工事を始める前に申請が必要です: 令和6年7月1日以降に工事に着手する場合、着手前に申請・認定が必要。工事を始めてからでは間に合いません。まず相談してください。
📞 相談窓口: 被災地区復旧推進室 076-208-3085
金沢市ものづくり会館内(粟崎町4丁目80番地1) 平日9:00〜17:45
💡 知らないともらえないこと:単身世帯は各金額の4分の3です。②住民票が被災した家になくても、公共料金の明細など生活実態を示す書類があれば申請できます。③同じ世帯でも生計が別なら、電気・水道の明細を出すことで別世帯として申請できます。④半壊でも解体すれば全壊扱い(最大300万円)。
📋 支援制度の受付状況(2026年7月現在)

※出典:金沢市「被災宅地等復旧費補助金交付制度」、石川県「被災者支援ナビ」、総務省「生活支援窓口案内」。制度は変わることがあります。必ず市に確認してください。

🏗 復旧に、いくらかかっているか令和8年度予算

💡 市債残高が減りにくい理由の1つ: 市の中期財政計画には「能登半島地震対策への迅速な対応」が明記されています。国や県の復興関連の財源を最大限活用するとしていますが、市の負担もあります。

※出典:金沢市「令和8年度当初予算資料」「中期財政計画」。

❄️ なぜ、うちの道に除雪車が来ないのか金沢市の実数

毎年冬、金沢市民が思うこと。答えは、市の資料に書いてあります。

🛣
市道の総延長
2,206km
金沢市全体
🚜
市が除雪する
896km
全体の41%
🏘
住民にゆだねる
約1,300km
全体の59%
🎯 答え:市道の約6割は、市が除雪しません

市の公式の回答:
「市民活動及び経済活動の確保を図るため、幹線道路、バス路線等を重点的に除雪路線と定め
「細街路を持つ本市としては、市道の全てを除排雪することは困難と考えており」
💰 町会が使える補助:費用の4分の3

地域除排雪活動費補助制度。町会が業者に除排雪を頼むと、市が4分の3を出します。

⚠️ 知らないと使えません:雪害対策本部が設置された期間中のみ(大雪警報+排雪場開設が条件)②除排雪のあと15日以内に申請③申請は町会長名で。電子申請もできます。
📞 道路管理課 076-220-2321
🚜 除雪機・消雪装置の導入にも補助: 町会など地元団体が対象。小型除雪機械・消雪用水中ポンプは購入費の4分の3を補助(除雪機は1台90万円が上限)。道路に水をまく消雪装置の設置はもっと大きく、設置・改修費の4分の3以内・2,600万円限度です。
📋 「どこに頼めばいいか分からん」にも答えがあります: 市が毎年、町会の除雪に協力できる業者を市内8ブロックに割り振った「地区別除排雪業者リスト」を作り、町会長に配布しています。冬の間は市のホームページでも見られます。
😔 でも、本当の問題は「担い手」: 報道によると、町会からはこんな声が出ています。
設備は整っても、実際に機械を動かす担い手が少なくなっている
年寄りだけで力仕事の除雪をやるのは限界だ

「学生等雪かきボランティア」もありますが、平日は学校や仕事があり、日程調整が難しいのが現状です。
🕳 誰も知らない、道路の下の攻防——消雪と地盤沈下

道路から水が噴き出して雪を溶かす「消雪装置」。あの水の多くは地下水です。金沢では降雪時、1日20万立方メートル超——25mプールに換算してざっと550杯分の地下水が汲み上げられ、専門委員会は「許容できる水準を超える」と警告しました。地下水を急に抜くと地中の粘土層が縮んで地盤が沈む。しかも一度縮んだ粘土層は、水位が戻っても元に戻りません。大雪だった2010〜11年には、冬が過ぎても地盤が戻らない事態が実際に起きました。

そこで金沢市は2009年、条例で消雪用井戸の新設を原則禁止にしました。つまり——金沢では消雪用の井戸を新しく掘ることは、原則できません。雪を溶かす便利さと、まちが沈むリスク。道路の下で、静かな攻防が続いています。
☀️ おまけ:真夏に融雪装置が動いた日: 2023年の猛暑、新竪町商店街では融雪装置から水を出して「打ち水」に使いました。検証では気温が1度前後下がったそうです。国も2008〜09年に香林坊〜犀川大橋の460mで同じ社会実験をしています(費用対効果で定着せず)。冬の装置の意外な夏の顔でした。
🗺 自分の家の前が除雪路線か調べられます: 金沢市の「まちづくり支援情報システム」で、除雪路線情報が公開されています。校下別の路線図もPDFで見られます。
📮 除雪してほしい道があるとき: 要望は町会など団体からしか出せません(個人では不可)。代表者が7月末までに要望書を提出。市が現地調査をして、翌冬の路線を決めます。冬になってから言っても間に合いません。

※出典:金沢市「道路等の雪対策について」「地域除排雪活動費補助制度」「除雪路線についてのよくある質問」、北國新聞。補助制度の内容は年度によって変わります。必ず市に確認してください。

❄️ 金沢が「雪と戦う」お金は、年20.1億円
令和6年度の克雪対策費(決算)は20億1,299万円。内訳は決算書の備考で6本——除排雪費15.81億+消融雪装置管理費3.39億+除雪管理システム費0.76億+道路除排雪機械購入費補助0.09億+用水利用消雪事業費0.07億+消雪排水処理対策費0.01億で、合算は克雪対策費と1円まで一致(検算済み)。
除排雪費
15.81億
消融雪装置管理費
3.39億
除雪管理システム費
0.76億
機械購入費補助
0.09億
用水利用消雪
0.07億
消雪排水処理
0.01億
さらに除排雪費15.81億のうち、道路の除排雪作業そのもの(除排雪事業)は14.04億円・稼働77日(成果説明書)。この冬、市内815路線・920kmを対象に、除雪車951台(直営33+委託918)が出動し、のべ5,022本・6,685kmを除雪しました(令和6年度)。差の約1.8億円は同費目内のその他の除雪経費です(細目は明細書に記載なし)。市民1人あたり約4,400円の「雪代」。しかもこれ、大雪ではない年の数字——あなたが家の前を雪かきしている間、まちも横で20億円分の雪かきをしています。

出典:金沢市「令和6年度一般会計歳入歳出決算事項別明細書」P188-189・第8款土木費/道路維持費(令和7年12月定例月議会で認定)、「令和6年度主要施策の成果説明書」P157・克雪対策事業

📈 除雪費は「読めない」——当初予算の3〜5倍に膨らむ年もある
開示資料で「除排雪費」の当初予算と決算を5年並べると、その振れ幅がわかります:令和3年度2.3億→9.4億(4.1倍)/令和4年度2.2億→10.0億(4.6倍)/令和5年度2.4億→6.6億(2.8倍)/令和6年度5.6億→15.8億(2.8倍)/令和7年度5.6億→18.0億(3.2倍)。当初予算はいわば「最低ライン」で、その年の雪しだいで決算が大きく上振れする——雪国の予算は、当初だけ見ても実態はつかめません。令和7年度は過去5年で最大の18.0億円でした。
🚜 なぜ「雪が少ない年」も除雪にお金がかかるのか——待機のしくみ
当サイトは開示請求で「雪が少なかった年の待機補償(除雪機械の待機料)の額」を求めましたが、市の答えは「その額が分かる資料はない」。代わりに送られてきたのが、除雪機械の「固定費契約」の仕組みでした。昔は除雪の委託費は稼働時間に応じた出来高払い——でも近年は雪が減って稼働時間も減り、民間が除雪機械を持ち続けられなくなります。そこで市道除雪専用の3機種(トラクターショベル・除雪ドーザー・モーターグレーダー)は、希望すれば固定費(=待機料にあたる分)を払う契約にできる。台数は担当路線の距離で上限が決まり(10km未満なら1台、40〜50kmで5台)、対象は12月21日〜3月5日の75日間です。つまり金沢市は、雪が降らなくても「いつでも出動できる態勢」を保つために固定費を払っている——除雪費の当初予算が毎年ある程度積まれるのは、このためです。

出典:金沢市土木局道路管理課「除雪関係費の予算と執行」(令和8年8月6日・情報提供。除雪・消雪関係の当初予算及び決算額調 令和3〜7年度・「除排雪費」の当初予算と決算〈円〉。決算÷当初の倍率は当サイト算出)、同「固定費対象除雪機械の取扱いについて」(対象3機種・担当路線距離別の登録台数上限〈0km超〜10km未満1台〜40〜50km5台〉・固定費対象期間12/21〜3/5の75日間・支払金額の算定方法。「待機補償の額が分かる資料」は不存在と回答)。この資料の令和6年度・除排雪費15.79億円は、上の決算事項別明細書ベース15.81億円と集計範囲の差でほぼ一致します。

📜 金沢は、過去にも液状化で壊れている金沢

石川県に被害を及ぼした地震は過去に13回。そのうち8回で液状化と思われる現象が確認されています。

📖 1799年6月29日「金沢地震」M6.0

金沢城下で家屋全壊26棟
能美・石川・河北郡で家屋全壊964棟
死者21名

この地震で、金沢市と内灘町に液状化の履歴が確認されています。

寛政11(1799)年の金沢地震でも、金沢は同じことで壊れました。
🧭 いま、できること:自分の家の地盤を知る(石川県の液状化ハザードマップが公開されています)②耐震診断・耐震補強(家の倒壊で命を失わないため)③家具の固定 ④そのあとで備蓄。専門家は、この順番が大事だと言います。
💰 その②には、市のお金が付きます: 1981年(昭和56年)5月以前の木造住宅なら、耐震診断から改修工事(最大280万円・2025年7月増額)まで市の補助があります。高齢世帯向けの利子補給や、被災住宅向けの特例、解体(除却)への補助も2025年に新設されました。石川県も「住宅耐震事業者リスト」(診断士のいる建築士事務所・工務店の一覧)を公開しています。詳しくは「知らんと損する制度」カードの住まい欄へ。📞 市建築指導課

※出典:国土交通省北陸地方整備局「石川県の液状化ハザードマップ」、さくら事務所「緊急調査からの提言」。

📋 あの日、金沢で何が壊れたか——能登半島地震・被害の公式記録石川県・被害報

令和6(2024)年1月1日の能登半島地震。県が更新し続けてきた被害報(第230報・令和8年6月30日現在)に、金沢市の被害がほぼ確定値として記録されています。

🏠
金沢市の住家被害
計 20,667棟
全壊32・半壊253・一部破損20,382
🩹
人的被害
負傷19人
死者1人(災害関連死)
📐
市内の震度
5強
能登の震度7から遠く離れて、この被害
⚠️ 「およそ12戸に1戸」が傷ついた——震度5強の現実
金沢の住家被害2万667棟は、市内の総住宅約24.5万戸に対しておよそ12戸に1戸の計算です。全壊・半壊は285棟にとどまった一方、一部破損が2万棟超——壁のひび、瓦のずれ、傾いた塀。「うちは大丈夫だった」の隣に、無数の小さな傷が記録されています。そして忘れてはいけないのは、これが震源から遠く離れた震度5強の被害だということ。市の直下には森本・富樫断層帯が走っており、これが動いた場合の想定震度は市街地の広い範囲で6強〜7。上のアンケートで見た「地震対策を何もしていない42.9%」——2万棟が傷ついた経験の、次にどう備えるかが問われています。

出典:石川県危機管理監室「令和6年能登半島地震による人的・建物被害の状況について(第230報)」(令和8年6月30日14時現在。金沢市=死者1人〈災害関連死〉・重傷9人・軽傷10人・住家被害は全壊32棟・半壊253棟・一部破損20,382棟の計20,667棟・非住家〈半壊以上〉195棟)。総住宅数は総務省・令和5年住宅・土地統計調査。震度は気象庁発表(金沢市で震度5強)。森本・富樫断層帯の想定は金沢市地震ハザードマップより。数値は今後の調査で変わる場合があります。

🔧 2万棟の傷、その後——住宅耐震化のリアルな歩み金沢市・建築指導課

では、あの地震のあと、家の耐震化はどれだけ進んだのか。市が毎年公表する「住宅耐震化緊急促進アクションプログラム」に、12年分の実績と市の自己評価が載っています。

🔨
耐震改修の補助利用
12年間で293件
2014〜2025年度・年12〜39件ペース
📈
地震後の動き
診断88件へ倍増
2024年度(前年32件)・改修も39件に増
市の自己評価
「躊躇する所有者が依然多い」
補助を増額しても、と明記
⚠️ 2万棟が傷ついたまちで、耐震改修は年40件——この差をどう読むか
能登の地震を受けて市は動きました:被災木造住宅の補助新設(令和6年7月)、補助限度額の増額(令和7年7月)、高齢世帯向けの無利子融資の利子補給、木造密集地の高齢者等住宅の除却(解体)補助まで新設(令和7年4月)。効果は数字に出て、耐震診断は前年の32件から88件へ倍増。それでも改修まで進むのは年40件弱です。市の自己評価は率直で、「住宅の老朽化と所有者の高齢化を背景に、補助の拡充や増額によっても耐震化を躊躇する所有者が依然として多く存在」——高齢の所有者にとって「あと何年住むかわからない家に数百万円」の決断は重い。だから市は改善策に、子世代への啓発・福祉関係者との連携、そして「耐震化を補完する、命を守る減災対策の周知」を並行して行うと書きました。家全体を直せないなら、寝室だけでも守る——現実と向き合った行政文書として、一読の価値があります。寺町など木造密集地では戸別訪問(令和7年度149件)も行われています。

出典:金沢市「住宅耐震化緊急促進アクションプログラム2026」(令和8年4月、建築指導課。2014〜2025年度の補助実績表〈改修計293件・診断計421件は表の合計〉・2026年度目標〈診断55件・改修40件・除却5件〉・自己評価と改善策は本文の記載)。第4次金沢市建築物耐震改修促進計画も令和8年4月公表。旧耐震基準=昭和56年5月31日以前の建築。

♿ 災害時、障害のある人を誰が助ける?——障害福祉アンケが突きつけた宿題金沢市・eモニター

次期障害者計画の策定に向けた市の意識調査(回答193人)。「助けたい」気持ちと、仕組みの認知の間に大きな溝がありました。

🤝
災害時に支援したい
58.6%
「どうしたらよいかわからない」26.4%
📋
「個別避難計画」
58.5%が「聞いたこともない」
支援者になっている人は4.7%
⚖️
差別・偏見が「ある」
計84.0%
5年前より改善37.7% vs 改善なし39.5%
⚠️ 「助けたい」6割、「仕組みを知ってる」2割——共助の設計図が届いていない
市は障害のある人など避難行動要支援者ひとりひとりに、誰が助けるか・どこへ逃げるかを決めておく「個別避難計画」の作成を進めています。でも市の障害福祉アンケート(eモニター・回答193人)では58.5%が「聞いたこともない」と答え、支援者になっている人はわずか4.7%。一方で「積極的に+できるだけ支援したい」は58.6%——善意はあるのに、つなぐ仕組みが知られていない。上の防災意識アンケの「避難の連絡先がわからない」34.1%と、完全に同じ構図です。共生社会への理解を「深めたい」は89.6%と圧倒的——能登の地震を経たいま、この善意を具体的な計画に変換できるかが、次の防災の核心です。

出典:金沢市eモニター制度「障害福祉に関するアンケート」(令和7年10〜11月実施・対象250人・回答193人・回答率77.2%、次期ノーマライゼーションプラン金沢策定のための調査)。支援したい58.6%は「積極的に」17.1%+「できるだけ」41.5%の合計。

🌊 地震の次は水——武家屋敷が軒下まで沈む想定を、市はもう配っている金沢市・河川水防課

金沢の災害リスクは地震だけではありません。市は11の河川の氾濫を想定した水害ハザードマップ(豪雨時の安全避難ガイド)を作り、全戸に配布しています(2024年5月更新)。

🗺
対象河川
11河川
犀川・浅野川・伏見川・手取川・河北潟など
🏘
想定最大規模だと
長町が1階軒下まで
千年に1回以上の降雨を想定した予測
📱
アプリ版
2024年6月開始
地区別PDF・英語版も公開
🏞 「災害が少ないまち」の油断に、2008年の浅野川が答えを出している
金沢は災害が少ないと言われてきました。しかし2008年の記録的豪雨では浅野川水系で実際に浸水被害が発生。犀川は上流の洪水調節ダムでリスクが下がった一方、想定最大規模(千年に1回以上の降雨)のシミュレーションでは、武家屋敷で知られる長町地区全体が1階の軒下まで浸水し、犀川堤防付近では家屋倒壊のおそれ——観光名所こそ、川がつくった低地にあるのです。だからこそ市のマップは「浸水する前に高台へ」「遅れたら建物の上階へ垂直避難」という行動まで書いています。自分の家の色(想定浸水深)を一度も見たことがない人は、今日アプリを入れるか市サイトの地区別PDFを開くだけで、それが変わります。能登半島地震の教訓(→このカード上部の被害記録)と合わせ、金沢の防災は「地震と水の両にらみ」が基本です。

出典:金沢市河川水防課「水害ハザードマップ アプリ版、地区別PDF版」(2024年5月更新・アプリ版2024年6月開始・英語版あり)、同「よくある質問」(対象11河川=手取川・犀川・浅野川・伏見川・高橋川・安原川・森下川・金腐川・大野川・河北潟・津幡川、県の浸水想定区域図が基礎、全戸配布済み)、日本都市計画家協会「逃げ地図」金沢市長町地区の事例報告(2008年浅野川豪雨の実績・想定最大規模での長町の浸水予測・垂直避難の考え方)。ご自身の場所の想定は必ず市公式マップ本体でご確認ください。

💴 能登半島地震——金沢市が「実際に払った」決算金沢市

被災地は能登。でも隣の金沢市も、復旧と被災者支援に多額を投じました。情報公開で得た決算資料(成果説明書)から、その実額を並べます。報道されない「数字の被害」です。

道路
2,085箇所
金沢市内で、道路だけで2,085箇所が壊れました(土木施設の災害復旧は計2,167件・20.6億円)。「能登の地震」でも、金沢の足元がこれだけ傷んでいた——決算書がそれを記録しています。
災害ごみ
5.5億円
災害廃棄物の処理に5.5億円——焼却1万トン・埋立3.3万トン、被災家屋の解体162棟(能登地区からの受け入れ分を含む)。壊れた家は、そのままでは消えません。
被災者に
家電を
避難した市民への支援も決算に残ります——災害救助法の対象外の家電購入助成に2.2億円(洗濯機・冷蔵庫・テレビ・エアコンなど2,065件)、応急仮設住宅75戸、避難所受け入れ延7,045人、食事プリペイドカード1,831枚。
耐震が
倍増
地震は市民の行動も変えました。木造住宅の耐震改修が前年の23件から39件へ倍増(補助9,449万円・限度額を250万円に引き上げ)。「まさか」を「そなえ」に変えた人が、確かに増えました。
墓地も
崩れた
奥卯辰山墓地公園では崩落した墓石の引き上げ・移設に4,058万円。粟崎地区の液状化対策の実証実験にも着手。被害は、生きている人の暮らしだけではありませんでした。

出典:金沢市「令和6年度 主要施策の成果説明書」P85・P155・P226-227・災害復旧の部(情報公開請求で入手・当サイト転記)

Council

議会の動き

金沢市議会・公式サイトより
🏛 金沢市議会の構成(会派別)定数38人
⚠️ 数字が示すこと: 最大会派「自由民主党金沢市議員会」は19人で、定数38人のちょうど半分(50.0%)。議案は出席議員の過半数で決まるため、この1会派の意向が結論を大きく左右しうる構造です。残る7会派は合計19人で、考え方はさまざまです。
🎌 党派別で見ると

会派(考えの近い議員のグループ)とは別に、所属政党で数えるとこうなります(金沢市議会「議会ガイドブック令和8年度版」・令和8年4月8日現在)。

❓ 「立憲民主党って、まだあるの?」: 2026年1月、立憲民主党と公明党の衆議院議員の多くが合流し、国政新党「中道改革連合」を結成しました。ただし参議院と地方議会では、立憲民主党も公明党も政党として存続しています。上の党派別はその地方側の所属で、市議会の公式資料の記載によるものです。国政の政党名と地方議会の所属が食い違って見える——そんな過渡期にあります。
💡 知っておきたい: 議員報酬は月70万円(議長81万円)+期末手当。ほかに調査研究のための政務活動費が月16万円交付され、全ての支出に領収書が必要です。本会議・委員会は原則誰でも傍聴でき、本会議はインターネット中継もあります。

※出典:金沢市議会「議員名簿(会派等別)」「議会ガイドブック令和8年度版」(第9版・令和8年4月発行)。会派の人数は変わることがあります。評価はせず、公表された数字をそのまま並べています。

📊 議会は1年で何をしたか令和7年度

⚖️
議決した件数
163件
予算・条例など
🙋
質問に立った議員
のべ79人
1回あたり答弁込み最大40分
👀
傍聴した市民
815人
誰でも傍聴できます
💡 議案は誰が出している? 令和7年度、市長が出した議案は124件、議員が出した議案は39件(うち34件は国や県への意見書)。予算を出せるのは市長だけで、議員は予算案を提出できません(条例は4人以上で提案可能)。
⏱ 質問の持ち時間: 一般質問は答弁込みで最大40分、代表質問は30分です。限られた時間で、何を問うかが問われます。

🔎 今、議会が力を入れているテーマ特別委員会

特別委員会は、その年に特に議論したいテーマのために置かれます。

⚽ 注目: 令和7年度には「部活動地域移行特別委員会」が置かれ、部活動を地域へ移す議論が行われました。令和8年度は「学びの環境特別委員会」で、学校のプールやバリアフリーがテーマです。
Money

金沢のお金

令和8年度・6月補正後

このカードは「まちの財布」——金沢市の予算がどこから来てどこへ行くかを解剖します。「私たち市民の財布」(家計・給料・貯蓄のリアル)は、姉妹カードの金沢の家計簿でどうぞ。

⚖️ で、結局——金沢市は黒字なん?赤字なん?

先に答えを。令和6年度の決算は、一般会計が歳入2,186.2億円−歳出2,101.5億円で、実質収支50.8億円の黒字。特別会計も11.0億円の黒字でした。帳簿の上で、金沢市は赤字ではありません。

ただし、この「黒字」は儲けではなく「使い残し」です
市役所は会社と違って、儲けるための組織ではありません。税金を集めて、行政サービスに変換する装置です。だから数百ある事業のほとんどには「儲かる/損する」という概念自体がない——保育に215.8億円使って「赤字だ!」とは言わないのと同じで、支出そのものが目的なんです。損益で見るべきは競馬・ごみ発電・市場・駐車場のような「稼ぐ型」の一部だけ(→ 下の「封筒の中身」参照)。
🕳 「何に金が消えてるか」は、実は5つで説明がつく
令和6年度の実支出、上位はこうです:私立保育所215.8億円、借金返済(公債費)172.2億円、障害者自立支援給付134.5億円、生活保護79.7億円、児童手当69.0億円——この5つだけで約671億円、歳出の3割。答えは「子ども・福祉・借金返済」であって、ハコモノでもイベントでもありません。そしてこの一つひとつに、担当する職員がいて、窓口があって、受け取る市民がいる。2,091億円は「消えた」のではなく、誰かの保育・医療・介護・暮らしに変換されている——それがまちの財布の正体です。

出典:金沢市「令和6年度決算」(会計課・令和7年12月定例月議会で認定)、同・事項別明細書。

💴 予算ぜんぶを「1万円札1枚」にちぢめたら金沢

2,000億円と言われてもピンとこない。だから市の予算ぜんぶを1万円だと思ってください。その使いみちは、こうなっています(令和8年度当初予算の構成比で計算)。

👶 福祉・子育て(民生費)
4,010円
🏫 学校・教育(教育費)
1,340円
♻️ ごみ・健康(衛生費)
980円
🛣 道路・除雪・公園(土木費)
950円
🏢 市役所の運営(総務費)
950円
💳 借金の返済(公債費)
930円
🚒 消防・救急
310円
🏮 観光・商店(商工費)
220円
🌾 農業・林業・漁業
160円
🚧 災害からの復旧
50円
🏛 議会
40円
📦 その他(労働・予備費など)
60円
💡 1万円で見ると、いろいろ見えてくる: いちばん大きいのは福祉・子育ての4,010円——1万円の4割。借金の返済(930円)は消防・救急(310円)の3倍。そして議会はたった40円。「議員を減らせば財政が良くなる」という話がよくありますが、1万円のうちの40円をどれだけ削っても、大勢には影響しないことが分かります。大きなお金の行き先を見る——それが予算の読み方です。

※出典:金沢市「令和8年度当初予算概要」の款別表(骨格予算)の構成比から計算。市の公式サイトにも、「市税1万円の使いみち」(納めた市税だけを1万円に換算した版)が載っています。あわせてどうぞ。

🎁 ふるさと納税のリアル——金沢の寄附受入と控除の影響金沢
📈
金沢に入ってきた寄附
17.5億円
2024年・前年比+32.7%。2018年はわずか1,890万円——6年で約90倍に急成長
🎨
金沢の返礼品
工芸・食・マラソン出場権
若手工芸作家の作品や、なんと金沢マラソンの出場権まで。寄附の使いみちは「文化の人づくり」などに特定
金沢から出ていった税金
国の一覧には載っている
金沢市民が他の自治体に寄附した分、金沢の住民税は減る。その額(住民税控除額)は総務省「ふるさと納税に関する現況調査」の市区町村別データに毎年掲載されていますが、市が市民向けに分かりやすく示してはいません。総務省の一覧から金沢市の控除額を拾うのが次の宿題です
💡 しくみ: あなたが他の市の肉や米を返礼品でもらうと、金沢の住民税が減ります(減収の一部を国が補うしくみはありますが、全額ではありません)。逆に、他のまちの人が金沢の工芸品を選ぶと、金沢が潤う。全国の自治体が返礼品で税金の綱引きをする制度——賛否両論ある制度ですが、まず構造を知ること。そのうえで使うかどうかは、あなたの自由です。ちなみに金沢市民が金沢市に寄附しても、返礼品はもらえません(制度上、住民は対象外)。

※出典:総務省「ふるさと納税に関する現況調査」(2025年7月公表・受入額)、金沢市公式サイト(返礼品・使いみち)、ふるさと納税ポータル各社の金沢市ページ。

🩺 金沢の家計、健全なん?——国の「健康診断」の結果金沢

まず前提から——金沢市には借金(市債)があります。残高は約2,078億円(中期財政計画・令和7年度版)、市民ひとり当たり約46万円。年収400万円の家庭にたとえると、約398万円のローンを抱えている計算です。この金額だけ聞くと不安になりますが、大事なのは収入に対して重いかどうか。国は全自治体に共通の「健康診断」(健全化判断比率)を義務づけていて、金沢の結果も公表されています。

💳
借金返済の重さ(実質公債費比率)
3.4%
収入に対する毎年の借金返済の割合。国の「危険ライン」は25%、市債発行に許可が要るラインは18%——金沢は大きく下回る(令和6年度決算・前年4.0%から改善)
⚖️
将来の負担の総量(将来負担比率)
20.7%
これから払っていく負債の総量の指標。国の危険ラインは350%——こちらも大きく下回る(令和6年度決算・前年20.2%)
📗
決算
黒字を堅持
市債の発行を抑え、繰上償還(借金の前倒し返済)も実施していると市の資料に記載
💡 読み方の注意、2つ: ①この診断は「危険ではない」ことを示すもので、「お金が余っている」という意味ではありません。②市自身が同じ資料の中で「物価高騰や能登半島地震からの復旧・復興など…財政運営は一層困難な状況にある」と書いています(原文ママ)。数値は健全、見通しは慎重——両方を知っているのが正しい状態です。ハコモノの老朽化(→公文書ツアー)もこれから効いてくる要素。
⚠️ 素の試算では、5年後まで毎年赤字——「最大74億円不足」の告白
「指標は優等生」でも、中期財政計画の試算では、こう示されています:物価・賃金上昇と社会保障費・公共施設再整備をそのまま積むと、収支不足は最大74億円程度になると予想と市自身が明記。そこから公共事業10%削減・一般行政経費3%削減・基金の取崩しなどの対策を講じて、不足を最大8億円まで圧縮するのが計画の中身です。つまり「何もしなければ赤字、毎年の工夫で黒字を守る」綱渡りが公式文書に書いてある。残高は令和11年度に1,855億円へ逓減させる青写真で、中核市平均(市債残高1,303億円)の約1.6倍という重量級の家計を、計画的にこなしている最中です(→ハコモノ)。

※出典:金沢市財政課「健全化判断比率及び資金不足比率(令和6年度決算)」、金沢市「中期財政計画(令和7年度版)」。「財政状況資料集」(総務省の全国共通フォーマット・市公式サイトで公開)を使えば、他の自治体と同じ形式で比べることもできます。

⏰ 金沢市の「1日あたり」に直すと金沢

年間の数字はデカすぎてピンとこない。ぜんぶ365で割ってみました(単純計算)。

約5.7億円金沢市が1日に使うお金(令和8年度・一般会計実質当初予算約2,091億円÷365日)。1時間あたり約2,390万円。あなたが寝ている間にも動いている
約4,300万円1日分の職員の人件費(年約158億円〈普通会計〉÷365日)。普通会計(市の本体の仕事の常勤職員)1,655人で数えると職員1人が市民約272人を支える計算(1年契約の非常勤職員なども含めた全職員3,269人なら139人に1人)
約480万円1日に金沢へ届くふるさと納税(2024年・年17.5億円÷365日)
約225万円1日分の宿泊税(令和7年度予算・年約8.2億円÷365日)。観光客が今夜も払っている「金沢の会費」
約20万円1日分の政務活動費(議員38人×月16万円を365日で割った額)

※すべて本サイト内の出典つき年間数値を365日で割った単純計算です。

金沢市が1年で使うお金

市民みんなの税金などでまかなわれています。

約2,091 億円

これは市民ひとり当たり、およそ 46万円 ぶん。人口約45.4万人(454,025人・令和7年9月1日)で割った金額です。

※一般会計・令和8年度の実質当初予算(骨格2,078億+6月肉付け13.1億=2,091億円、前年当初比2.1%増)。特別・企業会計を含む全会計は3,753億円。出典:金沢市「予算概要」「6月定例月議会説明資料」。

民生費(福祉・子育て・高齢者)約40%
教育費(学校・給食)約13%
土木費(道路・公園)約10%
公債費(借金の返済)約9%
📈 予算は、年度のとちゅうで動いていく

市の予算は、4月に決まって終わりではありません。市民の多くが知らないうちに、議会で補正され、増減していきます。下は令和8年度(2026年度)の実際の動きです。

3月
当初予算(骨格)
2,078億円
人件費や福祉など、どうしても必要な経費だけを先に決める
6月
補正予算(肉付け)
+46億100万円
あとから政策的な事業を追加。さらに追加提案で+1億4,821万円
いま
現計予算
2,124億円
骨格2,078億+6月補正46億。前年同期比2.9%増
💡 「骨格予算」って何? 市長選挙などがある年は、新しい市長の方針を尊重するため、3月には最低限必要な経費だけを組みます。これを骨格予算といいます。そのあと6月に政策的な事業を加えることを「肉付け」と呼びます。
⚠️ 数字が2つあるのはなぜ? 市の資料には2,091億円2,124億円の両方が載っています。前者は「実質当初予算」=骨格2,078億+肉付け分13.1億で、前年の当初予算と比べるための数字(実質2.1%増)。後者は「現計予算」=補正すべてを足した、今この瞬間の予算総額です。同じ「予算」でも、目的で数字が変わります。
6月補正で、何に使うことになったか
🔥 さらに追加された提案: 議会の途中で、さらに1億4,821万円が追加で提案されました。中身はエネルギー価格高騰への対策。中小企業の電気料金助成(2,210万円)、生活保護世帯などへの光熱費助成(1世帯6,000円・4,720万円)、福祉施設の光熱費助成(1億320万円)など。財源は国の物価高騰対応交付金です。
👀 ここを見てほしい: 予算は年4回の定例月議会(6・9・12・3月)で補正されます。市議会の本会議は誰でも傍聴でき、インターネット中継もあります。補正予算の資料は市のホームページで公開されています。

※出典:金沢市「令和8年度(2026年度)市議会6月定例月議会説明資料」および同(その2)。

金沢市に1年で入ってくるお金:約2,091億円(令和8年度・実質当初予算)

いちばん大きいのは、みんなが納める市税(全体の約44%)。のこりは国や県からのお金や、借金(市債)です。

💡 ここがポイント: 自分たちで集めるお金(市税など)は約52%。のこり半分近くは国・県からのお金や借金にたよっています。市税のうち個人市民税は322億円、固定資産税は342億円です。
🏙 固定資産税に上乗せされる「もう1つの税」——都市計画税金沢

固定資産税の納税通知書をよく見ると、「都市計画税」という欄があります。使いみちがあらかじめ決まっている税金(目的税)で、対象になる人とならない人がいます。

仕組み土地・家屋の課税標準額に、固定資産税1.4%とは別に都市計画税0.3%が上乗せされます。0.3%は地方税法が定める上限(制限税率)いっぱいの水準。そもそも課税するかどうか・税率をいくらにするかは、法律ではなく市の条例で決まっています。
誰が払う?原則として市街化区域内に土地・家屋を持つ人だけ。市街化調整区域など区域の外の人は対象外です。また住宅用地の課税標準の特例率が固定資産税と異なるため、同じ土地でも都市計画税のほうが課税標準額は高めに計算されます(固定資産税が免税点未満なら都市計画税もかかりません)。
69.1億円金沢市の都市計画税は年間約69.1億円(令和6年度決算・収入済額)。市税収入全体(約858.8億円・同決算)の約8%にあたります。
使いみち使途は下水道整備・街路(道路)・公園など「都市計画事業」に限定。市の説明では、令和8年度当初予算の都市計画事業の約17%をこの税で賄っています。
💡 ここがポイント: 同じ金沢市民でも、土地・家屋を持つ場所が市街化区域の内か外かで、払う・払わないが分かれる税金です。まちの下水道・道路・公園の整備費を、市街化区域の資産保有者が追加で負担する——そういう設計になっています。

出典:金沢市資産税課「都市計画税について」「税額算定のあらまし」(市公式サイト・令和8年度時点)、金沢市「令和6年度一般会計歳入歳出決算事項別明細書」(都市計画税収入済額6,905,427,241円・市税収入済額85,876,201,670円=比率8.0%を当サイトで検算)、総務省「都市計画税」(制度解説)。

🧮 市の公式ハンドブックで「答え合わせ」——市税のしくみ

金沢市は毎年「市税のしおり」という冊子を出しています。そこには、このサイトの手取りシミュレーターの元になる、税率や計算のルールが全部載っています。市の公式版と突き合わせてみました。

住民税の計算式個人の市・県民税は「均等割4,500円(市3,000+県1,500)+所得割10%(市6%+県4%)」。これに国税の森林環境税1,000円が上乗せされます。均等割は所得に関係なく定額、所得割は所得に応じて増える——この2階建てが住民税の骨組みです。
公式の計算例しおりのモデルケース=年収600万円・夫婦子2人(19歳と17歳)で、市民税105,900円+県民税70,100円+森林環境税1,000円=合計177,000円。当サイトのシミュレーターも、同じ条件ならこの水準になります(控除の細部で数千円は前後します)。
「103万の壁」は税で違うよく聞く「103万円の壁」は所得税の話。市民税は97万円、森林環境税は96.5万円から配偶者にかかり始めます(配偶者控除が受けられる相手のパート収入の上限は103万円以下・特別控除は201万円未満)。「壁」は税ごとに位置が違うのが実際です。
固定資産税の中身税率1.4%。ただし住んでいる家の土地は、200㎡まで評価額の6分の1に軽くされます(住宅用地特例)。新築住宅は一定期間、家屋の税額が2分の1に減額。だから「評価額×1.4%」そのままではなく、実際はかなり抑えられています。免税点は土地30万円・家屋20万円未満。
都市計画税は軽い特例上乗せされる都市計画税(0.3%)にも住宅用地特例があり、200㎡まで評価額の3分の1(固定資産税の6分の1より軽さは控えめ)。市街化区域内の土地・家屋だけにかかり、街路・下水道・公園の整備に使われる目的税です。

出典:金沢市「令和7年度 市税のしおり」第1章・第2章(総務局納税課)。税率・計算例・住宅用地特例・配偶者控除の壁はいずれも同書より。手取りシミュレーターの前提と一致することを確認しています。

何に使っているか(目的別)

各項目をタップすると、その中身がわかります。

⚠️ 気づいてほしいこと: いちばん大きい民生費(834億円・40%)の多くは高齢者の介護・医療と障害者支援、子育て支援です。高齢化が進むほど、この費用は毎年増え続けます。

🗺 予算の「面積地図」で見る

お金の大きさを面積で表しました。福祉の大きさが一目でわかります。

※実質当初予算2,091億円ベース。8つの費目は予算概要の款別表(骨格予算2,078億円)の額、「その他」は実質総額との差し引き78億円(議会費9億・農林水産業費33億・災害復旧費10億・肉付け補正13.1億円などを含む)。出典:金沢市「令和8年度当初予算概要」

お金の“質”で見る(性質別)

同じお金でも、「絶対必要な固定費」と「選べるお金」があります。

⚠️ 箱物(はこもの)チェック: 建物や道路をつくる普通建設事業費(=いわゆる箱物)は、令和5年192億→令和8年実質310億円と、3年で約1.6倍にふえています。つくった建物は、あとで維持費や建て替え費用もかかります。
💡 借金(市債): 金沢市の市債残高は約2,078億円(中期財政計画・令和7年度版)。市民ひとり当たり約46万円で、毎年の返済(公債費)は194億円=予算の約9%です。指標(実質公債費比率3.4%)・中核市比較・中期財政計画の見通しは、上の「🩺 金沢の家計、健全なん?」にまとめています。
🏢 金沢市が持っている「箱物」の実態

市が所有する建物は914施設、延床面積約173万㎡。市民1人あたり3.26㎡(中核市平均3.30㎡とほぼ同じ)。

⚠️ 老朽化という時限爆弾: 大規模改修が必要とされる築30年超の建物が全体の約67%。このまま更新しなければ、10年後(2033年度末)には約83%に達します。
いま(2023年度末起算)
67%
10年後(2033年度末)
83%
第二次ベビーブームに小中学校を一斉に建てたツケが、いっぺんに来ます。
💸 これからかかるお金: 市の試算では、改修・更新費用の総額は8,820億円年平均147億円(2023〜2082年)。ところが過去の実績(2012〜14年度平均)は年88億円。つまりこれまでの約1.7倍のお金が、これから毎年必要になります。さらに維持管理費が別に年18.5億円。
📉 しかも収入は減る: 金沢の人口は2020年の46.6万人がピークで、以後減少。税を納める生産年齢人口は2060年までに約19%減る見通し。入るお金が減るのに、建物の修理代は増える——これが箱物問題の正体です。
💡 市がやろうとしている対策: ①長寿命化(壊れる前に直して長く使う)、②統合・複合化(施設をまとめる)、③用途変更(廃校を別の施設に転用)、④売却や民間活力の導入。新しく建てるときは、60年後の建替え費用まで考える必要があります。

※出典:金沢市「公共施設等総合管理計画」(令和5年9月改訂)。施設の現況は2022年3月末時点。

🔎 予算書、ここだけ読めばいい金沢・令和8年度

分厚い予算書は、市民が見たら2秒で閉じます。でも前の年と大きく変わった項目だけ見れば、市がその年「何に力を入れたか・何をやめたか」が分かります。一次資料から、令和8年度で特に動いた5つを抜き出しました。

+22.9億総務費が+13.2%(174→197億)。主因は日本銀行金沢支店跡地の先行利活用整備費(約6.2億)と金沢美大の柳宗理デザインミュージアム整備費。金額が動いた項目は、まちの動きと直結している。
+13.5億「貸付金」が6,500万円→14.2億円、約22倍(+2,077%)。予算書で最も派手に伸びた数字(原文は「65百万円」——予算書は百万円単位で書かれています)。中身は石川県観光連盟のファンドへの貸付け延長。将来戻る想定のお金だが、桁違いに伸びた項目は理由を知る価値がある。
+16.6億公債費(借金返済)が+9.4%。うち満期一括償還が0→13.3億で皆増。過去の市債の返済期限がまとまって来たもの。返済が増える年は他に使えるお金が圧迫されるが、実質公債費比率3.4%(令和6年度決算)で金沢は計画的にこなせている。
-17.2億民生費(福祉)が-2.0%。最大費目が減るのは珍しい。理由は森本いろは保育所の建設完了定額減税不足額給付金の終了。減った理由が「完成」と「制度終了」なら健全な減。なぜ減ったかまで見ると意味が変わる。
-7.9億災害復旧費が-45.3%。能登地震の土木災害復旧が一段落。ただし6月補正では液状化対策・盛土造成地の滑動崩落防止が積まれ、復興は「復旧」から「再整備」の段階へ移りつつある。
💡 予算書から読み取るべき一番大事なこと: 金沢の歳出は義務的経費(人件費・扶助費・借金返済)が51.1%。これは最初から使い道が決まっていて市が自由に動かせないお金。逆に道路や建物をつくる投資的経費は12.0%だけ。市長や議会が「政策」で裁量を出せる余地は予算全体のごく一部。「あれもこれも」が簡単に実現しない構造的な理由が、この比率にあります。
⚖️ 確認できたこと: この予算書に不正な支出は見当たりません(適正な手続きを経た公開資料です)。ただ「適正」と「最善」は別の話。22.9億の総務費増は、日銀跡地整備を最優先とする判断の表れ——その優先順位に賛成か反対かは市民が決めること。予算書とは市の「価値観」が金額で書かれた文書です。

※出典:金沢市「予算概要 令和8年度当初予算・令和7年度補正予算」「令和8年度6月定例月議会説明資料」(市公式サイトで全文公開の一次資料)。各費目の増減額・理由は原資料の記載に基づきます。

金沢市の年代べつ人口

人口約45.4万人(454,025人・令和7年9月1日現在)を、3つの年代にわけて見てみます。

⚠️ ここが金沢の“いま”: 働く世代(15〜64歳)が納める税金で、子ども・高齢者の暮らしを支えるのが市の基本です。でも金沢は高齢化率約27%(4人に1人が65歳以上)。支える世代が減り、支えられる世代が増えていく——これが予算を圧迫する一番の課題です。
💉 医療費は、年代でこんなに違う

国の統計(令和4〔2022〕年度・1人あたり国民医療費・全国)で見ると、年代で大きく変わります。

⚠️ 4倍の差: 65歳以上の1人あたり医療費(年約78万円)は、子ども(約9万円)の約8〜9倍、現役世代の約4倍です。
🔬 その医療費、何に使われてる?

医療費を中身べつに見ると、「その他」でごまかさず、何にお金がかかっているかが見えます。

💊 “薬代”という細部: 医療費のうち薬局でのお薬代(調剤)が約17%。飲み残し・重複投薬などのムダも指摘され、ジェネリック薬の活用などで減らせる余地があるとされます。
💉 人工透析という細部: 腎臓が働かなくなる「人工透析」は1人年約400〜500万円。全国の患者約32万人で年約1.3兆円。最も多い原因は糖尿病(生活習慣病)です。
💡 だから「健康寿命」がカギ
平均寿命との差: 元気に暮らせる「健康寿命」と平均寿命の差は、男性で約8.5年、女性で約11.6年(2022年・全国)。この期間に医療費・介護費が集中します。石川県の男性の健康寿命は全国2位(73.60歳)で、のばす力のあるまちです。
🏃 ひとつの視点: 糖尿病や循環器(心臓・血管)の病気は、食事と運動で予防できる部分が大きい。運動する人が増えることは、透析や心臓病を減らし、結果として医療費をおさえる道すじにつながりえます。

※出典:厚生労働省「令和4(2022)年度 国民医療費の概況」「健康寿命の令和4年値」。金額は全国平均で、金沢市の実額とは異なる場合があります。

📊 年収の「平均」と「中央値」は違う

ニュースでよく聞く「平均年収」は、一部の高収入の人が引き上げるため、実感より高く出ます。「まんなかの人」=中央値で見るのが実態に近いです。

平均年収
478万円
高い人に引っぱられた数字
中央値(まんなか)
約351万円
より実感に近い数字
年収べつ、何割の人がいる?(全国・給与所得者)

実際の分布は低いほうに大きく偏っています。

👫 男女で「最多」はまったく違う: 全体では300万円超〜400万円が最多(16.1%)。でも男女別では男性は400〜500万円が最多(16.9%)女性は200〜300万円が最多(19.0%)。平均給与も男性587万円/女性333万円。「平均」も「最多」も、誰を見るかで変わります。
👤 正社員とそれ以外: 平均給与は正社員545万円、正社員以外(パート・契約など)は206万円。その差は約2.6倍です。
⚠️ 平均以下が過半数: 働く人のうち年収400万円未満が約半分。いちばん人数が多いのは300万〜400万円の層です。「平均478万」だけ見ると多くの人の実感とズレます。政策を考えるときは、この「偏り」を見ることが大切です。

※出典:国税庁「民間給与実態統計調査」(令和6年分)、中央値は各種統計による推計。全国の数字で、金沢市のみの分布とは異なる場合があります。金沢市の所得階級別実数は総務省「市町村税課税状況等の調」で公開されています。

👛 まちの財布は、実は3つある——特別会計のはなし

このカードで見てきた予算(一般会計・約2,091億円)は、実はまちの財布の1つ目にすぎません。金沢市にはほかに、特別会計(令和6年度は9会計・歳出合計約960億円)と、水道・下水道・病院などの企業会計があります。

👛 財布②「特別会計」=目的別の封筒
保険料など専用の収入がある事業は、税金と混ざらないよう法律で財布を分けます。中身の大半は3つの保険——国民健康保険・介護保険・後期高齢者医療。ほかに中央卸売市場、駐車場、市街地再開発、市営競馬など小さな封筒もあります。ちなみに金沢競馬の益金2,228万円が、この封筒経由で市に入っています(令和6年度)。
💸 税金から保険への「仕送り」は年102.7億円
保険は保険料だけでは足りず、一般会計=税金から毎年繰出金という仕送りが出ています。令和6年度は介護保険へ58.5億円、国民健康保険へ27.7億円、後期高齢者医療へ16.5億円——合計約102.7億円。保険料を1円も払っていない子どもの税金も、おじいちゃんおばあちゃんの医療と介護を支えている。特別会計の正体は、この「支え合いの配管」です(→ 金沢の介護医療費のしくみ)。
🚰 財布③「企業会計」=料金で回す事業
水道・下水道・病院は、水道代や診療報酬という自分の稼ぎで回す会社型の財布。ただし完全独立ではなく、令和6年度は税金から下水道へ負担金50億円(雨水の処理は税金で、汚水は料金で、という役割分担のため)、病院へ計7.8億円などが出ています(→ 金沢の水道)。
🐎 封筒の中身をのぞくと——競馬・国保・介護のリアル
決算書(令和6年度)で封筒の中身も見えます。金沢競馬(市営地方競馬)は事業収入48.6億円・1.4億円の黒字で、益金2,228万円を市に納めるれっきとした「稼ぐ事業」。一方、国民健康保険の歳入411.6億円のうち保険料は19%だけ(最大財源は県支出金291.8億円)で、保険料の取りっぱぐれ(不納欠損3.76億円)は市税の3.7倍。介護保険も保険料が賄うのは歳入419.9億円の22%で、残りは国・県・市の税金と、全国の現役世代が納める支払基金交付金109.3億円——「保険料で回ってる」は2割だけ正しい、というのが実像です。そして中央卸売市場——市場を通る食のお金は年776.6億円と巨大ですが、市場会計の本業は営業損失3.12億円。一般会計からの補助2.69億円などで埋めて、純利益3,037万円の「税金込みの黒字」です。施設の減価償却率は85.44%——昭和41年開場の建物をほぼ使い切った状態で、再整備が議論される理由がこの数字に表れています。そして最後の封筒・公設花き地方卸売市場(昭和62年開設)——売場使用料など収入2,199万円に対し市場管理費4,073万円で営業損失1,875万円。市の補助1,653万円などで埋めて、最終は純損失161万円でした。建物の減価償却は約87%済み——中央卸売市場と同じ「使い切った施設」の構図が、花の市場にもありました。
🔍 何が論点?
①高齢化が進むほど、保険への仕送り102.7億円は増える一方で、一般会計(=道路や学校に使えるお金)を静かに圧迫します。②財布が分かれているとお金の流れが見えにくい——だからこそ市の包括外部監査も、特別会計の財務事務をテーマに取り上げています。財布は3つ。全部あわせて見て、はじめて「まちの家計」の全体像です。

出典:金沢市「令和6年度決算」(一般会計・特別会計、令和7年12月定例月議会で認定)、同・事項別明細書の繰出金・負担金・繰入金各項、金沢市中央卸売市場事業特別会計決算書・金沢市公設花き地方卸売市場事業特別会計決算書(いずれも令和6年度)。

🧾 決算書を掘ってみた——まちの財布の「へぇ」
💸 借金の「利子」だけで年10億超
借金の返済(公債費)は年172.2億円。うち元金以外に、地方債の利子が8.4億円、年度内の資金繰りのための一時借入金の利子が1.66億円。合わせて利子だけで10億円超が毎年消えています。金利が上がる時代、ここはこれから確実に膨らむ数字です。
🔍 「予算が大きい年」のカラクリ
令和6年度は定額減税の調整給付金29.2億円、住民税非課税世帯等への給付金約24.3億円など、国の政策のお金が市の会計を通過しただけの事業が数十億円規模でありました。市の予算・決算が大きく見える年は、これが膨らんでいるだけのことがあります。「予算増=市が贅沢してる」ではない——これを見抜けるのは、ここを知ってる市民だけです。
💨 「取りっぱぐれ」の実額
市税のうち、回収を諦めて帳簿から消した不納欠損が年1億12万円。滞納中の収入未済は13.1億円。滞納繰越分の回収は、個人市民税だと8.2億円の請求に対して回収3.6億円と半分以下です。「払わず逃げ切れる」わけではないけれど、簡単に取り切れるものでもない——徴収の現実が数字に出ています。
🎁 国からの仕送りが、予算より54億円増えた
地方交付税は当初予算129億円で組んだのに、決算は182.7億円。年度の途中で+54億円ブレました。国からの仕送りは事前に読めない——市の予算は、最初から不確実性込みで組まれています。

出典:金沢市「令和6年度一般会計歳入歳出決算事項別明細書」(令和7年12月定例月議会で認定)

⏰ 市税を滞納すると、どうなる?——延滞金と差押えの話

サイトのあちこちに「滞納」の数字(不納欠損1億円・収入未済13.1億円など)が出てきます。では、実際に市税を滞納すると、市民の身には何が起きるのか。市の公式資料で、その流れを追いました。

まず延滞金納期限の翌日から、延滞金が発生します。金沢市の率は納期限の翌日から1か月までは年2.4%、それを過ぎると年8.7%(令和7年中・毎年見直し)。放置するほど雪だるま式に増える設計です。
督促・催告納期限を過ぎると、督促状や催告書が届きます。この段階で相談すれば、分割納付などの道があります。市は「病気や失業で納められないときは、そのままにせず早めに電話か窓口へ」と案内しています(納税課 220-2171)。
夜間・休日の窓口平日に来られない人のために、毎年8月と2月は夜間・休日の特別納付相談窓口を開設(夜間は午後5時45分〜8時、休日は午前9時〜午後5時30分・市役所第一本庁舎2階納税課)。「知らないと使えない」制度の一つです。
最後は差押え督促・催告を受けても納付されない場合、給与照会・財産調査を経て、差押え(滞納処分)が行われます。対象は預金・給与などの債権、不動産、動産(自動車・貴金属・美術品など)。差し押さえた財産はインターネット公売にかけられることもあります。
重い一言市税の差押えは、法律の規定により、事前に本人の了解を得ることなく行うことができます(国税徴収法などにもとづく)。「納期限までに納めた人との公平を保つため」というのが市の説明です。
救済もある災害・盗難・病気・事業の休廃止などで納付が難しいときは、申請により原則1年以内の「納税の猶予」を受けられ、猶予期間中の延滞金の全部または一部が免除されます。生活保護を受ける方などは減免の対象になることもあります。「払えない」と「払わない」は別物、という設計です。

出典:金沢市「令和7年度 市税のしおり」第3章(市税の納付など)P29・P31。延滞金率・相談窓口・猶予の要件はいずれも同書より。

📒 市の帳簿は「お小遣い帳」——単式簿記と複式簿記のはなし制度の話
🔎 で、金沢の帳簿を実際に読んでみた——貸借対照表の実数令和6年度決算

実は、役所の一般会計の帳簿は明治以来ずっと「現金主義・単式簿記」——今日いくら入り、いくら出たかを記録するお小遣い帳の形式です。会社が使う「発生主義・複式簿記」(お金の動きと同時に、資産と借金がどう変わったかを両面で記録する方式)とは別物。ここには、市民が知っておく価値のある論点があります。

お小遣い帳
で見えない
3つのもの
資産の劣化——建てたハコモノや水道管が毎年古びて価値が減っていること(減価償却)は、現金が動かないため帳簿に現れません。②将来の負担——退職金の積み残しなど。③事業ごとの本当のコスト。「使いすぎたか」は分かっても、「まちの財産が痩せてきていないか」が見えない——これが単式簿記の弱点です。2007年の夕張市の財政破綻で、この「見えなさ」が全国的な教訓になりました。
論争は
もう決着
している
では複式に替えればいいのか——実は答えは「併用」で決着しています。予算の統制(議会が認めたとおりに現金を使ったかの監視)には現金主義が明快で、経営判断(老朽化・世代間負担)には発生主義が必要。東京都は2006年度に全国で初めて日々の取引を複式で記帳する方式を導入し、国も2015年度から統一的基準を定めて、全国のほぼすべての自治体が貸借対照表などの財務書類(発生主義)を毎年作ることになりました。企業会計の水道・下水道・市場・病院は、法律でもともと複式です。
本当の
問い
つまり金沢を含む全国の市は、いまや複式の帳簿を「作ってはいる」。本当の問いはここからです——その財務書類、誰が読んでいるのか。議会の決算審査はいまも現金主義の決算書が中心で、貸借対照表が政策議論にどれだけ使われているかは別の話。施設別に「減価償却込みで年いくらか」まで使い倒せば、ハコモノや水道の議論は一段深くなります。作ったのに、使われていない——このサイトで何度も見てきた構図が、まちの帳簿にもあるかもしれません。金沢市の決算資料は市の財政のページで公開されています。読む人がいて、はじめて帳簿は仕事をします。

当サイトが金沢市の「一般会計等財務書類4表」(令和7年3月31日現在・市財政課が公表)を実際に開いて読んだ数字です。おそらく、ほとんどの市民が見たことのないまちの「財産目録」。

🏛
まちの資産
約8,010億円
市民1人あたり約176万円(土地・建物・道路・基金など)
💳
まちの負債
約2,335億円
市民1人あたり約51万円(大半は地方債=借金)
資産の老朽化
66.1%
償却対象資産の3分の2が既に「使用済み」
道路や橋は
73%済み
減価償却の進み具合(=資産の使用済み度)を種類別に見ると、道路・橋・水路などのインフラ工作物が73.1%、市の施設の建物が61.8%。この帳簿は「まちの体の何割が寿命を消化したか」を数字で教えてくれます。ハコモノ68施設や水道の議論の土台は、まさにこの表にあります。
年177億円
静かに減る
行政コスト計算書によれば、金沢の資産は減価償却費として年177.4億円ずつ価値が減っています。現金は1円も動かないので、お小遣い帳(現金主義の決算書)にはこの177億円は登場しません——複式の帳簿を開いて、はじめて見える数字です。これに対し令和6年度に施設整備へ投じた支出は約158億円。単純比較はできませんが、「減るペース」と「直すペース」を並べて考える材料になります。

出典:金沢市「一般会計等財務書類4表」(令和6年度決算・令和7年3月31日現在・財政課公表PDF)。資産合計800,976,975千円・負債合計233,546,549千円・純資産567,430,426千円(貸借一致を検算済み)。減価償却率66.1%は償却対象の有形固定資産(事業用・インフラの建物/工作物・物品、取得価額計8,447億円)に対する償却累計(5,580億円)の割合として当サイトが算出。減価償却費17,737,846千円、公共施設等整備費支出15,755,784千円(資金収支計算書)。1人あたりは人口454,025人(令和7年9月1日)で除した概算。

出典:総務省「統一的な基準による地方公会計の整備促進」(平成27年度〜・全自治体に財務書類の作成を要請)、東京都会計管理局(新公会計制度・平成18年度導入)、地方公営企業法(企業会計の複式簿記)。制度の一般的な解説であり、特定の立場の主張ではありません。

📅 予算書に出てこない「将来の支払い約束」——債務負担行為令和8年度

予算に載るのは原則「その年度に使うお金」だけ。でも市は、翌年度以降に払うお金を、今年のうちに約束できます。それが債務負担行為——予算書の「第3表」にひっそり並ぶ、もう1つの約束のリストです。

仕組み地方自治法にもとづき、予算の一部として議会の議決を受けたうえで、「翌年度以降、期間と限度額を決めてここまで払う」と約束する制度。予算の単年度主義の、法律が認めた例外です。
金沢の実例令和8年度の一般会計予算「第3表」には、金額の定めがある事業だけで21件が並びます。最大は金沢21世紀美術館の魅力向上整備 58億700万円。ほかに小学校の長寿命化27億8,200万円、市営住宅の建替12億7,400万円、高機能消防指令システムの整備12億6,800万円、金沢健康プラザ大手町の再整備5億3,300万円、額公民館の建設2億7,530万円、斎場の長寿命化1億8,000万円、企業立地助成金1億円など——21件の合計は132億5,630万円(当サイトで合算)。このほか体育施設などの指定管理料(令和9〜12年度・金額は協定で決定)も、債務負担行為として議決されています。
特別会計にも将来の約束は一般会計だけではありません。水道(浄水・配水施設の改良 計1億7,370万円)、工業用水道(1,320万円)、中央卸売市場(市場再整備3億4,580万円)、下水道(水質管理施設の整備22億8,218万円・令和9〜10年度)——特別会計の債務負担も合わせると、全会計で約160億7,100万円になります(当サイトで合算)。
なぜ必要?建設工事は年度をまたぎ、業者との契約は複数年でないと結べないから。公共施設の照明を一斉LED化するPFI事業のように、維持管理期間が令和8〜17年度の10年間に及ぶ契約もあります。指定管理者との複数年契約も同じ発想です。
チェックの窓この「将来の約束」は、市の借金の重さを測る将来負担比率(金沢市は20.7%・令和6年度決算)の計算に、翌年度以降の支出予定額として算入されます。約束が積み上がれば、この指標に表れる仕組みです。
⚠️ 気づいてほしいこと: 「令和8年度当初予算2,078億円(骨格)」という見出しの数字に、こうした来年以降の約束は含まれていません。予算の本表だけでなく、「第3表 債務負担行為」まで見て、はじめて市の約束の全体像に近づけます。

出典:金沢市「令和8年度当初 議案書」議案第58号・一般会計予算「第3表 債務負担行為」(金額の定めがある21件と指定管理料を転記。21件の合算132億5,630万円は当サイトの計算)、同議案第67号・第68号・第70号・第71号(水道・工業用水道・中央卸売市場・下水道の各特別会計予算の債務負担行為。全会計の合算160億7,118万円は当サイトの計算)、金沢市「令和8年度予算概要」。地方自治法第214条・第215条(債務負担行為は予算の内容の一部)、地方公共団体の財政の健全化に関する法律(将来負担比率の算定)。将来負担比率20.7%は市公表の令和6年度決算・健全化判断比率。

🏢 市役所の「分身」たち——外郭団体と、3段階の貸借対照表令和6年度決算

上で読んだ資産8,010億円は「市役所本体(一般会計等)」の数字。金沢市の財務書類には範囲を広げた全体版連結版があり、市が設立した財団・会社まで含めた姿は、連結版で初めて見えます。

①本体一般会計等:資産8,010億円・負債2,335億円。市役所本体の貸借対照表(上の実数)。
②全体全体財務書類:資産1兆1,325億円・負債4,641億円。本体に水道・下水道・市立病院・中央卸売市場などの特別会計・企業会計を足した姿。水道管や病院の建物が加わり、資産は本体の約1.4倍にふくらみます。
③連結連結財務書類:資産1兆1,467億円・負債4,704億円。全体版に関連団体を足した、いちばん大きな輪。全体版との差し引きで、団体ぶんの上乗せは資産+約141億円・負債+約63億円と読み取れます。
分身とは市が出資・設立して市の仕事の一部を担う財団や会社は外郭団体と呼ばれます。令和8年度の市予算にも、(公財)金沢健康福祉財団(財団関連費 約10.1億円・訪問看護など)、金沢芸術創造財団(約1.5億円・市民芸術村など文化施設の運営)、金沢市スポーツ事業団(約1.4億円)、金沢文化振興財団(約1.3億円・記念館などの管理)、金沢子ども科学財団(補助 約3,900万円)、(株)金沢商業活性化センター=TMO(事業費1,900万円)といった名前が並びます。
分身の中身、1つ開いてみた分身の財政は見えない——わけでもありません。各団体の経営状況は毎年、議会に報告されます。(公財)金沢健康福祉財団の報告3年分(当サイトが開示請求の過程で入手)を読むと:事業費+管理費は年約8.9〜9.5億円(令和6年度 約9.1億円)、公民館などの運動教室等の参加者は10,498人→16,257人と3年で5割増、毎夜の急病診療は5,566人→8,847人と59%増。地域包括支援センターの運営や訪問介護も、この財団が受託しています。「分身」は名前だけの存在ではなく、暮らしの現場をかなり広く支えています。
分身の値札——監査が並べた指定管理料市の監査委員は毎年数団体ずつ「財政援助団体等監査」で分身の帳簿を検査します。令和7年度の対象4団体の令和6年度の値札は:金沢芸術創造財団=指定管理委託料10億4,650万円(金沢21世紀美術館・市民芸術村・卯辰山工芸工房など7施設)+運営補助1億8,012万円/金沢歌劇座・文化ホール・アートホールの共同事業体=2億378万円/金沢健康福祉財団=1億7,996万円(健康プラザ大手町・老人福祉センター4施設など)+運営補助2,691万円/金沢スタジアム共同事業体=8,999万円。結果は4団体とも「適正」——ただし2団体には「改善を必要とする事項を指示したので、記述を省略した」と付記され、指示の中身は公表されていません(→監査の公表の線引きは公文書ツアー)。
💡 ここがポイント: 文化施設の管理も、訪問看護も、スポーツ施設の運営も——市役所の仕事の一部は、こうした「分身」が担っています。ところが一般会計の決算書だけを見ても、分身たちの財政は出てきません。市全体をひとつの主体として合算した数字を載せているのは、財政課が公表する連結財務書類です。

出典:金沢市財政課「全体財務書類4表」「連結財務書類4表」(いずれも令和6年度決算・令和7年3月31日現在)。全体=資産1,132,534,912千円・負債464,095,879千円・純資産668,439,033千円、連結=資産1,146,677,445千円・負債470,438,053千円・純資産676,239,392千円(各表とも資産=負債+純資産の貸借一致を当サイトで検算)。団体名と予算額は金沢市「令和8年度予算概要」から転記。健康福祉財団の実数は(公財)金沢健康福祉財団「法人の経営状況の報告」(議会報告・令和4〜6年度決算。事業費+管理費945,840→889,956→913,589千円・教室等参加者10,498→16,257人・急病診療5,566→8,847人は当サイトで検算)。指定管理料・運営補助と監査結果は金沢市監査委員「財政援助団体等監査結果報告」(金沢市監査公表第20号・令和7年12月11日。芸術創造財団=指定管理1,046,504千円・運営事業補助180,116千円・市出資100%、芸術文化ホール共同事業体203,779千円、健康福祉財団=指定管理179,960千円・運営補助26,910千円・市出資70%、金沢スタジアム共同事業体89,989千円、4団体「適正」と2団体への「記述を省略した」の付記はすべて同報告より)。連結対象団体の一覧は4表PDFには記載がなく、各団体の個別の決算は各団体の公表資料によります。

🕰 いまの税率は、いつ決まった?——70年、動かなかった数字たち

金沢市は、市税の税率や控除が戦後どう変わってきたかを一覧にした「変遷」の資料を持っています。それを開くと、いまの税率の多くが、驚くほど昔に決まったまま動いていないことがわかります。

🏠
固定資産税 1.4%
昭和30年〜
この変遷表では、昭和30年度に1.4%になって以降、税率変更の記録がありません(=約70年)
🏙
都市計画税 0.3%
昭和55年〜
昭和31年に0.15%で創設→段階的に上げ、現在は法律上限の0.3%で長く据え置き
♨️
入湯税 150円
昭和53年〜
40円(昭和46年)→100円(昭和50年)→150円(昭和53年)。以後この表に変更記録なし(=約48年)
💡 ここがポイント: 税率は「毎年もめて決める」イメージがありますが、実際はいちど決まると何十年も動かないものが多い。固定資産税1.4%は、金沢に路面電車が走っていた時代からの数字です。逆に言えば、この数字を動かす議論は、それだけ重いということでもあります。

出典:金沢市総務局納税課「市税・税率の変遷」(昭和25年度〜令和7年度)。固定資産税率は同表の昭和25年度欄1.6/100→昭和29年度1.5/100→昭和30年度1.4/100の記載により、金沢市「固定資産税・都市計画税」(市公式サイト・令和8年度時点1.4%・0.3%)と一致することを当サイトで確認。入湯税は同変遷表の昭和46年度40円・昭和50年度100円・昭和53年度150円の記載による。「約70年」「約48年」は令和8年度(2026年)を基準に当サイトが算出した概数で、変遷表そのものに記載された年数ではありません。

🚲 むかし「自転車税」があった——消えた税金たち

変遷表をさかのぼると、いまはもうない税金がいくつも並んでいます。時代が税金の形を決めてきた、その痕跡です。

自転車税・荷車税昭和25年度の金沢市には、自転車税(2輪200円)や荷車税(牛馬車800円・リヤカー200円)がありました。車を持てる人が少なく、自転車や荷車が「動く財産」だった時代の税です。昭和33年度から軽自動車税に姿を変えていきます。いまの軽自動車税のルーツは、自転車への課税でした。
電気税・ガス税電気の使用に10%、ガスにも税がかかっていた時代がありました。生活の必需品にかける税として長く続きましたが、平成元年4月1日に廃止。この日は消費税(当時3%)が始まった日です。個別の消費に税をかける方式から、広く薄くかける消費税へ——その入れ替えの記録が、この一行に残っています。
木材引取税木材の取引にかかっていた税(5/100→のち4/100)も、電気税・ガス税と同じ平成元年4月1日に廃止されました。林業と結びついた地方税でしたが、これも消費税導入と引き換えに姿を消しています。
⚠️ 気づいてほしいこと: 税金は「増える」だけではなく、役目を終えて消えることもあります。何に税をかけるかは、その時代の暮らしと産業を映す鏡。いまある8つの税も、100年後には形が変わっているかもしれません。

出典:金沢市総務局納税課「市税・税率の変遷」(昭和25年度〜)。自転車税・荷車税の税額は昭和25年度欄、軽自動車税への移行は昭和33年度欄、電気税(10/100)・ガス税・木材引取税の廃止は平成元年度欄(いずれも「元.4.1廃止」)の記載による。消費税の平成元年4月1日施行は一般的事実。

📉 所得割は「13段階の累進」だった——フラット化という転換点

いまの個人市民税の所得割は一律6%(県民税4%と合わせて10%)。でも昔は、所得が多い人ほど税率が上がる刻みの多い累進でした。

昔は
最大14%
まで
昭和30年代の所得割は2%から始まり、所得が上がるごとに刻んで最高14%まで上がる、10段階以上の細かい累進でした。高度成長期には、稼ぐ人から手厚く取る設計だったわけです。その後、段階は少しずつ簡素化されていきます。
平成19年
6%に
フラット化
平成19年度、個人市民税の所得割が一律6%の比例税率になりました(三位一体改革にともなう国から地方への税源移譲)。所得税を下げて住民税を上げ、所得に関わらず同じ率に——この年は同時に定率減税も廃止され、多くの人にとって住民税の姿が大きく変わった年でした。
均等割も
この頃
動いた
所得に関係なくかかる均等割は、戦後は600円(昭和25年)→500円→400円と下がっていた時期もありましたが、昭和51年度の1,200円から上げ基調に。平成26年度には震災復興のため3,500円まで上がり、令和6年度からその復興上乗せ(500円)が終わって3,000円に。かわりに国税の森林環境税1,000円が始まっています。
💡 ここがポイント: 「累進から一律へ」は、税の公平をどう考えるかの大きな選択でした。所得の多い人ほど率が上がる仕組みを緩めるかわりに、地方が自前で使えるお金を増やす——平成19年は、その転換が金沢市民の住民税にも表れた年です。

出典:金沢市総務局納税課「市税・税率の変遷」「個人市民税 控除・税率等の変遷」(昭和58年度以前〜令和7年度)。所得割の累進税率は昭和30年代欄(課税標準額に応じ2〜14%の多段階)、平成19年度の6%比例税率化・定率減税廃止、均等割の推移(昭和25年度600円・昭和51年度1,200円・平成26年度3,500円・令和6年度3,000円+森林環境税1,000円)はいずれも同資料の各年度欄による。三位一体改革・税源移譲は一般的事実。

💴 令和6年の「1万円減税」は、26年ぶりだった——減税の歴史

令和6年度、住民税から1人1万円が引かれる定額減税が話題になりました。実はこの「定額でいくら引く」型の減税は、久しぶりの登場でした。

平成の
減税ラッシュ
バブル崩壊後の平成は、景気対策の減税が続いた時代でした。平成6年=所得割の20%を減税(上限20万円)、平成10年=本人17,000円+配偶者・扶養1人8,500円の定額減税平成11年=所得割の15%を控除する定率減税(上限4万円)。手を替え品を替え、税を軽くして消費を促そうとしていました。
その後は
増税へ
ところが平成17〜19年度は逆方向。定率減税は半減(平成18年)→廃止(平成19年)、妻の均等割課税や老年者控除の廃止も重なり、「減税をやめる=実質増税」が集中した時期でした。国と地方の財政が苦しくなるなかでの転換です。
26年ぶりの
「定額」型
そして令和6年度、本人1万円+控除対象配偶者・扶養1人につき1万円の定額減税。「定額でいくら」という型は、平成10年以来26年ぶりでした。ただし本人分だけを比べると、平成10年の17,000円のほうが大きい。同じ「定額減税」でも、時代で中身は違います。
⚠️ 気づいてほしいこと: 減税は「もらえてラッキー」に見えますが、変遷表を通しで読むと「減税→やめる→増税」の波がはっきり見えます。いま軽くしたぶんは、いつか別のかたちで戻ってくることが多い——歴史はそう語っています。

出典:金沢市総務局納税課「市税・税率の変遷」「個人市民税 控除・税率等の変遷」。平成6年度の特別減税(所得割20%・上限20万円)、平成10年度の定額減税(本人17,000円・控除対象配偶者と扶養親族1人につき8,500円)、平成11年度の定率減税(15%・上限4万円)、平成18年度の定率減税半減・平成19年度廃止、令和6年度の定額減税(本人1万円+控除対象配偶者・扶養親族1人につき1万円)は、いずれも同資料の各年度欄による。「26年ぶり」は平成10年度と令和6年度の差として当サイトが算出。

🏢 税をあつかう部署も、70年で姿を変えた——税務機構のうつりかわり

税金の中身だけでなく、それをあつかう市役所の組織も、この70年で大きく変わってきました。組織図の変遷は、市の仕事量とやり方の変化そのものです。

はじまりは
1つの課
昭和27年6月、税をあつかうのは総務部の「徴税課」1つ(係は審査係・整理係など)でした。まだ税の種類も課税対象も限られ、小さな所帯だったことがうかがえます。
3課体制へ
ふくらむ
その後、仕事が増えるにつれ市民税課・資産税課・収税(納税)課などに分かれ、係は「土地第1・第2」「家屋第1〜第4」「個人課税第1〜第6」と細かく増えていきます。固定資産税の評価や、増える納税者への対応で、組織はどんどん枝分かれしました。
令和7年
また再編
直近の令和7年4月にも組織が見直され、いまは総務局の下に市民税課・資産税課・納税課が置かれています。諸税の係が市民税課に移るなど、税目の重みの変化に合わせて、いまも形は動き続けています。
💡 ここがポイント: 組織図は「誰が・何を・どれだけの人数でやっているか」の設計図です。1課だった徴税の仕事が3課に分かれ、いまも再編が続く——その裏には、税務職員157人(→ 市の統計で見た人数)が動かす、まちの徴収の現場があります。

出典:金沢市「税務機構の変遷(昭和27年以降)」(総務局。昭和27年6月の徴税課、以降の市民税課・資産税課・収税課/納税課への分化、令和7年4月の組織を各欄より)。税務職員数は金沢市「市税概要(令和7年度版)」による。

📈 令和7年、金沢は「株の年」だった

令和7年度の個人市民税を見ると、給料ではなく株や不動産を売った利益が、前の年から一気にふくらんでいます。市民税の所得割が伸びた「正体」がここに出ています。

💹
株などの売却益
令和7年度・前年比735.2%
株式等の譲渡所得は739億円。前の年の7倍以上にふくらみました
🏢
土地・建物の売却益
令和7年度・前年比247.6%
分離課税の譲渡所得は1,182億円。不動産の動きが所得を押し上げました
💰
所得1,000万円超の層
令和7年度・5,197人
その所得の合計は1,826億円。1人あたりの平均は約3,513万円
💡 ここがポイント: 令和7年度に税収が伸びた主役は、コツコツ働く給料よりも「売却益」でした。株高と不動産の動きが、そのまま市の税収に映っています。ただし売却益は毎年出るとは限らないので、来年も同じとは限らない——ここが読みどころです。

出典:金沢市「市税概要(令和7年度版)」個人市民税所得金額・控除金額調(P29)・所得者種類別所得割額調(P31)・課税標準段階別所得割額調(P32)。いずれも令和7年7月1日現在。1人あたり約3,513万円は所得金額182,574,368千円÷5,197人を当サイトで計算した概数です。

🏙 地価・家・会社——数字にうつる金沢のいま

市税の統計は、まちの経済の「いま」をそのまま映します。土地の値段、家の建てかえ、会社のもうけ——3つの数字を並べてみます。

📉
宅地の基準地価格
ピークの約4.7分の1
同じ基準地の宅地は、平成6年の371万円/千㎡ → 令和6年は78.4万円/千㎡。約4.7分の1まで下がったままです
🏠
建てる家 ≒ 壊す家
令和7年度
建った・増えた家1,567棟に対し、壊された家1,481棟。ほぼ同数で入れ替わっています
📊
法人税割が「ゼロ」の会社
令和6年度・54.7%
申告した会社17,968社のうち9,827社は法人税割がゼロ。赤字などが理由です
💡 ここがポイント: 地価はバブル期の記憶を残したまま戻らず、家は建てた分だけ壊れ、会社の半分超はその年もうけの上での税がゼロ。金沢の経済の「いま」が、市税の統計にそのまま出ています。

出典:金沢市「市税概要(令和7年度版)」基準地価格等調(P46・宅地1,000㎡当たり)・家屋の新増築状況調/とりこわし状況調(P50・令和7年度)・法人税割額及び法人数調(P38・令和6年度)。「約4.7分の1」は3,710,000円÷784,000円、54.7%は9,827÷17,968を当サイトで計算した概数です。

🧾 税を「集める」現場のリアル

税は「納めてもらう」だけでなく、「集めにいく」現場があります。差し押さえ、公売、延滞金——ふだん見えない側の数字です。

差押え(令和6年度)令和6年度、市が差し押さえたのは19,945件・5億2,901万円。給料や預金、不動産などが対象になります。
公売にかけられたもの(令和5年度)差し押さえた財産は公売(市が行うオークション)にかけられます。令和5年度には「壺・盃・おもちゃ等」が337,590円で売られました。
延滞金(令和6年度)期限までに納めないと延滞金がつきます。令和6年度の延滞金収入は3億1,887万円。前の年(1億2,075万円)の約2.64倍に増えました。
スマホ納付の急伸(令和6年度)スマホで納める人が増え、令和6年度は34,946件・約11.8億円。一方で、普通徴収で口座振替を使う人は36.4%にとどまります。
💡 ここがポイント: 納めてくれる人の裏で、取りにいく現場があります。差し押さえ・公売・延滞金の増減は、その年の「滞納整理がどれだけ動いたか」を映す数字でもあります。

出典:金沢市「市税概要(令和7年度版)」滞納処分状況等調・公売状況等調(P70)・延滞金収入額調(P67)・納付方法別収納状況調(P76)。差押え・スマホ納付・延滞金は令和6年度、公売は令和5年度。「約2.64倍」は318,874千円÷120,751千円を当サイトで計算した概数です。

🔍 数字で見る、意外な金沢

市税概要には、思わず二度見する数字も並んでいます。いくつか拾ってみます。

🚬
たばこ
令和6年度・1日 約134万本
市の店で売れたたばこは4億8,937万本。1日あたり約134万本の計算です
🛏
宿泊税、いちばん納期に遅れる
令和6年度・納期内65.6%
宿泊税が納期内に入るのは65.6%。全税目でいちばん低い数字です(1日あたり約1.3万泊)
🧑‍💼
税を扱う人
令和7年4月・平均35.1歳
税務3課の職員の平均年齢は35.1歳。徴収の現場に出ると1日490円の特殊勤務手当がつきます
🤝
納税協力会
令和6年度・会員1人 829円
市には税を納めやすくする納税協力会が178団体。市が払う奨励金は会員1人あたり年829円です
💡 ここがポイント: 宿泊税が全税目でいちばん納期に遅れるのは、事業者がいったん預かってまとめて納める税のしくみが背景にあります。数字の凸凹には、たいてい理由があります。

出典:金沢市「市税概要(令和7年度版)」市たばこ税(P64)・宿泊税の納期内納入率は市税収入状況調(P68)・税務職員年齢別人員調(P85)・特殊勤務手当調(P86)・納税協力会(P73)。たばこ・宿泊・納税協力会は令和6年度、職員は令和7年4月1日現在。1日あたりの本数・泊数は年間を365で割った概数です。宿泊の総数(467万泊)は「どうでもいい金沢」カードにも載せています。

🥈 中核市62市の中で、金沢は

金沢は全国の中核市(62市)のひとつです。令和6年度の決算で、税の集めかたを他市と並べると、ある1点で全国上位に立った年でした。

🥈
滞納したお金の回収率
令和6年度・62市中2位
一度滞納になったお金を取り戻す率は48.80%。62市中2位です(1位は高槻54.07%)
📈
前年からの伸び
29.29% → 48.80%
この回収率は令和5年度29.29%から令和6年度48.80%へ、1年で一気に伸びました
🎯
全体の収入率
令和6年度・62市中22位
市税全体の収入率は98.45%で62市中22位。ちょうど真ん中あたりの順位です
💡 ここがポイント: 金沢は「そもそも取りこぼしを少なくする」よりも、「一度滞納したお金を取り戻す」方で全国2位に立った年でした。ただし全体の収入率は真ん中あたり——伸びしろも残っています。

出典:金沢市「市税概要(令和7年度版)」中核市の税務関係調(P87-88・令和6年度決算・中核市62市が対象)。滞納繰越分収入率の順位は、当サイトが62市の数値を並べて確認しました(1位 高槻54.07%・3位 長野44.24%)。

Per Person

1人あたり、いくら?

割り算してみると、見えてくる

億とか兆とか言われても、ピンときません。だから1人あたり、1個あたりに割ってみました。数字から金沢市について考えてみます。

📌 大事なおことわり:金沢市だけの数字と、全国の数字が混ざらないよう、それぞれに印をつけています。金沢=金沢市の実数 =全国の数字(金沢の実額とは異なる場合があります)

💰 あなたの税金、何にいくら使われてる?金沢市の実数

金沢市の令和8年度予算(実質約2,091億円)を、市民ひとり当たりに割り算してみました。金沢市の人口454,025人で割った、ざっくりの目安です。「税金って何に消えてるん?」の答えがここにあります。

18.4万円民生費(福祉・子育て・介護) 834億円 → ひとり約18万3,700円。予算で一番大きい。高齢者の介護・医療、障害者支援、子育て支援など。予算の約4割がここ。
6.1万円教育費(学校・教育) 278億円 → ひとり約6万1,200円。小中学校の運営、校舎、給食など。
4.3万円総務費(役所の運営) 197億円 → ひとり約4万3,500円。市役所の運営・管理、税の徴収、選挙など。
4.3万円土木費(道路・公園・除雪) 196億円 → ひとり約4万3,300円。道路や橋の建設・補修、公園、除雪など。
4.5万円衛生費(ごみ・健康) 204億円 → ひとり約4万4,900円。ごみ処理、健康診断、予防接種など。
4.3万円公債費(借金の返済) 194億円 → ひとり約4万2,600円。過去に借りたお金の返済。(→金沢のお金 で借金の全体像)
1.4万円消防費(消防・救急・防災) 64億円 → ひとり約1万4,100円。消防・救急・災害対策。
1.0万円商工費(産業・観光支援) 46億円 → ひとり約1万200円。地元企業の支援、観光振興など。
💡 見方のコツ:「税金の無駄遣い」と言う前に、一番大きいのは福祉(民生費)でひとり18万円だと知ると、話が具体的になります。高齢化が進むほどここは増えます。金額の大小=良し悪しではなく、「自分たちが何を選んでいるか」を見る数字です。

※出典:金沢市「令和8年度当初予算概要」の款別表(骨格予算2,078億円ベース・肉付け補正13.1億円は含まず)。人口は金沢市推計人口(454,025人・令和7年9月1日現在・国勢調査ベース)。単純な割り算の目安で、実際は国・県の補助金なども含まれます。

👶 子育ては、社会全体で支えています全国の制度

保育所の費用は、保護者だけが払っているわけではありません。

💡 保護者の負担は、約2割ですんでいます: こども家庭庁の資料によると、保育所の財源構成は保育料:公費= おおむね 2:8。のこり8割は、社会全体で出し合っています。子育てを家庭だけに背負わせない、という考え方です。
👶 0歳児に手厚い理由:他都市の例 0歳児は保育士1人が子ども3人までしか見られません(国の配置基準)。さらに看護師の配置も必要。だから人件費がかさみます。他の自治体の試算では、0歳児1人の月額運営費は約31万円〜60万円超とされています。
🍚 3〜5歳の保育料は無料です: 2019年10月から、3〜5歳の保育料は無償化されました。これは社会が「子育ては、みんなで支えるもの」と決めたということです。(給食費・行事費・延長保育代は別途負担)

※出典:こども家庭庁「保育所関係資料」。月額運営費は府中市・大田区の公表資料による他都市の例で、金沢市の実額ではありません。

🎒 子どもたちは、まちから投資されています金沢市の実数

教育は「費用」ではなく「未来への投資」です。まちが子ども1人に、どれだけかけているか。

🎓 まちが子ども1人にかけているもの: 1人あたり年約84万円。ただし教育費には図書館やスポーツ施設、生涯学習も含まれるので、学校だけの金額ではありません。また、市立小中学校の教員給与の大部分は県の負担(県費負担教職員制度)のため、この教育費には含まれていません。国・県・市を合わせた学校の公費(1人あたり 小学校 年約103万円・中学校 年約115万円)は「👶 子ども1人にいくら?」を参照。
🍚 給食が無償になって、家庭が助かった額: これまで保護者は児童1人あたり年約5万円を払っていました。令和8年度1学期から、市立小学校は無償に。子ども2人の家庭なら、年10万円が手元に残ることになります。
💡 その財源は: 市の事業費は年3億1,100万円。国と県からの交付金(児童1人月5,200円)に、足りない分を市が上乗せしています。給食の質と量を落とさないためです。

※金沢市「予算概要」の教育費と、児童生徒数から算出した概算です。

🗑 あなたが出したごみ袋1つに、税金はいくら?金沢市の実数
💸
ごみ処理の年間費用
約50億円
すべて税金
🧍
1人あたり
約11,000円
年間・赤ちゃんも含めて
🗑
ごみ袋1袋(約5kg)
約227円
の税金がかかっている
⚠️ 4人家族なら: 1人が1日に出すごみは約600グラム。4人家族が1年に出すごみは約876kg。処理にかかる税金は年約4万円です。ごみ袋代とは別に、です。
💡 減らせば、そのぶん安くなる…とは限りません: ごみ処理費の多くは、焼却場の建設・維持費や、収集車の人件費といった固定費です。ごみが1割減っても、費用が1割減るわけではありません。ただし燃料費や埋立場の寿命、将来の建て替え規模には、確実に効いてきます。
🌱 本当に効くのは、長い目で見たとき: ごみが減れば、埋立場は長持ちし、次の焼却場を小さく建てられます。焼却場の建て替えは数百億円規模。今日のごみ袋1つが、20年後の大きな支出につながっています。

※出典:金沢市「環境・3Rが楽しくわかる本」(金沢市リサイクル推進課・平成27年3月発行の第2版)。家庭ごみ年間約11万トン、処理費用年約50億円という同書記載の数字から算出した概算で、約10年前の冊子の値です。最新の実額(令和6年度・処理費の4本柱36.0億円など)は「金沢のゴミ」のカードへ。

👶 人ひとりは、国として黒字か赤字か全国のデータ
📥 生涯に払う税金(平均):9,358万円

人ひとりが生涯に払う税金と、国がその人に使うお金。どちらが多いか。それだけです。

💼
生涯に稼ぐ
2億750万円
平均
📥
生涯に払う税金(平均)
9,358万円
稼ぎの45.1%
📤
国がその人に使う
8,449万円
教育・医療・年金など
🎯 差し引き +909万円の黒字

平均では、人ひとりは生涯で国から受けとるより多く払っています。
💡 計算はシンプルです: 財務省が毎年発表する「国民負担率」は令和6年度で45.1%。これは私たちの所得のうち、税金と社会保険料として国に納める割合です。

2億750万円 × 45.1% = 9,358万円

(所得税・住民税・消費税・社会保険料など、ぜんぶ込みです)
📤 国がその人に使うお金:8,449万円
💊 「医療費2,555万円?そんなに使ってない」と思ったあなたへ: そのとおりです。医療費の59%は、65歳以上で発生します。0〜44歳の59年間で使うのは、生涯のわずか19%(約495万円)。健康な現役世代が「使ってない」と感じるのは、まったく正常です。
📊 もうひとつの理由: 医療費は「多くの人がほとんど使わず、少数の人が莫大に使う」分布です。人工透析の患者は年400〜500万円、健康な人は年数万円。平均は実感よりずっと高く出ます。そして自己負担は1〜3割。残りは保険と税金でまかなわれています。
🌟 そして、残った1億1,392万円は: 全部消費と貯蓄になります。消費は他人の給料に、貯蓄は銀行を通じて企業の投資になります。稼いだ2億750万円は、1円残らず経済を回ります。
📐 前提: 稼ぎ= JILPT「ユースフル労働統計2024」の生涯賃金の平均。払う税金=財務省「国民負担率」45.1%(令和6年度)を生涯賃金にかけたもの(令和7年度の実績見込みは46.1%)。国が使う額=保育・教育・児童手当・医療・年金・介護の全額。
🚫 この数字で、人を測らないでください: これは平均の話です。収入の多い少ないで、人の価値が決まるわけではありません。誰もが社会の一員です。

公的統計にもとづく試算で、国の公式の数字ではありません。出典:財務省「国民負担率」「一般会計予算」、労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2024」、厚生労働省「国民医療費」、こども家庭庁。

② でも、この計算に入っていないもの

上の「国との収支」の計算が数えているのは、政府とのお金のやりとりだけです。人が働いて生み出す価値は、この計算には入っていません。

💰 1人が生涯に稼ぐ額: 学歴・性別によって幅はありますが、おおよそ1.5億〜3億円(退職金を含まず、60歳まで)。そしてその賃金は、企業の売上から出ています。売上は、誰かの消費から生まれます。
🔄 人は「もらう側」であり、同時に「つくる側」: あなたが買い物をすれば、それは誰かの給料になります。あなたが働けば、会社の売上と法人税が生まれます。消費者として、労働者として、納税者として——1人の人は、経済の3つの役割を同時に果たしています。
③ だから、こう言えます
Q. 人ひとりは、黒字か赤字か?

A. 上の試算では、平均では生涯に払う額のほうが多くなります。ただし、この収支だけで人の価値は測れません。

人がいなければ、税収はゼロ。企業の売上もゼロ。年金の払い手もゼロ。
人は財政の「コスト」ではなく、財政の「前提」です。
🌏 国は人でできている: 子どもが1人生まれると、教育や医療にお金がかかります。同時に、その子は将来働き、買い物をし、税を納め、誰かの年金を支えます。そして次の世代を育てます。収支計算の外側に、本当の価値があります。

※出典:労働政策研究・研修機構(JILPT)「ユースフル労働統計2024」。

💊 医療費を、1人あたりで見ると全国のデータ
💉 人工透析という細部: 透析患者1人にかかる医療費は年約400〜500万円。健康な子ども(年9万円)の約50倍。そして透析になる最も多い原因は、糖尿病(生活習慣病)です。
🏃 だから、運動は財政の話でもある: 糖尿病や循環器の病気は、食事と運動で予防できる部分が大きい。透析になる人が1人減れば、年400万円が浮く。「みんなで体を動かそう」は、きれいごとではなく、数字の話です。

※出典:厚生労働省「令和4(2022)年度 国民医療費の概況」、金沢市「予算のあらまし」。医療費は全国平均です。

💳 金沢の借金は、返せるのか金沢市の実数

「毎年返してるのに、減ってないのでは?」——その感覚は、半分正しくて、半分違います。市の公式計画で確かめました。

📉 市債残高は、減っていく見通し
0 500 1,000 1,500 2,000 中核市平均 1,303億円 2,078 R7 2025 2,013 R8 2026 1,990 R9 2027 1,932 R10 2028 1,855 R11 2029 億円
✅ 答え:減っています
市の中期財政計画によると、一般会計の市債残高は今後数年かけて減っていく見通しで、令和11年度には1,855億円程度まで下がると試算されています。
(なぜ数年先までわかるの? 市は、数年〜数十年先の収入・支出・借金の見通しを「財政計画」として試算・公表しています。これは占いや予想ではなく、市がつくった公式計画の数字です。)
📈 なぜ、ここまで借金が増えたのか

金沢の借金は、中核市平均の約1.6倍。理由は、市の資料から読み取れます。

🏗 公共事業費が、中核市平均の1.7倍: 市の中期財政計画には、公共事業費を「中核市平均(約180億円)を大きく上回る310億円程度を確保」と明記されています。つくるものが多ければ、借りるお金も多くなります。
💡 借金には「あとで国が返すもの」もあります: 臨時財政対策債は、本来国が配るべき地方交付税が足りないときに、かわりに市が借りる借金です。返済額はあとで国が負担します。市債残高には含まれますが、実質的な市の負担ではありません。
🤔 なのに、なぜ「減ってない」と感じるのか

返しながら、同時に新しく借りているからです。

⚠️ 5年間の合計: 返すお金(公債費)934億円に対し、新しく借りるお金(市債)は571億円。差し引き363億円しか減りません。「返してるのに減らない」という実感は、正しいのです。
💡 なぜ借り続けるのか: 学校や道路は何十年も使います。だから今の世代だけで全額払うのではなく、将来その施設を使う世代にも少しずつ負担してもらう——それが市債の考え方です。借金そのものが悪いのではありません。
🩺 借金の「重さ」を測る指標
✅ 破綻の危険はありません: 借金の返済負担を示す「実質公債費比率」は3.4%(令和6年度決算)。国の警戒ライン18%からも、中核市平均5%台からも遠い。市は繰上償還(前倒しの返済)も実施しています。
⚠️ ただし、残高そのものは多い: 金沢市の市債残高2,078億円に対し、中核市平均は1,303億円。金沢は平均の約1.6倍、775億円多い。公共事業費も中核市平均180億円に対し310億円を確保する方針です。
🔮 30年後(2047年)はどうなる?

市は「長期財政フレーム」で30年間の試算を公表しています。

✅ 借金の返済負担は、危険水域に行かない: 市の試算では、実質公債費比率は長期的に警戒ラインを下回る見通しです。
⚠️ でも、本当の問題はこっち: 市の試算によると、30年後には社会保障関係費が歳出総額の4割を超える。そして「経常収支比率」は90%を大幅に超える——これは使い道を自由に決められるお金が、どんどん無くなるという意味です。市はこれを「財政構造の硬直化」と呼んでいます。
🎯 まとめ

Q. 返せるのか? → 返せます。破綻の危険はありません。
Q. 残高は減ってる? → 減っています。5年で223億円。
Q. いつ返し終わる?終わりません。借りながら返し続けます。

本当の問題は「借金が返せないこと」ではありません。
「自由に使えるお金が、どんどん無くなること」です。

※出典:金沢市「中期財政計画(令和7年度版)」「財政運営に関する長期試算(長期財政フレーム)」。中核市平均は令和6年度決算平均値。なお市債残高は、算定の時点・基準(当初予算ベースか決算ベースか等)によって数十億円程度の幅があります。

🎍 金沢の風物詩、いくらかかってる?主体に注意

県の事業兼六園の雪吊り(ゆきづり)——金沢の冬の風物詩。園内約800か所、りんご吊り54本・幹吊り60本ほか。縄は約4トン(つなぐと金沢〜珠洲の約120kmに匹敵)、庭師7名(全国でも珍しい県の直接雇用の職人)を中心に延べ約500人で作業。雪吊りの古い呼び名は「りんご吊り」——江戸時代、実の重みで枝が折れないようりんごの木を縄で吊った技術が起源といわれます。使い終わった縄は細かく裁断され、堆肥として再利用。ただし兼六園は石川県の管理なので、金沢市の税金でも市民ひとり当たりでもありません。作業費用は県から公表されていないため、金額はここには書きません(憶測しない方針)。
市の事業金沢マラソン金沢百万石まつりなど、金沢市が関わるイベントの収支・負担金は、市民ひとり当たりで見られる可能性があります。これらは(→まつり・マラソンのお金)で扱っています。
⚖️ 「ひとり当たり」で大事なこと:金額を人口で割るときは、「誰の事業か」で割る相手が変わります。金沢城や兼六園のような県の事業は石川県民(約110万人)で、市の事業は金沢市民(約45万人)で割るのが正しい。県の事業を市民の数で割ると、負担を大きく見せてしまいます。このサイトは主体に合わせて計算します。(→市政の進捗トラッカー
Public Facilities

金沢のハコモノ

その施設、税金いくら?利用は?

まず大前提。公共施設はほとんどが、構造的に「赤字」で回っています。利用料収入より運営費のほうが高く、その差を税金(指定管理料・補助金)で埋める——プールも体育館も、最初からそういう設計です。だから「赤字だ」は、それだけではツッコミになりません。

見るべき物差しは2つ。①税金 ÷ 利用者数(ひとりあたり税金)と、②そもそも、この施設は今も要るのか。この目で、金沢の主な施設をならべてみます。(数字は令和6年度/2024年度ベース。すべて公表資料から)

約2
市営スポーツ施設
利用料が運営費に占める割合
約197万人
21世紀美術館の来館者
(2023年度)
ほぼ100%
市民芸術村の稼働率
(主な工房)

🏢 主なハコモノの現状

人気金沢21世紀美術館——2023年度は約197万人が来館する、国内有数の人気館。税金は入るが利用者が桁違いに多く、ひとりあたりのコストは低い=高コスパ。ただし2027年5月から2028年ごろまで、大規模改修で長期休館の予定(老朽化+能登半島地震の被害復旧)。
人気金沢市民芸術村——令和6年度の稼働率はほぼ100%(ミュージック工房・パフォーミングスクエア)。市民利用が非常に多い優等生。一方で開村30年で老朽化し、リニューアル基本構想を検討中。市の資料には「ダンス練習施設が慢性的に不足」という要望も明記されています。
税金市営スポーツ施設(全体)——令和6年度、市民が窓口で払う「施設利用料金」は約1.59億円。運営を担うスポーツ事業団の経常費用は約8.60億円。つまり利用者負担は運営費の2割弱で、残りの大半は指定管理料・補助金=税金。これ自体は制度上ふつうのことです。
補填スポーツ教室——受講料収入 約6,100万円に対し、運営費(人件費込)は約1.04億円。差の約4,300万円を公費で補填。ただし中身は高齢者の寝たきり・認知症予防(医療費削減が目的と明記)や子どもの体づくり。「妥当か」は判断が分かれます。
問い医王山スキー場——金沢市営のスキー場(1日券1,570円・一回券100円と格安=その分、税金が入る構造)。近年は雪不足で営業日数が縮小し、2025-26シーズンはオープンが2026年1月24日と大幅に遅く、ファミリーゲレンデのみの営業。「市が自前でスキー場を持ち続ける意味は、今もあるか」は、素朴に立つ問いです。
基金美術品購入基金——金沢市は美術品購入専用の基金を約13.7億円保有。令和6年度は約8,700万円分の美術品を取得しています(元本は取り崩さず回す仕組み)。違法でも不正でもありませんが、規模を「どう感じるか」は市民それぞれです。

🎨 税金で回る「文化のまち」——施設の利用実数金沢市

金沢は美術館・博物館・図書館の数がとにかく多い街です。情報公開で得た決算資料から、その「使われ方」を数字で見ます。

21美
190万人
金沢21世紀美術館は、能登半島地震で2ヶ月休館しても年190万人。開館20周年の記念事業に1.1億円。市の美術館は「観光の柱」であることが、来館者数で証明されています。
図書館
100万人
市の図書館4館の入館は年99.6万人、貸出181.7万冊、蔵書174.7万冊。玉川図書館は建築的価値を残す改修の設計に1億円。移動図書館車が市内34か所を巡回しています。
記念館の
群れ
金沢は文人・偉人の記念館がずらり——鈴木大拙館7.1万人・徳田秋聲・泉鏡花・室生犀星・老舗記念館・ふるさと偉人館…。小さな館が積み重なって「文化都市」の看板を支えています。安江金箔工芸館2.8万人、蓄音器館2.7万人。
美術品を
買う基金
市は毎年、美術品を購入しています。令和6年度は21美が14点8,700万円を専用基金から買い戻し、市全体でも美術品取得に約1,700万円。「文化に投資する街」の実額です。
解体も
ある
一方で、金沢美術工芸大学の旧キャンパスは解体工事に8,944万円、旧市民サッカー場も解体。文化施設は「作る・使う・壊す」がぐるぐる回り、そのたびに税金が動いています。

出典:金沢市「令和6年度 主要施策の成果説明書」P209-219(情報公開請求で入手・当サイト転記)

⚽ いちばん新しいハコモノ:金沢スタジアム金沢

2024年2月開業。北陸初のJリーグ規格フットボール専用スタジアム(愛称:金沢ゴーゴーカレースタジアム)。市が所有し、ツエーゲン金沢のホームです。新しいハコモノが「お金とどう付き合うか」の教科書みたいな事例です。

💸
かかったお金
総事業費 約110〜120億円
建設費約75億円+駐車場約9億円+周辺整備など。資材高騰で当初より膨らんだ
🍛
名前を売って財源に
命名権 年3,111万円
ゴーゴーカレーグループが命名権を取得(5年契約)。維持費の一部を税金以外で稼ぐ工夫
🎗
市民の寄付でシートが
クラファン 約5,639万円
ふるさと納税型クラウドファンディングで目標の5倍超が集まり、畳席や車いす席の整備に使われた
📦
災害拠点でもある
防災備蓄倉庫 約500㎡
バックスタンドの下に水・食料・毛布などを備蓄。スタジアムは「まさか」のときの備えでもある
🤔 考えるポイント: 建て替え前の旧市民サッカー場(1991年築)は、耐用年数の上では2040年ごろまで使える計算でした。それでもJリーグ規格(1万人収容・おもてなし空間)を満たすため、新築に踏み切った——「まだ使えるものを、より良いもののために建て替えるか」。これはハコモノの永遠の問いです。あなたはどう考えますか。収容10,444人、スタジアムツアー(大人1,000円・小中高生500円)で裏側も見学できます。

※出典:金沢市スポーツ振興課、金沢スタジアム公式、報道・市議会資料。

⏳ なぜこんなに増えた? これからどうなる?金沢市
📊 「年平均147億円」の中身——60年分の内訳を入手した市の実データ

「なぜ金沢はこんなにハコモノを持っているのか」——その答えは、建てられた時代にあります。過去・現在・未来で見ると、ハコモノ問題の正体が見えてきます。

過去
建設
ラッシュ
金沢の公共施設の多くは、高度経済成長期から、第二次ベビーブームの子どもたちのために小中学校を一斉に建てた時期に集中して造られました。人口が増え、税収も伸びていた時代。学校・体育館・公民館・プールが次々と建った——あの時代の「必要」が、いまの施設の数の土台です。全国の自治体が同じ道をたどりました。
現在
914施設
67%が
築30年超
金沢市が持つ建物は914施設・延床面積約173万㎡(市民1人あたり3.26㎡=中核市平均並み)。問題は年齢です。大規模改修が必要とされる築30年超の建物が、全体の約67%。いっせいに建てたものが、いっせいに老朽化のピークを迎えています。これは水道管(→金沢の水道)とまったく同じ構造です。
未来
更新費
1.7倍
このまま更新しなければ、10年後(2033年度末)には築30年超が約83%に達します。市の試算では、改修・更新費用は年平均147億円(2023〜2082年)。過去の実績(年88億円)の約1.7倍が、これから毎年必要になります。しかも人口減で税収は細る——「入るお金は減り、修理代は増える」。これがハコモノ問題の正体です(→金沢のお金)。

上の「更新費1.7倍」の試算——その年度別の内訳(2023〜2082年度・60年分)を、当サイトが情報公開の手続きで総務課から提供を受けました。総合管理計画のグラフの、元の数字です。

60年で8,818億円2023〜2082年度の合計は8,817億7,788万円。60年で割ると年平均147.0億円——計画本文の「年平均147億円」と、1千円単位までぴったり整合します(当サイトで検算)。
3本柱の内訳公共建築物6,532億円(全体の74%・学校や市営住宅などの建替・改修)+インフラ1,164億円(道路・橋・河川・公園・農林施設)+維持補修費1,122億円(毎年18.7億円の定額)。インフラで最大は橋梁の約428億円——高度成長期に架けた橋の更新が、これから最も重いインフラ費目です。
建替の波は2028年から建物の「建替」費は2028年度(5.8億円)から始まり、以降ほぼ毎年20〜45億円規模で60年間続く試算です。いっせいに建てたものの建替が、2028年からいっせいに来る——上の「時間の問題」が、年表の形ではっきり見えます。
単年170億円超の年も最も重い年は2073年度の174.8億円、次いで2042年度の172.5億円。平均147億円といっても、毎年ならして来るわけではありません。山の年に耐えられる備え(→金沢のお金の債務負担・基金の話)とセットで考える数字です。

出典:金沢市総務課「金沢市公共施設等総合管理計画における公共施設・インフラの改修・更新等に要する費用の試算」(同計画P22・平準化に向けた試算の時点修正〈2023年度試算〉のグラフ内訳。開示請求に伴う情報提供・2026年8月受領)。合計881,777,875千円=公共建築物653,163,321千円+インフラ計116,414,554千円+維持補修費112,200,000千円(1,870,000千円×60年)。インフラ内訳(表の並び順による)=道路144.8億・橋梁427.5億・河川30.9億・公園74.1億・農林施設103.8億・経常的修繕382.9億円。合算・年平均は当サイトで検算(端数±1千円は元表の丸め)。

🌱 だから、こう考える: ハコモノ問題は「ムダづかい」の話ではなく、「昔いっせいに建てたものを、人口が減る時代に、どう賢く選んで維持・更新・統廃合するか」という時間の問題です。全部は残せない。だからこそ「どの施設を、なぜ残すか」を市民が納得できる形で決められるか——それがこれからの市政の大きな宿題です。

※出典:金沢市「公共施設等総合管理計画」(平成29年3月策定・令和5年9月改訂版)。施設数・延床面積・築年別割合は同計画(現況は2022年3月31日現在)、更新費試算は同計画の2023年度試算(2023〜2082年度の60年間)による。人口見通しは金沢市人口ビジョン。

🎭 次の大型案件:金沢歌劇座の建て替え——市の検討資料を読んでみた

築50年超・県内最大1,900席の金沢歌劇座。建て替え検討は令和元年度の懇話会(3回開催・「建て替えるべき」と取りまとめ)から、令和2〜4年度の技術検討を経て、令和5年2月の市議会報告で「現敷地での建替えが総合的に優位」と整理されました。その比較表、読むとかなり面白いんです。

🏛 じつは「谷口吉郎」監修の建物です
歌劇座は昭和37(1962)年竣工。設計は日建設計、そして監修はあの谷口吉郎——金沢が生んだ昭和を代表する建築家です(→金沢の人物)。もともとの名前は「金沢市観光会館」で、平成19年に今の名前になりました。市の資料も「昭和中期の公共建築として建築的価値の検証に留意が必要」とわざわざ書いています。しかも懇話会の座長は、谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館の水野一郎館長。谷口建築の行く末を、谷口記念館の館長が議論する——金沢らしい巡り合わせです。大ホールの稼働率は約6〜7割(2018年で67.8%)、7・8・10月は8割超えの人気ぶりです。
⚖️ どっちの敷地も、完璧じゃなかった
比較されたのは現敷地と日本銀行金沢支店の跡地。日銀跡地案は高さ45mまで建てられて理想の舞台(上部35m)が実現する一方、敷地が現敷地の約半分(約4,700㎡)しかなく客席が約1,500席に減って「県内最大」の座を失い、学校行事などの大規模催事が開けなくなるうえ、機材搬出入の車の動線にも課題。現敷地案は1,919席を守れるが、景観のまち金沢の高さ18m規制のため舞台上部は23m止まり(理想は35m)。文化施設の設計まで、まちの景観ルールが縛っている——金沢らしいトレードオフです。
🏯 高さ規制と本気で格闘した3年間——検証の中身が面白い
市は最初、「建物ぜんぶを18m以下にする」案まで検討しました。答えは「地下25〜30mの掘削が必要」——費用が膨大で周囲への影響も大きく断念。舞台の幕や照明の吊り方を工夫しても縮められる高さは2m程度までと判明します。さらに金沢城公園・辰巳櫓跡(市の眺望点)から合成写真と3Dモデルで見え方を検証し、「高さ30mだと寺町台地の緑への見通しを阻害するおそれ」と結論。有識者からは「市内で景観上もっとも重要な場所の一つ。ここで市が自ら高さ規制を破れば、これまでの景観行政が問われる」という厳しい意見も。ちなみに新施設の想定延床面積は約18,200㎡——いまの約1.7倍です。
🎒 そして歌劇座の正体——催事の約7割は「学校行事やコンサート」
市の資料に書いてある一番大事な事実がこれ。歌劇座はプロの劇場である以上に、子どもたちの発表会と市民の舞台のハコなんです(催事種類の最多は学校行事の43%)。だから「客席を減らして機能を上げる」案より「席数を守る」案が優位になった。何を建てるかは、誰が使っているかで決まる——ちなみに概算事業費はこの資料にはまだ記載がなく、今後の調査検討とされています(市長は議会で「100億円は超える」と答弁)。しかも懇話会の取りまとめには「制度上、国の補助金や交付金が見込まれない」と明記——建てるなら、財源はほぼ市の自力です(→金沢のお金)。

出典:金沢市「金沢歌劇座のあり方に関する検討について」(都市再生推進室)、金沢歌劇座あり方検討懇話会取りまとめ(令和2年2月)、金沢市議会総務常任委員会資料(令和3年2月25日・令和4年3月1日・令和5年2月15日)。

📊 施設べつ、税金いくら?(令和6年度・実際に使われた額)

市の決算書(令和6年度一般会計・事項別明細書)の備考欄から、施設ごとの支出済額を全部拾って並べました。「金沢市が管理する施設に、1年でこれだけの税金が使われた」の一覧です。金額の大小=良し悪しではありません——上のタブの「①ひとりあたり税金 ②今も要るか」の物差しとセットでどうぞ。

施設・事業(支出の大きい順)令和6年度支出
環境エネルギーセンター整備運営費12.29億円
公園維持管理費10.02億円
福祉健康センター費8.66億円
金沢21世紀美術館運営費8.49億円
地区公民館費8.29億円
リサイクルプラザ費5.73億円
学校教育センター費5.43億円
玉川図書館費5.04億円
食肉流通センター費4.56億円
斎場費4.06億円
地区児童館費3.66億円
墓地費3.53億円
泉野図書館費3.10億円
金沢海みらい図書館費2.77億円
キゴ山ふれあい研修センター費2.57億円
市民芸術村費2.37億円
老人福祉・健康交流センター費2.11億円
卯辰山工芸工房費1.84億円
金沢未来のまち創造館費1.82億円
玉川こども図書館費1.57億円
中央公民館費1.45億円
金沢広域急病センター運営費1.26億円
文化ホール費1.26億円
ごみ収集管理センター費1.14億円
近江町交流プラザ費1.13億円
金沢歌劇座費1.04億円
城北児童会館費9,998万円
幼児教育センター費9,465万円
金沢市役所・美術館駐車場管理費9,336万円
前田土佐守家資料館管理運営費8,089万円
医王山スポーツセンター費7,862万円
アートホール費7,566万円
金沢福祉用具情報プラザ管理運営費7,014万円
金沢能楽美術館管理運営費6,879万円
鈴木大拙館管理運営費6,716万円
金沢湯涌創作の森費6,525万円
中村記念美術館管理運営費6,464万円
動物愛護管理センター費5,450万円
ITビジネスプラザ武蔵費5,316万円
金沢湯涌夢二館管理運営費5,188万円
室生犀星記念館管理運営費5,040万円
西部衛生センター管理運営費4,996万円
金沢ふるさと偉人館管理運営費4,923万円
金沢くらしの博物館管理運営費4,570万円
安江金箔工芸館管理運営費4,516万円
障害者高齢者体育館費4,213万円
俵芸術交流スタジオ管理運営費3,887万円
泉鏡花記念館管理運営費3,692万円
金沢文芸館管理運営費3,365万円
牧山ガラス工房費3,029万円
女性センター費2,922万円
長土塀青少年交流センター費2,737万円
おしがはら工房費2,377万円
金沢勤労者プラザ費2,354万円
松ヶ枝福祉館費1,901万円
金沢学生のまち市民交流館費1,859万円
老舗記念館管理運営費1,745万円
学校保健センター費1,665万円
金沢健康プラザ大手町管理運営費1,506万円
異業種研修会館費1,396万円
金沢湯涌みどりの里管理運営費1,321万円
ものづくり会館費1,186万円
公文書館費916万円
西町教育研修館管理運営費819万円
市民活動サポートセンター費714万円
額谷ふれあい体育館費410万円
神田交通公園費265万円
土子原こども野外広場管理費226万円
読むときの注意(ここ大事)
①金額は予算ではなく実際に使われた額(支出済額)。管理運営費と施設整備費(修繕・改良)を含みます。②人件費は二層構造です。芸術村やスポーツ施設の窓口・現場で働くスタッフ(指定管理者・委託先)の給料は、この表の金額の中(委託料=指定管理料)から出ています。「あの人の給料どこから?」の答えは、だいたいここです。一方、市役所の担当課の正規職員の給料は「職員費」として別枠計上のため表には入っておらず、実コストはこれより大きい施設があります。③病院・中央卸売市場・水道・下水道は特別会計・企業会計のため、この一覧には全体像が出ません。④市営スポーツ施設は「体育施設費」として一括計上(令和6年度は全体で約12.41億円=整備6.37億+管理運営4.85億+スポーツ事業団費1.20億)。金沢スタジアム単体の額は決算書には載っていません。
⚰️ 例:火葬は8割が税金です
一覧の斎場費は4億613万円。一方、歳入側の斎場使用料は8,727万円で、差引き約3.2億円——運営費の約8割を税金が負担しています。「施設の収支」を見るとはこういうことで、人生の最後まで、まちが支えている数字です。

出典:金沢市「令和6年度一般会計歳入歳出決算事項別明細書」(令和7年12月定例月議会で認定)。備考欄記載の支出済額を集計。

💡 読み方:「赤字=ムダ」でも「黒字=優等生」でもない。 公共施設はほぼ全部が税金で支えられる前提です。だから見るべきは「ひとりあたり税金」と「今も要るか」。21美・芸術村は、利用者が多くちゃんと機能している高コスパの施設——良い事実も、等しく載せます。(→1人あたり、いくら? と同じ考え方です)
🗓 2027年に直結する話: 21世紀美術館の長期休館(2027年5月〜)と、芸術村のリニューアル。どちらも暮らし・観光・文化にかかわる進行中のテーマです。叩くためではなく、「どうしていくか、一緒に考える」材料として(→いま動いている話)。ハコモノの老朽化と維持費は、金沢方式(→金沢方式まるわかり)や校下の施設(→校下ってなんや?)とも地続きです。

※出典:金沢市「令和6年度決算」「基金の運用状況に関する調書」、金沢市民芸術村リニューアル基本構想検討委員会 第1回資料、公益財団法人金沢市スポーツ事業団「令和6年度決算状況」、金沢21世紀美術館関連資料ほか、いずれも公表資料。数字は市民が実感しやすいよう概数で示した箇所があります。(→金沢のお金公文書ツアー

Lost & Found Kanazawa

消えた金沢

失われたもの、戻ってきたもの

いまの金沢しか知らないと想像もつかない、「かつてあった金沢」の話です。路面電車、北陸の宝塚、消えた町名——そして金沢は、消えたものを取り戻すことでも日本一になりました。

🚋 金沢に路面電車が走っていた——「青電車」48年の物語金沢

🔵 おじいちゃん世代は、みんな乗っていた: 1919年(大正8年)から1967年(昭和42年)まで、金沢のまちには路面電車が走っていました。北陸鉄道金沢市内線、通称「市電」——青い車体から市民は「青電車」と呼びました。金沢駅前〜武蔵ヶ辻〜兼六園下から始まり、最盛期は総延長12.5km。金沢城をぐるっと一周する環状線を軸に支線が伸び、年間約3,900万人を運んだ時代もあります。1919年に架け替えられた犀川大橋には、電車の軌道も通っていました(→金沢の坂と橋)。
🌷 最後の夜: 車の普及で「渋滞の原因」と扱われるようになり、1967年2月10日が最終運行。飾り付けた花電車6両がまちを一巡し、23時に車庫へ到着して、48年の歴史が終わりました。いま金沢の道路の下に、線路の記憶が眠っています——新しい交通の議論をするとき、金沢は一度それを「持っていた」ことを思い出す価値があります。

🎠 「北陸の宝塚」があった——粟ヶ崎遊園金沢近郊(内灘)

🎭 金沢の材木王が建てた夢の国: 1925年、金沢駅前の材木商で「北陸の材木王」と呼ばれた平澤嘉太郎が、金沢のすぐ隣・粟ヶ崎の砂丘に巨大レジャーランドを建てました。手本は阪急・宝塚を作った小林一三——鉄道(浅野川電気鉄道、いまの北鉄浅野川線の前身)の終点に楽園を置き、乗客を呼ぶ戦略の北陸版です。総工費35万円は現在の価値で約40億円、敷地は約6万坪で兼六園の倍近く。1,000人収容の大劇場、動物園、大浴場、野球場、スキー場まであり、専属の少女歌劇団のレビューは「北陸のタカラヅカ」と呼ばれ、1937年には歌劇学校まで併設されました。
🌙 モボ・モガの聖地、そして戦争: 昭和初期、ここはラッパズボンのモダンボーイと断髪のモダンガールが集う流行の発信地でした。近くには金石電気鉄道が経営するライバル遊園地「濤々園」もあり、競い合って拡張したといいます(金石=銭屋五兵衛のまち!→北前船)。しかし1941年、戦争で軍に接収されて閉園。建物は解体され、いまは本館正面のアーチだけが内灘に残っています。金沢圏に、宝塚が、動物園が、スキー場付きの楽園があった——たった16年の、ほんまにあった夢の話です。

📛 消えた町名を、日本で最初に取り戻した街金沢

消えた1962年の住居表示法で、全国の由緒ある小さな町名が「合理化」のため次々消されました。皮肉なことに金沢は1963年、国からこの法律のモデル都市に指定され、真っ先に町名を消していった街でした。1970年、茶屋街の「主計町」も尾張町2丁目に統合されて消滅します。
戻した1999年10月1日——金沢市は全国で初めて、消えた町名を行政上の正式な町名として復活させました。それが主計町(由来は加賀藩士・富田主計の屋敷)。当時の山出市長は「懐かしさよりもコミュニティーの復活」と語りました。以後、飛梅町・下石引町・木倉町・柿木畠・六枚町・並木町・袋町・南町・下新町・上堤町…と次々に復活し、この動きは長崎・仙台・盛岡など全国に広がりました
仕組み金沢市には「旧町名復活の推進に関する条例」があります。ポイントは、復活は「関係する区域の住民の意思に基づき」行い、住民が市長に申し出ると定めていること——お上が決めるのではなく、住民が自分のまちの名前を取り戻す設計です。条例前文は町名を「かけがえのない貴重な歴史的文化資産」と呼んでいます。
おまけ2番目に復活した飛梅町の名は、前田家(長種系)の家紋「角の内梅輪」と、菅原道真の「飛梅伝説」(道真を慕って梅が太宰府まで飛んだ)に由来。前田家が梅鉢紋を使う理由とつながる話です(→前田家)。
🌱 このカードの結論: 電車は戻りませんでした。楽園も戻りませんでした。でも名前は、住民が声を上げれば戻る——金沢はそれを日本で最初に証明した街です。消すのは一瞬、取り戻すのは何十年。だからこそ、いまあるものの価値を知っておくことが大事なんやと思います。

※出典:Wikipedia(北陸鉄道金沢市内線・粟崎遊園・主計町・旧町名復活運動)、内灘町公式「粟ヶ崎遊園の歴史」、金沢市「旧町名復活の推進に関する条例」ほか。粟ヶ崎遊園の所在地は現在の内灘町です。

Underground Kanazawa

金沢の地下

足の下は、遺跡だらけ

金沢のまちの下には、縄文から江戸まで何層もの暮らしの跡が眠っています。家を建てる前に地面を調べる仕組みから、令和5年度に掘り出された「全国的にも珍しい」出土品まで——市の一次資料(埋蔵文化財調査年報)で、地下の金沢を歩きます。

⛏ 「掘ってから、建てる」——年111件、地面を調べるまちの仕組み金沢市・令和5年度

遺跡の上に建物を建てるとき、金沢市は工事の前に地面の中を調べます。文化財保護法に基づく全国共通の仕組みで、その入口が「試掘」——小型掘削機で1×2メートルほどの穴を複数あけて、地下に遺跡があるかを実際に確かめます。

🔍
有無の調査
年111件
令和5年度=公共12件+民間の開発・農地転用99件
🏗
工事に注意がついた数
36件
慎重工事・工事立会(文化財保護法93・94条)
本格発掘へ
4件
遺跡が見つかり発掘調査で対応となった件数
💡 ここがポイント: 住宅1軒の建設でも、遺跡地図に載る場所なら試掘が入ります。令和5年度の一覧には「住宅建設」「駐車場建設」がずらりと並び、大半は「支障なし」で工事へ——気づかないうちに、まちの開発と遺跡の保護が毎週すれ違っているのです。壊さざるを得ない場合は発掘して記録に残す「記録保存」が行われ、報告書の刊行をもって調査完了となります。
🏯 令和5年度、金沢はここを掘った——発掘12件・約3.8億円金沢市埋蔵文化財センター

金沢市埋蔵文化財センターは年間5〜10件程度の発掘調査を実施しています。令和5年度は緊急発掘8件+学術調査4件の計12件、経費は合計約3億7,975万円(当サイト合算)。中身が、すごい。

鉄砲玉が刺さった「的」兼六小学校のプール建設に先立つ発掘(小将町・金沢城下町遺跡)で、鉄砲の玉がめり込んだ木製の的が出土。玉の跡は数カ所、1カ所は貫通。年報は「全国的に見ても非常に珍しい」と記します。ここは加賀八家・奥村家(支家)の屋敷跡——武家が実際に射撃の稽古をしていた痕跡です。経費7,563万円・出土遺物80箱。
翡翠の勾玉金沢港近くの南新保遺跡群(区画整理に伴い令和2〜8年度の計画で調査中)では、弥生〜古墳時代の建物跡の土坑から翡翠製勾玉2点とガラス小玉2点が出土。令和3年度には平安時代の船着場跡とみられる遺構と船材も見つかっています。令和5年度は4遺跡計10,700㎡を調査、経費は4遺跡合算2億5,724万円。
一向一揆の城から、中国のお金高尾城跡——長享2年(1488)の一向一揆で加賀国守護・富樫政親が立てこもり、攻め落とされた城。加賀が「百姓ノ持チタル国」と呼ばれる時代の発端の地です。令和5年度の発掘で、主郭から中国・北宋の渡来銭「煕寧元寶」(初鋳1068年)が出土しました。
火薬工場と、県境の城涌波の土清水塩硝蔵跡は加賀藩の黒色火薬製造施設(国史跡・辰巳用水の水流を動力に原料を砕いた)。松根城・荒山城は前田利家と佐々成政が県境を挟んでにらみ合った時代の山城(加越国境城跡群)。城もインフラも軍需工場も、地面の下に現物が残っています。
武家屋敷のゴミ穴兼六元町の発掘(老人ホーム建設に先立ち実施)では、禄高1,700石の武士・奥村又十郎の屋敷地から不用品を捨てた「ゴミ穴」が複数見つかり、遺物が大量に出土。江戸時代の暮らしは、ゴミ穴がいちばん雄弁に語ります。
📖 全部読めます: これらは市の「金沢市埋蔵文化財調査年報」に、調査地・面積・期間・経費(千円単位)・出土遺物の箱数まで全部載っています。市公式サイトでPDF公開。全国の発掘報告書は奈良文化財研究所「全国遺跡報告総覧」でも検索できます。
🏺 掘り出したものは、無料で見られる——金沢縄文ワールド金沢市・上安原

出土品の行き先が、金沢市埋蔵文化財センター(平成9年開設・上安原南60番地)に併設された展示施設「金沢縄文ワールド」です。入館無料

国の重要文化財中屋サワ遺跡(いなほ1丁目)の出土品は平成26年に重要文化財指定。縄文時代晩期の漆塗りの弓・櫛・腕輪など、当時の漆芸のワザが残る第一級の資料です。工芸のまち金沢の漆文化は、縄文までさかのぼれます。
巨木の環チカモリ遺跡(新保本・国史跡)からは、クリの巨木を半分に割って円形に立て並べた環状木柱列と計349点の木柱根が出土。展示室の中央に室内復元されています。
数字でみる令和5年度の入館者は2,390人。小学校への出前授業「歴史ふれあい講座」は25校1,663人、平成12年度からの累計38,389人。勾玉づくりなどの縄文体験も無料です。
能登半島地震の爪あと令和6年1月1日の地震で、展示中の重要文化財の土器を含む数点が倒れて破損。2日間の臨時休館ののち再開し、破損した重文土器は修理予定と年報に記録されています。地震は地下の宝にも及びました。

出典:金沢市「令和5年度 金沢市埋蔵文化財調査年報」(令和6年3月・金沢市埋蔵文化財センター編。発掘12件の調査地・面積・経費・出土遺物、分布調査111件〔公共12・民間99〕、93条・94条対応36件と発掘対応4件、試掘の方法、記録保存と報告書刊行、鉄砲玉の的「全国的に見ても非常に珍しい」、翡翠製勾玉2点・ガラス小玉2点、船着場跡と船材〔令和3年度調査〕、煕寧元寶、高尾城と長享の一揆、土清水塩硝蔵、縄文ワールド入館2,390人・講座累計38,389人・地震被害はすべて同年報より)。経費合計3億7,975万円(緊急3億6,039万円+学術1,935万円)と南新保4遺跡の面積計10,700㎡は当サイトの合算(南新保の経費257,236千円は4遺跡合算のため1回のみ計上)。年間5〜10件程度は市公式サイト「埋蔵文化財センターについて」より。

Kanazawa No.1 & Last

金沢の日本一と最下位

頂点とビリの一覧表

このサイトのあちこちに散らばっていた「金沢の日本一」を1枚に集めました。各項目から詳しいカードへ飛べます——つまりこれは、サイト全体の「日本一の索引」です。あわせて、最下位も。

🍭 食と家計の日本一金沢

菓子類年間支出金額・連続全国1位。3年平均ランキングの掲載が始まった平成21〜23年からずっと1位で、最新の令和4〜6年平均では和菓子・洋菓子・菓子類の三冠。1世帯あたり年約10万円をお菓子に使う日本一の甘党のまちです(→金沢の家計簿)。
アイス雪国なのにアイスクリーム支出で全国1位の常連——総務省の3年平均ランキングで2020〜22年平均まで10回連続1位。直近の2021〜23年平均は2位でした。冬でもアイスを買うまちです。
まだある年によってはすし(外食)1位・もち1位・れんこん1位・学校給食1位も記録。もちは福井・富山と北陸トップ3を独占した年があり、れんこんは加賀野菜の面目躍如です(→金沢の食)。

🏭 ものづくりの日本一金沢・石川

金箔国内生産の98%以上——約99%が金沢製(政府広報・金沢市観光協会)。江戸期は江戸・京都以外で箔打ち禁止だったのが、1808年の金沢城焼失の再建のために製造が許され、大正期に箔打機が金沢で誕生してシェアが一気に伸びたとされます。城の火事が日本一の産業を生んだんです。金閣寺の金箔も金沢製です。
回転寿司全国の回転寿司コンベアはほぼ100%が石川県製——金沢の石野製作所(シェア約60%)と白山市の日本クレセント。回らない「特急レーン」も金沢生まれです(→金沢の会社)。
ボトル充填澁谷工業(金沢市)はペットボトル無菌充填システムで国内シェア80〜90%。コンビニのペットボトル飲料、かなりの確率で金沢の機械が詰めています。

🏆 スポーツ・制度・歴史の日本一金沢

10連覇バスケの金沢ハニービー(旧・北國銀行)は日本リーグ前人未踏の10連覇。野球のミリオンスターズは明石家さんまの1日コーチで独立リーグ最多15,877人を集めました(→金沢のスポーツ)。
全国初旧町名復活・全国第1号(1999年・主計町)。消えた町名を行政上の正式町名として取り戻した最初の街で、この動きは全国に広がりました(→消えた金沢)。泉鏡花文学賞も自治体主催の文学賞の先駆けといわれます。
加賀百万石加賀藩の102万石は徳川将軍家を除く大名で日本最大。兼六園の噴水は日本最古とされ、唐崎松の雪吊りは日本最大級とされます(→前田家)。
💡 日本一の共通点: 並べると見えてきます——金箔、回転寿司のレール、ボトル充填、和菓子。金沢の日本一は「狭い分野の頂点」ばかり。派手な大産業ではなく、誰も見ていないニッチを磨き抜いて世界一になる。これは加賀藩が工芸に注いだ姿勢とまったく同じ遺伝子です。

📉 最下位も金沢

食塩2020年の家計調査では食塩の消費量が全国52市中52位=最下位。日本一の甘党は、日本一塩を買わない街でもありました。
かつお節かつお節・削り節の支出も最下位(2020年)。北前船が運んだ昆布だし文化圏の面目躍如、と読みたくなる数字です(→北前船)。

※出典:総務省統計局「家計調査ランキング」、石川県統計協会、政府広報オンライン、金沢市観光協会、箔一、各カード記載の一次資料。「とされる」表記は断定できる一次資料が未確認のものです。順位は調査年により変動します。

Trivia — Kanazawa in the Fine Print

どうでもいい金沢

知らんでええけど、確かに税金が動いとる

市の決算書(主要施策の成果説明書・全236頁)を隅から隅まで読むと、「え、そんなことまで数えとるん?」という数字がゴロゴロ出てきます。ニュースにもならん、選挙でも語られん——でも全部、あなたの税金が動いた記録です。しょうもない、でもクセになる。金沢の「細部に宿る神」を集めました。すべて情報公開で得た一次資料の実数です。

🐗 税金で戦う、金沢の生きものたち金沢市

サル
352万円
イノシシ対策(3,668万円)の陰で、サル専用の被害防止対策に年352万円。捕獲檻や銃器で捕獲します。金沢市はサルとも税金で戦っています。
クマ
出没
緩衝帯の設置や放置果樹の除去でクマの出没に対応、猟友会と連携したパトロールも実施(森づくりの部)。「クマ対策」も市の正式な事業として決算に載っています。
アメリカ
シロヒトリ
街路樹を食い荒らす毛虫「アメリカシロヒトリ」の防除に年1,838万円。第1化期(6〜7月)と第2化期(8〜9月)に分けて、延2,835時間パトロール・56町会で防除。毛虫にも予算がつきます。
あゆ
36万尾
犀川などにあゆ36万尾・いわな1万2千尾・やまめ2万4千尾・ごり1万2千尾・さくらます1万尾・発眼卵2万粒を放流(淡水魚放流事業872万円)。魚を「まく」のも市の仕事です。
ヤマメ
飼育
環境教育としてヤマメの飼育・放流事業を実施(環境保全)。カラスの騒音・フン害対策、ホタルの生息調査・鑑賞会も。金沢の生きもの、ひととおり税金が関わっています。
カラス
対策
まちなかのカラスによる騒音・フン害の対策も正式事業(自然環境保全事業974万円の一部)。ホタルの生息調査・鑑賞会と同じ予算に入っています。金沢は、カラスとホタルを同じ財布で扱っています。
ふわふわ
ドーム
内川スポーツ広場の遊具整備2.3億円のうち、「ふわふわドーム設置工事」に8,305万円。子どもが飛び跳ねる空気の遊具1基に、8千万円。決算書には「ふわふわドーム」と正式名称で載っています。
BSE
検査
2頭
食肉の全頭検査38,842頭のうち、BSE(狂牛病)スクリーニング検査は2頭のみ。制度が縮小した今も、対象牛だけは1頭ずつ確実に検査。忘れられがちな安全網が、静かに残っています。
発眼卵
2万粒
淡水魚の放流、成魚だけでなく「発眼卵」を2万粒もまいています。目の点が見えてきた卵の状態で川へ。魚を「卵から育てる」税金の使い方です。

出典:金沢市「令和6年度 主要施策の成果説明書」P118-127・P101・P127・P173(情報公開請求で入手・当サイト転記)

🚽 建物の、こまかすぎる部屋・設備金沢市

ドーピング
検査室
金沢スタジアムには「ドーピングコントロール室」(41.51㎡)が正式にあります。国際試合対応の証。ほかにミックスゾーン171.81㎡、風除室25.38㎡まで面積が決まっています。募集要項に全室の広さが載っていました。
感染症病床
患者0人
金沢市立病院の感染症病床6床、令和6年度の患者数は0人。「使われないことが仕事のベッド」です。空いていることに税金で備える——それが公立病院の役割です。
昇降機
1〜6号
スタジアムの附属施設一覧には「昇降機1〜6」「汚水中継槽」「ナーセリー(芝生圃場)」まで記載。芝生を育てる専用の畑まで、ちゃんと施設として管理されています。
水槽の
センサー故障
スタジアムの「雑用水槽」の圧力センサーが故障し、水位が30cmもズレる事件が発生(令和6年6月)。長野の計器メーカーで調査、最終的にフロート式(浮き球)に変更。決算書に残る、地味すぎるトラブル史です。
火災警報→
誤放送
3月のJリーグ開幕戦で火災警報が作動。消火後に「非常放送」を誤って流してしまった——と評価表に正直に記録されています。市はこれを教訓に緊急対応マニュアルを改定しました。
第9・第10
会議室
年0人
金沢スタジアムの第1会議室は年1,517人使うのに、第9会議室・第10会議室は年間利用者0人。無料開放等の利用も0人。作ったけど、まだ誰も使っていない部屋が、ピカピカのスタジアムの中にあります。
12月の
ラウンジ
特別会議室「トンネルラウンジ」の年間利用はわずか110人、プレミアムラウンジは0人。VIPラウンジ500人。豪華な名前の部屋ほど、実は閑古鳥——それも数字が正直に語ります。
チーム
更衣室
238㎡
スタジアムのチーム更衣室は1室238.80㎡——20人×2室仕様。ワームアップエリアも81㎡が2つ。選手が使う部屋の広さまで、募集要項に1㎡単位で記載されています。
ペデスト
リアン
デッキ
スタジアムの附属施設一覧に「ペデストリアンデッキ」「大型映像装置」「汚水中継槽」が並びます。横文字の歩道橋も、汚水の中継槽も、同じ「施設」として管理されています。

出典:金沢市「令和6年度 主要施策の成果説明書」・金沢スタジアム指定管理者募集要項・評価表・市立病院決算書(情報公開請求で入手・当サイト転記)

💸 桁が小さい、でも確かに動いた金金沢市

100歳に
花束
100歳になった172人にお祝い金と花束、88歳の2,391人にタオルセット——この2つ合わせて1,410.6万円(長寿お祝い事業)。決算書は100歳分だけの金額を分けて書いていないので「172人でいくら」までは特定できませんが、あなたが100歳になったら、金沢市から花束が届く——それは確かです。
出産扶助
2件
生活保護の扶助費76.9億円のうち、「出産扶助」はわずか37.5万円・2件。76億円の帳簿の中に、2人の赤ちゃんの出産費用がちゃんと1行で記録されています。
男性育休
奨励金4件
男性の育児休業取得を促す奨励金(1件5万円)、令和6年度の交付実績は4件・計20万円。前年は1件。「両立支援」の看板の、リアルな実額です。
敬老の
贈呈2千円
老人ホーム入所者のうち無年金の方へ、1か月2,000円を延11人に贈呈(敬寿金贈呈事業・年2.2万円)。桁は小さくても、制度としてちゃんと存在します。
加賀竿
後継者1人
伝統工芸「加賀竿(釣り竿)」の後継者育成で、市が奨励金(月12万円)を出す対象は1人。金沢和傘も1人。「工芸のまち」の継承、最前線は個人名で数えられます。
ベジタ
くる〜ん
「ベジタくる〜ん事業」——家庭でできた堆肥をJAや園芸店に持ち込むと、店内ポイントと交換できる制度。令和6年度は3.8トン回収。名前のインパクトだけで一見の価値ありです。
無年金の
外国人
高齢者
年金のない外国人高齢者へ、月額1万円の福祉手当(外国人高齢者福祉手当・延15か月分15万円)。制度のはざまに落ちる人を、市が独自に拾っています。桁は小さくても、思想のある1行です。
入湯税
23施設
温泉に入ると1人150円かかる入湯税、納める施設は市内にたった23。年約6,558万円(現年調定)。金沢の「温泉に入る人の数」が、この税額から逆算できます。
たばこ税
12社で
32億
市たばこ税32億円を納めているのは、わずか12の事業者(卸売業者など)。あなたが吸う1箱の税が、この12社を通って市の財布に入ります。
船員手帳
41件
戸籍の窓口業務に「船員手帳」の関係が41件——令和の金沢に、まだ船員手帳の手続きがあります。デジタル全盛の時代の、海の名残の1行です。
傷病手当
1件21円
国民健康保険の給付一覧、傷病手当金は1件・21千円(=2万1千円)。76億円が動く国保会計の中に、たった1人分・2万円の給付が、ちゃんと1行で記録されています。

出典:金沢市「令和6年度 主要施策の成果説明書」P66・P84・P107・P67・P141・P104(情報公開請求で入手・当サイト転記)

📊 そんなことまで数えてたんか金沢市

紙おむつ
1人
年5.3万
在宅で介護される高齢者への紙おむつ支給は936万円・利用者177人。割り算すると1人あたり年52,876円=月約4,400円。「おむつでそんなに?」と思いますが、寝たきりの方は1日数枚・月100枚超を使うので、月4千円はむしろ現物支給としては控えめな水準です。
理髪
1回
3,756円
ねたきり高齢者への訪問理髪サービスは46万2千円・延123人=1回あたり約3,756円。理容師が自宅へ出張し、動けない方の髪を切ります。1,500円カット+出張の手間を考えれば、きわめて妥当な水準です。
【訂正 2026-08-12】当初、原本の単位(千円)を読み違えて「462万円・1回3.8万円」と10倍誤って掲載していました。「散髪に4万円は常識的に高すぎでは?」という指摘をきっかけに原本を再確認し、修正しました。まちがいを見つけたら、このサイトは直します——その実例第1号です(→報告は「このサイトについて」のフォームへ)。
配食
1食に
189円
ひとり暮らし等への配食サービスは総額4,722.6万円・948人・年250,107食市の負担は1食あたり約189円(利用者も別途自己負担あり=完全無料ではありません)。1人あたり年264食=約3日に2食のペースで届きます。目的は栄養だけでなく「手渡し時の安否確認」——倒れていないかを毎回そっと確かめる「食べる見守り」です。
と畜検査
38,842頭
食肉の安全のため、牛5,872頭・豚32,956頭など計38,842頭を1頭ずつ検査。BSEスクリーニング検査も2頭。あなたが食べる肉は、全頭チェックを通っています。
AI分別
問合せ5.5万件
「これ燃えるゴミ?」の疑問に答えるAI自動応答システムへの問い合わせが年55,198件。市民は年に5.5万回、ゴミの分け方をAIに聞いています。
冬季の
来場403人
金沢スタジアム、プロ利用のない12月の来場者はたった403人(1月426人・2月841人)。9月は21,011人。天然芝のスタジアムの「冬の静けさ」が、来場者数に正直に出ています。
🎪 このカードの意味: しょうもない数字に見えて、全部が「市民の誰かの暮らし」です。おむつ177人・理髪123人——その一人ひとりに、支える理由があります。「どうでもいい」ほど、行政が細部まで市民を見ている証拠でもある。細部に、神は宿ります。
絵本の
おはなし会
年346回
玉川こども図書館の「絵本の時間・ろうそくのおはなし会」は年346回——ほぼ毎日です。外国語のおはなし会も年43回905人。図書館の奥で、毎日誰かが子どもに絵本を読んでいます。
運動中に
ケガ164人
救急車で運ばれた理由の中に「運動競技中の負傷」164人。ほかに自損行為96人、加害32人、火災16人。24,982件の救急出動は、まちのあらゆる「もしも」の記録です。
原付
11,154台
軽自動車税を納める原動機付自転車は11,154台、二輪の小型自動車5,207台まで1台ずつ課税。あなたの原付も、この数字の1台です。
火葬許可
6,181件
戸籍の窓口で扱う火葬許可は年6,181件——これはほぼ、金沢で1年間に亡くなった人の数です。婚姻や出生と並んで、死もまた1件ずつ窓口を通ります。
無効票
5,097票
最高裁裁判官の国民審査(衆院選と同日)、投票184,271票のうち無効票が5,097票。「よく分からないから空欄」も含め、この5千票が金沢の民意の一部です。

出典:金沢市「令和6年度 主要施策の成果説明書」P66・P250-食単位・P100・P104・P49(情報公開請求で入手・当サイト転記)

🏚 作ったのに、あんまり使われてない金沢市

税金で作った施設や制度が、必ずしも使われるとは限りません。決算書は「使われなかった」ことも、正直に記録しています。

感染症病床
患者0人
市立病院の感染症病床6床、令和6年度の患者数は0人。使われないことが備え——でも「0」という数字は、なかなかにシュールです。
スタジアム
会議室
年0人
金沢スタジアムの第9・第10会議室、無料開放等は年間利用0人。竣工したばかりの立派な施設に、まだ使われていない部屋があります。
テレワーク
空き家
0件
移住者向けの「テレワーク空き家活用事業」、令和6年度の利用は0件のまま制度廃止。まちなか低未利用地の活用補助も0件。良かれと作った制度が、静かに役目を終えました。
市民
サッカー場
0人
体育施設の利用一覧で、市民サッカー場の利用者は0人——解体されたためです。「金沢スタジアム」に役目を譲り、数字の上から消えました。
新住宅
奨励金
実績ほぼ0
令和6年10月に新設した「金沢市住宅取得奨励金」、初年度の交付は戸建0件・マンション3件。旧制度を廃止して衣替えした矢先の、静かなスタートでした。
🏚 「使われない」も、立派なデータ: 民間なら「失敗」で終わる話も、決算書に残るから検証できる。次に活かすか、やめるか——それを決める材料が、こうして1行ずつ積まれています。使われなかった記録を消さないのが、公の強さです。
プレミアム
ラウンジ
0人
スタジアムの特別会議室「プレミアムラウンジ(第1)」の年間利用は0人。VIPラウンジは500人使うのに、最上位の部屋が閑古鳥。名前の豪華さと利用者数は、必ずしも一致しません。

出典:金沢市「令和6年度 主要施策の成果説明書」P87・スタジアム来場者数詳細・P176・P225・P175(情報公開請求で入手・当サイト転記)

🔢 数字でわかる「金沢ってこういう街」金沢市

決算書のこまかい数字を並べると、金沢という街の「体つき」が見えてきます。

美容室が
理容室の
2.6倍
市が衛生監視する美容所は1,148軒、理容所は436軒。美容室が理容室の2.6倍。「床屋よりヘアサロン」の時代が、施設数にくっきり出ています。
菓子屋
903軒
食品衛生の許可施設で菓子製造業が903軒——飲食店(6,438軒)に次ぐ多さ。さすが和菓子のまち金沢、甘いもの屋の密度が数字で証明されています。
興行場
16軒
映画館や劇場などの「興行場」は市内にわずか16軒。旅館業483軒・公衆浴場78軒と比べると、金沢が「観る」より「泊まる・浸かる」まちだと分かります。
外国人
7,954人
住民基本台帳の外国人は7,954人(前年比+934人)。日本人433,336人。金沢の人口の約1.8%が外国籍で、毎年着実に増えています。
市役所
技術職
合格86%
市職員採用、短大高卒の技術職は受験36人中21人合格=合格率86.2%。一方で消防は11.5%の狭き門。同じ市役所でも、職種で難易度がまるで違います。
宿泊税
4,676,607
人泊
1泊200円(高級宿は500円)の宿泊税、対象は年467万人泊。金沢に泊まった延べ人数がこの数字。観光都市・金沢の「延べ宿泊者数」が、税から丸わかりです。
市道
2,206km
金沢の市道は11,894本・総延長2,206km(正確には2,206,403m)。東京〜博多の新幹線(約1,070km)を往復してもまだ足りない長さを、市が管理・除雪しています。橋は1,425本(うち永久橋99.9%)。足元のインフラの、途方もない量。
コンビニ
交付
13万通
証明書のコンビニ交付は年131,271通(前年10.5万通から増)。マイナカードで住民票を取る人が着実に増加。一方でマイナカード交付は37,898枚(前年6.3万から半減=配りきったため)。

出典:金沢市「令和6年度 主要施策の成果説明書」P99・P24・P44・P15(情報公開請求で入手・当サイト転記)

🏪 金沢の店、ぜんぶ数えたら——25,244事業所金沢市

国が5年に1度、日本中の事業所をまるごと数える「経済センサス」。金沢市の全産業は25,244事業所——市民およそ18人に1つの計算です。中身をざっくり。

夜が
強い
バー・キャバレー・ナイトクラブ524、酒場・ビヤホール465、喫茶店268。夜の店が喫茶店の2倍近くある——片町を抱えるまちの体つきです。
食の
三つ巴
すし店135・焼肉店132・そば・うどん店122で、ほぼ横一線。専門料理店は888軒(うち日本料理266・中華194)あります。
服屋は
2.7倍
婦人・子供服239に対して紳士服は89。菓子・パンの小売も302軒——甘党日本一(→金沢の家計簿)は、店の数にも出ています。
習いごとの
まち
学習塾232、音楽教室115を含む教養・技能の教室が418。歯科診療所211軒は、書店・文房具店149軒より多い。
🔍 上の保健所の数字と違うのはなぜ?: 美容室は保健所の許可では1,148軒、センサスでは692軒。許可は「休眠も含むいまの台帳」、センサスは「2021年に実際に活動していた事業所」——数える物差しが違えば、数字は顔を変えます。どちらも正しい。出どころを見るクセこそ、このサイトの本題です。
🏥 保健所の目で数えると——飲食店だけで「営業許可6,438件」
もう一つの物差しが保健所です。令和6年度、金沢市が監視している業種別の施設数は——許可施設で飲食店営業6,438・菓子製造903・そうざい製造342・魚介類販売245・食肉販売231、ほかに届出施設3,863。環境衛生では美容1,148・理容436・旅館483・クリーニング222・公衆浴場78・動物の飼養収容28、医療では病院43・一般診療所424・歯科診療所221。ここで効くのが定義差——飲食店営業の「許可」は6,438件で、上のセンサスの「飲食3,062事業所」の2倍以上あります。許可は「店を開ける権利を持つ台帳(休眠や、一つの店が複数の許可を持つ場合も含む)」、センサスは「2021年に実際に動いていた事業所」。同じ『金沢の店』でも、どの窓から数えるかで姿が変わる——それが分かるのが、数字を出どころで読むということです。

※出典:総務省・経済産業省「令和3年経済センサス-活動調査」9-1A 産業(小分類)別全事業所数・金沢市(2021年6月1日時点)。「事業所数」は店舗のほか事務所なども含みます。e-StatのCSVから当サイトが転記し、分類の合算が全産業25,244と一致することを検算済み。約18人に1つは令和7年国勢調査速報人口454,071人で当サイトが算出。保健所の業種別施設数(令和6年度)は金沢市「令和6年度 主要施策の成果説明書」P99・環境衛生(情報公開請求で入手・当サイト転記)より。

🕳 制度のスキマに、ちゃんと手が伸びてる金沢市

「たった1人・数件」の給付ほど、実は制度の思想が見えます。桁の小ささに、優しさが宿っていることがあります。

傷病手当
1人
国保の傷病手当金は年1件2万1千円。76億円の会計に、たった1人のための1行。「制度は使う人が1人でも残す」——それが社会保険の思想です。
出産扶助
2件
生活保護76.9億円のうち出産扶助は2件37.5万円。生活保護世帯にも赤ちゃんは生まれ、その費用もちゃんと保障される。数字の裏に、2人の新しい命があります。
無年金
外国人
月1万円
年金のない外国人高齢者へ市独自に月1万円(延15か月)。国の制度から漏れる人を、市が拾う。金額は小さくても、これは金沢の「思想」の1行です。
敬寿金
月2千円
老人ホーム入所の無年金者へ月2,000円を延11人。年2万2千円。「持たざる人にも敬意を」——桁は最小でも、制度としてちゃんと存在し続けています。
難聴児
補聴器
26人
中軽度難聴の子どもの補聴器購入助成、26人・277万円(片耳49,100円基準)。制度がなければ自費だった家庭に、そっと届く支援です。
🕳 「1人のための制度」を残せるか: 効率だけなら、利用者1人の制度は「やめる」判断になります。でも金沢は残している。数の少なさは、切り捨ての理由にならない——この小さな数字たちが、そう語っています。

出典:金沢市「令和6年度 主要施策の成果説明書」国民健康保険特別会計・P84・P66・P61(情報公開請求で入手・当サイト転記)

📏 少人数すぎて、逆にエモい金沢市

金沢の伝統や制度は、驚くほど少人数で支えられていることがあります。数字が小さいほど、その1人の重みが増します。

お茶道
塾生
19人
金沢・茶道子ども塾(第13期)の塾生は19人、加賀宝生(能)子ども塾は7人、狂言教室は6人。金沢の伝統芸能の未来は、この十数人ずつの子どもたちが背負っています。
加賀友禅
研修1人
伝統産業技術研修者の奨励金、加賀友禅1人・九谷焼1人・金沢漆器1人・加賀繍0人・加賀象嵌0人(令和6年度)。友禅の未来を継ぐ研修生は、この年1人でした。
たばこ税
12社
市たばこ税32億円を納めるのはわずか12の事業者。事業所税の従業者割も214者。「大きな税収を、少数が納める」構造が、金沢の財政の一面です。
入湯税
23施設
温泉の入湯税を納める施設は23、興行場(映画館・劇場)は16、遊泳プールは19。金沢の「遊び場」は、意外と数えられる規模です。
固定資産税
交付金
12件
固定資産税の交付金の対象はわずか12件(国有地等の代替)。3億円がこの12件に。決算書は、たった12件の内訳まで数えています。
宿泊税
免除
5千円未満
宿泊税は1泊200円ですが、1泊5,000円未満の宿は令和6年10月から免除。安宿・ゲストハウスに泊まる人からは取らない——金沢の税の、地味な優しさです。

出典:金沢市「令和6年度 主要施策の成果説明書」P32・P141・P15・P99(情報公開請求で入手・当サイト転記)

Kanazawa Onsen

金沢の温泉

奥座敷・夢二・アニメが生んだ祭り

「金沢に温泉?」と思われがちですが、市内には開湯1300年の古湯があります。藩主が通い、画家が恋をし、そして——アニメが祭りを生んだ温泉です。

♨ 湯涌温泉——金沢の奥座敷金沢

🏯 藩主も通った1300年の湯: 金沢駅から車で約30分、山あいの湯涌温泉は開湯1300年(起源は718年頃にさかのぼるといわれる)の古湯で、藩政期には歴代藩主の湯治場として栄えました。いまは趣の異なる旅館8軒と、地元の人も観光客も入れる総湯「白鷺の湯」がある小さな温泉街——「金沢の奥座敷」と呼ばれる理由です。
夢二の恋大正ロマンの画家・竹久夢二は、最愛の女性・笠井彦乃と湯涌で約1か月の「至福の刻」を過ごしました。実は夢二の妻で美人画のモデルになったたまきは金沢出身。夢二は湯涌に画室を建てる夢まで抱いていたそうです。2000年には金沢湯涌夢二館が開館し、「ロマンの湯町」の記憶を伝えています(→金沢の人物)。
氷室江戸時代、加賀藩は冬の雪を「氷室」という小屋に保管し、夏に切り出して徳川将軍家へ献上していました。湯涌ではこの伝統を受け継ぎ、玉泉湖のほとりに復元した氷室小屋へ毎年1月に雪を詰め、6月30日に取り出す「氷室開き」を開催——金沢の夏の風物詩です。冷蔵庫のない時代、雪は加賀百万石の外交ツールやったんです(→前田家)。
玉泉湖温泉街の奥にある周囲500mの人造湖。もとは湯涌に豪華な「白雲楼ホテル」を建てた桜井兵五郎が築いた溜池とされます。湖畔の遊歩道は湯上がり散歩にちょうどいい15分——この白雲楼、次の話につながります。

🏮 アニメの中の祭りが、現実の祭りになった金沢

📺 「花咲くいろは」と湯乃鷺温泉: 2011年のテレビアニメ「花咲くいろは」は、東京育ちの女子高生が祖母の旅館で仲居として働き成長する物語。その舞台「湯乃鷺温泉」のモデルが湯涌温泉です(旅館「喜翆荘」のモデルは白雲楼ホテルとされ、最寄りの「湯乃鷺駅」はのと鉄道の西岸駅——いまも駅名標が「湯乃鷺駅」になっています)。実は舞台化は秘密裏に進んでいたため、放送が始まって突然ファンが押し寄せ、地元商店の人たちは最初「なんやこの人ら?」と不思議がっていたそうです。
🏮 逆輸入された祭り: 劇中には「ぼんぼり祭り」という架空の祭りが登場します——出雲へ帰る神様が迷子にならないよう、道にぼんぼりを提げて案内する年中行事。これを見た湯涌温泉観光協会は「きれいな祭りだ」と、現実世界での開催を決めてしまいました。制作会社P.A.WORKSの協力で約300基のぼんぼりを設置し、2011年10月に第1回を開催。しかも「アニメファンだけのイベント」ではなく「地域に根付く祭り」にすることにこだわり、アニメ色を控えめにしたことで地元住民の支持も獲得——いまや毎年秋の恒例行事として定着し、2026年度で第14回を迎えます。フィクションから現実に「逆輸入」された祭りが、まちの伝統になりつつある——全国でも稀有な事例です。
🌱 このカードの結論: 藩主の湯治場→夢二の恋の宿→アニメの聖地。湯涌は1300年、「物語の生まれる温泉」であり続けています。祭りは神事から生まれるとは限らん——物語からも生まれる。それを証明したのが金沢の奥座敷です。

※出典:金沢市観光協会、湯涌温泉観光協会、Wikipedia「湯涌ぼんぼり祭り」、ほっと石川旅ねっと。市内には他の温泉・鉱泉もありますが(深谷温泉など)、一次資料を確認でき次第追加します。

Hokuriku Shinkansen

北陸新幹線

金沢を変えた、42年越しの一本

2015年3月14日、金沢のまちを一変させた一本の鉄路。構想決定から開業まで42年——その歴史・数字・裏側を、たぶん市民サイト史上いちばん細かく掘りました。

📖 42年の物語——「長野行新幹線」だった18年国・沿線

1973年全国新幹線鉄道整備法に基づき整備計画が決定(東京〜大阪、いわゆる整備新幹線5路線の一つ)。ところが国鉄の財政悪化で建設は凍結。北陸の「悲願」は、ここから半世紀の物語になります。
1997年1989年にようやく高崎〜軽井沢間で着工し、長野オリンピックに合わせて1997年10月、高崎〜長野間が整備新幹線として初めて開業。ただし北陸に届いていないため、名前は「北陸新幹線」なのに旅客案内は「長野行新幹線」→「長野新幹線」——北陸の名を名乗れない時代が18年続きました。
2015年
3月14日
長野〜金沢間228kmが開業。整備計画決定から42年目の悲願達成です。東京〜金沢は最速3時間47分から2時間28分へ、79分短縮(鉄道・運輸機構)。列車は速達「かがやき」、停車型「はくたか」、富山〜金沢シャトル「つるぎ」、長野止まり「あさま」の4本立て。「はくたか」の名は、廃止された在来線特急から受け継ぎました。
2024年〜2024年3月16日に敦賀へ延伸。そして2026年7月15日、与党が新大阪までの「小浜・京都ルート(桂川案)」を再決定——ただし開業は最速でも2050年代です(→金沢の未来年表)。
📊 数字で見る「開業ショック」石川・金沢
📈 予測の2倍当たった賭け: 石川県は九州新幹線を参考に「利用者は開業前の1.6倍くらい」と予測していました。ふたを開けると——開業1年目926万人、在来線特急時代の約3倍。2〜3年目も約2.7倍を維持し、コロナ前まで初年度効果の9割が持続しました。金沢地域の観光入込客数は開業前844万人→約1,000万人に跳ね、日本政策投資銀行の試算では観光拡大による石川県への経済波及効果は年678億円——事前試算124億円の5倍以上です。
新規需要特徴的なのは、飛行機からの乗り換えでは説明できない「新しく北陸に来る人」が生まれたこと(鉄道・運輸機構)。心配された「ストロー現象」(東京に吸われる)は観光面では見られず、逆に北陸へオフィスを移す動きやホテル建設ラッシュが起きました。
お金の流れインバウンド急増は市の財政も変えました——金沢市が宿泊税を導入できたのも、新幹線が生んだ観光の賑わいが土台です(→金沢のお金)。2024年の敦賀延伸でも、石川県へ年279億円+インバウンド分48億円の波及効果が試算されています。
マイナス面も一方で、並行在来線はJRから切り離されて第三セクター「IRいしかわ鉄道」に。北陸の学生の進学先が東京圏へシフトしたというデータもあります(北陸新幹線建設促進同盟会)。便利さは、人を呼ぶ力と吸い出す力の両方を持っている——それが新幹線の正体です。
📈 観光、過去最高の光と影——市の統計と市民の実感金沢市・観光政策課

新幹線がもたらした観光ブームのいまを、市の観光統計と市民アンケートで測ります。数字は絶好調、実感は複雑——その両方が公式資料に載っています。

🛏
市内延べ宿泊者数(2024年)
424万人
コロナ前を超え過去最高
🚄
金沢地域の入込客数
1,098万人
2020年547万人からV字回復し過去最高
👀
市民の実感
76.8%が「旅行者多い」
まちなか住民では82.7%
⚖️ 「過去最高」と「もう十分」が同居するまち
2024年、敦賀延伸の年に宿泊424万人・入込1,098万人と観光の数字はそろって過去最高を更新(宿泊には能登半島地震の避難需要等も含む、と市の資料に注記あり)。一方、市民アンケートでは「この1年、旅行者が多い」と感じる人が全体で76.8%、まちなか在住者では82.7%。eモニターで見た「観光客価格で地元の口に入らない」(→農と海の幸)、「観光と住民の共存を」(→金沢のまちなか)の声と、この数字は同じ現実の裏表です。市民の自由記述には「人材や資本が飲食に過集中で、それ以外の産業が育っていない。飲食1本足打法では持続可能性が高いとは言えない」という産業構造への鋭い指摘まで——市は令和8年度からの「持続可能な観光振興推進計画2026」で、まさに「市民生活との調和」を計画の柱に据えました。観光の成功をどう暮らしの豊かさに変換するか——新幹線10年目の宿題です。

出典:金沢市「持続可能な観光振興推進計画2026」(延べ宿泊者数424万人・金沢地域入込客数の推移、観光政策課)、「金沢市の観光に関するアンケート調査報告書」(令和6年度、市民対象・旅行者「とても多く感じる」31.7%+「多く感じる」45.1%、自由記述は原文どおり)。入込客数の「金沢地域」はかほく市・白山市の一部・野々市市・津幡町・内灘町を含む県統計の区分。

🧠 うんちく編——飲み会で使える新幹線の裏側全線

日本唯一同じ新幹線をJR2社が運営するのは北陸新幹線が初めてで、いまも唯一。上越妙高駅を境に東側がJR東日本、西側がJR西日本で、ここで乗務員が交代します。気づかないうちに「会社の国境」を越えているんです。
周波数3回電気のうんちく最高峰。東日本は50Hz・西日本は60Hzですが、北陸新幹線は境界を縫って走るため、高崎〜軽井沢(東京電力50Hz)→中部電力60Hz→糸魚川付近(東北電力50Hz)→北陸電力60Hzと、走行中に周波数が3回変わります。関わる電力会社は4社——こんな新幹線は日本でここだけ。東海道新幹線は変電所で60Hzに変換して逃げましたが、北陸は技術の進歩で車両側が両対応。E7/W7系は「電気の東西を翻訳しながら走る新幹線」なんです。
雪の設計高架橋は線路部分が一段高い「閉床式貯雪型」——線路脇にわざと雪を溜めるスペースを作った豪雪仕様です。全線の約44%がトンネル、約40%が高架。長野・新潟県境の飯山トンネル(22km251m)は日本の鉄道トンネル第4位。この設計思想の成果か、開業から約10年で大雪による運休はわずか2日とされます。雪に閉ざされてきた北陸が、雪に勝つ鉄道を手に入れました(→雪と災害)。
車両の和E7/W7系はJR東西の共同開発で、デザイン監修は工業デザイナーの奥山清行(フェラーリを手がけたことで知られる山形出身のデザイナー)。コンセプトは「和」——12両編成・定員924名、最上級グランクラスは1編成にわずか18席の本革シートです。そして金沢駅は、新幹線ホームの柱に本物の金箔、駅舎内装に県内の伝統的工芸品31品目——駅そのものが工芸館です(→金沢の日本一)。
音の遺言W7系(JR西日本の車両)の車内チャイムは、谷村新司さんが開業記念に書き下ろした「北陸ロマン」のオルゴール調アレンジ。当初は期間限定の予定でしたが、谷村さんが亡くなった後も、敦賀開業後のいまも鳴り続けています。ちなみにJR東日本のE7系は別のチャイム——つまり乗った車両がW7かE7かは、チャイムでわかるんです。
🌱 このカードの結論: 1973年に紙の上に引かれた線が、42年かけて金沢に届き、まちの人流・財政・雇用まで変えました。インバウンドも宿泊税もホテルラッシュも、元をたどればこの一本。そして物語はまだ半分——大阪に届くのは、早くて2050年代。金沢は「新幹線が来た街」であると同時に、いまも「新幹線を待つ街」なんです。

※出典:Wikipedia「北陸新幹線」、石川県(アクションプラン・全線開業ページ)、鉄道建設・運輸施設整備支援機構「再評価報告書」、日本政策投資銀行北陸支店レポート(2016・2023年度)、JR西日本、日本経済新聞、北陸新幹線建設促進同盟会、Wikipedia「北陸ロマン」ほか。経済効果は試算値であり幅があります。

Getting Around

金沢の足

バスとまちの400年戦争

金沢の交通問題の犯人は、実は400年前の都市計画です。藩政期の細い道が今もバスの走れない「交通空白地帯」を生み、市はそれと知恵くらべを続けています。

🚌 ふらっとバス——世界の技術を寄せ集めた「金沢の発明」金沢市

生まれた理由金沢の中心部は藩政期の街路がそのまま骨格で、普通の路線バスが物理的に入れない細い道だらけ。まちなかに「公共交通の空白地帯」があり、高齢者が困っていました。そこで市は1997年に検討委員会を設け、1999年3月28日、此花ルートで「金沢ふらっとバス」が走り出します。名前は床が段差ゼロの「フラット」×「ふらっと」乗れる気軽さの掛けことば。運賃100円、バス停は約200m間隔——「歩く延長」として設計されました。
実は全国初
だらけ
初代の車両は、なんとフォルクスワーゲンの車体をベースにしたオーストリア・クセニッツ社製の輸入バス——小型ノンステップバスをコミュニティバスに使ったのは全国で初めてでした。さらに、バスが近づくと信号が優先的に青になるPTPS(公共車両優先システム)もコミュニティバス全国初。車内の「次は◯◯」のアナウンスは地元の小学生の声。細い道・お年寄り・子ども——まちの事情の全部を1台に詰めた、金沢の発明品です。
路線の育ち方此花ルート(1999年)→菊川ルート(2000年)→材木ルート(2003年)→長町ルート(2008年)と、約10年かけて4ルートの「まちなか循環網」に育ちました。運行は北陸鉄道と西日本JRバスの2社に委託。市電が消えた金沢で(→消えた金沢)、まちなかの公共交通を守る最後の細い糸でもあります。
📉 数字のリアル——「愛されているのに、苦しい」金沢市
📊 利用者と負担: 利用者は2010年の年間約80万人がピークで、その後70万人前後→コロナ禍で50万人を割り込みました。運賃100円では到底まかなえず、金沢市が年間約1.4億円を負担して維持しています。さらに深刻なのが運転士不足——2021年には減便に踏み切りました。2020年に「持続可能なふらっとバス」の検討会が発足し、キャッシュレス決済やバスの現在地がわかるロケーションシステムを導入するなど、延命ではなく進化の道を探っています。
💡 ここがポイント: 「100円のバス」は市民サービスであると同時に、年1.4億円の政策判断です。廃止すれば財政は楽になるが、まちなかの高齢者の足が消える。「いくらまでなら、みんなの足をみんなで支えるか」——これは金沢市議会でくり返し議論されてきた、正解のない問いです(→金沢のお金)。
🚌 意識は8割、行動は「0日」——市民アンケが暴いた交通のホンネ金沢市・eモニター

市が令和7年に行った交通行動の意識調査(回答197人)。この結果、金沢の交通問題の核心がそのまま数字になっています。

🚗
公共交通の利用
週0日 69.5%
7割がバス・電車に乗らない
💭
「脱クルマ依存は必要」
78.6%
将来の実現が必要と回答
🔑
自由に使える車
86.8%
免許保有は88.3%
⚠️ 「必要だと思う」8割、「乗っている」3割——この差がすべて
「クルマに頼らないまちが必要」78.6%、「これから公共交通をもっと使おうと思う」も78.2%。なのに現実は週0日が69.5%。意識と行動の間に横たわるのが、不便の中身です:1位「運行本数が少ない」50.8%、2位「運賃が高い」38.0%。公共交通に望むことも1位「本数増」52.3%、2位「値下げ」38.1%——市民の答えは驚くほど一貫しています。でもバスの本数を増やすには運転士が要る(→上の運転士不足の話)。利用が減る→減便→さらに不便→利用が減るの悪循環を、どこで断ち切るかが問われています。
🚏 バスレーン昼間拡大は「真っ二つ」
野町広小路〜武蔵のバス専用レーンを昼間にも広げる案への賛否は、賛成計40.6% vs 反対計38.1%のほぼ互角(どちらでも良い21.3%)。反対理由は「昼は混んでないのに渋滞を招くだけ」。一方で乗り換えについては「抵抗ない」はわずか18.8%で、「待ち時間が長いと抵抗」69.0%。自由記述には「免許返納したくても交通手段がなさすぎる」「バス停まで徒歩20分では話にならない」という切実な声が並びます。脱クルマの理想と、クルマなしでは暮らせない現実——この間を埋める設計図が、次の市政に求められています。

出典:金沢市eモニター制度「交通行動に関する実態と意識調査」(令和7年8〜9月実施・対象250人・回答197人・回答率78.8%)。

🗺 市の答え「第3次金沢交通戦略」——2027年までの設計図を開く金沢市・交通政策課

上のアンケートの「本数を増やして」「運賃を下げて」に、市はどう応えようとしているのか。令和5年策定の第3次金沢交通戦略(計画期間〜令和9年度)を読みました。

🎯
利用者数の目標
9.0万→12.8万人/日
令和9年度までにコロナ前へ1.4倍回復
📊
公共交通分担率の目標
「9%以上」
現況9%——つまり現状維持が目標
🚏
P&R駐車場の整備目標
2,600台
クルマと公共交通の「乗り継ぎ」重視
🧭 戦略の本音:クルマを敵にしない、乗り継ぎで勝つ
戦略の柱は、①都心軸の「新しい交通システム(第1段階)」=まずバスのサービス水準向上、②鉄道・バス・タクシー・シェアサイクルを一つの拠点でつなぐ「モビリティハブ」、③金沢MaaS、④住民自らが運行する地域運営交通(北部の「チョイソコかなざわ」など)、⑤運転手不足対策(採用支援・イメージアップ)まで施策に明記——アンケートで見た「本数の壁=運転手の壁」に、正面から言及しています。注目は分担率目標の「9%以上」=現状維持という控えめさ。クルマ社会の現実を直視し、「依存をやめろ」ではなく「クルマと公共交通の共存」「乗り継ぎやすさで選ばれる」路線に舵を切ったのが第3次の設計思想です。そして達成状況は「交通戦略ダッシュボード」としてグラフで常時公開中——珍しく「見せる」まで設計された計画。2027年度=計画最終年は、ちょうど次の市議選の年でもあります。

出典:金沢市「第3次金沢交通戦略【概要版】」(令和5年3月策定・令和6年9月変更、交通政策課。利用者数目標・分担率・P&R2,600台・重点施策・チョイソコかなざわ等すべて同概要版より)。達成状況ダッシュボードは市公式サイト「第3次金沢交通戦略」ページからアクセス可。

🚌 ふらっとバスの通信簿——4ルート・5年分の収支、開示で全部出ました金沢市・交通政策課

当サイトの情報公開請求で、ふらっとバス4ルート(此花・菊川・材木・長町)のルート別の利用者数・運行経費・運賃収入・市の負担額が、2021〜2025年度の5年分そろいました。

🚌
4ルート計の利用者
49.7万 → 64.1万人
2021→2025年度・5年連続で増加(+29%)
💴
市の負担(4ルート計)
年 約1.0〜1.2億円
2025年度は1億1,524万円。利用者が増えても高止まり
🎫
運賃でまかなえる分
運行経費の約1/4
残り約3/4は市の負担。1回乗るごとに市が約180円補助
💡 数字が語ること: ふらっとバスは利用者が5年間ずっと増え続けている(4ルート合計で約15万人増)成功した路線です。それでも運賃収入だけでは運行経費の約4分の1しかまかなえず、残りは市が負担しています——2025年度は市の負担が約1.15億円、利用1回あたりに直すと市が約180円を足して1人を乗せている計算。ルートで差もあり、菊川ルートは利用者が多く負担が最も小さい一方、材木ルートは負担が最も大きい。「まちの足」は、便利さと公費のバランスの上に成り立っています。

出典:金沢市交通政策課「金沢ふらっとバスのルート別収支」(令和8年8月6日・情報提供資料。2021〜2025年度〈会計年度〉・4ルート別の利用者数・運行経費・運賃収入額・負担額。金額千円)。各ルートで「運行経費−運賃収入=負担額」が全20マスで一致することを当サイトで検算。1回あたり約180円は2025年度の4ルート計 負担115,237千円÷利用641,431人の概算。

🚲 まちのり——会員は5年で3.7倍、でも市の負担は増えていない金沢市・交通政策課

公共シェアサイクル「まちのり」の収支も、5年分(2021〜2025年度)を開示で入手しました。

🚲
利用回数
27.0万 → 62.4万回
5年で約2.3倍。まちに定着した
👥
会員数(年度末)
3.5万 → 12.9万人
5年で約3.7倍。市民の3人に1人規模に
💴
市の負担額
3,100万 → 2,780万円
会員3.7倍でも横ばい〜微減
💡 「増えるほど軽くなる」乗り物: まちのりは、会員が5年で3.7倍・利用が2.3倍に増えたのに、市の持ち出し(負担額)は3,100万円→2,780万円とむしろ減りました。使う人が増えるほど1回あたりの公費が軽くなる——バスとは逆の構造です。ただし開示資料でも「事業収入」「事業費」の欄は5年とも「−」(数字なし)で、市が負担額しか把握・開示していない点は、透明性の宿題として残ります。

出典:金沢市交通政策課「公共シェアサイクル『まちのり』の収支」(令和8年8月6日・情報提供資料。2021〜2025年度・利用回数/会員数/事業収入/事業費/市の負担額。会員数は年度末〈3月末〉時点、金額千円。事業収入・事業費は原資料でも「−」表記)。

🚆 次の一手——一度手放したものを、買い戻すか金沢市

LRT/BRT
構想
金沢市はLRT(次世代路面電車)やBRT(バス高速輸送システム)の導入を長年検討しています。平成29年に最初の提言、そして令和4年9月の「新しい交通システム導入に関する提言書」では、いきなり建設ではなく「まずバスを強化する第1段階→効果を見てLRT/BRTの第2段階を判断する」という段階論が示されました。判断材料には、収支が悪化した北陸鉄道石川線の存廃議論も絡みます。
歴史の皮肉ここに大きな皮肉があります。金沢には1967年まで市内を一周する路面電車(青電車)が走っていました(→消えた金沢)。モータリゼーションの波で手放したレールを、58年後のいま「LRT」という新しい名前で買い戻すかどうかを議論している——都市計画の教科書に載せたいような話です。事業費は莫大で、まちの形そのものを変える決断。2027年の市議選でも、必ず語られるテーマになるはずです(→金沢の未来年表)。
🌱 このカードの結論: まちの形が交通を決め、交通がまちの形を決める。金沢の「足」の議論は、400年前の城下町設計と、1967年に消えた市電と、いまの運転士不足が全部つながった一本の物語です。

※出典:金沢市公式サイト、Wikipedia「金沢ふらっとバス」、金沢市「新しい交通システム導入に関する提言書」(令和4年9月)、中心市街地活性化協議会支援センター、日本経済新聞・北國新聞報道。

Machiya & Vacant Houses

金沢の空き家と町家

5年で550棟、消えたまちなみ

空襲で焼けなかった金沢のまちなみが、老朽化と相続で静かに消えています——保全条例(2013年)のあとの5年間だけで約550棟、いまも解体の届出があっただけで年30件超(令和6年度32件)。守る仕組みと、よみがえる物語を追いました。

🏘 「金澤町家」とは——実は武士の家も入っている金沢市

📖 金沢だけの広い定義: 「町家=商人の家」と思われがちですが、金沢市の定義する「金澤町家」は、昭和25年(1950年)以前に建てられた木造建築の総称で、商人・職人の町家に加えて武士系住宅、近代和風住宅まで含みます。城下町の記憶を宿す建物をまるごと守ろうという、金沢独自の広いくくりです。その数、推定約6,100棟(2015年度末)。まちを歩いて出会う「いい感じの古い家」は、たいていこの金澤町家です。

⚠ 消えるスピード——「古い、暗い、寒い」の三重苦金沢市

5年で
550棟
金澤町家は、保全条例(2013年)のあとの5年間だけで約550棟——年およそ110棟のペースで消えました(市の実態調査ベースの当時の数字。無届けの解体・滅失を含みます)。その後、令和元年10月に始まった届出制度で把握できる解体は年48〜49件(令和2〜4年度)→32件(令和6年度確定)と減少傾向。ただし届出は「届け出られた分」だけで、消失の全量ではありません。実データは下の「届出の実データ」の節へ。
なぜ壊れる理由は根深い。①「古い、暗い、寒い」と敬遠される。②本格改修は1,000万円超かかるが、住み手には高齢世帯が多くローンが組めない。③先祖伝来の家ゆえに「売るのも貸すのも抵抗がある」という心理。④相続で所有者が誰か分からなくなった家もある。結果、空き家のまま朽ちて、更地にして売る——という流れが止まりません。しかも皮肉なことに、新幹線後の地価上昇が「壊して売る」動機を強めた面もあります(研究者はこれを「ジェントリフィケーション」の課題と指摘します)。
🔧 守る仕組みと、よみがえる物語金沢市
90日ルール2013年、市は「金澤町家条例」を制定。核心は「解体の90日前までに市へ届け出る」仕組みです(登録された特定金澤町家は義務)。禁止ではなく、壊す前に一度、市が「待った、こんな活かし方がありますよ」と提案するチャンスをつくる——所有権を尊重しながら踏みとどまらせる、よく考えられた設計です。あわせて改修費補助(最大150〜300万円)、移住者向けリフォーム補助、危険空き家の解体補助まで用意。相談窓口の「金澤町家情報館」(2016年開館)は、実際の町家を改修した建物そのものが展示品です。
ひきうけ隊空き家全般では、司法書士・土地家屋調査士など11の専門団体と市が組んだ「金沢空き家再生ひきうけ隊」が2020年に発足。相続・登記・改修・売買——空き家が動かない原因を、それぞれのプロが分担して解きほぐす官民連携チームです。ネーミングの親しみやすさも含めて、全国から注目される仕組みになっています。
よみがえり再生の波も確かに来ています。2015年の複合店「八百萬本舗」、2016年のホテル「HATCHi金沢」、2017年の「KUMU」——町家がカフェ、宿、ギャラリー、工房に生まれ変わり、「古い」が最強の観光資源に変わりました。新幹線後、外国人宿泊者は2014年約20万人→2016年約40万人と倍増し、そのお目当ての多くが「焼けなかったまちなみ」なのです(→北陸新幹線)。
🌱 このカードの結論: 空襲で焼けなかったまちが、老朽化と相続で静かに焼けている——条例後の5年で550棟、いまも届出だけで年30件超。守る道具はそろってきました。あとは「誰が住み、誰が使うか」——まちなみの未来は、制度ではなく暮らしが決めます(→校下ってなんや)。

※出典:金沢市(金澤町家の保全と活用・金澤町家条例・空き家条例)、金澤町家情報館、自治体国際化協会(CLAIR)レポート、国土交通省資料、都市縮小研究の公開資料。棟数・減少数は市担当室の公表・取材ベースの推計値です。

🏘 「守る」お金が「防ぐ」お金より多いまち
令和6年度の決算を並べると、金澤町家保全活用費3,125万円 > 空き家対策費1,948万円。古い家が壊れるのを防ぐ対策より、古い家を残して活かすほうに多くのお金をかけている——金沢の価値観が、予算の数字にそのまま出ています。

出典:金沢市「令和6年度一般会計歳入歳出決算事項別明細書」(令和7年12月定例月議会で認定)

🌳 「木の文化都市・金沢」——看板と中身のギャップを市民に聞いた金沢市・eモニター
💴 その断層、お金の実績にも出ています——「木のある暮らしづくり奨励金」市の実データ3年分

金沢市は令和3年度から「木の文化都市」を掲げ、条例までつくって町家や木造建築、森づくりを推進しています。で、市民に聞いてみた結果(回答193人)がこちら。

🪧
「木の文化都市」という言葉
66.3%が「聞いたことない」
取組を「知らない」は75.6%
🪵
建物・製品への木材利用
84.5%が賛成
反対はわずか9.8%
🛒
金沢産材の製品
77.8%が「優先購入したい」
木のぬくもり派57.5%
🌲 木は大好き。でも「政策」は知らない——史上最強クラスの断層
木材を使うべき84.5%、金沢産なら優先して買いたい77.8%——木そのものへの市民の支持は圧倒的です。なのに市の看板「木の文化都市」は3人に2人が聞いたことすらなく、取組開始(令和3年度)から4年の時点で「木への意識が深まった」と答えた人は25.9%にとどまります。極めつけは、実現に有効な手段を聞いた設問の1位が「広く金沢市民に周知する」62.7%——市民自身が「まず知らせてくれ」と答える皮肉。土壌は最高、種は蒔いた、でも水(周知)が足りない——このシリーズ何度目かの「作ると届けるの断層」(→市民のホンネ調査)、町家の未来にも直結する宿題です。

当サイトが情報公開の手続きで森林再生課から提供を受けた実データです。金沢産の木材で個人住宅を建てたり木塀を設置した人への奨励金——「木の文化都市」を暮らしに落とし込む看板制度のひとつです。予算は3年間同じ3,000万円。使われ方はこうなっています。

🌲
令和5年度
108件
決算2,440万円・執行率81.3%
🌲
令和6年度
66件
決算1,470万円・執行率49.0%
🌲
令和7年度
58件
決算1,353万円・執行率45.1%
断られた
人はゼロ
この3年間、不交付(却下)はゼロ、予算上限による受付打ち切りもゼロ。つまり「申請すれば通る」「予算も半分余っている」状態で、利用が108件→58件と半減しました(ほぼ全件が木造個人住宅。木塀は3年で2件)。制度が狭き門なのではなく、届いていない・選ばれていない——上の「3人に2人が木の文化都市を知らない」という調査結果と、お金の実績がぴったり重なります。※住宅着工数じたいの減少など複合的な要因も考えられます。

出典:金沢市農林水産局森林再生課「住宅補助制度の利用実績に係る情報提供について」(森再号外・令和8年7月28日付、情報提供資料)。木のある暮らしづくり奨励金の予算額・決算額(決算附属資料)・交付件数内訳。R5=予算3,000万円・決算2,440万円・81.3%・108件(木造個人住宅107/木塀1)、R6=1,470万円・49.0%・66件(65/1)、R7=1,353万円・45.1%・58件(58/0)。不交付・年度途中の受付終了はいずれも「無し」。

🏚 空き家バンクのリフォーム補助も、同じ形——3年で13件市の実データ3年分

こちらも当サイトが情報公開の手続きで住宅政策課から提供を受けた実データです。「かなざわ空き家活用バンク」掲載物件を買って住む人のリフォーム費補助——市民向け2制度(まちなか空き家・まちなか中古マンション)と移住者向け2制度(空き家・中古マンション)の計4本。利用はこうなっています。

3年間の合計令和5年度 6件・270万円、令和6年度 6件・246万円、令和7年度 1件・25万円——4制度合わせて3年で13件・541万円です(当サイトで合算)。
市民向けはゼロにまちなか中古マンション補助は令和5・6年度に各3件、執行率120%・125%と予算を超えて交付されていました。ところが令和7年度は、まちなか空き家補助とそろって市民向け2制度とも実績ゼロ。令和6年10月に住宅取得奨励金(→下の関連)が始まった時期と重なりますが、理由までは資料からは分かりません。
予算0円に決算移住者向けの中古マンション補助は、予算0円の年に決算50万円・25万円が立っています(令和5・6年度)。年度途中の流用でまかなった形——適法な処理ですが、予算書だけを見ても事業の実態は分からない好例です。
断られた人はゼロこの3年間、不交付(却下)はゼロ、予算上限による受付終了もゼロ(市の回答)。上の木のある暮らしづくり奨励金と同じ、「申請すれば通るのに、使われていない」構図です。
💡 ここがポイント: 空き家1万戸を超えるまちの、バンク物件リフォーム補助の利用が年1〜6件。制度がある・使われている・効いている、は全部別の話——実績の数字を見て初めて、次の一手が議論できます。

出典:金沢市整備局住宅政策課「住宅補助制度の利用実績について」(住政第313号・令和8年7月30日付、情報提供資料)。令和5〜7年度決算資料抜粋(第8款5項8目 定住促進費)。まちなか空き家リフォーム費補助金=R5交付1件100万円(執行率100%)→R6・R7実績なし、まちなか中古マンションリフォーム費補助金=R5交付3件120万円(120%)→R6交付3件125万円(125%)→R7実績なし、空き家リフォーム費補助金(移住者向け)=R6交付2件96万円(96%)→R7交付1件25万円(25%)、中古マンションリフォーム費補助金(移住者向け)=R5交付2件50万円・R6交付1件25万円(いずれも予算0円)。不交付・年度途中の受付終了はいずれも「なし」。

🏚 耐震補助のリアル——地震のあと、診断は3倍になった市の実データ3年分

古い家(昭和56年以前の建物)の耐震化補助も、当サイトが情報公開の手続きで建築指導課から実データを入手しました(令和5〜7年度)。

地震が動かした耐震診断の補助は、令和5年度32件→能登半島地震のあった6年度88件に急増→7年度45件。改修は23→39→37件。市の支出は年5,055万→1億773万→1億904万円です(内訳の合算を当サイトで検算し一致)。
執行率100%超の意味令和5・6年度の執行率は101.6%・105.9%など予算超過——不足分は他事業からの流用で対応した、と市の資料に明記されています。断られた人はゼロ(不交付・受付終了とも3年間0件)。希望者は全員通した形です。
被災者向けは出遅れた能登地震で被災した木造住宅向けの耐震改修補助(令和6年度創設・建替えは全額補助)は、初年度の執行率6.3%(予算4,900万円に対し310万円・5件)。7年度に3,603万円・18件まで立ち上がりました。制度はできても、被災者に届くまで1年かかっています。
新設の除却補助は0件木造密集地の高齢者等住宅の除却(解体)費補助(令和7年度創設・予算600万円)は、初年度実績0件。市の自己評価も「限度額を増額しても耐震化を躊躇する所有者が依然多い」と正直です。改善策には、子世代への啓発と「命を守る減災対策」の周知が並びます。

出典:金沢市建築指導課「情報提供について」(建指第580号・令和8年8月4日付。既存建築物耐震改修補助=R5計50,550,000円〈診断32件・改修23件・執行率101.6%等〉・R6計107,730,000円〈診断88件・改修39件〉・R7計109,040,000円〈診断45件・改修37件〉、被災木造住宅耐震改修補助=R6計3,100,000円・R7計36,030,000円〈診断5・改修4・建替9件〉、木造住宅除却費補助=R7予算600万円・実績0件、いずれも不交付0件。各表の内訳合算は当サイトで検算し一致)、金沢市住宅耐震化緊急促進アクションプログラム2023〜2026(診断・改修・アドバイザーの2012〜2025年度実績表、2026年度目標=診断55・改修40・除却5件、自己評価・課題・改善策)。

📋 金澤町家は、年に何軒消えているのか——届出の実データ市の審議会資料

当サイトが情報公開の手続きで歴史都市推進課から提供を受けた、金澤町家保全活用審議会の資料から。金澤町家条例により、令和元年10月から解体や大規模改修の90日前までの届出が義務になりました(条例第20〜23条)。「早い段階の届出で、保全活用の支援策を提案する」のが制度の狙い。届出の実数がこちらです。

🏚
解体の届出
累計234件
令和元年10月〜令和7年1月末の約5年半
🔨
改修の届出
累計128件
解体は改修の約1.8倍
📉
直近の傾向
解体は減少
年48〜49件(令和2〜4年度)→39件(R5)→32件(R6確定)
週に1軒
のペース
解体の届出は多い年で年48〜49件——約1週間に1軒のペースで金澤町家が消えていた計算です。令和5年度39件・令和6年度32件(確定値。改修31件と合わせ63件)と減ってきてはいますが、それでも10日に1軒。改修より解体が1.8倍多い構図は変わっていません。
直す人への
補助は
町家を改修して住む・店にする人への補助(再生活用事業。改修費の50%・住宅等は上限150万円、宿泊施設は300万円など)は、制度初期の平成22〜25年度は年16〜19件・3,500万〜4,400万円規模でしたが、近年(令和元〜6年度)は年4〜6件に縮小。令和7年度は12件・2,818万円と持ち直しました。
測られて
いない数字
当サイトは開示請求で「届出をきっかけに市の働きかけで保存に転じた件数」も求めましたが、この数字は市が集計しておらず、文書は不存在でした。制度の狙いは「早い届出で支援策を提案する」こと——では、その提案で何軒が救われたのか。制度の成果を測る数字が、まだ存在しません。ここが次の論点です。

出典:金沢市歴史都市推進課からの情報提供資料「令和6年度・令和7年度 金澤町家保全活用審議会資料(抜粋)」(2026年7月受領)。届出状況(令和元年10月1日〜令和7年1月末=改修128件・解体234件・計362件。年度別: R1=16/19、R2=17/49、R3=17/48、R4=25/49、R5=28/39、R6=25/30〔R7年1月末まで〕。R6年度末確定は改修31件・解体32件・計63件=送付状の補正による)、金澤町家再生活用事業の補助実績(H22〜R7年度の件数・補助額)。「保存に転じた件数」の不存在は開示請求への市の回答による。

出典:金沢市eモニター制度「木の文化都市・金沢の実現に向けた市民意識調査」(令和7年10月実施・対象250人・回答193人・回答率77.2%、都市計画課)。木材利用賛成84.5%は「利用すべき」39.4%+「どちらかといえば」45.1%の合計。

🔨 金沢職人大学校——町家を直す「手」を育てる学校を、市民に聞いた金沢市・eモニター

町家や寺社を直せる職人を育てるため、市はベテラン職人が無料で教える「金沢職人大学校」を運営しています。市民の受け止め(回答218人・回答率87.2%)はこちら。

🏘
金沢の魅力1位
歴史的まちなみ 81.2%
職人がいることの認知も81.7%
🏫
職人大学校の認知
73.4%
でも講座は「知っているものはない」56.0%
🔍
修理現場の公開
63.8%が「参加したい」
職人技術への興味も82.1%
🚪 名前は知られてる。中身が知られてない——惜しい断層
学校の存在認知73.4%は断層シリーズの中では優等生。でも一段掘ると、開催講座は56.0%が「知っているものはない」、目的を「よく理解」は21.9%。一方で歴史的建造物への興味80.3%、修理現場の公開なら63.8%が参加したい——需要はパンパンです。そして自由記述には「職人になっても生活できる給料はないというイメージがあり、子供に勧める道ではない」の声。工芸アンケの「時給換算で最低賃金以下」(→文化と伝統)と同じ問題が、建物の職人にも。まちなみ81%が魅力のまちで、まちなみを直す手が足りなくなる——町家保全のボトルネックはここです。

出典:金沢市eモニター制度「金沢職人大学校と職人、歴史的建造物についてのアンケート」(令和7年6月実施・対象250人・回答218人・回答率87.2%)。授業料無料は市の同校運営制度(自由記述・市公表資料より)。

🏚 金沢の空き家、約3万6千戸——「7戸に1戸」の現在地金沢市・住宅政策課

5年に1度の国の住宅・土地統計調査(令和5年)で、金沢の空き家のいまが数字になっています。

🏚
金沢市の空き家率
14.8%
総住宅約24.5万戸のうち約3.6万戸
🗾
全国平均
13.8%
全国も過去最高を更新中(空き家900万戸)
🏮
金澤町家では
14.8%が空き家
平成24年・市の実地調査
🔑 「およそ7戸に1戸」——そして町家もまったく同じ割合という符合
金沢の空き家率14.8%は全国(13.8%)よりやや高め。市の計画によれば、空き家は面積では市全域のわずか1.9%しかないまちなか区域に濃く分布し、実質的な空き家(賃貸・売却用でもない「その他の住宅」)は増加傾向が続いてきました。興味深いのは、市が平成24年に実地調査した金澤町家の空き家率も14.8%だったこと——まち全体の縮図が、町家にもそのまま現れています。市は平成22年の「まちなか住宅再生バンク」、平成28年の空き家条例、そして「空き家等管理・活用計画」で対策を重ねてきました。空き家は放置すれば防災・景観の問題、活かせば町家再生や移住の受け皿——上で見た「保存か解体か」の分かれ道が、市内に3万6千回分あるということです。ちなみに令和6年4月からは相続登記が義務化され、「誰のものか分からない空き家」への国の網もかかり始めています。

出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査」(金沢市の空き家率14.8%・総住宅数約24.5万戸・空き家約3.6万戸は市区町村集計、全国13.8%・空き家900万戸は同調査確報集計。金沢市統計ページにも統計表掲載)、金沢市「空き家等管理・活用計画」(住宅政策課。まちなか区域1.9%・町家空き家率14.8%=平成24年歴史的風致維持向上推進等調査・「その他の住宅」増加傾向)。相続登記義務化は令和6年4月施行の改正不動産登記法。

Kanazawa & the World

金沢と世界

焼けなかったまちの、7つの握手

金沢はなぜ国際交流のまちになったのか——たどると意外な起点に行き着きます。「空襲で焼けなかったこと」です。

🕊 源流——焼けなかったから、始まった金沢

📖 意外な起点: 終戦から間もないころ、国際交流のため来日するアメリカ市民の滞在先に金沢が選ばれました。理由のひとつが、「空襲の被害者やその遺族が少ない地域」だったこと——憎しみの記憶が比較的薄い土地だから、交流の芽を植えられると考えられたのです。まちなみを守った幸運が、そのまま世界との窓になりました。やがてアイゼンハワー米大統領が提唱した「市民と市民(People to People)」運動の流れの中で、1962年、金沢は最初の姉妹都市と握手します。

🤝 7つの姉妹都市——冷戦の両側と握手したまち世界

1962年バッファロー市(アメリカ)——12月18日、最初の姉妹都市。戦後わずか17年で、かつての交戦国の都市と結びました。
1967年
同日に2つ
ポルト・アレグレ市(ブラジル)とイルクーツク市(当時ソ連)——3月20日、同じ日に2都市と提携。注目すべきは後者です。米ソ冷戦の真っ最中に、アメリカの都市(1962年)とソ連の都市(1967年)の両方と手を結んだ——鉄のカーテンの両側と握手した地方都市は、当時そう多くありません。イデオロギーより「市民と市民」を選んだ判断でした。
1971〜
2002年
ゲント市(ベルギー・1971年)、ナンシー市(フランス・1973年)、蘇州市(中国・1981年)、全州市(韓国・2002年)。花と大学のまち、アール・ヌーヴォーのまち、庭園と運河のまち、食文化のまち——いずれも「歴史と文化で生きる都市」という金沢との共通点を持つ顔ぶれです。ほかに大連市(2006年)と友好交流都市、台南市(2011年)と友好交流協定を結んでいます。
💡 まめ知識: 姉妹都市との交流は儀礼だけではありません。7都市の子どもたちが金沢に集まる「世界姉妹都市少年フォーラム」(2004年開催)のような市民・若者レベルの往来が積み重ねられてきました。市はこの都市外交の理念を「金沢世界都市構想」——「小さくとも世界の中で独特の輝きを放つ都市」という言葉に込めています。

🏆 ユネスコが認めた「工芸のまち」世界

2009年
6月8日
金沢市はユネスコ創造都市ネットワークに登録されました。分野はクラフト&フォークアート——この分野ではアジアで初めてです(創造都市全体としては、デザイン分野の神戸市・名古屋市に次ぐ国内3番目)。金箔、人間国宝、加賀友禅——藩政期から続く工芸の集積が(→金沢の日本一)、国際機関のお墨付きを得た瞬間でした。同じ2009年には国の「歴史都市」第1号認定(5市)にも選ばれています。
🌱 このカードの結論: 焼けなかったから、世界に窓が開いた。冷戦の両側と握手し、工芸でアジア初の称号を取った——金沢の国際性は、派手さではなく「戦火を免れたまちなみと手仕事」という足元の資産から生まれています。まちを守ることと、世界とつながることは、金沢では同じ一つのことなのです(→空き家と町家)。
🗣 ところで、なんで「姉妹」都市なん?
ヨーロッパの言語では「都市」が女性名詞だから「姉妹」。ところがロシア語では男性名詞なので、イルクーツクとは正式には「兄弟都市」です。上下関係を重んじる中国では対等な「友好都市」、イギリスでは「双子都市」——呼び方は違えど、市民同士が仲良くする協定なのは同じ。ちなみに交流は看板だけではなく、ナンシー市への派遣留学生は33回、派遣インターンは11回を数える継続事業で、市内には7都市を一度に感じられる「姉妹都市公園」もあります。

※出典:金沢市公式サイト(姉妹都市・かなざわの姉妹都市・姉妹都市概要)、Wikipedia「金沢市」、自治体国際化協会(CLAIR)、ユネスコ創造都市ネットワーク。呼称の由来は金沢市キッズページ「金沢の姉妹都市」(広報戦略課)、派遣回数・姉妹都市公園は国際交流課ページより。

Residents

外国人と金沢

数字で見る実態

この話題は、根拠のない情報が広まりやすいテーマです。だからこそ公表されている数字と、法律の決まりだけを並べます。評価はしません。

📌 出典はすべて、金沢市・石川県・総務省・国税庁・出入国在留管理庁の公表資料です。

📊 金沢市に住む外国人は9,375人金沢市の実数
🌏
外国人住民
9,375人
2026年6月現在
📐
総人口に占める割合
約2%
およそ50人に1人
🗺
出身の国・地域
90以上
言葉も文化もさまざま
国籍別の内訳
📈 増えているのは事実です: 石川県全体の外国人住民は令和7年12月末現在22,892人。前年より2,382人増過去最多です。金沢市もコロナ禍で一時減りましたが、その後再び増えています。

※出典:金沢国際交流財団(金沢市が出資する公益財団法人)、石川県「県内外国人住民数」。国籍別・在留資格別は2025年12月末(9,094人)の数字です。

🪪 どんな目的で来ているのか金沢市の実数

在留資格を見れば、その人が何をしに来ているかが分かります。

💡 大きく3つに分けると: 働きに来ている人が約3,590人(39%)、学びに来ている人(留学)が約2,141人(24%)、生活の基盤が日本にある人(永住者・特別永住者・配偶者など)が約2,290人(25%)です。
🏪 コンビニや飲食店で見かける理由: 留学生は1週28時間までアルバイトができます(資格外活動許可が必要)。技能実習や特定技能は、人手が足りない分野(介護・建設・製造・外食など)で働くための制度です。

※出典:石川県「市町別・在留資格別外国人住民数」(2025年12月末)。

💼 では、なぜ雇う側は外国人を求めるのか国の統計

「人手が足りないから」——では、なぜその分野に日本人が集まらないのか。厚生労働省の賃金統計(令和6年・全国)を、そのまま並べます。賃金は月の所定内給与の平均です。

🇯🇵
一般労働者の全体
33.0万円
平均44.1歳・勤続12.4年
🌏
外国人労働者の全体
24.3万円
平均32.8歳・勤続3.3年
🔧
うち技能実習
18.3万円
平均27.0歳・勤続1.7年
在留資格
べつの
賃金
身分に基づく在留資格(永住者など)30.0万円、専門的・技術的分野29.2万円、特定技能21.1万円、技能実習18.3万円。長く住み専門性を持つ人は日本人の平均に近く、制度で受け入れる労働者ほど低い——これが国の統計が示す構造です。※年齢も勤続年数も違うため単純な優劣比較はできません。ただし、技能実習の18.3万円(平均27.0歳)は、高卒の新規学卒者(18〜19歳)の初任給19.8万円を下回ります
辞められ
ない仕組み
だった
技能実習は、原則として働く職場を自分の意思で変えられない制度でした(転籍は「やむを得ない事情」に限定)。賃金に不満があっても、日本人のように転職で交渉することができない——この構造は国自身が見直し、2024年6月の法改正で技能実習制度の廃止が決定。2027年4月1日から「育成就労制度」に変わります。制度の目的も「国際貢献」から「人材確保と人材育成」へ、法律の上で書き換えられました。新制度では、同じ職場で1〜2年働くなどの条件を満たせば本人の意思で転籍できるようになります。
産業の側
から見る
同じ厚労省統計で、産業別の賃金がいちばん低いのは宿泊業・飲食サービス業の26.9万円(16産業中最下位)。外国人が多く働く分野は、日本人にとっても賃金が低く、人が集まりにくい分野と重なります。「外国人が仕事を奪う」のか、「日本人が集まらない仕事を外国人が支えている」のか——数字は後者の構造を示しています。
💡 ここまでが、公表されている数字です: 雇う側から見れば、人手不足の分野で、相対的に低い賃金で、(旧制度では)辞めにくい労働力——という構造が統計と法律から読み取れます。これを「安い労働力への依存」と見るか、「制度を直しながら共に働く仲間を迎える過程」と見るか。金沢のコンビニや工場や旅館の風景の裏に、この構造があります。考えてみてください。

出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」結果の概況(令和7年3月公表。一般労働者330.4千円・外国人労働者計242.7千円・技能実習182.7千円・特定技能211.2千円・身分に基づくもの300.3千円・専門的技術的分野292.0千円・高卒新規学卒者197.5千円・宿泊業,飲食サービス業269.5千円)、出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度」関係資料(2024年6月改正法成立・2027年4月1日施行・転籍制限期間1〜2年)。

🏢 間に入る組織と、流れるお金国の調査

実習生と企業の間には、組織が挟まっています。技能実習生の98.3%は「団体監理型」——母国の送出機関 → 日本の監理団体 → 受入企業というルートで来日します(法務省・令和5年)。監理団体は事業協同組合などの非営利法人で国の許可制。雇い主はあくまで受入企業なので、法律上は「人材派遣会社」とは別物ですが、間に立って人を動かし、お金が流れるという位置にいます。

実習生が
払うお金
(来日前)
出入国在留管理庁が実習生約2,100人に聞いた調査(令和4年公表)では、来日前に母国の送出機関などへ支払った費用の総額は平均52万1,065円約55%が借金をして来日し、その平均は54万7,788円(ベトナム67万4,480円・カンボジア56万6,889円・中国52万8,847円)。技能実習の平均月給18.3万円で割ると、給料の約3か月分の借金を背負って働き始める計算です。この調査自体、国が「失踪等の背景として不当な費用徴収」を懸念して実施したものです。
企業が
払うお金
(毎月)
受入企業は監理団体に監理費を毎月支払います。受入れ支援業界の公表資料では相場は実習生1人あたり月3〜5万円、母国の送出機関にも送出管理費として月5千円〜1万円。仮に月3万円なら、実習生が3年働けば1人につき約108万円が監理団体に入る計算です。監理費の額は各監理団体が外国人技能実習機構(OTIT)を通じて公表する決まりで、許可された監理団体の名簿も同機構のサイトで誰でも見られます。
つまり
こういう
構造
実習生は借金からスタートし(だから簡単に辞めて帰れない)、企業は賃金のほかに毎月の管理コストを払い、間に立つ組織は「人数×月額」の収入を得る——低い賃金のままでも回ってきた仕組みの絵が、国の調査と制度の決まりから描けます。この構造は国の有識者会議でも議論され、2027年からの育成就労制度では来日前費用の一部を企業側が分担するルールが入り、監理団体も「監理支援機関」として許可の取り直しと外部監視の強化が課されます。制度が作り直されたこと自体が、従来の構造に課題があったと国が認めたということです。
💡 「誰かが得している」の答え方: 特定の誰かを悪者と断定できる公表データはありません。ただ、お金がどこからどこへ流れるかは上のとおり公表されています。悪者探しではなく仕組みの絵として見る——それがこの問題のいちばん誠実な見方だと考え、事実だけを並べました。

出典:出入国在留管理庁「技能実習生の支払い費用に関する実態調査の結果」(令和4年7月26日公表。支払費用総額平均52万1,065円・借金54.7%・借金平均54万7,788円、調査の概要に「失踪等の背景として…不当な費用徴収」の記載)、法務省資料(団体監理型98.3%・令和5年)、外国人技能実習機構(監理団体の許可名簿・監理費の公表制度)、監理費・送出管理費の相場は受入れ支援業界の公表資料(月3〜5万円・5千円〜1万円)による目安。

🏃 失踪——石川県の数字は、あります石川+全国

「実習先からいなくなる人」の数は、出入国在留管理庁が毎年公表しています。都道府県別(実習先の所在地ベース)まで公表されており、市町村別はありません。金沢市単独の数字が出ないのは、隠されているのではなく、統計がその単位で作られていないためです。

🏃
石川県の失踪者
115人
令和5年・県内在留5,176人の2.2%
🗾
全国の失踪者
9,753人
令和5年・過去最多(在留者の2.4%)
🏗
職種のかたより
建設が47.1%
失踪者の約半分が建設関係(令和5年)
石川では
3日に1人
石川県内の実習先からの失踪は令和5年で115人——単純計算で約3日に1人のペースです。県内在留者に対する割合は2.2%で、全国(2.4%)よりやや低く、最も高い東京都(4.1%)・大阪府(3.6%)とは開きがあります。国籍別では全国の失踪者の過半がベトナム(5,481人・56.2%)でした。
上の構造と
つながる
国は失踪の背景として「不当な費用徴収」(=来日前の借金の構造)を挙げて実態調査を行い、職種別では賃金・労働条件への不満が指摘されてきた建設関係に失踪が集中しています。つまり失踪は「個人の逃亡」の集計であると同時に、この節で見てきたお金と制度の構造が生む結果としても、国の資料の中で扱われています。なお令和元年〜5年の失踪者のうち、令和6年7月時点でも約1万人(9,976人)の所在が分かっていません
直近は
減少
令和6年の全国の失踪者数は6,510人と、過去最多だった前年から約33%減少しました(入管庁統計の公表値として業界資料が引用する数字)。制度の見直しや監督強化の時期と重なりますが、減少の因果を断定する公式分析はまだありません。

出典:出入国在留管理庁「技能実習生の失踪者の状況」(速報値。令和5年=全国9,753人・在留403,678人、都道府県別で石川県115人・在留5,176人・2.2%、職種別で建設関係4,593人47.1%、国籍別ベトナム5,481人、令和元〜5年失踪者のうち令和6年7月22日時点所在不明9,976人。農林水産省の外国人材受入れ資料に転載されたものを参照)。令和6年の6,510人は同庁統計を引用した受入れ支援業界の公表資料による。

💴 外国人は、税金を払っているのか

結論から言うと、日本人とまったく同じ義務があります。法律で決まっています。

📜 総務省の公式ページより

「外国人を雇用する場合でも、日本人の従業員と同様に特別徴収を行う必要があります

つまり会社が給料から天引きして、市に納めています。
⚖️ 払わないと、日本にいられません: 入管法第22条の4には、在留期間中に「納税、公的年金・公的医療保険の保険料の納付」などの公的義務を果たしていないときは、永住許可を取り消すことができると定められています。滞納はビザの更新にも影響します。
💡 1年目だけ住民税がないのはなぜ? 住民税は前年の所得に対してかかるしくみです。来日1年目は前年の所得がないので、住民税はかかりません。これは日本人の新社会人もまったく同じです。外国人だけの優遇ではありません。
🩺 社会保険も加入義務があります: 健康保険・厚生年金は「国籍・性別に関係なく」加入しなければなりません。会社の社会保険に入らない人は、自分で国民健康保険と国民年金に入ります。20歳をこえた留学生にも国民年金の納付義務があります(日本人学生と同じく免除申請は可能)。
💡 なぜ「外国人の納税額」という数字が存在しないのか
市が集める住民税は、「金沢市民が納めた住民税」として合算されるだけで、納税者の国籍でわけて記録していません。税務システムに国籍の集計欄がないのです。だから「外国人が納めた税金は○億円」という数字は、隠されているのではなく最初から作られていません。これは金沢市だけでなく全国どこも同じ仕組みです。
💡 消費税は、国籍とまったく関係ない
ここまでは所得税・住民税の話。でも消費税は、日本で買い物する人すべてが同じ10%を払います。日本人も、働く外国人も、旅行者すら、コンビニで水を買えば10円の消費税を納めています。「税金を払っているか」という問いは、実は消費税まで含めると誰でも毎日払っているのが答えです。
❓ 分からないこと
金沢市の外国人住民が実際にいくら納税し、行政サービスをいくら使っているか——この金額は公表されていません。市の税収は国籍別に集計されていないからです。ここを推測で書くことは、しません。知りたければ、市に情報公開請求をするか、議会で質問してもらう方法があります。

※出典:総務省「外国人の方の個人住民税について」、国税庁「居住者・非居住者の区分」、出入国管理及び難民認定法第22条の4、日本年金機構。

🏫 外国人のために使われている税金金沢市

金沢市には国際交流課があり、市が出資する金沢国際交流財団が事業を行っています。

❓ 金額の合計は分かりません
金沢市の令和8年度当初予算の主な施策一覧には、外国人向けの事業が金額つきでほとんど載っていません(載っているのは「中小企業外国人材定着支援事業」など)。つまり予算の中で目立つ規模ではないということです。正確な合計額を知るには、市に情報公開請求をするか、議会で質問してもらう必要があります。推測で数字は書きません。
💡 日本語教室は、ボランティアが支えています: 大人むけの日本語教室も、子どもむけの学習支援も、市民ボランティアと大学生が中心です。市の職員が教えているわけではありません。
🎯 目的は「共生」と「防災」: 日本語が分からない人が増えると、災害のときに情報が届きません。能登半島地震のあと、石川県は外国人むけの防災講座を初めて開きました。ごみの出し方、交通ルール、近所づきあい——教えなければ、伝わりません。

※出典:金沢市「令和8年度当初予算資料」、金沢市国際交流課、金沢国際交流財団、石川県国際交流協会。

🛟 生活保護と外国人全国のデータ

インターネット等で議論になりやすい「生活保護の受給実態」について、厚生労働省の公式統計をそのまま並べます。

🏠
全体の受給世帯
165万世帯
2023年度
🌏
世帯主が外国籍
4.7万世帯
全体の2.87%
📊
保護率の比較
1.93% vs 1.62%
外国人 vs 全体
📊 保護率で比べるのが正しい読み方

在留外国人の保護率 1.93%
日本人を含む全体 1.62%

差は0.31ポイント大差はありません。
「外国人のほうが受給しやすい」の根拠にはなりません。
⚖️ そもそも、全ての外国人が受けられるわけではない
📜 生活保護法は「日本国民」が対象です: 外国人には、1954年の旧厚生省通知にもとづく「準用措置」が適用されます。対象は永住者・定住者・日本人の配偶者等・特別永住者・認定難民だけ。留学生・技能実習生・特定技能は対象外です。該当するのは在留外国人全体の約4割(162万人・2024年末)。
🚫 不正があれば、国外退去もありえます: 生活保護を受けるなど公の負担になる可能性がある場合は、上陸拒否事由にあたります。嘘をついて入国し申請した場合は、退去強制の対象になります。また中長期在留者は、在留資格の更新時に公の負担になる場合は更新を拒否されます。
💴 金額は、国が国会で答えています
📜 2025年2月3日 衆議院予算委員会・厚生労働大臣の答弁:

外国人の方のみを切り出した支出総額については把握してございません

ただし世帯主が外国籍の世帯への機械的な推計として、令和4年度の生活扶助費年間約380億円、住宅扶助費年間約180億円

⚠️ この世帯には、日本人の家族が含まれる場合もあります。
🩺 「国保のタダ乗り」説の検証
✅ 厚生労働省の資料に明記:外国人に対する国内の診療実績は、被保険者に占める外国人の割合に比して大きいとは言えない」。国保の被保険者の約4%が外国人なのに、総医療費に占める割合は1.39%。使っている額は、人数の割合より少ないのです。
❓ 金沢市の数字は?
厚生労働省の「被保護者調査」は中核市別にも一部公表されますが、金沢市の外国籍世帯数は、この場では確認できませんでした推測で書きません。知りたい場合は、市の福祉局に情報公開請求をするか、議会で質問してもらう方法があります。

※出典:厚生労働省「被保護者調査」(2023年度1か月平均)、同「外国人被保険者データ」、衆議院予算委員会会議録(2025年2月3日)、出入国管理及び難民認定法。

🔮 これから、増えていくのか

📉 背景にあるのは人手不足: 金沢の人口は2020年の46.6万人がピークで、以後減少。税を納める生産年齢人口は2060年までに約19%減る見通し(市の公共施設等総合管理計画)。介護・建設・製造・外食など、人が足りない分野で受け入れが進んでいます。
🤝 金沢市の取り組み: 市が出資する金沢国際交流財団が、日本語教室、生活相談、災害時の情報提供、子育て支援などを行っています。石川県も「国際化推進プラン」を策定しています。
🧭 数字を見るときの注意:観光客は「住民」に含まれません。9,375人は金沢に住んでいる人の数です。②個人の行動と、集団の統計は別です。誰かの迷惑行為を見たとしても、それは9,375人全体の話ではありません。日本人についても同じことが言えます。

※出典:石川県「県内外国人住民数」、金沢市「公共施設等総合管理計画」(令和5年9月改訂版)、金沢国際交流財団。

Education

教育と子ども

金沢市・文部科学省の公表資料より
🎯 「新金沢型学校教育モデル」(令和7年4月〜全小中学校で実践)

金沢市が今、めざしている教育のかたちです。

💻
デジタル力
主体的にデジタル社会と関わる力
📖
読解力
学び続けるための土台
💬
コミュニケーション力
他者を尊重し自分の意思を伝える
💡 3つの力を土台に、創造力へ: 「自分はどう思うか」「自分はどうしたいか」「自分に何ができるか」を考え、「自分」と「みんな」で新しい価値や最適解を見出す創造力を育てる、というのが金沢の教育の方向です。
その中身:3つの柱
📌 小中一貫: 中学校区ごとに小中連携を進める「金沢独自の小中一貫教育」により、9年間を見通した連続性のある教育をめざしています。

※出典:金沢市「新金沢型学校教育モデル」「金沢市学校教育振興基本計画」。

💴 教育費278億円は、何に使われているか

金沢市の予算のうち教育費は約278億円(全体の約13%)。子ども1人あたりで見ると、イメージがつかめます。

教育費の総額
278億円
市の予算の約13%
小中学生1人あたり
約84万円
年間・概算
🍚 小学校の給食費は無償になりました: 金沢市は令和8年度1学期から、市立小学校の児童の給食費をすべて公費でまかなうことにしました。これまで保護者は年約5万円を負担していました。事業費は年約3億1,100万円。
💡 市が上乗せしています: 国と県から交付金(児童1人月5,200円)が出ますが、金沢の食材費はそれを上回ります。金沢市は給食の栄養バランスを維持するため、超過分を市が負担しています。
🍱 中学校は「一部助成」: 中学校は無償化ではなく、令和4年度から食材費の高騰分を市が公費負担して、保護者負担を軽くしています。中学校の給食費をどうするかは、これからの論点です。なお就学援助・生活保護を受けている世帯は、給食費を市が負担します。
⚠️ 校舎の老朽化: 教育施設は市の建物全体の約38%を占める最大のグループ。第二次ベビーブームに一斉に建てた校舎が、いま一斉に改修・建替えの時期を迎えています。

※教育費の内訳は一般的な構成にもとづく目安です。1人あたりは小中学生数約3.3万人で割った概算。出典:金沢市「令和8年度当初予算概要」(款別表)ほか。

🧾 給食費の徴収、監査が裏側まで見た——収納率99.9%→99.3%令和6年度行政監査
🍚 給食費が上がらなかったのは、市が裏で払っていたから
給食の食材費は保護者負担が原則で、令和6年度は給食費収入17.2億円≒管理費17.3億円とほぼトントンの設計。ところがその裏で、市は物価高騰特別対策費4億2,260万円を税金から追加投入し、値上げ分を肩代わりしていました。さらに家庭の事情に応じた学校給食援助費が1億8,989万円。「据え置き」の裏には、必ず誰かの財布があります。

出典:金沢市「令和6年度一般会計歳入歳出決算事項別明細書」(令和7年12月定例月議会で認定)

市の監査委員が令和6年度、テーマ監査で学校給食費の徴収を丸ごと検証しました(※令和8年度からの小学校無償化より前の、徴収があった時期の記録です)。

13年越しの改善だった給食費は長く学校ごとの「私会計」で、先生が集金・管理していました。平成20年度の監査が「権限と責任を明確化せよ」と意見し、令和4年から市の予算に組み込む「公会計」へ移行——監査の意見が実るまで13年。先生の集金業務が消え、支払いはコンビニ・スマホ決済も可能になりました。口座振替の利用は96.8%です。
単価は11年据え置き保護者が払う単価は小学校250円・中学校293円(1食)。平成26年度から11年間据え置かれ、物価高騰で食材費が超えた分は公費負担(上の節)——「変わらない給食費」は制度としても徹底されていました。
副作用は収納率私会計時代の収納率は99.8〜99.9%。公会計化後は99.6%→99.3%に低下しました。監査報告は「公会計方式への移行によって徴収率が低下することは、他の自治体でも見られる共通の課題」と明記。学校(顔の見える関係)から市役所(事務的な徴収)へ移った副作用です。令和6年8月末の滞納は340人・約1,122万円で、「複数年度にわたって滞納を繰り返している保護者が存在」とも報告されています。回収できた分の約半分は児童手当からの充当でした。
監査の注文と、配慮の記録結論は「おおむね適正」。そのうえで——本来支援の対象となる世帯が滞納者にならないよう相談体制を整えること、特に理由のない高額滞納者には支払督促などの法的措置を、と両にらみの意見。また能登半島地震で被災し金沢の学校に通う児童生徒の給食費は減免(被災が明らかなため申請書類も省略)という運用も記録されています。

出典:金沢市監査委員「行政監査結果報告(学校給食費の取扱いについて)」(令和7年3月21日公表・対象は教育総務課。私会計から公会計への経緯と平成20年度監査意見・令和3年度措置通知、単価250円/293円と平成26年度以降11年据え置き、口座振替96.8%〔令和5年度〕・納付書利用のうちコンビニ8割超、収納率99.6%〔令和4年度〕→99.3%〔令和5年度〕と私会計時代99.8%〔平成20年度〕・99.9%〔令和元年度〕、滞納340人・11,217,795円〔令和6年8月末〕、複数年度滞納の保護者の存在、児童手当充当が収納済みの半額程度、能登半島地震被災児童生徒の減免と申請省略、改善意見はすべて同報告より)。

🚽 学校のトイレ洋式化に、1年で約17億円
令和6年度、小中学校の「トイレ洋式化推進費」は小学校13億2,176万円+中学校3億7,535万円=約17億円(教育費・建設費)。翌年度への繰越も大きい継続事業で、市は本気で全校の洋式化を進めている最中です。学校から和式が消えていっているのは、この予算のおかげ。子どもの「学校のトイレ、きれいになった」の裏側です。

出典:金沢市「令和6年度一般会計歳入歳出決算事項別明細書」(令和7年12月定例月議会で認定)

🧡 まちの子どもを守る仕組み——金沢市児童相談所のこと金沢市・こども相談センター

あまり知られていませんが、金沢市は自前の児童相談所を持つまちです。子どもを守る仕組みの現在地を、市の公表情報から。

🏢
金沢市児童相談所
平成18年開設
中核市による自前設置の先駆け
📞
虐待相談への対応
年652件
令和5年度・増加傾向が続く
🧸
対象となった子ども
7割強が小学生まで
自分から助けを求めるのが難しい年齢
🔦 「件数の増加」は、悪化だけを意味しない
多くの県で児童相談所は県の仕事ですが、金沢市は平成18年、中核市としていち早く自前の児童相談所を開設し、平成21年には一時保護所も設置しました——子どもを守る体制を「自分ごと」として持っているまちです。相談対応は令和5年度652件と増加が続いていますが、国の分析では、増加の背景に関係機関の意識や感度が高まり通告が増えているという側面があるとされます。つまり件数の増加には「見つけられるようになった」という側面もある。ただ、市が伝えるとおり対象の7割強は小学生までの子ども——自ら助けを求めることが難しい年齢です。だからこそ市は「まわりの大人の気づきが大変重要」と呼びかけています。
📞 覚えておきたい、2つの番号
「虐待かも」と思ったら、確証がなくても連絡してよい仕組みです(通告した人が特定されることはありません)。全国共通ダイヤル「189(いちはやく)」、または金沢市の虐待通報専用電話 076-243-8348(24時間対応)。子育ての悩み全般の相談も、こども相談センター(076-243-4158・平日9時〜17時45分)で受け付けています。まちの一人ひとりが「気づく大人」になること——それがこの仕組みのいちばんの支えです。

出典:金沢市こども相談センター(金沢市児童相談所)公式ページ、金沢市公式子育てサイト「のびのびビ〜ノ」令和6年11月号(相談件数652件・小学生まで7割強・児童虐待防止推進月間)、石川県中央児童相談所事業概要(金沢市児相の平成18年開設・平成21年一時保護所設置)、こども家庭庁「児童相談所における児童虐待相談対応件数」(増加背景の自治体聞き取り)。

🧸 金沢の保育、141か所の中身——実は「9割方、民間」のまち金沢市・保育幼稚園課

市内の保育所・認定こども園は令和7年4月1日時点で計141か所。その内訳を見ると、金沢の保育の意外な構造が見えてきます。

🏫
私立認定こども園
113か所
全141か所の8割を占める主役
🏛
市立保育所
12か所
ほかに私立保育所15・県立こども園1
🌙
保育メニューの厚み
夜間・休日・年末まで
延長・一時預かり・病児保育も
保育
141か所
私立認定こども園 113(80.1%)
私立保育所 15(10.6%)
市立保育所 12(8.5%)
県立こども園 1(0.8%)
令和7年4月1日現在(金沢市保育幼稚園課)。割合は各施設数÷141で当サイト算出。
🤝 金沢の子どもは、民間と地域が育てている
141か所のうち市立はわずか12か所——金沢の保育は、私立の認定こども園(多くは社会福祉法人など)が9割方を担う構造です。市の役割は「直営」より「制度と補助で支える」側。これは公民館を地域が運営する「金沢方式」(→金沢方式まるわかり)とも通じる、このまちの流儀です。メニューの厚みも特徴で、夜間保育・休日保育・年末保育まで揃うのは、飲食・観光のまちで働く親の現実に応えてきた歴史の表れ。なお保育料をめぐっては、延滞金の徴収が四半世紀改善されず監査に指摘され続けた記録(→公文書ツアーの24年物語)が令和5年にようやく決着しています——支える側の公平性も、制度の一部です。

出典:金沢市保育幼稚園課「よくある質問」(令和7年4月1日現在の施設数内訳=市立保育所12・県立認定こども園1・私立保育所15・私立認定こども園113の計141か所、保育メニュー)。保育料延滞金の経緯は金沢市監査公表(公文書ツアーのカード参照)。

🏫 金沢の学校、数字の全体像——9年で3,145人減った教室金沢市・教育総務課

教育委員会が毎年公表する「学校施設、児童生徒数、教職員数一覧」(令和7年5月1日現在)。市内の学校の姿が1枚でわかる基礎資料です。

🎒
市立小・中学校
小52校・中24校
児童生徒 計31,964人・教職員2,170人
📉
9年間の変化
35,109 → 31,964人
平成28→令和7年度・3,145人減(△9.0%)
🎓
まちの学生
大学生 約2.1万人
金沢大・美大・私大の計(短大部含む)
🏔 全校29人の小学校と、915人の小学校が同じまちにある
少子化は静かに、しかし確実に進んでいます——市立小中の児童生徒は9年間で3,145人減(毎年約350人ずつ)。そして一覧表を読むと、金沢の教育のもうひとつの顔が見えます:湯涌小29人・内川小32人・医王山小46人・芝原中19人など、中山間地には全校数十人の小さな学校が今も灯をともす一方、米丸小915人・兼六中824人という大規模校もある。同じ市立でも風景はまるで違います。それでも一覧の特別支援学級の欄はどの学校にもびっしり——知的・自閉情緒・肢体・ことばの教室まで、ほぼ全校に設置されているのは、通常学級と共に学ぶ体制がまち全体に張られている証拠です。なお金沢は大学生だけで約2.1万人が学ぶ学都でもある——市民の約22人に1人が大学生という土壌が、「学生のまち」条例や学生団体の活動を支えています。

出典:金沢市教育委員会「学校施設、児童生徒数、教職員数一覧」(令和7年5月1日現在。市立小学校52校〈ほか分校1〉21,269人・中学校24校〈ほか分校1〉10,695人・教職員は県費市費計の掲載値、児童生徒数の推移はⅡ表〈平成28年度35,109人→令和7年度31,964人、減少数・率は検算済み〉、各校の児童生徒数・特別支援学級は学校別一覧より。大学生20,963人は金沢大学・金沢美術工芸大学・私立大学の掲載値合計)。毎年9月頃更新、「金沢の教育〔行政編〕」にも収録。

🧒 「こどもまんなか」の設計図と、地域が運営する33の児童館金沢市・子育て支援課

令和7年3月、市はこども・子育ての3つの計画を1本にまとめた「金沢こどもまんなか未来プラン」(金沢市こども計画)を策定。理念と、それを支える現場の両方を見ておきます。

📘
こどもまんなか未来プラン
令和7年3月策定
3計画を統合・少子化対策を基本方針の1番目に
🏠
児童館
地区32館+大型1館
地区児童館は「地域の方々で運営」
🍚
こども応援ネットワーク
子ども食堂×企業連携
スーパー店頭のフードドライブ等で支援
🤲 ここにも「金沢方式」——子どもの居場所は地域が回す
プランの基本理念は「こども・若者の幸せな未来を みんなで創るまち金沢」。注目は少子化対策を6つの基本方針の一番目に掲げたことで、「こどもや子育てに不寛容な社会は、若い世代が生み育てることをためらう要因」と計画自身が書いています——9年で3,145人減った教室(上の節)への、市の回答書です。そして現場を見ると、32の地区児童館は地域の方々による運営——公民館と同じく、ここにも地域が担う金沢方式(→金沢方式まるわかり)が生きています。困難を抱える子には「金沢こども応援ネットワーク」が子ども食堂・学習支援団体と企業をつなぎ、スーパーの店頭にフードドライブの回収箱を置く仕組みまで整備。なお市には「こども未来拠点施設整備室」が置かれ、新たなこどもの拠点施設づくりが動き出しています——詳細が公表され次第、このカードで追いかけます。

出典:金沢市「金沢こどもまんなか未来プラン(金沢市こども計画)」(令和7年3月、こども未来局。基本理念・3計画統合・少子化対策を第1方針とした旨・引用箇所は本文の記載)、金沢市児童館ポータルサイト(地区児童館32+城北児童会館、地区児童館は地域運営の旨)、子育て支援課「金沢こども応援ネットワーク」(企業認定・フードドライブの実例)。こども未来拠点施設整備室は市組織一覧より(施設詳細は未公表段階)。

📚 学びは、卒業してからも続く——金沢の生涯学習金沢市

このカードは子どもの学びが中心でしたが、金沢の「学び」は学校で終わりません。公民館・生涯学習の担当は生涯学習課。ここにも、あの「金沢方式」が効いています。

公民館も
金沢
方式
金沢の公民館は、市の生涯学習情報サイト自身が「金沢方式とよばれる、全国でも特色ある運営方式」と説明しています。行政が上から運営するのではなく、地域が主体になって運営する——保育や町会と同じ、金沢の「公私協働」の思想が、大人の学びの場にも貫かれています。(→金沢方式
65歳の
大学
「高砂」
金沢市中央公民館には、65歳以上の市民のための「高砂大学校」、さらに「高砂大学校大学院」があります。名前は大学でも、学ぶのはシニア世代。金沢の歴史・文化から一般教養まで、「出会いと絆を深める場」として続いてきました。「学び直し」や「生涯現役」が言われるずっと前から、金沢はこの仕組みを持っていました。
まなびの
広場
「何か学びたいけど、何があるか分からない」という人のために、市は生涯学習情報サイト「まなびの広場」を運営し、講座・イベント情報を集約しています。施設の予約もオンラインで可能。子育てが一段落した世代、退職後の世代がもう一度まちとつながる入り口として用意されています。
🧭 つながりの設計: 子どもの教育(このカード)、大人の学び(生涯学習)、高齢者の見守り(→介護と高齢化の民生委員)——金沢はどの世代の「まちとのつながり」も、地域主体の金沢方式で設計してきました。学びの場は、ただ知識を得るだけでなく、孤立を防ぐ社会インフラでもあります。

※出典:金沢市公式サイト(生涯学習課、中央公民館「高砂大学校・高砂大学校大学院」)、金沢市生涯学習情報サイト「まなびの広場」(公民館の金沢方式運営の記載)。

🛡 いじめ・不登校のいま(全国・令和6年度)

文部科学省が毎年調べている数字です。まず正しく読むことが大切です。

📈
いじめ認知件数
76.9万件
過去最多(1,000人あたり61.3件)
🏠
不登校(小中)
35.4万人
過去最多。ただし増え方は鈍化
⚠️
重大事態
1,405件
命や心身に重い被害
💡 いちばん大事な読み方: 「いじめの認知件数が多い=悪い学校」ではありません。文部科学省は、認知件数の増加を「初期段階のものも含めて積極的に見つけ、解決に取り組んでいる結果」として肯定的に捉えています。件数ゼロの学校は、見のがしている可能性もあるのです。
⚠️ ここが本当の問題: 重大事態1,405件のうち、約34.9%は「重大事態になるまで、いじめとして認知されていなかった」ものでした。つまり見のがしが深刻化を招いています。「件数を減らす」のではなく「早く気づいて、重大化させない」ことが目標になります。
いじめは、どうやって見つかっているか
🔍 地域で6倍の差: 児童生徒1,000人あたりのいじめ認知件数は、都道府県のあいだで約6.1倍の差があります(全国平均61.3件)。これはいじめの多い少ないの差というより、どれだけ熱心に見つけようとしているかの差だと文部科学省は指摘しています。自分のまちの数字を知ることが、第一歩です。
⚠️ 「認知ゼロ」の学校が5,407校: 令和6年度、いじめを1件も認知しなかった学校は全国で5,407校。文部科学省は「本当にゼロの場合もあるが、放置されたいじめが潜んでいる可能性もある」と懸念を示し、ゼロ件だった学校はその事実を子どもや保護者に公表し、検証を仰ぐことを求めています。
🏙 金沢市は何をしているか(公式の取り組み)

金沢市は平成25年度に「金沢市いじめ防止基本方針」を定め、令和7年1月に改定しました。

🔬 いじめの「四層構造」

金沢市の基本方針は、いじめが2人だけの問題ではないと明記しています。

⚠️ ここが核心: いじめは「いじめる人」と「いじめられる人」だけで成り立っているのではなく、はやし立てる観衆と、見て見ぬふりをする傍観者によって支えられている——これが金沢市の公式見解です。周りの子が変われば、いじめは続きません。
😊 「いじめは笑いに隠される」: 基本方針にはこう書かれています。いじめられている子は、それを認めたくなくて「冗談」「遊び」に見せかけ、笑ってしまうことがある。それが発見を難しくし、いじめる側に「遊びだった」という逃げ口上を与えます。
⚖️ いじめは、犯罪になることがある

金沢市の基本方針は「『いじめ』という言葉が、その行為が犯罪にあたることを見えにくくしている」と指摘し、具体例を示しています。

🚔 警察への通報: 金沢市の方針は、いじめが犯罪行為として扱われるべきものと認めるときは、「ためらうことなく所轄警察署と相談して対処する」と明記。生命・身体・財産に重大な被害のおそれがあるときは直ちに通報するとしています。
📌 「いじめられる側にも問題がある」は禁句: 基本方針は、教職員のこの発言を「いじめを容認するものにほかならず、いじめを深刻化させる」と明確に否定しています。
📞 困ったときの相談先(金沢市・石川県)

子ども本人も、保護者も、無料で相談できます。

🏆 金沢市は、国が認めた「不登校対策の好事例」

令和8年3月の国の調査研究報告書(こども家庭庁事業)で、金沢市が全国の好事例として名指しで紹介されました。

💡 専門家の評価: 日本大学の藤平敦教授は「金沢市は不登校対策で行政と学校がうまく連携していて、市長もマニフェストでその点を打ち出している」「このような立場の人がいると予算もつきやすい」と述べています。来年度からはメタバースの居場所もできる予定です。
📋 学校ごとの「いじめ防止基本方針」も公開されている

金沢市の各小中学校は、それぞれいじめ防止基本方針をつくり、ホームページで公開しています。中身はかなり具体的です。

👀 先生が見ているサイン(実際の方針より): 「プロレスごっこで負けることが多い」「集中してボールを当てられる」「掃除で最後まで一人でする」「給食で嫌われるメニューの時に多く盛られる」——こうした細かいサインが方針に列挙されています。家庭で気づくサイン(風呂に入りたがらない=傷を隠すため、など)も。
✅ 「解消」の定義は厳しい: いじめが「解消した」と言えるのは、①いじめの行為が少なくとも3か月止んでいる、②被害を受けた子が心身の苦痛を感じていないと本人に面談で確認できた——の両方を満たしたときだけ。「謝ったから終わり」ではありません。
📈 石川県のいじめ認知件数の推移

県内公立学校の認知件数(石川県の公表資料より)。件数が増えたのは、見つける力が上がったからでもあります。

🏅 石川県は国に先がけて動いていた: 国の「いじめ防止対策推進法」(平成25年)より前の平成24年から、石川県は「いじめを見逃さない学校づくり」を策定し、「いじめ問題対策チーム」を各学校に常設。医師・臨床心理士・警察官OBらの「いじめ対応アドバイザー」を委嘱(令和4年度は専門家65名)。弁護士によるいじめ予防教育を年80回程度実施しています。

※出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「いじめ防止・不登校対策をはじめとする教育福祉連携の好事例等に関する調査研究報告書」(令和8年3月・こども家庭庁事業)、石川県「いじめの状況について」、金沢市立各学校「いじめ防止基本方針」。

🏫 金沢の動き:「学びの多様化学校」 金沢市は令和7年11月、不登校の子どものための「学びの多様化学校」の基本構想について答申を受けました。全国に58校あり、国は将来300校をめざしています。自分に合った学び方を選べる学校です。
🌱 希望の兆し: 不登校の増加率は、前年度の15.9%から2.2%へと大きく鈍化しました。校内の教育支援センターや相談体制の整備が進んだ効果とみられています。対策は、たしかに効いています。

※出典:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(令和6年度・令和7年10月公表)、金沢市「学びの多様化学校の基本構想について(答申)」。数字は全国値です。

📊 金沢市の公式数字(令和6年度)

これは令和6年度(2024年度)の実績で、令和7年12月の金沢市教育委員会議で報告・確定された数字です。比べる全国値も同じ令和6年度のものです。評価はせず、そのまま並べます。

🏫
いじめ認知件数
小250件
中196件(小11件減・中9件増)
🏠
不登校
小468人
中715人(小30人減・中108人減)
暴力行為
小16件
中46件(どちらも増加)
✅ 認知ゼロの学校は、1校もない: いじめを認知した学校数は小学校54校、中学校25校——令和6年度当時の市立小中学校の全校にあたります(その後の統合・再編により、令和7年5月1日現在の学校数は小52校・中24校。全体像の数字はこちら)。つまり当時の全校で、いじめが認知されていました。全国には「認知ゼロ」の学校が5,407校あり、文部科学省が懸念を示していますが、金沢はそこには含まれません。
📐 1,000人あたりで比べると

学校の大きさが違うので、児童生徒1,000人あたりに直して比べます。

⚠️ 市の会議で、こんなやりとりがありました: 教育委員から暴力行為について「全国平均の10分の1以下ではないか。カウントの仕方は正しいのだろうか」という質問が出ました。これに対し学校指導課長は「全国と比べて非常に低いので、暴力行為を見逃していないかどうか懸念している」と答えています。別の委員からも「学校によってばらつくと、統計の信憑性も考えなくてはいけない」という指摘がありました。市みずからが、数え方の課題を認識しています。
❓ 重大事態の件数は公表されていません: 命や心身に重い被害が出た「重大事態」について、金沢市は「当該の児童生徒や保護者に不安を持たせないという教育上の配慮」を理由に、件数を公表していません。2026年7月、当サイトが情報公開請求で件数の開示を求めた際も、「特定の個人が識別されるおそれがある」との理由で開示には至らず、代わりに文部科学省の同じ調査で都道府県別の発生件数(令和2年度分から)が公表されている旨の案内がありました(市学校指導課・2026年7月)。その案内に沿って文科省の令和6年度調査(概要)を確認すると、都道府県別の児童生徒1,000人当たり重大事態発生件数は石川県0.02件(全国平均0.11件)——県内の児童生徒数から逆算すると石川県全体で2件に相当します。市町村別の内訳は、この統計にもありません。件数を公表している自治体もあります。どちらがよいか、考えてみてください。
🌐 メタバースの居場所「そだちLink」: 令和8年1月28日、不登校やひきこもりの子どものためのメタバース空間が開設されました(対象約60名)。家から出られない子にも居場所を、という試みです。

※出典:金沢市「令和7年金沢市教育委員会議第12回定例会 議案書・会議録」(令和7年12月17日)。1,000人あたりの数字は、金沢市の児童生徒数(小約2.2万人・中約1.1万人)で割った概算です。全国値は文部科学省の令和6年度調査による。

🧒 金沢の子ども——学校で見えた「知られざる数字」金沢市

情報公開で得た決算資料(成果説明書)から、ふだん表に出ない子どもの実数を並べます。

8人に
1人
経済的に苦しい家庭に学用品・給食費などを補助する「就学援助」の対象は4,113人(小2,526・中1,587)。児童生徒32,724人の12.6%=約8人に1人です。金沢は豊かな街——でも学校の教室には、この現実があります。
虐待
673件
こども相談センターが対応した児童虐待は673件(うち心理的虐待397=59%・身体的171・ネグレクト98・性的7)。一時保護は136人。相談受理は年1,419件——1日に約4件、どこかで子どもが助けを求めています。
保育料の
肩代わり
保育料は国の基準なら19.8億円取れるところ、市は11.7億円しか取っていません(充足率58.8%)。差額約8.2億円は市の負担=実質値引き。さらに3歳未満児の保育料は26年連続で据え置き。子育て支援は「見えないお金」で回っています。
医療費
タダ
子育て支援医療(こども医療費)は年12.7億円・703,656件。令和5年10月から入院分を高校3年まで拡大し窓口負担を無料化。子ども1人が病院にかかるたび、市が肩代わりしています。
保育所は
空いている
待機児童は5年連続ゼロ。それどころか保育所・認定こども園は定員16,155人に対し利用12,865人=空き3,290人分(充足率79.6%)。特に0歳児は7割超が空き。「保育園に入れない」時代は、金沢では終わりつつあります

出典:金沢市「令和6年度 主要施策の成果説明書」P70-84・P196(情報公開請求で入手・当サイト転記)

🏫 少子化で、学校はどう変わってきたか

金沢市では実際に、小学校の統合(合併)が行われてきました。公表されている実例です。

♻️ 廃校は、こう生まれ変わった: 廃校になった俵小学校は「俵芸術交流スタジオ」に(平成30年)、野町小学校は「金沢未来のまち創造館」に(令和3年)転用されました。建物を壊さず活かす方法もあります。
⚠️ これからも続く: 金沢市は「新たな学校規模適正化に向けた方針」にもとづき、学校の統合や新設、通学区域の見直しを進めるとしています。給食の共同調理場も統廃合が計画されています。子どもが減るなかで、教育の質をどう保つかが問われます。
🎒 放課後の居場所:児童クラブ(学童)は「校下ごと」にある金沢

共働き・ひとり親家庭の小学生を放課後や夏休みに預かる放課後児童クラブ。金沢では、一部を除きほぼ各校下(校区)に1つずつあります——公民館60館と同じ、校下のまちの仕組みです。

💡 知っておくと安心: 運営は地区の社会福祉協議会や保護者たち。場所は児童館・民家・学校の余裕教室など。利用料は各クラブが決めていて平均は月1万円ほど(おやつ代込み)。時間はおおむね下校時〜18時ごろ、夏休みは朝から。ひとり親家庭(児童扶養手当受給世帯)には利用料の軽減制度があります。新1年生の申込みは前年の秋(11月ごろ)から始まるクラブが多いので、就学時健診の時期に動くのが安全です。📞 子育て支援課 076-220-2285
⚽ 部活動の「地域移行」

中学校の部活動を、学校から地域のクラブや団体へ移していく国全体の動きです。

💡 なぜ移行するのか: 先生の長時間労働をへらし、子どもが少なくなっても好きな活動を続けられるようにするためです。一方で、指導者の確保、家庭の費用負担、地域差という課題も指摘されています。

※出典:金沢市公共施設等総合管理計画(令和5年9月改訂版・統合の実例)、スポーツ庁・文化庁の方針。

Document Tour

公文書ツアー

全部、公開されている

市は、びっくりするほどいろんな文書を公開しています。ここでは、その中でも「読む価値が特に高い5つ」をツアー形式で案内します。あわせて、当サイトが実際に情報公開請求を使っている記録を「📋 開示請求live」タブで公開しています。

💬 パブリックコメント——市があなたに「文書で答える」唯一級の制度金沢

しくみ市が大事な計画や条例をつくる前に、素案を公表して市民の意見を募集する制度。金沢市では条例で義務づけられていて、募集期間は30日以上と決まっている(金沢市における市民参加及び協働の推進に関する条例)。
ここが熱い寄せられた意見は、「意見の概要」と「市の考え方」がセットで全部公表される。つまり、あなたが意見を出せば、市があなたの意見に文書で答え、それが公文書として残る。個別の返事は来ないが、公表という形で必ず応答される——市民と市のやりとりがここまで見える制度は他にない。
実際は
どう?
きれいごとやない、生の数字を見よう。金沢市は令和7年度だけで26件ものパブコメを実施しました(教育・防災・観光・農業・水道・DX…ほぼ全分野)。ただし参加はバラバラ——「火災予防条例の改正」は意見ゼロ(意見者0名・意見数0件)だった一方、「教育振興基本計画」には5人が18件の意見を寄せています。にぎわう案件も、ゼロの案件もある。それが実態です。
おまけ同じ条例で、市の審議会(有識者会議)は原則公開とも定められている。傍聴できる会議は思っているよりずっと多い。
🔥 だからこそ、あなたの1件が効く
意見が少ないのは、冷たい話やありません——むしろ逆です。教育振興基本計画に意見を出したのは、たった5人。それでも市は18件すべてに文書で回答しました。「10年の計画は長すぎる、3年ごとに見直して市民に共有を」「どこの自治体でも通じる一般論ばかり。金沢らしさとは何か」「子どもへの政治参加教育を強化してほしい」「食育で米作り体験を」——こうした具体的な声に、市が一つずつ答えた記録が公開されています。0件の案件の隣で、あなたの1件は埋もれずに響く。パブコメは、ほんの数人でも市を動かせる制度です。
🔗 いますぐ、確かめられます: 募集中の案件と締切、そして過去の「意見の概要と市の考え方」は、金沢市の公式ページで誰でも読めます。年に26件も出ているので、あなたの関心のど真ん中の案件が、きっとあります。まずは1件、のぞいてみてください。
→ 金沢市パブリックコメント(募集中・実施結果)を開く

※金沢市のパブコメは二本立て——基本計画や条例は市民協働推進課(市民参加及び協働の推進に関する条例)、規則や処分基準などは文書法制課(行政手続条例の意見公募手続)が所管。募集中の案件は広報かなざわにも載ります。件数の例=火災予防条例0件・教育振興基本計画18件(意見者5人)は令和7年度・市公式サイトの実施結果PDFより(当サイト確認、2026年8月)。

🔍 監査委員——市役所を「監査」する4人がいる金沢
誰?市のお金の使い方や事務が適正かをチェックする監査委員が4人いる。専門家(識見者)2人+現職の市議会議員2人(高村佳伸議員・森一敏議員)。そう、議員名鑑にいるあの2人。議員が行政の監査役を兼ねる——この仕組みも、市の公式ページに普通に書いてあります。
何をする?定期監査(お金・工事・財産)、行政監査、決算審査、毎月の現金チェック(例月出納検査)——結果は全部公表される。市民が「この支出はおかしい」と監査を直接請求できる住民監査請求という制度もある(→市民の権利)。
記録を読むと監査で指摘された問題がいつ改善されたかも「措置状況」として金沢市公報で公表されている。これを読むと——「指摘:平成21年 → 改善の通知:令和6年」のような、直すまで10年以上かかった案件がいくつも並んでいる。中には指摘から改善まで15年という例も。
読み方時間がかかった=怠慢、とは限らない(構造的な問題ほど直すのに時間がかかる)。でも「指摘→改善」のループがちゃんと回っているかは、市民が公報を読むだけで確かめられる。
公表されない部分もある令和7年度の定期監査(クラフト政策推進課・ゼロカーボンシティ推進課・緑と花の課・危機管理課など25の課・室が対象・約9か月)の公表文は数ページで、結論は「おおむね適正」。ただし末尾にこうあります——「公表すべき事項には至らなかったが、改善を必要とする事項等については、関係課長に改善を促したので、記述を省略した」。つまり、何をどう改善させたのかは公表されていません。「監査結果は全部公表」の中にも、こういう線引きが実在します。
実名で指摘が出ることもある一方、令和7年度の「財産の管理等状況監査」(アートホール・小中学校など37施設を実地検査)では、施設名入りの指摘が出ました——建築基準法に基づく定期点検の不備が2年度以上改善されていない施設として金沢21世紀美術館・卯辰山公園健康交流センター千寿閣・戸室新保埋立場・大徳小学校・安原小学校の5施設、消防法の消防用設備点検でも金沢21世紀美術館と戸室新保埋立場が名指しされ、「必要な措置を早急に講じる必要がある」と。年間約197万人(2023年度・当サイト既載)が来館する看板美術館も、監査の前では1施設です。

※出典:金沢市監査事務局の公式ページ(監査委員一覧・監査の種類・監査結果・措置状況)、金沢市監査公表第3号(令和8年3月23日・令和7年度財務事務等監査。対象25の課・室の一覧・「おおむね適正」の結論・「改善を促したので、記述を省略した」の記載)、金沢市監査公表第13号(令和7年8月21日・令和7年度財産の管理等状況監査。対象37施設の一覧、建築基準法定期点検の不備2年度以上未改善5施設〔金沢21世紀美術館・千寿閣・戸室新保埋立場・大徳小学校・安原小学校〕と消防法点検の2施設〔金沢21世紀美術館・戸室新保埋立場〕の指摘事項)。すべて市公式サイトで公開中。

🔍 外部のプロが1年かけて市を監査した報告書、読んでみた令和7年度包括外部監査

市は毎年、外部の専門家と契約して市の事務を監査させています(包括外部監査・中核市の義務)。令和7年度のテーマは「補助金」。公認会計士(補助者に弁護士・税理士)が約9か月かけて126件・約23.1億円分の補助金を調べ、結果は2026年5月11日の金沢市公報で全文公表されました。

結果は「指摘0・意見35」法令違反レベルの「指摘」は0件。ただし改善を求める「意見」が35件付きました。内訳は、補助金制度の見直し8件・効果把握3件・外郭団体への指導11件・事務の適正化10件など。
意見その1:見直しは14年前が最後市には「補助金の見直し基準」(平成19年策定。終期は原則3年、補助率50%超は引き下げ検討など)があります。基準に基づく抜本的な総点検は平成23年度が最後——130の補助金を検証し29事業を廃止(8,634万円削減)した実績があるのに、以後約14年、実施されていないと報告書は述べ、改めての見直しを求めました。
意見その2:25年前の宿題が残っていた補助金は平成13年度と平成18年度にも外部監査のテーマになっており、今回、当時の意見への対応を追跡したところ、監査時点でなお「未措置」のものが散見されたと報告書に明記。四半世紀ごしの宿題チェックです(検証の結果、多くは実質対応済みと整理されました)。
実例:市への依存度92%金沢国際交流財団は、年間収益約5,099万円のうち市からの補助金が4,686万円=約92%。自主事業の収益は年30万円でした。報告書は同財団を含む11団体に「自主財源の確保」の指導を求めています(→外郭団体の全体像は金沢のお金)。
実例:予算と決算がピッタリ一致オクトーバーフェスト開催費補助では、申請時の収支「予算」と実績報告の収支「決算」が同じ数字でした。来場者数で売上が変わるイベントで予算と決算が一致するのは不自然——実績を書くよう指導が必要、と意見が付きました。消雪装置の電気料補助では上限250万円に対し実績は最高13.5万円で、限度額の見直しを求める意見も。
読みどころ報告書には各補助金の目的・金額・終期の有無・「なぜ要綱がないのか」への担当課の回答まで載っています。「目的の達成のためには継続的な実施が必要であるため、終期は設定していない」という同じ文章が繰り返し登場するのも、読むと気づくポイントです。

出典:金沢市公報第3215号の2(令和8年5月11日・金沢市監査公表第8号)掲載「令和7年度包括外部監査結果報告書」(包括外部監査人・公認会計士 越田圭。テーマ「補助金に関する事務の執行について」・対象は令和6年度・実施期間は令和7年6月11日〜令和8年3月16日。指摘0件・意見35件とその内訳、抽出126件2,310,052千円〔うち市単独103件1,528,104千円〕、平成23年度の見直し実績〔130補助金・29事業廃止86,345千円削減・120事業見直し〕と以後約14年未実施、平成13・18年度監査の未措置の残存、金沢国際交流財団の経常収益50,993千円中の市補助金46,857千円〔約92%〕と事業収益300千円、自主財源確保の指導11団体、オクトーバーフェストの予算決算一致、消雪装置の上限2,500千円と交付実績最高135千円はすべて同報告書より)。1件あたりの詳細・全35意見は公報PDFで読めます。

🏚 ハコモノの寿命——全国の公共施設が「一斉に老いる」問題金沢+全国

何が問題?学校・公民館・道路・橋——日本の公共施設の多くは高度成長期に一斉に建てられ、いま一斉に寿命を迎えつつある。全部を建て替えるお金は、どの自治体にもない。2012年の笹子トンネル天井板事故が転機になり、老朽化による道路の陥没は全国で年間約1万件起きている。
国の対応国は全自治体に「公共施設等総合管理計画」——どの施設をいつまで使い、何を統廃合するかの計画——を作らせた。金沢市の計画も市公式サイトの「構想・計画」ページで誰でも読める(石川中央都市圏の広域版もある)。あなたの校下の公民館や学校の未来が、実はもう文書になっている。
金沢の特殊事情金沢は金沢方式公民館60館という全国有数の施設密度を実現してきたまち。施設が多い=維持費も多い。少子化で学校統廃合が進めば「1校下1公民館」の前提も揺れる(→校下ってなんや?)。「どの施設を残すか」は、これからの金沢の20年で最大級のテーマになる。
見張り方施設の統廃合は、決まってから騒いでも遅い。計画の段階で読む→パブコメで意見を出す→議会の議論を追う。このサイトの使い方そのものが、ここで全部つながる。

※出典:総務省(公共施設等総合管理計画)、国土交通省(インフラ老朽化・将来推計)、金沢市公式サイト「構想・計画」ページ。

💼 政務活動費——議員の「経費」、レシートまで見られる金沢

💴
金額
議員1人 月額16万円
年192万円。38人分で年約7,300万円(単純計算)。議員報酬(月70万円)とは別に交付される
📚
使い道
調査研究・視察・資料代など
政党活動・選挙活動・私的な活動には使えない。使い切らなかった分は市長が返還を命令できる(条例)
🔎
公開レベル
収支報告書はネットで全公開
平成29年度分から市議会HPで誰でも見られる。領収書などの原本類は市政情報コーナー(第一本庁舎3階)で閲覧できる
💡 なぜこれが大事か: 政務活動費は、全国で不正使用が何度もニュースになってきたお金です。金沢の38人がこのお金を何に使ったかは、あなたがスマホで確認できる。令和6年度分も2025年8月に収支報告書、9月に出納簿が公開済み。議員名鑑で賛否を見て、政務活動費で活動の中身を見る——議員を評価する材料は、実はもう揃っています。
⚠️ 豆知識: コロナ禍の令和2年7〜9月には、政務活動費を30%減額する特例が条例でとられました。非常時に議会が自らの経費をどう扱うか——こういう記録も条例の附則に全部残っています。

※出典:金沢市議会「政務活動費」ページ(交付額・公開方法)、金沢市議会政務活動費の交付に関する条例。問い合わせは議会事務局総務課(076-220-2388)。

🚨 不祥事の記録——市政は間違える。そのとき、どう動いたか金沢
仕組みの誕生平成22(2010)年夏、市職員の逮捕が相次ぎました(同年度3人目と報道)。これを受けて市は同年10月1日、「不祥事防止対策本部」と、外部の有識者を含む「不祥事防止対策委員会」(委員8人)を常設しました(金沢市例規集に規程・要綱あり)。この組織が存在すること自体が、「市政は性善説では回らない」という市自身の認定です。
実際に起きた令和3(2021)年、市発注工事の入札で、担当職員が最低制限価格を業者に漏らし、現金と商品券計20万円分を受け取った官製談合・贈収賄事件が起きました。同年12月、金沢地裁は有罪判決(懲役2年・執行猶予4年)を言い渡し、市は懲戒免職・退職手当全額不支給とした上で、職員不祥事防止マニュアルに入札談合の事例を追加し、技術職への研修を重ねました。事件は痛いが、発覚し、裁かれ、仕組みが直った——チェックが機能した記録でもあります。
見張りは5層①監査委員(←隣の「監査の指摘」タブ)、②包括外部監査=外部の公認会計士や弁護士が平成11年度から毎年テーマを決めて監査、③住民監査請求=市民が監査を起動できる制度(ガス・発電事業の譲渡で実際に使われました。結果は棄却)、④議会の審査、⑤情報公開請求(→市民の権利)。ただし5層あってなお、指摘から改善まで10年以上かかった事例が公報に残っています。仕組みは、完璧ではありません。
大事なのは「ゼロ」という幻想ではなく
不祥事ゼロのまちは存在しません。見るべきは、間違いが起きたとき——記録され、処分され、仕組みが直るか。金沢市にはその記録が公文書として残っています。そして歴史が示す最後の防止装置は、制度ではなく「見ている市民がいること」です。

出典:金沢市例規集「金沢市不祥事防止対策本部規程」「金沢市不祥事防止対策委員会設置要綱」(いずれも平成22年10月1日)、北陸中日新聞(2010年8月・9月、2021年12月22日)、北國新聞(2021年)。個人が特定される記載は避けています。

🔨 談合の「その後」——誰でも入札結果を見られる仕組み金沢市・監理課

上の官製談合事件(2021年)で漏れたのは「最低制限価格」でした。では、市の公共工事の入札はどう発注され、市民はどこまで見られるのか——担当は監理課。透明化の仕組みを見ます。

結果は
全部
ネット
金沢市は工事・物品・役務の入札結果をすべて公式サイトで公表しています。どの業者がいくらで落札したか、誰でも確認できる。さらに「発注見通し」(その年度にどんな工事を発注する予定か)も事前に公開。「役所が誰にいくらで発注したか」は、隠された情報ではなく公開情報です。(→金沢のお金の歳出とセットで見ると立体的に)
電子
入札で
密室化
防ぐ
金沢市の入札は原則電子入札——業者はICカードでシステムから応札します。人が集まる「入札会場」を経由しないことで、談合の温床とされた対面の接触を減らす狙いがあります。参加するには入札参加資格の登録が必要で、資格者名簿も公開。不正をした業者への「指名停止情報」も公表されており、ペナルティが見える形です。
安すぎも
チェック
入札は「安ければいい」ではありません。金沢市契約規則は「最低制限価格」「低入札価格調査基準価格」を定め、極端に安い札は工事の質が保てるか調査したうえで落札の可否を判断します。これらの価格は契約締結後に公表される仕組み(事前に漏らせば、まさに2021年の事件になる)。安値のダンピングから工事品質と下請けを守る設計です。
🧭 市民にできること: 「この工事、なんでこの業者?」と思ったら、監理課の入札結果ページで落札業者・金額・入札参加者を確認できます。特定の業者ばかりが落札していないか、落札率が異様に高くないか——公開情報を見比べるだけで、おかしな兆候は市民が気づけます。談合を最後に防ぐのは、5層の監視(→上の不祥事の節)に加えて「見ている市民」です。

※出典:金沢市公式サイト(監理課「入札・契約」「入札結果」「電子入札」「発注見通し」「指名停止情報」「入札参加有資格者名簿」)、金沢市契約規則(最低制限価格・低入札価格調査基準価格の公表規定)。

🔍 市が市自身をツッコむ書類——監査公表という最強の公文書金沢市・監査事務局

金沢市には4人の監査委員がいて、市の仕事をチェックし、指摘と「その後直したか」の報告(措置通知)を全部公開しています。これを読むと、市が自分で認めた課題がわかる——たとえば、こんな記録が。

保育料の延滞金徴収
初指摘から約24年
平成10年指摘→令和5年に措置報告
🏛
審議会の数
HP掲載107 vs 実際152
市が正確な設置数を把握せず(R4監査)
🏞
小立野防災広場
指摘から8年
「長年未利用」→避難場所看板でようやく決着
⚠️ 6回指摘されて、24年かかった宿題
保育料の延滞金をちゃんと徴収していない——この指摘、監査の記録では平成10年11月が最初。平成14年の公表では「今回も改善がなされていない」、平成20年には「過去にも指摘し改善を求めてきたところであるが、未だに徴収がなされていない」と監査委員がしびれを切らし、平成22年・24年・28年も繰り返し指摘。ようやく令和5年3月、システム改修と減免基準の要領作成で「措置済み」の報告が出ました。負担の公平性——真面目に払った保護者との公平——が四半世紀宙に浮いていた記録が、公文書として残っています。
🗂 それでも、この制度はまちの宝である
誤解のないように言うと、措置通知が出た=直したという報告で、多くの指摘は1〜2年で措置されています。20年物件は例外です。そして大事なのは、こうした「耳の痛い記録」を市が自分で公開し続けていること——審議会152機関のうちHP掲載は107だけ、と指摘したのも市の監査委員自身です(指摘後、一覧は修正済み)。監査公表は、市の自浄作用がどう働いているかを市民が確かめられる唯一の窓。市公式サイト「監査結果に係る措置状況」で誰でも読めます。指摘から措置までの「年数」に注目して読むのが、通の楽しみ方です。

出典:金沢市監査公表第9号(令和5年5月22日、監査事務局)ほか市公式サイト「監査結果に係る措置状況」掲載の公表文書。保育料延滞金は平成14・20・22・24・28年の各監査公表で指摘、平成10年11月の前回監査時指摘は平成14年公表文中の記載、令和5年3月9日措置通知。審議会数は令和4年監査公表第7号の行政監査(市民協働推進課・デジタル行政戦略課、令和5年4月措置)。小立野防災広場は平成27年監査公表第2号(令和5年3月措置)。

🗝 このツアーの結論: ここで紹介した文書は、すべて公開されています。全部読む必要はない——自分に関係のある1本だけでいい。公開された文書は、読む人がいてはじめて「公開」の意味を持ちます。それがこのまちの「見張り番」の始め方です。

📋 開示請求live——29項目、完結金沢

2026年7月、当サイトは金沢市情報公開条例に基づき、市政データ29項目の公文書開示請求を提出しました。制度が実際にどう動くかを確かめながら、得られたデータは各カードに反映しています。2026年8月、全29項目の対応が出そろい、ひと区切り=完結しました。その一部始終を、そのまま公開します(2026年8月15日時点)。

凡例:✅ 資料入手 📨 任意の「情報提供」で入手 🔁 公表資料の案内を受け取り下げ 📭 文書不存在 ⏳ 写し到着待ち 📞 担当課からの連絡待ち 📪 情報提供の約束のまま期間満了・未着

1金沢スタジアムの指定管理関係✅ 窓口で全資料入手——指定管理料の実払い3年分(毎年減額精算・計▲1,706万円)・来場15.4万人・評価表・次期指定の通知まで。支出内訳の2ページは黒塗り(本文へ順次反映)
2体育施設費の施設別内訳(令和6年度決算)✅ 令和6年度決算の内訳を入手——施設整備4.65億円+指定管理3.72億円(本文へ順次反映)
3主要施策の成果説明書✅ 全236頁を窓口で入手・読了——決算の概要から特別会計まで転記完了(各カードへ順次反映)
4花き市場特別会計の決算✅ 入手
5職員の懲戒処分の統計✅ 統計10年分完備(H27〜R6年度・過去8年分は人事課から郵送で入手→給料に反映)。その後、公表基準の文書も窓口で入手し完全回収
6医療費・介護費の適正化データ📨 疾患別・年齢階層別の国保データを入手(→医療費に反映)/介護の認定原因別は不存在(原因別の集計を市が保有せず・電話回答)/✅健康ポイント分を入手(R6.10開始のため2年分・登録者数と決算→医療費に反映のみ)
7健康づくり施策の支出明細✅ アプリ委託明細と財団の経営状況報告3年分を入手(→医療費に反映)
8金澤町家条例の届出・補助実績✅ 入手(解体届出234件など。保存に転じた件数は📭不存在。→町家に反映)
9ふらっとバスのルート別収支✅ 回収——令和8年8月に郵送で到着。4ルート×5年の収支を入手(→金沢の足に反映)。利用者は5年連続増・市の負担は年約1.1〜1.2億円
10待機児童・保留児童✅ 入手(待機児童5年連続ゼロ・空き定員拡大。→子どものコストに反映)
11年代別投票率✅ 入手(全数集計は不存在・抽出1投票区分。→選挙に反映)
12子ども議会など未成年の市政参加✅ 入手(約10年分の実施記録。→議会に反映)
13市民の声の受付・対応実績🔁 公表資料を案内(件数統計の掲載場所は確認できないまま終了——第二弾候補)
14除雪費の予算執行✅ 解決——除排雪事業費(成果説明書P157)は令和6年度14.04億円(稼働77日・前年5.9億円/25日)。決算書の「除排雪費」15.81億円との差約1.8億円は同費目内のその他の除雪経費(→雪と災害のカードに内訳)。さらに道路管理課から当初予算vs決算の5年分(R3〜R7)と固定費契約の仕組みも回収(→雪と災害)=完全回収
15百万石まつりの収支✅ 入手(3年分の決算書。→百万石まつりに反映)
16いじめ重大事態の件数🔁 取り下げ(個人特定のおそれ)→文科省調査を案内(→教育に反映)。不存在決定の要否は連絡がないまま期間満了——第二弾で確認候補
17公共施設更新費用の試算内訳✅ 60年分の年度別内訳を入手(→ハコモノに反映)
18ごみ処理(残余容量・コストなど)📪 情報提供(メール)の約束のまま期間満了・未着——ただし処理費の実額内訳は成果説明書で判明(→ゴミに反映)
19高齢者福祉の需給(特養待機など)✅ 特養の入所申込520人・介護現場アンケート(人手不足75%・支援事業の認知は半分)を入手(本文へ順次反映)
20中心市街地(通行量/空き店舗/再開発補助)✅ 完全回収——通行量は公表資料・空き店舗率は不存在・再開発補助3事業13.2億円を入手(→まちなかに反映)
21加賀野菜・担い手✅ ブランド戦略2030抜粋・新規就農3年分を入手(→農業に反映)・事業費3年分も入手済み
22国保の医療費適正化✅ 医療費総額・データヘルス実績・目標管理一覧を入手(→医療費に反映)
23生活保護の医療扶助✅ 審議会の記録と「個別指導」3年分を入手——扶助費の56%が医療費・指導は3年で延べ3人(→医療費に反映)。令和7年分の扶助費は8月下旬に電子公開予定
24住宅・くらし補助の利用実績✅ 移住支援金・金沢産材奨励金・住宅取得奨励金・空き家バンクリフォーム補助の各実績を入手(→お得町家に反映)/✅耐震3補助とアクションプログラムも入手(→町家に反映)=24完全回収
25指定管理料の全施設一覧📪 情報提供(メール)の約束のまま期間満了・未着——第二弾請求の候補
26まちのり収支✅ 回収——令和8年8月に郵送で到着。5年分の利用・会員・負担を入手(→金沢の足に反映)。会員3.7倍でも市の負担は微減
27歌劇座建替・中央卸売市場再整備🔁 公表資料を案内(歌劇座=あり方検討・市場=市サイトの再整備ページ)で取り下げ
28金沢方式の地元負担✅ 消防団施設の実績5年分(地元負担30.4%)を入手(→金沢方式に反映)
29金沢マラソンの収支✅ 組織委員会の収支3年分を入手(→まつり・マラソンに反映)
🎓 完結してわかったこと: 29項目の内訳は——資料入手✅23・任意の情報提供📨1・公表資料の案内🔁3・約束のまま未着📪2(当初📪だったふらっとバス・まちのりは令和8年8月に郵送で到着し✅へ)。黒塗りは307枚のうち2ページだけ。そして「文書が無い」ことも4つ、正式な決定通知で確定しました(空き店舗率・要介護の原因別・健康アプリの効果検証・次期埋立場の検討)。制度はちゃんと動く。ただし「無い」ものは、請求しても出てこない——それが分かること自体が、開示請求の成果です。未着の2件(ごみ処理の詳細・指定管理料の全施設一覧)は、第二弾の請求で取りにいきます。
📊 おまけ——金沢市の情報公開、1年の姿: 成果説明書によると、令和6年度の開示請求は年610件(公開・一部公開534/不存在58/存否応答拒否3/取下げ7)。市政情報コーナーの利用は年4,598人。当サイトのこの29項目も、来年の統計では「610件」側の1件になります。見る側から、数えられる側へ——それも市政参加のかたちです。
やって
わかる
こと
全部が「開示」で返ってくるわけではありません。すでに公表されている資料の案内で解決するもの、正式決定より速い任意の「情報提供」に切り替わるもの、そもそも文書が存在しないとわかるもの——結果の形は項目ごとに違います。29項目の大型請求のため、条例の手続きに沿って期限延長の通知も受けています。写しは白黒1枚10円。まず閲覧(無料)で確かめ、必要な分だけ交付を受ける方式にしています。
💡 この記録の使い方: このタブは、情報公開制度の実物の操作記録です。請求は誰でも、請求書1枚から始められます(→市民の権利)。上の項目で「反映」とあるものは、実際に受け取ったデータが各カードの数字になっています。

出典:金沢市情報公開条例に基づく開示請求(2026年7月提出・2026年8月完結)に対する各所管課からの決定・案内・情報提供、および開示された各文書(当サイト調べ、2026年8月15日時点)。

📰 もう1つの川——「金沢市公報」を知っていますか金沢市

開示請求の隣に、もう1つ強力な情報源があります。市の公報——条例・規則・告示を載せる公式の紙です。名前の似た広報紙「いいね金沢」(お知らせ)とは別物で、こちらは法的な公示そのもの。

条例はここで生まれる金沢市の条例は、公報に登載されることで「公布」されます(金沢市公告式条例)。議会で可決されたルールが法的に世に出る場所が、この紙面です。議会を通らない規則の改正もここに載ります——たとえば給与の手当の細目は、規則の改正としてここで確定します。
毎月1・11・21日発行日は毎月1日・11日・21日と規則で決まっています(金沢市公報規則・休日なら翌日)。そして平成16年4月以降の全号が市公式サイトで無料公開——発行日当日からWebで読めます。紙は市役所3階の市政情報コーナー(過去5年分)と金沢市公文書館にも。
読みどころまずは月ごとの「公報目録」(索引号)から入ると楽です。告示欄には、介護・児童福祉・障害福祉の事業者の指定と廃止が毎号のように並びます——福祉サービスの担い手の入れ替わりが、静かに記録され続けている場所です。補正予算の要領や専決処分の公表もここ。
開示請求との使い分け公報は「決まったこと」が法的に確定する川、開示請求は「決まる前・決まった中身の資料」を取り寄せる道具。両方を知っていれば、市の動きはかなりの精度で追えます。どちらも、誰でも・無料です。

出典:金沢市公告式条例(条例の公布は金沢市公報への登載により行う)、金沢市公報規則(発行日=毎月1日・11日・21日、臨時号は号外)、金沢市公式サイト「金沢市公報」ページ・よくある質問(平成16年4月1日以降の発行分をWeb掲載・発行日以後閲覧可、紙は本庁舎3階市政情報コーナー〈過去5年分〉と金沢市公文書館)。いずれも2026年8月確認。

📚 市の重要報告書ガイド——毎年必ず出る「通信簿」たち金沢市

公報のほかにも、市は毎年きまって重要な報告書を出しています。名前を知らないと一生出会えませんが、知っていれば毎年読める——当サイトが実際にデータの出どころとして使ってきたものを、役割ごとに並べます。

王様は成果説明書「主要施策の成果説明書」——全事業の「何をやって・いくら使って・何件だったか」を数百ページに全部盛りした、決算の法定添付書類です。市政の1年を1冊で読める唯一の本。加賀野菜の事業費(→農業のカード)もここから取りました。
チェックする側の報告包括外部監査報告書(外部の弁護士・会計士が毎年テーマを決めて市の欠点を探す・中核市は法律で義務)と、監査委員の定期監査・決算審査意見書(内部の指摘事項)。市を批判的に読むなら、まずここです。
お金と組織の通信簿健全化判断比率(財政の健康診断4指標・毎年公表が法定→金沢のお金のカード)、財務書類4表(複式簿記の決算)、人事行政の運営等の状況(給与・懲戒・休職・働き方→給料のカード)。数字の裏取りは、だいたいこの3つに行き着きます。
数字と声の年鑑金沢市統計書(調査統計室がつくる数字の年鑑)と市民意識調査(「3人に2人が木の文化都市を知らない」の出どころ→町家のカード)。まちの実態と市民の本音は、この2冊が定点で記録しています。
計画の自己評価を読め市の各計画には、毎年の進捗評価がぶら下がっています(例:住宅耐震化アクションプログラム、データヘルス計画の目標管理)。見どころは「課題」の欄——「限度額を増額しても躊躇する所有者が依然多い」のような、市の正直な本音がここに書かれます。
💡 ここがポイント: 公報=決まったことの川、成果説明書と各評価=やった結果の川、監査=チェックの川。この3本は毎年必ず流れます。名前さえ知っていれば、市政は「追える」——当サイトは、この川の水を市民語に翻訳しています。

出典:主要施策の成果説明書は地方自治法に基づく決算の添付書類、包括外部監査は地方自治法により中核市に義務、健全化判断比率は地方公共団体財政健全化法により毎年公表、人事行政の運営等の状況は地方公務員法に基づき毎年公表。各報告書の実データは当サイトの各カードに既載(それぞれの出典を参照)。多くは市公式サイトで公開・その他は市政情報コーナー(本庁舎3階)で閲覧できます。

Your Rights & Support

市民の権利・使えるお金

知ってると得する・強くなる

💡 市のホームページには、宝が眠っています

金沢市の「市政情報」ページには、予算・監査結果・審議会の議事録まで、ほぼすべてが公開されています。でも、そこにたどりつける市民は、ほとんどいません。ここでは知っていれば使える権利を、わかりやすくまとめます。

🏆 全国大会・国際大会に出るとき、お金がもらえます

金沢市の「激励費」制度です。知らずに申請していない人が、たくさんいます。

⏰ いちばん大事な注意:申請は大会の3週間前まで! 終わってしまった大会は対象外です。優勝してから申請しても、もらえません。出場が決まったら、すぐ動いてください。
STEP 1
出場が決まる
予選の結果がわかるもの(新聞記事、トーナメント表など)を用意
STEP 2
3週間前までに電子申請
金沢市電子申請サービスからオンラインで。大会要項と参加申込書も添付
STEP 3
大会数日前に受け取り
市役所スポーツ振興課へ。口座振込はできません(手渡し)
👤 誰がもらえるか: 国際大会・全国大会に出場する金沢市民で、①監督1名 ②コーチ1名 ③登録された選手。市内に住んでいる人のほか、市内に住民登録があって市外に住んでいる人も対象。大学生は金沢市出身者も含みます。
⚠️ 金額は大会の種類で変わります: 国際大会か全国大会か、個人か団体かで金額が違います。令和8年4月から基準が変わりました。正確な金額は市のページ(金額表は画像で掲載)か、スポーツ振興課に直接確認してください。
📞 問い合わせ: 金沢市スポーツ振興課 076-220-2443 対象外かどうか迷ったら、まず電話で聞いてください。大会の詳細を確認したうえで連絡をくれます。
💰 金沢市の補助金・助成金(公式一覧)
⚠️ ここに気づいてほしい: 市の「補助金・助成金」ページには、6つの分類しかありません(住まい・医療費・観光・環境・中小企業・農林水産)。スポーツの激励費も、文化活動の助成も、この一覧にはありません。しかも「住まい」を開くと、出てくるのは2件だけ。制度はあるのに、探しても見つからない。これが「知らないと損をする」の正体です。
💡 探し方のコツ: ①市のサイト右上の検索窓で「助成」「補助」「激励費」と入れる。②それでも出なければ、担当課に電話する(スポーツ→スポーツ振興課、文化→文化政策課、子育て→こども政策推進課)。役所は聞けば教えてくれることが多い一方、聞かなければ届かない仕組みです。

※出典:金沢市「国際スポーツ大会及び全国スポーツ大会等出場に伴う激励費取扱い基準」、同「補助金・助成金」。制度は変わることがあります。申請前に必ず市に確認してください。

📄 市の文書を「見せてください」と言える権利

情報公開制度といいます。金沢市情報公開に関する条例で定められた、市民の正式な権利です。

STEP 1
請求書を出す
市役所第一本庁舎3階「文書法制課」へ。用紙は市のHPからダウンロードできます
STEP 2
15日以内に返事
原則、請求した日から15日以内に、公開できるかどうかを決めて知らせてくれます
STEP 3
閲覧・コピー
窓口で見られます。コピーがほしいときは実費(コピー代)だけ負担
👤 誰が使えるか: 金沢市内に住んでいる人通勤・通学している人、市内に事務所がある法人や団体。さらに「必要な理由を説明できる人」なら誰でも。ハードルは思ったより低いのです。
🏛 どこまで請求できるか: 市長部局だけではありません。教育委員会、監査委員、市議会、消防局、市立病院、金沢美術工芸大学まで対象です。平成3年7月1日以降の文書・図面・電子データが対象。
⚠️ 公開されないこともあります: 個人情報、企業の正当な利益を害するもの、意思決定前の内部検討など6つの例外があります。ただし非公開に納得できないときは、3か月以内に「審査請求」ができます。泣き寝入りしなくていい。

📞 問い合わせ:文書法制課 076-220-2073 / 出典:金沢市「情報公開制度」

📣 市に意見をとどける方法

選挙のときだけが参加ではありません。ふだんから使える方法があります。

📸 道路の穴ぼこ、スマホで通報したら直ります

「金沢市道路損傷通報サービス」——市道の穴ぼこ・段差、街灯の球切れ、カーブミラーや防護柵の損傷を、24時間365日、スマホで写真を添えて通報できます(位置情報ONで撮影→市HPのフォームから送信)。窓口に行く必要も、電話をかける必要もありません。陥没・土砂崩れ・倒木など緊急のものは電話で道路管理課(076-220-2319)へ。

県道(国道の一部も)は石川県の「いしかわデジタル道路通報システム」——こちらはLINEで通報できます(2023年10月運用開始)。

SNSに文句を書いても道は直りません。市に通報したら、直ります。市民が行政を動かす、いちばん小さくて確実な成功体験です。
💡 請願と陳情のちがい: 請願は市議会議員の紹介が必要。陳情は議員の紹介なしで誰でも出せます。どちらも委員会で審査され、本会議で「採択」か否かが決まります。採択されれば市長に送られます。
🎒 小学生が市を動かした実例: 東京都板橋区で、ボール遊びの場所に困った小学6年生たちが陳情書を区議会に提出。採択され、公園で遊べる時間の延長や、廃校の校庭利用が実現しました。子どもでも市政は動かせます。

※出典:金沢市議会ガイドブック、金沢市「広報・広聴」。

🔍 市のお金と仕事をチェックする

市には、市の仕事を点検する仕組みがあります。その結果は公開されています。

⚠️ 気づきましたか: 市のホームページの「監査」ページを開いても、監査結果そのものはすぐには出てきません。「どこで閲覧できますか」という質問ページを経由して、やっと別のページにたどりつきます。情報は「ある」だけでは足りません。届かなければ、ないのと同じです。
💪 市民には、もっと強い権利もあります: 有権者の50分の1以上の署名があれば条例の制定・改廃を請求でき、3分の1以上あれば議会の解散や議員・市長の解職を請求できます。また誰でも監査委員に住民監査請求ができます(税金のムダづかいを調べてもらう制度)。必要な署名数と条文のくわしくは「金沢の条例」へ。
Simulator

あなたの税金は、金沢で何をしている?

あなたの働き方や家族を入れると、1年の手取りや納める税金、そして「金沢市にとどくお金」と、それが何に使われているかがわかります。

万円
0〜2歳
3〜15歳
16〜18歳
19〜22歳(扶養中)
手取り(じっさいに使えるお金)
納める合計(税金+保険料)
このうち、金沢市にとどくお金

💡 あなたの場合、なぜこの金額?

    🕒 税は、こう変わってきた(過去・現在・未来)

    過去いまの税金のかたちは、戦後まもない1950年(昭和25年)の「シャウプ勧告」に基づく税制が土台です。大きな転機が1989年(平成元年)の消費税導入(3%)。以後、1997年に5%、2014年に8%、2019年に10%(飲食料品などは軽減税率8%)と段階的に上がってきました。
    現在所得税・住民税は税率そのものは大きく変わっていません。しかし扶養控除などの「控除」が縮小し、差し引ける額が減ることで実質的な負担は増える傾向にあります。また2024年度からは「森林環境税」(1人年1,000円)が住民税に上乗せされる形で始まりました。「税率は同じでも、手取りは増えにくい」——この感覚には理由があります。
    未来これからも税は変わり続けます。人口減少と高齢化で社会保障費が増える一方、支える現役世代は減っていく(→介護と高齢化)。「誰が、どれだけ負担するか」は、国政でも市政でも今後の大きな論点です。上のシミュレーターの数字も、制度改正のたびに変わっていきます。
    🧭 中立に: ここは税の増減の善し悪しを論じるものではなく、「税は歴史の中で形を変えてきた」という事実の紹介です。数字はすべて国(財務省・国税庁)の公表資料に基づきます。
    🕳 この試算に含まれていないもの(と、その理由)
    この試算は「働く人の多くに共通して発生する負担」を最小の入力で概算するものです。本人の選択や契約内容で変わる項目は対象外です。対象外の項目と理由は次のとおりです。

    ① 住宅ローン控除——該当者は所得税が減ります(税額から直接引く控除)。借入額・残高・入居年・住宅の性能で金額が一人ひとり異なり、正確な計算には多くの入力項目が必要になるため、この試算では対象外としています。
    ② ふるさと納税・iDeCo・生命保険料控除・医療費控除——本人の任意の支出に対する控除のため対象外です。これらを利用している場合、実際の税額はこの表示より少なくなります。
    ③ ボーナス(賞与)の別計算——実際の社会保険料は月給と賞与を分けて計算され、賞与側にも上限があります。この試算は年収を均して月額に換算しているため、賞与の比率が高い場合は実際と数千〜数万円の差が出ることがあります。
    ④ 健康保険の料率差——協会けんぽをもとにした概算です。組合健保・共済組合は組合ごとに料率が異なります。
    ⑤ 自営業の経費と青色申告特別控除——経費率は業種によって大きく異なるため、この試算では収入の4割と仮定しています。青色申告の場合は課税所得がさらに最大65万円減りますが、申告方式の選択で変わるため含めていません。このため自営業の表示は実際より多めに出る場合があります。
    ⑥ 住民税非課税の判定——実際の制度では、均等割と所得割で非課税になる基準額が別々に定められており、2つの基準額の間の所得帯では均等割4,500円+森林環境税1,000円(計5,500円)のみがかかります。この試算では1つの基準額でまとめて判定しています。
    ⑦ 調整控除——実際は扶養の人数により数百〜数千円変わりますが、標準額の2,500円で固定しています。
    ⑧ 住民税の課税時期——住民税は前年の所得に対して翌年に課税されます。就職1年目に住民税がほぼ発生せず、退職した翌年にも前年分が課税されるのはこの仕組みによります。この試算では同じ年のものとして計算しています。
    ⑨ 給与から引かれる以外の税金——消費税・固定資産税・自動車税などは対象外です。国民負担率(約46%)とこの表の%の差の一因です。

    ※会社員・独身・扶養なしを基本にした、2026年のしくみによる概算です。正確な金額は給与明細や税務署でご確認ください。
    What changed

    税金のしくみ、何がどう変わった?

    2024→2026

    ニュースで「103万の壁」「178万の壁」と聞くけれど、何がどう変わったのか分かりにくい。ここ数年で大きく動いた「数字」を、まるっと整理しました。

    いちばん大事
    税金がかかり始める年収のライン
    これを超えると所得税がかかり始めます(給与収入のみの場合)
    2024年まで
    103万
    2025年
    160万
    2026年〜
    178万

    じつに30年ほど「103万」で止まっていたラインが、物価高を受けて2年連続で引き上げられました。働いても税金がかからない範囲が広がった、ということです。

    なぜ上がった?
    基礎控除(だれでも引ける金額)
    収入から「まず引く」ことができる、全員共通の金額
    2024年まで
    48万
    2025年
    95万
    2026年〜
    最大104万

    「基礎控除」は、生活にかかるお金には税金をかけない、という考え方。これが大きくなると、税金のかかる部分が減ります。※104万は年収があまり高くない人への特例ぶんを含みます。

    給与所得控除の最低保障
    働く人の「必要経費」代わりに引ける最低金額
    2024年まで
    55万
    2025年
    65万
    2026年〜
    74万

    基礎控除104万+この74万=178万。これが「178万の壁」の正体です。2つの控除を足した金額まで、所得税がかからない、というしくみ。

    家族で働く人へ
    配偶者・子どもの「扶養」のライン
    この年収以下なら、扶養する側の税金が安くなります
    2024年まで
    103万
    2025年
    123万
    2026年〜
    136万

    妻や夫、子どもの年収がこの額以下なら「配偶者控除」「扶養控除」が受けられます。超えると段階的に控除が減っていきます(いきなりゼロではありません)。

    2026年10月から
    「106万の壁」がなくなる予定
    社会保険(健康保険・年金)に入るかどうかの境目
    これまで
    年収106万
    2026年10月〜
    週20時間で判定

    金額ではなく「週20時間以上働くか」で判断する形に変わる予定。なお「130万の壁」(扶養から外れるライン)は残ります。

    まとめ:働きやすくなった?

    2年連続で控除が引き上げられ、同じ年収なら税金が少し軽くなりました。とくに年収500〜600万円の層への効果が大きいとされます。いっぽうで、社会保険料の負担は年々重くなっており、「手取りが増えにくい」実感の背景になっています。

    ※出典:国税庁・財務省「令和8年度税制改正」。制度は今後変わる可能性があります。

    Election Guide

    かなざわ選挙ガイド

    次の選挙の前に
    📉 市民の半分は、市長を選んでいない金沢市の実数
    🗳
    2026年3月 市長選の投票率
    48.59%
    有権者の半分以上が投票しなかった。保守分裂の注目選挙でも、この数字
    👵👦
    世代の差(全国の傾向)
    若い世代ほど低い
    2025年の参議院選挙(総務省の抽出調査)で20代47.30%(全体58.51%)。2022年は20代33.99%・60代65.69%と約2倍の差だった
    🔞
    意外な事実
    10代>20代
    同じ調査で10代は35.42%と、20代より高い。高校での主権者教育の効果とも言われる
    ⚠️ 投票しない世代の声は、構造的に届かない。 政治家は「投票してくれる人」の方を向くのが合理的です。高齢世代の投票率が若い世代の2倍なら、政策も高齢世代向けに寄りやすくなる——これは誰かの陰謀ではなく、数字が生む自然な力学です。「若者向けの政策が少ない」と感じるなら、その原因の一つは投票率の側にあります。
    📝 ちなみに: 金沢市の「年代別」投票率は、市民が気軽に見られる形では公表されていません(全国データは総務省の抽出調査があるのに)。金沢の若者がどれだけ投票しているか、正確には分からない——これも「まだ分からないこと」の一つです。

    ※出典:金沢市長選の投票率は2026年3月8日投開票の確定値(報道各社)。年代別は総務省「国政選挙の年代別投票率の推移」(令和4年・令和7年参院選、全国の抽出調査)。過去の金沢の選挙結果は市選挙管理委員会のサイトで確認できます。

    🗳 選挙1回、いくらかかる?
    令和6年度の衆議院議員総選挙、金沢市の執行費用は1億2,033万円でした(国政選挙なので費用は県からの委託金=国費でまかなわれ、ほぼ同額が歳入にも計上されています)。投票所の運営、開票作業、ポスター掲示場——1票の裏には、これだけの実務があります。

    出典:金沢市「令和6年度一般会計歳入歳出決算事項別明細書」(令和7年12月定例月議会で認定)

    🗳 年代別投票率、公文書で判明——20代前半3割 vs 60代後半6割7分
    金沢市の年代別投票率は、実は全数の集計が存在しません。選挙管理委員会が全市平均に近い1つの投票区を抽出して調べる方式です(令和7年度版は清泉地区・有権者4,195人)。その直近データ、令和8年3月の石川県知事選ではこうでした——20〜24歳 30.1%(最低)、65〜69歳 66.8%(最高)。その差、2.2倍。55歳以上はすべて55%超、35歳未満はすべて45%未満。ただし意外な光もあります:18〜19歳は40.9%で、20代前半より10ポイント高い——投票デビュー世代のほうが、ちゃんと行っているんです。若い世代の声が届きにくいのは、政治のせいだけではなく、この数字のせいでもあります。1票の重さは年齢に関係なく同じ——投票箱の前では、誰もが平等です。

    出典:金沢市選挙管理委員会「選挙のしごとと記録」(令和7年度版)・抽出投票所年齢別投票率調(清泉投票区)。年代別の全数調査は行われていません。

    🗳 令和8年3月・金沢市長選の結果を読む——数字が語る3つの話金沢市・選挙管理委員会

    2026年3月8日、市長選が行われました(知事選・市議補選と同日)。公式結果から見えてくるものを3つ。

    🏆
    結果
    村山卓氏が再選
    118,174票=有効票の68.4%
    📊
    投票率
    48.59%
    有権者367,808人中178,729人が投票
    🗒
    無効投票
    5,996票
    4位候補の得票(5,038票)より多い
    🎢 市長選の投票率は「構図」で2倍以上動く——ジェットコースターの歴史
    過去の市長選投票率を並べると、平成2年 61.70% → 平成30年 24.92% → 令和4年 55.95% → 今回 48.59%。実に2.5倍の振れ幅です。接戦や新市長誕生の期待がある回は5〜6割、そうでない回は2割台——「選挙の構図」こそが最大の投票率決定要因だと、この表は教えてくれます。今回は現職と3新人の構図で5割弱。ちなみに女性(49.27%)が男性(47.85%)より高いのは金沢の選挙の定番傾向です。そして無効投票5,996票——白票や書き損じ等が、4位候補の得票を上回りました。投票所まで足を運んで、誰にも入れなかった約6,000人がいる、という事実も記録されています。
    🔭 2027年春、市議選がやってくる
    前回(令和5年4月)の市議会議員選挙の投票率は35.80%——市長選より1〜2割低いのが市議選の現実です。有権者36.8万人のうち投票したのは13.2万人。つまり金沢市議は、市民の3人に1人の投票で選ばれています。定数38に対しどれだけの候補が立ち、投票率がどう動くか——次の市議選は令和9年(2027年)春。上の年代別投票率(20代前半3割)と合わせて、「誰が行って、誰が行かないか」が市政の中身を決めます。投票区ごとの結果PDFも選管が公開しているので、自分の校下の投票率も調べられます。

    出典:金沢市選挙管理委員会「金沢市長選挙(令和8年3月8日執行)」公表結果(投票状況・開票状況・過去の投票率)、同「金沢市議会議員選挙(令和5年4月23日執行)」(投票率35.80%・当日有権者368,074人・投票者131,777人)。候補者名・得票数は選管公表の確定値。

    ✏️ 投票、実はとても簡単金沢

    その1投票日に行けなくてもいい。「期日前投票」なら、告示の翌日から投票日の前日まで、市役所などで投票できます。理由は「仕事」「レジャー」でOK。遊びに行くから、で堂々と使えます
    その2入場券(はがき)をなくしても投票できます。投票所で本人確認できれば大丈夫。「はがきが見つからんから行かん」はもったいない。
    その3持ち物は、ほぼ何もいらない。入場券があれば身分証も不要。所要時間は5分。コンビニ行くのと変わりません。
    その4候補者の情報は「選挙公報」に全員分載っています。新聞折込やウェブ(市選管サイト)で見られます。全候補が同じ条件で書く、いちばん公平な資料です。
    💰 18〜29歳限定:選挙は「働ける」——若者の期日前投票立会人

    金沢市選管が、期日前投票所で投票を見守る「若者の期日前投票立会人」を募集しています。市内在住の満18〜29歳が対象で、報酬は日額9,600円(1日2交替制なら4,800円)。仕事は、投票する人が入場してから投票箱に入れて退場するまでの立会い。選挙制度の知識は不要(投票管理者などの職員がそばにいます)。一度登録すれば、辞退などがない限り原則30歳まで登録が続きます。市の電子申請から申し込めます。

    投票率のカードで見たとおり、若い世代の声は数字の力学で届きにくい。その選挙の「中の人」に、報酬をもらいながらなれる制度です。📞 選挙管理委員会 076-220-2077

    ※投票所の場所・期日前投票の日程は選挙ごとに変わります。立会人の募集条件・報酬は変わることがあります。最新は金沢市選挙管理委員会(076-220-2077)のページで。

    🤔 「完全一致する候補者」は、いない共通

    選挙で一番多いつまずきは「全部賛成できる人がいないから選べない」。でも、それが普通です。候補者は服のオーダーメイドではなく、既製品。サイズが完璧じゃなくても、一番マシな一着を選ぶ——その考え方のコツです。

    コツ1自分の「譲れない1〜2個」だけで比べる。子育て・除雪・税金・観光…全部で比べると選べません。自分に一番関係あるテーマを1つ決めて、そこだけ全候補を見比べる。
    コツ2公約の「具体型」と「検討型」を見分ける。「○○を整備」は後で検証できる約束、「○○を検討」「○○をめざす」は検証できない約束。公約トラッカーの見方ガイドと同じ視点です。
    コツ3現職なら「言ったこと」より「やったこと」。現職には実績という答案用紙があります。当サイトの公約トラッカー議会の賛否は、まさにそのための記録です。
    コツ4消去法でもいい。「この人だけは違う」を外していって最後に残った人に入れる——立派な選び方です。100点の選択ではなく、60点の選択を積み重ねるのが民主主義。
    コツ5白票は「怒りの意思表示」にはなりません。白票は無効票として数えられるだけで、誰にも何も伝わりません。迷ったら、消去法で残った人へ。
    💡 このサイトの立ち位置: 誰に入れるべきかは、絶対に言いません。ここに書いたのは「選び方の技術」だけ。材料(公約・賛否・データ)はこのサイトに揃えてあります。決めるのは、あなたです。
    Koka

    校下ってなんや?

    金沢人のアイデンティティ

    🏘 「どこの校下?」が通じるのは、ほぼ金沢だけ金沢

    金沢の人は、自分の住むエリアを「校下(こうか)」=小学校の区域で呼びます。実はこの言い方、全国ではほとんど通じません(他の地域は「校区」「学区」)。そして金沢では、校下は単なる区割りではなく、暮らしと自治の単位そのものです。

    🏫
    地区公民館の数
    60館
    ほぼ小学校区ごとに1館(校下は61あり、数が少し違います)。全国では中学校区に1館が普通なので、異例の密度
    🎌
    校下単位で動くもの
    町会連合会・運動会・防犯
    百万石まつりの提灯行列も校下単位。子ども会も消防団も校下
    💴
    お金も校下単位
    金沢方式
    公民館の建て替え費の一部を校下の町会が負担する独特の仕組み(→「いま動いている話」
    💡 校下は、金沢の政治の最小単位でもある。 市議会議員の多くは特定の校下を地盤にしていて、公民館・町会連合会のネットワークが選挙を支えます。「地域の声が市政に届くルート」も「昔ながらのしがらみ」も、両方この校下構造の中にあります。金沢の政治を理解する鍵は、実は校下なんです。
    ⚠️ そして今、揺れている。 少子化で小学校の統廃合が進むと「1校下に1公民館」の前提が崩れます。町会加入率も下がり、金沢方式の地元負担も限界の声——校下という金沢の基本単位そのものが、いま曲がり角にあります(市議会でも「単に施設の話ではなく住民自治のテーマ」と議論されています)。
    🔭 これからの計画: このサイトでは今後、校下別のデータページ(人口・高齢化率・避難所・公民館・議員の地盤など)を順次つくっていく予定です。「自分の校下」から金沢が見えるサイトにします。自分の校下を知りたい人は、市公式サイトの「公民館」ページの施設マップで調べられます。

    ※出典:金沢市公民館連合会、金沢市公式サイト(公民館一覧)、北陸中日新聞(金沢方式見直しの議論)。

    🔎 校下をえらんで、基本データを見る金沢市の実数

    金沢市には地域コミュニティとしての61の校下があります(金沢市立図書館『金沢市校下誌』準拠)。校下を一つ選ぶと、属する主な町名・人口などの公式データが出ます。人口は令和8年(2026年)1月1日現在の住民基本台帳(小学校通学区域別)にもとづきます。

    ※校下ごとの「特徴・歴史」は順次くわしくしていきます。まずは公式の人口データからお届けします。校下は小学校の通学区域が基本ですが、地域の呼び名としても使われます。(→金沢まるごとデータ

    🏠 善隣館——「福祉の歴史に金沢あり」金沢

    🌱 校下が生んだ、金沢発祥の福祉施設: 1934年(昭和9年)、公的な貧困救済がほとんど無かった時代に、野町の方面委員(いまの民生委員)安藤謙治が旧野町小学校の校舎を借りて「第一善隣館」を開設しました。託児所・授産所(ミシンや内職を教えて自立を支援)・生活相談に図書室まで備えた、住民の手による地域福祉の拠点——いわゆるセツルメントです。この動きは校下ごとに広がり、最大19館が金沢市内に誕生。いまも11館が保育園・学童・デイサービス・コミュニティカフェとして現役です。
    💡 なぜ金沢にしか無いのか: 善隣館の特徴は、民生委員・町内会・婦人会など地域の代表が運営に関わり、住民が資金集めまで担うこと。支える単位はもちろん校下です。研究者は「善隣館が市民の校下意識を補強してきた」と指摘します——つまり、校下が善隣館を生み、善隣館が校下を強くする、90年続く循環。根っこの「善隣思想」は「助け合いの心で、近隣の人々と支え合い、お互いに善き隣人を作る」——金沢の地域力の正体は、この一文に書いてあります。

    ※出典:金沢市善隣館協議会、Wikipedia「善隣館」、金沢ふるさと偉人館、眞鍋知子「金沢市のコミュニティ:校下と町会」(金沢法学)。

    City Hall Guide

    市役所どこに聞く?

    用事から逆引き
    🏢 市役所は「巨大な会社」。部署が分かれば早い金沢

    金沢市役所は、市長をトップに「局→部→課」と分かれた大きな組織です。どの課に聞けばいいか分かるだけで、たらい回しが激減します。よくある用事から逆引きできるようにしました。迷ったら代表電話 076-220-2111——「○○の件で」と言えば、つないでもらえます。

    くらしごみの出し方・不法投棄 → 環境局へ。道路の穴・カーブミラー・街灯 → 道路管理の担当課へ。除雪の相談も道路部門です。
    子育て保育園・児童館・子ども医療費 → こども・福祉部門へ。学校のこと・教科書・不登校 → 教育委員会へ(市長部局から独立した組織です)。
    お金住民税・固定資産税 → 税務の担当課へ。国民健康保険 → 保険年金の担当課へ。市の予算・財政の資料 → 財政課へ。
    まちバス・交通の相談 → 交通政策課へ。空き家 → 空き家対策の担当課へ。観光・百万石まつり → 観光政策課(076-220-2194)へ。金沢マラソン → 金沢マラソン推進課へ。
    市政を調べる情報公開請求 → 文書法制課(第一本庁舎3階・076-220-2073)へ。選挙のこと → 選挙管理委員会(076-220-2077)へ。議会の傍聴・会議録 → 議会事務局議事調査課(076-220-2392)へ。市の広報・取材 → 広報戦略課(076-220-2033)へ。
    💡 覚えておくと強い3つの構造:教育委員会と選挙管理委員会は市長から独立しています(市長でも口出しに限界がある設計)。②水道・病院は「企業会計」で、会社のように料金で運営されています。③課の名前は組織改編でよく変わります——だから用事ベースで代表電話に聞くのが結局いちばん確実

    ※電話番号は本文中に出典のある確認済みのもののみ記載。組織名・担当は変わることがあるため、最新は市公式サイト「組織から探す」で確認できます。

    🪪 証明書は、もう市役所に行かなくていい——コンビニ交付金沢市

    市役所の用事で一番多いのが証明書の取得。実は今、マイナンバーカードがあれば全国のコンビニで、しかも窓口より100円安く取れます。担当は市民課。知らないと損する話です。

    📄
    住民票の写し
    200
    窓口より100円安い
    🖊
    印鑑登録証明
    200
    同・課税証明も200円
    📜
    戸籍全部事項
    350
    金沢に本籍がある方
    100円
    安い
    理由
    金沢市は証明書コンビニ交付を窓口より一律100円安く設定しています(住民票・印鑑登録・課税証明が各200円、戸籍350円)。窓口に人を割かずに済むぶんを市民に還元する形。朝6時半から夜11時まで、全国のセブン・ローソン・ファミマなどのコピー機で取れます。市役所の開庁時間(平日の日中)に縛られません。
    スマホでも
    取れる
    時代
    2025年からはスマホに搭載したマイナンバーカード(Android・iPhone)でもコンビニ交付が使えるようになりました。カードを持ち歩かなくても、スマホ1台で証明書が取れる——「書かない・待たない市役所」(→この下のDXの節)が、証明書の分野で先に実現しています。ただし15歳未満は利用不可、暗証番号3回ミスでロックなどの注意点も。
    窓口が
    必要な
    ケースも
    一方でコンビニでは取れない証明書もあります。住民票コード記載のもの、除票、異動届の直後などは市民課窓口(本庁)か市民センターへ。市内4か所の郵便局でも一部証明書を扱っています。「まず取れるか確認してから出かける」だけで、二度手間が防げます。(→市民の権利で情報公開請求も)
    🧭 得する豆知識: 就職・転職・ローン・保育園申込——証明書が要る場面は意外と多い。そのたびに市役所へ行くと、交通費と時間で証明書代より高くつくこともあります。マイナンバーカードを持っているなら、コンビニ交付を使わない手はありません。100円×家族の枚数、積もれば結構な額です。

    ※出典:金沢市公式サイト(市民課「証明書コンビニ交付サービスについて」手数料表・利用時間6:30〜23:00・スマホ用電子証明書対応・利用上の注意)。手数料は各公表時点のもの。

    🖥 「行かなくてもいい市役所」へ——金沢市のDX金沢市

    「どこに聞く?」の答えが、そもそも「行かなくていい」に変わりつつあります。金沢市は令和3年3月に「金沢市デジタル戦略」を策定(令和3年11月・令和4年6月改定)。掲げた理念は「誰ひとり取り残さないデジタル戦略都市・金沢」です。

    合言葉が
    明快
    戦略が掲げる「目指すべき姿」は行政文書らしからぬ直球です——「行かなくてもいい市役所に!」(オンライン手続きの推進)、「書かない、待たない市役所に!」(窓口のデジタル化)、「紙からデジタルに!」(ペーパーレス化)。スローガンで方向が分かるのは、市民にとって検証しやすい設計です。
    体制は
    市長直轄
    平成30年10月設置の「ICT活用推進本部」を改め、市長を本部長とする「デジタル戦略推進本部」を設置。さらに有識者・学識者を交えた市長直轄の「金沢市DX会議」をつくり、資料と議事を公開しています。専門部署(デジタル行政戦略課、現・デジタル政策課)も新設され、旗振り役がはっきりしている形です。
    2年集中
    の成果
    令和3〜4年度は「短期間で集中的に行政DXを進める」期間に設定。市の担当課は成果として「ペーパーレスの意識が浸透」「電子決裁がスタンダードになった」「RPAや電子申請等のツールの利便性が認知された」ことを挙げています(市公式note)。市役所の中身から変える2年だった、という自己評価です。
    次の一手
    はWeb3.0
    令和5年2月には行動計画「金沢市DXアクションプラン」を策定(のち改訂)。重点分野は「産業・地域・文化・教育」の4つで、メタバースでの文化発信、NFTの活用、DAOの検討などWeb3.0技術を明記——工芸のまちがデジタルの最前線を試す構図です。市保有データのオープンデータ公開も進めています。
    ⚖ 中立に言うと: 計画・体制・合言葉は揃っています。残る問いは市民の実感値——オンラインで完結できる手続きがどれだけ増え、窓口の待ち時間がどれだけ減ったか。実績の数字はDX会議の公開資料やアクションプランの点検で確認していくのが、次の宿題です。

    ※出典:金沢市デジタル戦略 本編(令和3年3月策定・令和4年6月改定版)、金沢市公式サイト(デジタル政策課「金沢市DXアクションプラン」「DXの取り組み」「金沢市デジタル戦略」)、金沢市公式note(デジタル行政戦略課)。

    🗺 で、金沢市役所って全部で何課あるの?——数えてみた金沢市

    市公式サイト「組織から探す」に載っている組織を、当サイトが数えました。答えは95(2026年8月時点)。「課」だけでなく、室・センター・事務局・行政委員会まで、ぜんぶ込みの数です。せっかくなので、全部並べます。何個知ってますか?

    企画調整課・都市再生推進室・調査統計室・地域力再生課・デジタル政策課・国際交流課・交通政策課・秘書課・広報戦略課・行政経営課・総務課・文書法制課・人事課・監理課・財政課・市民税課・資産税課・納税課・文化政策課・文化財保護課・歴史都市推進課・スポーツ振興課・金沢マラソン推進課・産業政策課・商工労働課・クラフト政策推進課・観光政策課・農業水産振興課・農業センター・農業基盤整備課・森林再生課・中央卸売市場事務局・公設花き地方卸売市場事務局・金沢学生のまち市民交流館・近江町交流プラザ・ダイバーシティ人権政策課・金沢市女性センター・市民課・市民協働推進課・保険年金課・福祉政策課・健康政策課・福祉健康センター・福祉健康センター総務課・生活支援課・介護保険課・障害福祉課・福祉指導監査課・地域保健課・衛生指導課・動物愛護管理センター・試験検査課・食肉衛生検査所・こども未来拠点施設整備室・子育て支援課・保育幼稚園課・青少年健全育成センター・長土塀青少年交流センター・こども相談センター・幼児教育センター・環境政策課・ゼロカーボンシティ推進課・ごみ減量推進課・施設管理課・都市計画課・景観政策課・緑と花の課・市街地再生課・住宅政策課・建築指導課・道路建設課・道路管理課・河川水防課・営繕課・危機管理課・会計課・教育総務課・教育施設課・学校職員課・学校指導課・金沢市立工業高等学校・生涯学習課・中央公民館・キゴ山ふれあい研修センター・図書館総務課・学校教育センター・議会事務局総務課・議会事務局議事調査課・消防総務課・予防課・警防課・情報指令課・選挙管理委員会・監査事務局・農業委員会事務局
    眺めて分かること消防だけで4課(消防総務・予防・警防・情報指令)。予防課は火事を起こさせない側、警防課は消す側の司令塔——「攻め」と「守り」で課が分かれています。名前に住所が入った課(長土塀青少年交流センター)や、名前が山の課(キゴ山ふれあい研修センター)もあります。
    名前は変わる課の名前と数は、組織改編で毎年のように変わります。この95という数も来年には違うかもしれません。最新は市公式サイト「組織から探す」でいつでも確認できます。

    出典:金沢市公式サイト「組織から探す」(2026年8月閲覧)。掲載順のまま全95組織を転記(当サイトで計数・重複なし確認)。

    💎 「え、なにしてる課?」図鑑——名前で仕事が想像つかない編金沢市

    95組織の中には、名前を見ても「毎日なにしてるの?」となる課があります。そういう課ほど、暮らしの土台を静かに支えていたりします。★はレア度——当サイトの遊びで、市の公式区分ではありません。

    ★★★ 食肉衛生検査所獣医師の資格を持つ検査員が、食肉を1頭ずつ検査する機関です。法律により、と畜場の食肉は獣医師の検査に合格しないと流通できません——あなたが焼肉やとんかつを安心して食べられる裏に、この「所」の判定があります。
    ★★★ 営繕課「営繕」=建物を建てること・直すこと。市が持つたくさんの建物(→金沢のハコモノ)の設計や工事の監理を担う、建築のプロ集団です。読み方は「えいぜん」。この言葉を知っているだけでちょっと通です。
    ★★★ 公設花き地方卸売市場事務局「花き」=切り花や鉢物のこと。花専門の卸売市場(昭和62年開設)を、金沢市が自前で運営しています。まちの花屋さんに並ぶ花の多くは、朝ここのセリを通ってきます。決算の中身は「金沢のお金」のカードで読めます。
    ★★ 試験検査課保健所の検査部門。飲み水や食品などの細菌検査・理化学検査を行うラボです。窓口はありませんが、まちの「安全」の根拠データはここから出てきます。
    ★★ 調査統計室国勢調査などの統計調査を担い、「金沢市統計書」をつくる部署。当サイトが使う人口や世帯の数字も、元をたどるとこの室の仕事に行き着くことが多いです。数字でまちを描く課です。
    ★ 会計課市の金庫番。全部局の支払いが正しいかを審査して、お金の出し入れ(出納)を行います。どの自治体にも必ずある、地味で重要な課の代表格です。
    💡 ここがポイント: 「知らない課がある」のは普通のことです。ただ、95の組織それぞれに仕事と予算がある——市役所を「ひとかたまり」でなく95個の顔で見られるようになると、市政のニュースの解像度が一段上がります。

    出典:組織名は金沢市公式サイト「組織から探す」。食肉の検査は、と畜場法に基づく獣医師(と畜検査員)による検査制度(全国共通)。花き市場の開設年・決算は金沢市公設花き地方卸売市場事業特別会計決算(当サイト既載)。各課の業務の詳細は市公式サイトの各課ページに掲載されています。

    💎 「え、なにしてる課?」図鑑・第2弾——守る系とチェック系金沢市

    つづき、いきます。今回は「まちを静かに守る課」と「役所の中をチェックする課」。★は引き続き当サイトの遊びです。

    ★★★ 情報指令課名前からは想像しにくいですが、金沢の119番はここに繋がります。通報を受けて、消防車と救急車に出動を指令する消防局の司令室。救急出動は年24,645件(令和7年・→安全と防災のカード)——1日あたり67件超の指令を出している計算です。
    ★★★ こども未来拠点施設整備室つくる施設の名前がそのまま組織名になった、ミッション特化型の室。「〜整備室」という名前は、その仕事のために生まれた組織であることの印です。95組織は永続する課ばかりではありません。
    ★★ 福祉指導監査課介護や保育などの福祉施設を検査・監査する側の課。福祉の世界には「施設を支える課」と「施設をチェックする課」が別々にあります。サービスの質が保たれる仕組みの、見えない土台です。
    ★★ 河川水防課川の管理と水害への備えの課。ちなみに市公式サイトのこの課のURLは「naisuiseibika」——昔の課名(内水整備課)が、URLに化石のように残っています。同じ現象は納税課(zeimuka)などにも。課名は変わっても、URLは変わらないのです。
    ★★ 監理課市の入札・契約の番人。工事や物品の入札のルールを守らせ、結果はすべて公表されています(→情報公開のカード)。税金の使い先が競争で決まる仕組みを、入口で支える課です。
    ★ 文書法制課条例の条文をつくる「法制執務」のプロであり、情報公開請求の窓口でもある課(第一本庁舎3階・076-220-2073)。当サイトに載っている市の実データの多くは、この課の窓口を通ってきました。

    出典:組織名・URLは金沢市公式サイト「組織から探す」(2026年8月閲覧)。救急件数は金沢市消防局の確定統計(令和7年・当サイト既載)。入札結果の公表・情報公開窓口は当サイト既載の各カードによる。119番の受信・出動指令は消防局の通信指令業務。

    💎 「え、なにしてる課?」図鑑・第3弾——名前がかっこいい課の編金沢市

    今回は課名そのものに注目します。95組織の名前を眺めると、役所らしからぬ「攻めた名前」と、逆にやさしい名前が混ざっています。★は引き続き当サイトの遊びです。

    ★★★ 危機管理課95組織でいちばん映画のような名前。仕事も名前どおりで、地震・豪雨などの災害対応と地域防災計画の中枢です。令和6年能登半島地震の金沢の被害記録も、この分野の仕事(→災害と防災)。名前がかっこいい課は、出番が少ないほどまちが平和です。
    ★★★ ゼロカーボンシティ推進課都市の目標がそのまま課名になったパターン。所管する地球温暖化対策実行計画(令和5年2月改定)は、市民アンケートで76.2%が「知らない」と答えた設計図です——中身は当サイトで読めます(→ごみと環境)。課名を名乗った以上、進捗は市民がチェックしていい看板です。
    ★★★ クラフト政策推進課「工芸課」ではなくクラフト。金沢がユネスコ創造都市ネットワークにクラフト&フォークアート分野でアジア初登録されたまちだからこその名前です(→世界の中の金沢)。看板を背負う課、というやつです。
    ★★ 広報戦略課95組織で「戦略」を冠するのはこの課だけ。ただの「広報課」にしなかったところに、情報発信を戦いと捉える意思が見えます。市の公式SNSや広報紙「いいね金沢」の司令塔です。
    ★★ 地域力再生課「地域力」という言葉を課名に採用。町会や校下コミュニティなど、金沢の暮らしの土台を支える側の課です。金沢の地域力のルーツは、藩政期から続く善隣思想にあります(→校下という文化)。
    ★ 緑と花の課かっこよさの対極、95組織で唯一ひらがなの「と」が入る課名です。公園585か所と森林(市域の60.1%)のまちの、みどりの担当(→金沢の基本データ)。強そうな名前だけが仕事をするわけではありません。
    💡 ここがポイント: 課名は、市がその仕事をどう位置づけているかの宣言でもあります。「戦略」「推進」「再生」——名前に込めた意思と、実際の予算・実績が釣り合っているか。名前から市政を読むのも、立派なチェックの入口です。

    出典:組織名は金沢市公式サイト「組織から探す」(2026年8月閲覧・全95組織を当サイトで走査。「と」を含む課名・「戦略」を冠する課名が各1つであることも同リストで確認)。実行計画のアンケート76.2%・ユネスコ登録・公園585か所・森林60.1%・能登半島地震の被害記録は当サイト既載の各カードによる。

    Kanazawa Daily Quiz

    金沢まるっと10問クイズ

    毎日10問・めざせ百万石の主

    金沢のこと、どれくらい知ってる? 歴史・校下・食文化・まちの数字から、毎日ちがう10問が出ます。答えるのが速いほど高得点。あそぶうちに、自然と金沢にくわしくなれるよ。

    Council Members

    議員名鑑

    全38人

    📇 あなたの1票で選ばれた38人金沢

    金沢市議会議員38人を会派ごとに一覧にしました。名前をポチると、直近の6月定例月議会で賛否が分かれた11の採決で、その議員がどう投票したか(公式の議員別賛否一覧より)が見られます。会派で絞り込みもできます。

    🔭 準備中:「この議員は何に重きを置いてるか」分析。 各議員が本会議の一般質問でどのテーマ(子育て/福祉/防災/経済・観光/交通・まちづくり/教育/財政…)を何回取り上げたかを集計し、TOP3で表示する機能を準備しています。質問の中身まで全部は載せません——「この人の関心はここ」がひと目で分かる形にします。会議録の公開に合わせて順次追加予定。

    ※出典:金沢市議会「令和8年度 6月定例月議会 議員別賛否一覧」。会派は議決時点。議長(坂本泰広議員)は議会のルール上、採決に加わりません。このページは特定の議員を推す・批判するものではなく、公式記録をそのまま見やすくしたものです。

    What They Do

    議員のお仕事

    市議って、何してるん?

    「市議会議員って、ふだん何してるん?」——意外と知られていない議員の仕事を、報酬・議会の回数・役割から、事実ベースでまとめました。

    💴 報酬と人数金沢市の実数(2026年8月現在の条例額)

    👥
    定数
    38人
    金沢市議会の議員定数
    💴
    議員報酬
    月 70万円
    議長は81万円。ほかに期末手当(ボーナス)
    📋
    政務活動費
    月 16万円
    調査研究のために交付。使途の報告義務あり
    ⚖️ この数字をどう見るか:「高い」と感じるか「責任に見合う」と感じるかは人それぞれ。大事なのは使い道が公開されていること。政務活動費の出納簿や収支報告書は毎年公開され、誰でも確認できます。(→議員名鑑 / 給料まるわかり
    🗳 議員のお値段、決算の実額で5.34億円
    令和6年度の議員報酬等の支出済額は5億3,362万2,726円。定数38人で単純に割ると、1人あたり年約1,400万円(報酬+期末手当等)です。高いか安いかは、この人たちが2,091億円の使い道をチェックする仕事だという事実(→議会の賛否まるわかり)とセットで判断してください。

    出典:金沢市「令和6年度一般会計歳入歳出決算事項別明細書」(令和7年12月定例月議会で認定)

    🏛 議員は、こんな仕事をしている金沢

    本会議議案を審議して、賛成・反対を決める。市の予算、条例、大きな契約などは、議員の議決がなければ実行できません。市長の提案をチェックする役目です。(→議会の賛否
    一般質問市長や市の幹部に質問する。「この問題どうするんですか」と市民を代表して問いただす。議会中継やケーブルテレビで見られます。(→議会の動き
    委員会5つの常任委員会で専門的に審査。金沢市には①総務②経済環境③市民福祉④建設企業⑤文教(※名称は改編されることあり)などの委員会があり、分野ごとに詳しく議論します。
    地域活動議会がない日も、地域の相談・要望を聞く。町会の会合、地域の課題の聞き取り、市への橋渡しなど。議場の外の仕事も多い。
    💴 政務活動費(せいむかつどうひ)ってなに?

    給料(報酬)とは別に、議員には「政務活動費」が交付されます。調査研究・広報・住民相談など、議員活動のためのお金です。名前は長いけど、原資はあなたの税金です。

    月 16万円
    金沢市議1人あたり
    の交付額
    年 192万円
    1人あたり年間
    (16万×12ヶ月)

    ※ 金沢市議会議員の定数は38人。単純計算で市全体では年間およそ7,300万円(交付額ベース。実際の支出・返還は各議員の報告によります)。報酬(給料)とはまったく別のお金です。

    📂 使い道は、ネットで公開されています

    「16万円、何に使ったの?」は誰でも確認できます。金沢市議会は平成29年度分から収支報告書と出納簿をホームページで公開。1円単位の使い道が見られます。

    金沢市 政務活動費のページ → 令和6年度分の収支報告書・出納簿 →
    🤔 なぜ市民がチェックする意味があるの?

    過去には全国と同じく金沢市議会でも政務活動費の使い方が問題になったことがあります(2016年)。その後、市議会で運用改革が行われ、収支報告書のネット公開や手引きの見直しにつながりました。市民が「見ている」ことが、税金の適正な使い方を支えます。「こんな制度があるんだ」と知ることが第一歩です。

    💴 議員の「政治のお金」も、ネットで全部読めます
    政務活動費(上の節)とは別に、議員の政治団体——政党支部・資金管理団体・後援会——の政治資金収支報告書は、石川県選挙管理委員会が毎年秋、ウェブで全文PDF公表しています(最新は令和6年分・2025年11月公表)。誰からいくら寄附を受け、何に使ったか。開示請求は不要、検索して開くだけ。政党の支部・資金管理団体・その他の団体(後援会など)に分かれて、団体名の五十音順に並んでいます。このサイトでは、その報告書を1本ずつ読んで事実だけを転記するコーナーを始めました(→政治とカネ)。

    出典:石川県選挙管理委員会「政治資金収支報告書」公表ページ(各年分・団体区分別にPDF掲載。令和6年分は令和7年11月28日公表)。政治資金規正法の改正(平成19年12月)でインターネット等による公表が可能になった制度です。

    💼 報酬とは別の「もう一つの財布」——政務活動費、月16万円のぜんぶ金沢市・議会事務局

    議員には報酬のほかに、調査研究や広報など議員活動の経費として「政務活動費」が交付されます。その仕組みと、あなたがそれをチェックできる方法まで。

    💴
    交付額
    月額16万円/人
    年額192万円・四半期ごとに交付
    🧮
    議会全体では
    年最大 約7,296万円
    192万円×定数38人の満額計算
    🔍
    チェック体制
    全議員分ネット公開
    収支報告書と出納簿・領収書は窓口閲覧可
    🧾 「使い切らなければ返す」——そして誰でも領収書まで見られる
    政務活動費は使途が条例で定められ(調査研究・研修・広報・資料作成など)、年度末に残余があれば市長が返還を命じることができる仕組み。つまり「もらい切り」ではありません。透明性の面では、金沢市議会は平成29年度分から全議員の収支報告書と出納簿をホームページで公開しており、令和6年度分も令和7年8月〜9月に公開済み。さらに領収書などの証拠書類も市政情報コーナー(市役所第一本庁舎3階)で誰でも閲覧できます。全国では政務活動費の不正が度々ニュースになりますが、チェックの仕組み自体は目の前に開かれている——報酬約1,400万円+政務活動費最大192万円が、どんな調査や広報に使われているか。議員名で出納簿を開いてみるのが、議員の仕事ぶりを知るいちばん確実な方法です。2027年の市議選の前に、一度どうぞ。

    出典:金沢市議会事務局総務課「政務活動費」ページ(交付額月額16万円・四半期交付・収支報告書等の公開状況・閲覧場所)、金沢市議会政務活動費の交付に関する条例(残余の返還=第13条・書類保存5年=第14条)。年最大約7,296万円は月額16万円×12か月×定数38人の単純計算(欠員・返還により実額は変動)。

    🧳 議員の「視察」——どこへ、何しに行ってるの?金沢市議会・令和7年度

    よその議会では「税金でハワイ視察」が問題になることも。じゃあ金沢市議会は?——調べました。令和7年度は5つの常任委員会すべてが県外視察を実施。各2泊3日、行き先はすべて国内です。

    総務盛岡・八戸・福島(10月)——都市ブランド、窓口業務改革、駅前再開発。八戸の「書かない窓口」は、転入手続きに最大4時間・住所氏名を60回書かされる実態を改革した事例。
    経済環境郡山・会津若松・高崎(10月)——企業誘致・工業団地、観光と伝統工芸、卸売市場の取組。
    市民福祉仙台・深谷・前橋(9〜10月)——子どもの学習支援NPO、健康マイレージ、共助型のまちづくり。
    建設企業名古屋・川崎・長野(8月)——ウォーカブルなまちなか・地下街、都市公園の再生、そして長野市の除雪。雪のまち金沢に直結するテーマです。
    文教消防糸魚川・白石・新潟(10月)——糸魚川駅北大火の教訓、不登校の子のための「学びの多様化学校」、部活動の地域移行。
    📖 えらいのは、報告書が全部読めること: 各委員会の出張報告(復命)書がPDFで全文公開されています。誰と会って、何を聞いて、どんな質疑をしたかまで読めます。「視察=物見遊山」と決めつける前に、一度読んでみる価値があります。(市議会「常任委員会視察概要」→
    💰 ただし——いくらかかったかは、書いてない
    行程も内容も全公開なのに、復命書に費用の記載はありません。視察の旅費は議会費の決算の中に埋まっていて、1回あたりの実額は市民が気軽に見られる形では公表されていません。ここは開示請求案件です。(→まだ分からないこと
    🌏 海外視察は?——公表の枠そのものが、ない
    金沢市議会の公式サイトに海外視察の公表ページはなく、令和7年度の委員会視察はすべて国内でした。参考までに、福岡県議会は2024年1月〜2025年11月に海外視察を16件実施し、旅行会社への委託契約が全16件で契約後に増額(ハワイ視察は99万円→769万円、最大10.3倍)、しかも全件が随意契約——と報じられ、2026年8月にようやく経費の公表が始まりました。金沢市議会に同種の問題は確認されていませんが、「公表がない=やっていない」の証明にもならないので、姉妹都市への議員派遣の有無を含め、確認はこれからです。

    出典:金沢市議会「常任委員会視察概要」(令和7年度・各委員会の出張報告(復命)書PDF)。福岡県議会の件はテレビ西日本(TNC)報道(2026年3月26日)および福岡県議会「海外との交流活動 活動報告書」(2026年8月6日に経費欄新設)。確認日:2026年8月8日。

    Money in Politics

    政治とカネ

    収支報告書、ぜんぶ読む

    政治団体が「誰からいくら受け取り、何に使ったか」を毎年届け出る書類——政治資金収支報告書。石川県選挙管理委員会が、ネットで全部公開しています。このコーナーでは、その報告書を1本ずつ読んで、事実だけを転記します。評価は書きません。読んで、考えるのは、あなたです。

    ⚖ 政治資金収支報告書とは
    毎年
    提出
    政治資金規正法12条により、すべての政治団体は毎年の収入・支出・資産を選挙管理委員会(活動が1つの県内なら県選管)に報告します。報告書は公表され、公表の日から3年間、誰でも見られます
    石川は
    ネット公開
    石川県選管は収支報告書のPDFをウェブで全部公開しています。開示請求は不要、検索して開くだけ。令和5年分は2024年11月29日、令和6年分は2025年11月28日に公表されました。
    県内
    666団体
    「令和6年分 公表対象団体一覧」(令和6年12月31日時点)に載る石川県内の政治団体は計666団体——通常分641(政党支部141・国会議員関係9・資金管理団体76・その他の政治団体415)+解散分23+17条2項適用2(当サイト計数)。
    企業献金の
    ルール
    企業・団体からの献金は、政治家個人や資金管理団体へは2000年から禁止。ただし政党・政党支部への献金は合法です。政治資金パーティーの券を企業が買うことも「対価の支払い」として合法。地方議員にも、議員が支部長を務める政党支部という同じ構造があります。
    5万円
    ルール
    寄附の個別明細(誰が・いくら・いつ)を報告書に書く義務があるのは、同一の者からの寄附が年間5万円を超えるもの。年5万円以下は「その他の寄附」として合算で書けます。パーティー券購入者の公開基準は、2024年の法改正で「20万円超」から「5万円超」に引き下げ(2027年1月から適用)。

    出典:政治資金規正法(12条・20条の2・22条ほか)、総務省「政治資金規正法のあらまし」、石川県選挙管理委員会「政治資金収支報告書」公表ページ、同「令和6年分 政治資金収支報告書 公表対象団体一覧」。確認日:2026年8月8日。

    💸 個人が寄附すると、税金が戻る
    3割
    戻る
    個人が政党・政党支部・政治資金団体へ寄附すると、(寄附額−2,000円)×30%が所得税から戻ります(政党等寄附金特別控除。その年の所得税額の25%が上限。所得控除との選択制)。選管等の確認印がある書類を添えて確定申告します。例: 年12万円の寄附→35,400円が戻る計算。企業の寄附にこの控除はありません(個人のみ)。
    本人でも
    対象だった
    令和5年当時は、政党支部の代表者(支部長)本人が自分の支部へ寄附した場合も、この控除の対象でした。2024年の法改正で、令和8年1月1日以後は「支部の代表者である公職の候補者がその支部にする寄附」は控除の対象から除外されました(国税庁タックスアンサーNo.1260)。除外された——という事実は、それまで可能だったことを示しています。
    139本との
    接続
    今回読んだ令和5年分では、自民党県連に県議・元県議40人から計約828万円の個人寄附がありました。仮に全員が税額控除を選んでいれば、合計で約246万円が所得税から戻る計算です。実際に控除を受けたかどうかは各自の確定申告の情報で、公開されていません——分からないことは、分からないと書きます。

    出典: 国税庁タックスアンサーNo.1260「政党等寄附金特別控除制度」・No.1154「政治献金と寄附金」。県連への個人寄附の内訳は県選管公表の令和5年分収支報告書(当サイト転記)。

    🔍 中身は、誰がチェックしているのか
    選管の
    役割
    選挙管理委員会・総務大臣の役割は、提出された報告書を受け付けて公表すること。記載の中身が事実かどうかを調べる権限の定めは、政治資金規正法にありません。
    監査は
    支出だけ
    第三者の監査(登録政治資金監査人)が義務なのは国会議員関係政治団体だけ。しかもその監査は支出のみが対象で、収入は対象外——政治資金適正化委員会のQ&Aに「政治資金監査は支出のみを対象とし、収入はその対象とはしていない」と明記されています。監査の中身も、帳簿や領収書が保存されているか等の外形の確認です(規正法19条の13)。
    監査
    ゼロ
    つまり、今回読んだ139団体の大半——地方の政党支部——には、第三者の監査そのものがありません。実際、足し算が合わない報告書が、そのまま受理され公表されています(→転記タブ「原本のままでは数字が合わない箇所」)。
    主役は
    国民
    では法律は、誰がチェックする設計なのか。規正法1条は、政治活動が「国民の不断の監視と批判の下に」行われるようにするため、と書いています。チェックの主役は役所ではなく、国民——だから、このサイトは全部読みます。

    出典: 政治資金規正法1条・19条の13、政治資金適正化委員会「政治資金監査に関するQ&A」、総務省「なるほど! 政治資金」。

    ✏️ 訂正のルール——期限なし・回数の定めなし・理由欄なし
    ルール提出後の訂正に期限や回数の定めはなく、訂正の理由・経緯を書く欄もありません。訂正印と手書きの書き換え・頁の差し替えで行われます。
    139本での
    実例
    ①公表から約2年後の訂正(立憲・第3区総支部=令和7年12月3日) ②同じ報告書に2段階の訂正——3月の訂正頁を4月の再訂正で「削除」(公明・金沢総支部=令和6年3月19日→4月19日) ③市議選の翌春に訂正が集中——自民の金沢の番号支部では令和6年3〜4月に交付金・選挙関係費の追加訂正が複数。すべて原本の訂正印の日付から。
    並べて
    みる
    上場企業の決算書類(有価証券報告書)には、監査法人による監査・虚偽記載への課徴金・訂正報告書の提出という仕組みが金融商品取引法で定められています。政治資金収支報告書に、これらに当たる仕組みはありません(監査は上記の範囲のみ)。並べてどう考えるかは、読むあなたに委ねます。
    紙と
    手書き
    石川県分の原本はスキャン画像のPDFで、文字データがなく機械では検索も集計もできません(当サイトが139本すべてで確認)。オンライン提出が義務になるのは令和9年1月から、対象は政党本部・政治資金団体・国会議員関係政治団体——今回読んだような地方の支部は対象外です。

    出典: 各報告書原本の訂正印(当サイト転記)、金融商品取引法(24条の2・172条の4・193条の2)、総務省「政治資金収支報告書のオンライン提出」案内。

    📏 線は動いている——2024〜25年の改正(事実のみ)
    国会議員
    関係
    2024年6月・12月の規正法改正で、代表者の確認書義務(罰則つき)・不記載収入の国庫納付・収支報告書のネット公表義務化などが入りました。2025年には政治資金監視委員会等の設置法(令和7年法律第3号)が成立。パーティー券の公開基準も5万円超へ(2027年1月適用)。
    地方は
    そのまま
    ただし、これらの多くは国会議員関係の政治団体が対象です。今回読んだ地方の政党支部の仕組み——第三者の監査なし・紙で提出・訂正の理由欄なし——は、基本的にそのままです。
    問いこの仕組みで足りているか、足りていないか——判断するのは、あなたです。材料は、このコーナーに全部置いていきます。

    出典: 総務省「改正政治資金規正法等の概要(令和6年6月及び12月改正)」(令和8年4月改訂)、参議院常任委員会調査室「収支報告書の不記載等問題を踏まえた政治資金制度の見直し」(2024年9月)。確認日: 2026年8月11日。

    📥 令和5年分・政党の支部139団体、全部読みました

    石川県選管が公表する令和5年分(2024年11月29日公表)のうち、「政党の支部」に区分される全8党・139団体の収支報告書を、原本PDFから1本ずつ読んで転記しました。金額はすべて円。氏名は活字で記載のあるものだけ転記し、手書きのみで判読に不安が残る氏名は誤読を避けるため転記していません。全139団体で、収支の足し算(前年繰越+本年収入=収入総額/収入総額−支出総額=翌年繰越)が1円単位で一致することを再計算で確認済みです。当初、1団体(自民・トラック支部)だけは総括表が手書きで判読できず「保留」としていましたが、原本の再確認で全数字が確定し、足し算も一致しました(2026年8月更新)。

    💰 139団体の収入総額を合計すると約13億4,400万円(1,343,661,714円・前年からの繰越を含む)。令和5年に新しく入ったお金(本年収入)の合計は約8億1,800万円でした。
    🏢 支部の数——139のうち116

    令和5年分の石川県の政党支部は139団体。うち自由民主党が116団体(83.5%)で、残りは公明4・共産4・立憲4・社民4・参政4・維新2・国民1です。支部の名称を見ると、3つの型に分かれます。

    議員別議員1人につき1支部。金沢市第四支部〜第四十一支部は市議・県議ごと、第一〜第三選挙区支部・参議院選挙区支部は国会議員ごとの支部です。
    地域別平成の大合併前の旧町村名がそのまま残っています。松任・美川・鶴来・尾口・河内・白峰・吉野谷・鳥越——現在の白山市の区域だけで13支部(白山市第一〜第四+白山市連合+旧8町村)あります。
    職域別業界ごとに1支部。医師会・建設業・トラック・理容・郵政など約36支部。名称に業界名がついています。

    報道によれば、自民党の支部は全国に7700以上あります(上毛新聞・2025年10月)。企業・団体からの寄附の宛先として認められているのは政党と政党支部だけなので(しくみタブ参照)、支部の数は寄附の窓口の数でもあります。また、年1,000万円を超える企業献金の公表を盛り込んだ自民党の法案では、公表対象となる自民支部は全体の5.6%と報じられました(日本経済新聞・2025年2月)。

    📈 1年で2団体増えました。令和6年分の公表一覧(令和6年12月31日時点)では政党支部は141団体。内訳は、自民が116→117(金沢市第三十八支部・第四十二支部が新たに登場、鹿島郡第二支部は解散)、国民民主が1→2(石川県第1区総支部が新たに登場)です。令和6年分の収支報告書は後日、令和5年分と同じ方法で全数転記し、このページに載せる予定です。

    出典: 石川県選挙管理委員会 政治資金収支報告書公表一覧(令和5年分・令和6年分)/上毛新聞2025-10-27/日本経済新聞2025-02-23。団体数・支部名はすべて公表一覧の記載のまま。

    🗳 党別のお金(令和5年分・円)

    まず収入総額をバーで。長さは最大の自民党を100%とした比です。

    自由民主党
    10.2億
    日本共産党
    1.5億
    公明党
    0.6億
    立憲民主党
    0.5億
    日本維新の会
    0.2億
    社会民主党
    0.2億
    国民民主党
    0.1億
    参政党
    704万
    📊 バーにすると一目瞭然: 139団体の収入13.4億円のうち、自民党116団体で10.2億円=76%。2位の共産党(1.5億円)に約7倍の差をつけています。政治のお金の地図は、驚くほど一極集中です。(数字は下の党別明細と同じ・当サイト検算済み)
    自由民主党116団体|収入総額計 1,020,736,825円(うち本年収入 537,647,712円)|支出計 544,989,569円|翌年への繰越計 475,747,256円
    日本共産党4団体|収入総額計 149,671,614円(うち本年収入 142,310,784円)|支出計 141,790,481円|翌年への繰越計 7,881,133円
    公明党4団体|収入総額計 59,549,369円(うち本年収入 45,440,737円)|支出計 40,393,045円|翌年への繰越計 19,156,324円
    立憲民主党4団体|収入総額計 51,138,805円(うち本年収入 45,403,399円)|支出計 39,009,469円|翌年への繰越計 12,129,336円
    日本
    維新の会
    2団体|収入総額計 23,869,663円(うち本年収入 16,698,448円)|支出計 14,207,273円|翌年への繰越計 9,662,390円
    社会民主党4団体|収入総額計 18,500,816円(うち本年収入 16,392,526円)|支出計 15,569,990円|翌年への繰越計 2,930,826円
    国民民主党1団体|収入総額計 13,145,574円(うち本年収入 9,201,801円)|支出計 11,439,602円|翌年への繰越計 1,705,972円
    参政党4団体|収入総額計 7,049,048円(うち本年収入 5,107,295円)|支出計 4,533,454円|翌年への繰越計 2,515,594円
    合計139団体|収入総額計 1,343,661,714円|本年収入計 818,202,702円|支出計 811,932,883円|翌年繰越計 531,728,831円

    団体数は県選管の公式一覧どおり(自民116・公明4・共産4・立憲4・社民4・参政4・維新2・国民1)。当初判読保留だった自民・トラック支部も原本の再確認で数字が確定し、合計に算入済みです(2026年8月更新)。

    🏆 収入総額の大きい順・トップ10(令和5年分)
    1位自由民主党石川県支部連合会(代表者: 宮本周司)|収入総額 194,152,810円(本年収入 62,003,606円)
    2位自由民主党石川県第二選挙区支部(代表者: 佐々木紀)|収入総額 139,656,603円(本年収入 60,468,484円)
    3位自由民主党石川県参議院選挙区第三支部(代表者: 宮本周司)|収入総額 74,837,216円(本年収入 45,767,709円)
    4位日本共産党石川県委員会(代表者: 秋元邦宏)|収入総額 71,587,629円(本年収入 66,264,103円)
    5位自由民主党金沢支部(代表者: 安居知世)|収入総額 68,517,076円(本年収入 32,940,500円)
    6位自由民主党石川県参議院選挙区第二支部(代表者: 岡田直樹)|収入総額 62,317,720円(本年収入 47,506,212円)
    7位自由民主党石川県金沢市第五支部(代表者: 下沢佳充)|収入総額 58,114,904円(本年収入 21,496,929円)
    8位自由民主党石川県第一選挙区支部(代表者: 小森卓郎)|収入総額 52,789,683円(本年収入 51,101,222円)
    9位自由民主党石川県第三選挙区支部(代表者: 西田昭二)|収入総額 41,543,187円(本年収入 37,909,807円)
    10位公明党石川県本部(代表者: 谷内律夫)|収入総額 38,515,589円(本年収入 27,490,407円)

    代表者名は各報告書のその1(表紙)の記載のまま。国会議員が代表の「選挙区支部」と、県全体を束ねる「県連(支部連合会)」が上位に並びます。

    🔁 139本を並べて見えた、お金の流れ・4つの型(令和5年分)

    どの型も報告書に書かれた事実で、すべて合法の枠内です。型は特定の党だけのものではなく、複数の党に同じ形がありました。

    型1
    上から下へ
    党本部からの交付金が、県を通って末端へ流れる。自民は党本部から県内の4つの選挙区支部へ各1,200万円(参三のみ1,210万円)。公明は党本部→県本部1,265.9万円→3つの総支部へ再配分。共産は中央委員会→県委員会4,020.9万円→3つの地区委員会へ。立憲は党本部→県連合会1,792.9万円。
    型2
    下から上へ
    業界ごとの「職域支部」が集めた党費を、そのまま県連へ送る。例: 石油販売業支部は党費45,900円(17人)を全額県連へ。舗装支部は党費212,000円のうち143,100円を、理容支部は89,100円を、農協連支部は237,600円を県連へ。受け取り窓口はどれも県連(金沢市鞍月5-255)です。
    型3
    本人と往復
    代表者本人と団体の間をお金が往復する。例: 共産の県委員会は佐藤正幸県議へ選挙関係費61.79万円を支出し、同氏から286.75万円の寄附を受領。立憲の県連合会は公認料240万円を出しましたが、宛先5人は全員、同じ県連合会への個人寄附者本人。公明は党幹部が県本部へ毎月定額の個人寄附(代表者46,800円×12回など)。自民の金沢市第十三支部は支出の90.8%が代表者本人(350万円)と後援会(730万円)への寄附でした。
    型4
    同じ名前
    同じ会社が、たくさんの支部に寄附している。例: (株)日本海コンサルタント(金沢市泉本町2-126)は自民の12の支部の寄附欄に登場、年間合計1,255,000円。(株)環境公害研究センター(金沢市)は7つの支部に。政治団体「実践令和会」(金沢市涌波3-9-5)は金沢市第八・第十一・第十二・白山市第三の4支部へ各50万円、計2,000,000円を寄附しています。

    企業・団体からの寄附は、政党・政党支部あてなら合法です(しくみタブ参照)。同じ会社の代表者名が報告書によって「黒木康生」「黒木輝久」「黒木靖生」と違う字で書かれている例もありました——原本の記載のまま転記しています。

    ⚠️ 原本のままでは数字が合わない・読めない箇所(全部書きます)
    ✅解決自民・トラック支部: 総括表が手書きで判読できず保留としていましたが、原本の再確認で全数字が確定——収入総額213,031円(前年繰越123,031円+本年90,000円)・支出80,090円・翌年繰越132,941円で、足し算は1円単位で一致しました(2026年8月更新)。
    不一致自民・金沢市第二十三支部: 支出の総括表の組織活動費773,130円に対し、明細5ページの頁小計の合計は763,982円——同じ報告書の中で9,148円合いません。機械の再計算と、原本PDFの人の目視、双方で確認済み=原本側の不一致です。これが139団体で唯一の不一致で、提出から約2年、受理・公表のどの段階でも直されていません(訂正の窓口は下記)。※当初「白山市第一支部の翌年繰越1,000円差」「田鶴浜支部の収入総額」もここに載せていましたが、原本の再確認でいずれも当方の読み取りの誤りと確定し、不一致ではありませんでした(白山市第一の収入総額は9,656,588円で全一致・2026年8月更新)。
    判別
    不能
    自民・金沢市第十八支部: 同じ日付の10万円+25万円が「寄附」と「交付金」の両方に載っており、二重計上か別々の入金か報告書からは判別できません(訂正後の原本のまま)。
    表記差「自由民主党金沢支部」の住所が報告書によって違う: 金沢支部自身と第四支部の報告書では「金沢市鞍月5-255」、第五支部の報告書では「金沢市広坂1-1-1」。どちらも原本の記載のまま転記しています。

    「分からないことは分からないと書く」(決めごと6条)。上の箇所は今後、原本の高解像度確認や訂正の公表があれば更新します。

    🧑‍⚖️ 金沢市議38人と139本——名前を突き合わせた

    議員名鑑の38人の氏名を、139本の報告書の「代表者」欄と機械照合しました。以下は氏名が一致したという事実の一覧です(同姓同名の可能性は排除できません)。会派は令和8年6月時点の議会名簿、報告書は令和5年分——時点が違うことにご注意ください。

    代表者で
    一致12人
    38人中12人の氏名が、政党支部の代表者(支部長)欄と一致しました。内訳: 自民の金沢市番号支部が11人、公明の金沢総支部が1人。
    横越徹
    (自民)
    自由民主党石川県金沢市第十三支部|収入総額 20,801,566円
    源野和清
    (公明)
    公明党金沢総支部|収入総額 16,402,223円
    高村佳伸
    (自民)
    自由民主党石川県金沢市第十八支部|収入総額 9,524,500円
    野本正人
    (自民)
    自由民主党石川県金沢市第二十四支部|収入総額 8,585,653円
    上田雅大
    (自民)
    自由民主党石川県金沢市第三十支部|収入総額 5,148,405円
    高誠
    (自民)
    自由民主党石川県金沢市第二十九支部|収入総額 3,247,408円
    下沢広伸
    (自民)
    自由民主党石川県金沢市第二十七支部|収入総額 3,052,895円
    久保洋子
    (自民)
    自由民主党石川県金沢市第二十三支部|収入総額 2,685,501円
    北幸栽
    (自民)
    自由民主党石川県金沢市第四十支部|収入総額 1,037,908円
    坂本泰広
    (自民)
    自由民主党石川県金沢市第三十一支部|収入総額 943,938円
    清水邦彦
    (さくら)
    自由民主党石川県金沢市第三十二支部|収入総額 300,000円
    柿本章博
    (自民)
    自由民主党石川県金沢市第四十一支部|収入総額 100,000円
    代表者
    以外でも
    代表者欄ではなく、寄附者・支出の宛先・会計責任者として氏名が一致した人もいます(いずれも令和5年分の記載・同姓同名の可能性は排除できません)。稲端明浩(公明): 金沢総支部の会計責任者+県本部への月次寄附(35,000円×12回)。坂秀明山本ひかる(公明): 金沢総支部から各選挙事務所への寄附の宛先(市議選・137.7万円/128.3万円)。森尾嘉昭(共産): 共産党金沢地区委員会へ個人寄附2,095,008円+同委員会から選挙関係費の寄附166.47万円=双方向。山下明希(共産): 同・寄附者+選挙関係費140万円の宛先。森一敏(みらい): 社民党県連合へ個人寄附583,600円+陣中見舞15万円の宛先=双方向。川島美和(みらい): 立憲・第1区総支部の会計責任者+県連合会から公認料50万円の宛先・貸付金50万円の相手方。粟森慨(市民目線): 国民民主党県連の公認料40万円の宛先(同県連の事務担当者とも同名)。大西克利(自民): 石川維新の会の公認料30万円の宛先+同会への寄附者と同名同住所。
    これから議員が支部長を務める政党支部は、企業・団体献金の合法的な受け皿になれます(→しくみタブ)。ここに載っていない議員の「議員個人に近いお金」——資金管理団体・後援会——はこれから読みます(38人ぶん・県選管で公表中)。

    照合方法: 当サイトが転記した139本の代表者欄と議会名簿38人の氏名の完全一致(機械照合・2026年8月11日)。出典は各報告書原本と金沢市議会の議員名簿。

    📚 全139団体の一覧(党別・収入総額の大きい順)

    1行=1団体。「収」=収入総額(前年繰越込み)/「本年」=令和5年に入ったお金/「支」=支出総額。円。タップで党ごとに開きます。

    自由民主党(116団体)
    自由民主党石川県支部連合会(代表 宮本周司)|収194,152,810|本年62,003,606|支76,892,584
    自由民主党石川県第二選挙区支部(代表 佐々木紀)|収139,656,603|本年60,468,484|支42,775,566
    自由民主党石川県参議院選挙区第三支部(代表 宮本周司)|収74,837,216|本年45,767,709|支38,738,765
    自由民主党金沢支部(代表 安居知世)|収68,517,076|本年32,940,500|支38,512,589
    自由民主党石川県参議院選挙区第二支部(代表 岡田直樹)|収62,317,720|本年47,506,212|支48,404,665
    自由民主党石川県金沢市第五支部(代表 下沢佳充)|収58,114,904|本年21,496,929|支21,624,969
    自由民主党石川県第一選挙区支部(代表 小森卓郎)|収52,789,683|本年51,101,222|支52,443,612
    自由民主党石川県第三選挙区支部(代表 西田昭二)|収41,543,187|本年37,909,807|支32,595,634
    自由民主党石川県金沢市第六支部(代表 中村勲)|収32,518,857|本年13,674,500|支13,986,027
    自由民主党石川県金沢市第十三支部(代表 横越徹)|収20,801,566|本年9,806,395|支11,894,268
    自由民主党石川県金沢市第八支部(代表 不破大仁)|収18,478,081|本年15,794,540|支12,443,971
    自由民主党石川県金沢市第十支部(代表 田中敬人)|収16,904,312|本年11,945,527|支16,810,485
    自由民主党石川県羽咋市・羽咋郡南部第一支部(代表 稲村建男)|収15,672,272|本年6,582,005|支9,002,875
    自由民主党石川県金沢市第四支部(代表 紐野義昭)|収12,267,680|本年12,118,501|支12,216,369
    自由民主党石川県小松市第二支部(代表 福村章)|収10,081,041|本年4,300,043|支4,734,873
    自由民主党石川県白山市第二支部(代表 横山隆也)|収9,814,839|本年4,580,000|支3,893,407
    自由民主党石川県白山市第一支部(代表 作野広昭)|収9,656,588|本年1,980,052|支4,733,320
    自由民主党石川県金沢市第十八支部(代表 高村佳伸)|収9,524,500|本年9,524,500|支9,524,500
    自由民主党加賀支部(代表 室谷弘幸)|収9,166,125|本年2,669,649|支2,297,343
    自由民主党石川県金沢市第二十四支部(代表 野本正人)|収8,585,653|本年8,517,130|支8,441,308
    自由民主党石川県建設業支部(代表 平櫻保)|収7,378,613|本年509,008|支718,165
    自由民主党石川県金沢市第三十支部(代表 上田雅大)|収5,148,405|本年3,841,507|支3,100,490
    自由民主党松任支部(代表 作野広昭)|収5,023,036|本年1,718,175|支3,462,951
    自由民主党石川県金沢市第十二支部(代表 長田哲也)|収5,016,332|本年4,900,000|支4,846,622
    自由民主党小松市支部(代表 浅野清利)|収4,843,971|本年2,009,373|支3,403,055
    自由民主党石川県金沢市第七支部(代表 米澤賢司)|収4,724,520|本年4,135,010|支4,469,666
    自由民主党石川県ちんたい支部(代表 苗加充彦)|収4,686,545|本年2,426,319|支2,728,129
    自由民主党石川県金沢市第二十支部(代表 安居知世)|収4,385,249|本年2,147,800|支3,820,701
    自由民主党石川県能美市能美郡第一支部(代表 善田善彦)|収4,379,522|本年3,540,000|支4,100,000
    自由民主党石川県白山市第三支部(代表 車幸弘)|収4,066,970|本年3,951,200|支3,107,191
    自由民主党石川県白山市第四支部(代表 安実隆直)|収3,861,253|本年3,180,000|支3,706,605
    自由民主党内灘町支部(代表 None)|収3,817,301|本年656,025|支1,041,343
    自由民主党野々市支部(代表 馬場弘勝)|収3,771,290|本年856,923|支1,518,786
    自由民主党石川県金沢市第十一支部(代表 太郎田真理)|収3,699,468|本年1,675,734|支1,250,968
    自由民主党鶴来支部(代表 車幸弘)|収3,647,444|本年256,425|支956,500
    自由民主党七尾支部(代表 和田内幸三)|収3,598,093|本年562,400|支617,660
    自由民主党石川県金沢市第二十九支部(代表 高誠)|収3,247,408|本年2,295,000|支750,818
    自由民主党能登支部(代表 大森凡世)|収3,198,731|本年1,422,713|支1,320,218
    自由民主党石川県珠洲市第一支部(代表 平蔵豊志)|収3,135,571|本年2,424,800|支2,989,201
    自由民主党石川県七尾市第二支部(代表 清水真一路)|収3,080,000|本年3,080,000|支3,080,000
    自由民主党石川県金沢市第二十七支部(代表 下沢広伸)|収3,052,895|本年1,565,000|支2,816,428
    自由民主党羽咋市支部(代表 寺井哲也)|収2,923,840|本年516,204|支771,721
    自由民主党石川県看護連盟支部(代表 北村和子)|収2,914,430|本年927,096|支962,550
    自由民主党石川県加賀市第一支部(代表 高辻伸行)|収2,910,004|本年2,910,004|支771,028
    自由民主党石川県かほく市第一支部(代表 ・事務担当者=沖津千万人)|収2,778,363|本年2,445,000|支2,236,878
    自由民主党石川県郵政政治連盟支部(代表 None)|収2,756,408|本年484,264|支360,391
    自由民主党石川県金沢市第二十三支部(代表 久保洋子)|収2,685,501|本年2,571,500|支1,829,946
    自由民主党辰口支部(代表 善田善彦)|収2,629,627|本年1,217,012|支1,397,139
    自由民主党珠洲市支部(代表 森井洋光)|収2,591,035|本年1,568,708|支1,328,928
    自由民主党石川県電気通信職域支部(代表 塚本恒明)|収2,559,963|本年205,420|支164,342
    自由民主党石川県輪島市第一支部(代表 None)|収2,277,548|本年200,027|支472,424
    自由民主党美川支部(代表 北嶋章光)|収2,197,609|本年99,610|支591,191
    自由民主党石川県ときわ会支部(代表 中川博義)|収2,193,044|本年339,515|支300,652
    自由民主党川北支部(代表 山先守夫)|収2,174,332|本年288,606|支447,795
    自由民主党石川県羽咋郡北部第一支部(代表 石田章)|収2,000,000|本年2,000,000|支1,326,220
    自由民主党志賀町支部(代表 小泉勝)|収1,627,443|本年472,605|支1,269,160
    自由民主党石川県金沢市第三十三支部(代表 と同一人))|収1,600,328|本年1,021,000|支711,000
    自由民主党津幡町支部(代表 焼田宏明)|収1,596,391|本年910,006|支964,488
    自由民主党中島支部(代表 垣内武司)|収1,372,523|本年704,306|支907,890
    自由民主党石川県河北郡第三支部(代表 太田臣宣)|収1,344,403|本年1,090,010|支1,227,413
    自由民主党かほく市支部(代表 沖津千万人)|収1,318,448|本年396,605|支704,107
    自由民主党輪島支部(代表 宮下正博)|収1,301,412|本年603,603|支377,194
    自由民主党吉野谷支部(代表 澤田昌幸)|収1,061,993|本年52,006|支84,192
    自由民主党石川県金沢市第四十支部(代表 北幸栽)|収1,037,908|本年1,037,908|支1,037,908
    自由民主党中能登町支部(代表 宮下為幸)|収1,031,701|本年407,700|支878,721
    自由民主党根上支部(代表 髙塚善衛)|収1,009,568|本年545,703|支731,850
    自由民主党石川県自動車販売支部(代表 小杉雄二)|収986,451|本年200,007|支175,000
    自由民主党石川県金沢市第三十一支部(代表 坂本泰広)|収943,938|本年920,000|支920,000
    自由民主党21世紀石川をつくる会(代表 弥村昭浩)|収931,453|本年931,453|支931,453
    自由民主党石川県税政連支部(代表 玉井政利)|収856,155|本年42,258|支17,100
    自由民主党寺井支部(代表 前田英夫)|収839,524|本年370,802|支671,790
    自由民主党白峰支部(代表 永井徹史)|収799,805|本年124,854|支52,936
    自由民主党石川県七尾市第一支部(代表 和田内■)|収768,800|本年0|支0
    自由民主党河内支部(代表 横山隆也)|収735,953|本年78,205|支240,780
    自由民主党石川県鹿島郡第二支部(代表 山田省悟)|収700,000|本年700,000|支700,000
    自由民主党鳥越支部(代表 南清人)|収663,803|本年6|支127,090
    自由民主党石川県柔道整復師支部(代表 二ッ谷剛彦)|収643,363|本年6|支0
    自由民主党石川県医師会支部(代表 安田健二)|収587,211|本年344,070|支251,300
    自由民主党尾口支部(代表 None)|収571,987|本年4|支70,000
    自由民主党白山市連合支部(代表 作野広昭)|収535,836|本年35,002|支282,474
    自由民主党宝達志水町支部(代表 守田幸則)|収522,328|本年250,700|支345,810
    自由民主党穴水支部(代表 ・会計責任者・事務担当者:手書きのみのため氏名転記せず)|収459,008|本年198,400|支235,117
    自由民主党石川県たばこ販売支部(代表 茨木徹)|収448,093|本年80,002|支106,230
    自由民主党石川県舗装支部(代表 渕田昭彦)|収410,988|本年212,002|支147,490
    自由民主党石川県防衛支部(代表 本田敏郎)|収377,657|本年0|支0
    自由民主党石川県私立幼稚園協会支部(代表 亀田洋一)|収375,970|本年210,000|支233,557
    自由民主党石川県遊技産業支部(代表 None)|収375,020|本年329,700|支263,759
    自由民主党石川県土地改良支部(代表 本屋彌壽夫)|収366,853|本年71,002|支0
    自由民主党石川県理学療法士支部(代表 None)|収335,353|本年202,000|支165,530
    自由民主党石川県陸運支部(代表 None)|収303,350|本年10,402|支8,400
    自由民主党石川県金沢市第三十二支部(代表 清水邦彦)|収300,000|本年0|支0
    自由民主党石川県小松市第三支部(代表 南知子)|収300,000|本年200,000|支300,000
    自由民主党宅建協会石川県支部★導管型職域支部(代表 新木久雄)|収282,417|本年154,000|支121,500
    自由民主党石川県農協連支部(代表 西沢耕一)|収256,731|本年237,600|支237,600
    自由民主党田鶴浜支部(代表 舘野繁雄)|収255,747|本年255,660|支255,660
    自由民主党石川県薬剤師支部(代表 None)|収181,782|本年0|支0
    自由民主党石川県歯科技工士連盟支部(代表 杉本雄二)|収178,468|本年1|支35,378
    自由民主党石川県インテリア支部(代表 ・会計責任者・事務担当者:手書きのみのため氏名転記せず)|収176,650|本年34,450|支20,000
    自由民主党石川県遺族会支部(代表 山岸由紀子)|収175,419|本年90,795|支34,430
    自由民主党石川県林材業支部(代表 None)|収150,524|本年0|支0
    自由民主党石川県神道政治連盟支部(代表 葛城健一郎)|収125,850|本年106,650|支106,650
    自由民主党石川県鍼灸マッサージ師連盟支部(代表 常盤和成)|収121,548|本年50,000|支41,000
    自由民主党石川県金沢市第四十一支部(代表 柿本章博)|収100,000|本年100,000|支0
    自由民主党石川県理容支部(代表 None)|収90,611|本年89,200|支89,100
    自由民主党石川県自動車整備支部(代表 岡田喜一)|収85,974|本年0|支24,750
    自由民主党石川県栄養士連盟支部(代表 橋本良子)|収70,060|本年27,000|支23,500
    自由民主党石川県石油販売業支部(代表 本村幸宏)|収46,340|本年46,340|支46,340
    自由民主党石川県漁業団体支部(代表 笹原丈光)|収26,335|本年0|支0
    自由民主党石川県歯科医師連盟支部(代表 飯利邦洋)|収2,282|本年0|支0
    自由民主党石川県加賀市第二支部(代表 室谷弘幸)|収706|本年0|支0
    自由民主党石川県港湾支部(代表 鶴山庄市)|収299|本年0|支0
    自由民主党石川県能美市能美郡第二支部(代表 橋本崇史)|収0|本年0|支0
    自由民主党石川県能美市能美郡第三支部(代表 亀田豊)|収0|本年0|支0
    自由民主党石川県河北郡第二支部(代表 焼田宏明)|収0|本年0|支0
    自由民主党石川県観光産業振興支部(代表 多田計介)|収0|本年0|支0
    自由民主党石川県トラック支部(代表 大田外茂晴)|収213,031|本年90,000|支80,090
    日本共産党(4団体)
    日本共産党石川県委員会(代表 秋元邦宏)|収71,587,629|本年66,264,103|支66,811,416
    日本共産党金沢地区委員会(代表 亀田良典)|収36,509,039|本年35,631,180|支36,061,830
    日本共産党加南地区委員会(代表 坂本浩)|収21,030,431|本年20,127,865|支18,550,911
    日本共産党能登地区委員会(代表 鈴木宏太)|収20,544,515|本年20,287,636|支20,366,324
    公明党(4団体)
    公明党石川県本部(代表 谷内律夫)|収38,515,589|本年27,490,407|支22,867,069
    公明党金沢総支部(代表 源野和清)|収16,402,223|本年14,221,321|支13,821,249
    公明党南加賀総支部(代表 林直史)|収4,212,227|本年3,329,009|支3,389,408
    公明党能登総支部(代表 笹川広美)|収419,330|本年400,000|支315,319
    立憲民主党(4団体)
    立憲民主党石川県総支部連合会(代表 近藤和也)|収25,523,177|本年20,522,643|支14,218,428
    立憲民主党石川県第3区総支部(代表 近藤和也)|収15,296,313|本年15,247,993|支14,920,554
    立憲民主党石川県第1区総支部(代表 荒井淳志)|収5,498,485|本年5,494,000|支5,424,610
    立憲民主党石川県第2区総支部(代表 小山田経子)|収4,820,830|本年4,138,763|支4,445,877
    日本維新の会(2団体)
    日本維新の会衆議院石川県第1選挙区支部(代表 小林誠)|収12,468,371|本年7,462,908|支5,592,752
    石川維新の会(代表 井上英孝)|収11,401,292|本年9,235,540|支8,614,521
    社会民主党(4団体)
    社会民主党石川県連合(代表 盛本芳久)|収15,442,002|本年14,816,389|支14,160,230
    社会民主党石川県第1区支部連合(代表 山本由起子)|収2,025,954|本年1,009,388|支790,193
    社会民主党石川県第2区支部連合(代表 山口俊哉)|収572,206|本年245,354|支298,173
    社会民主党石川県第3区支部連合(代表 浅野俊二)|収460,654|本年321,395|支321,394
    国民民主党(1団体)
    国民民主党石川県総支部連合会(代表 濱野喜史)|収13,145,574|本年9,201,801|支11,439,602
    参政党(4団体)
    参政党石川第一支部(代表 中沢直木)|収2,692,011|本年1,746,791|支2,164,912
    参政党石川県支部連合会(代表 中沢直木)|収2,106,149|本年2,106,149|支1,396,823
    参政党石川第2支部(代表 久保雅哉)|収1,839,130|本年842,597|支752,374
    参政党石川第3支部(代表 桶作正親)|収411,758|本年411,758|支219,345

    出典: 石川県選挙管理委員会「令和5年分 政治資金収支報告書」(2024年11月29日公表)の各団体原本PDF。代表者名は各報告書その1の記載のまま。全数字は当サイトで転記後に再計算し、収支の一致を確認済み(保留1団体を除く)。確認日: 2026年8月11日。

    🔎 自分の目で確かめる
    原本すべての原本PDFは県選管サイトで誰でも読めます: 石川県選管・令和5年分収支報告書(公表から3年間)。
    窓口転記の誤りに気づかれた方は「このサイトについて」の窓口からご指摘ください——確認してすぐ直します(→このサイトについて)。
    🧭 このコーナーの決めごと(7か条)
    1転記するのは金額・相手・日付・出典だけ。
    2評価する言葉は書きません。合法なものは合法と書きます。
    3どの団体・どの議員・どの会派も完全に同じ書式で載せます。
    4数字の横に、必ず制度の説明を置きます(しくみタブ)。
    51本ずつ再計算して収支の一致を確認してから載せます(検算✓)。
    6分からないことは「分からない」と書きます(判読できない手書きの氏名は転記しません)。
    7間違いはご指摘ください。確認してすぐ直します(→このサイトについて)。
    📍 ここまでと、これから: 令和5年分の「政党の支部」は全8党139団体を読み終えました(転記タブ参照)。次は同じ令和5年分の資金管理団体・後援会(あ〜わ行)——議員個人に近いお金です。代表者名と議員名鑑の38人との突き合わせも進めます。政務活動費(→議員のお仕事)が「議員としてのお金」なら、こちらは「政治家としてのお金」。両方そろって全体像です(→市民の権利・使えるお金)。

    読了メーター:令和5年分・政党の支部 139本/139本=全数転記ずみ・保留ゼロ(2026年8月11日現在)。原本側の不一致は1件のみ——転記タブに明記。

    Pledge Tracker

    市長公約トラッカー

    任期:2026〜2030年

    🎯 村山市長(2期目)の「これからの約束」全17項目金沢

    2026年3月8日の市長選で、現職の村山卓氏が再選されました(投票率48.59%)。ここでは、村山氏が選挙時に公式サイトで掲げた「これからの約束」を全項目そのまま記録し、任期4年間の進み具合を追いかけます。ステータスは公的な動き(予算・議案・答弁)が確認できたかどうかで判定します。

    🟢 動き出した=予算・議案・答弁を確認 🔵 継続中=1期目からの事業が進行中 ⚪ これから=公的な動きは未確認

    最終更新:2026年7月12日。出典:村山たかし公式サイト「これからの約束」(公約原文)、金沢市議会6月定例月議会(議案・市長答弁)、令和7年度12月定例月議会(補正予算)、北國新聞報道。公約の文言は原文のまま載せています。

    📖 公約の「読み方」金沢

    💡 その1:「検討」「強化」「めざす」は判定できない。 公約には2種類あります。「森本駅近くに市民センターを整備」のように、できたかどうか誰でも判定できるものと、「さらなる負担軽減を検討」「愛着を高める」のように、何をもって達成なのか判定しようがないもの。後者が悪いとは言いませんが、4年後に「やった/やってない」を確かめられるのは前者だけ。このトラッカーでは、どちらのタイプかも意識して見てください。
    💡 その2:数値と期限がない公約は、採点できない。 17項目のほとんどに数値目標と期限がありません。「いつまでに」「どれだけ」が書かれていない約束は、進んでいなくても「まだ任期中」と言えてしまいます。これは村山氏に限らず、日本の選挙公約の多くに共通する構造です(ことば辞典の「マニフェスト」も見てね)。
    💡 その3:言葉の小さな違いに注目。 公約は「高校生までの医療費(通院含む)を原則無償化」。一方、6月議会では市民から「18歳まで完全無料に」という陳情が出て、不採択になっています(賛成4・反対33)。「原則」には所得制限や一部負担が残る余地があります。公約が実現したとき、それはどちらの意味だったのか——言葉の差分こそ、いちばん見るべきポイントです。
    💡 その4:お金の裏付けとセットで見る。 公約は予算がついて初めて動きます。金沢の予算は毎年2〜3月の議会で決まるので、次の大きな答え合わせは2027年度当初予算(2027年2〜3月議会)。このトラッカーもそのタイミングで大きく更新します。
    🎙 公約の「答え合わせ」素材は、市長の部屋にある。 市公式サイトの「市長の部屋」では、市長記者会見が月1回程度、YouTubeで生配信され、会見資料と概要も年度ごとにPDFで公開されています。市長が自分の言葉で何を発表し、記者に何を聞かれ、どう答えたかの一次記録——公約トラッカーの答え合わせに最適の素材です。ちなみに令和7年8月以降、市長の発信は公式SNS中心に移行しました。政治家の情報発信のかたちが変わりつつあるのも、観察ポイントです。
    ⚠️ このページの立場: これは村山氏の応援でも批判でもありません。市長に選ばれた人の約束を、市民が忘れないように記録するページです。誰が市長でも同じことをします。ステータスの根拠はすべて公開情報で、判定に迷うものは「これから」に倒しています。落選した候補者の公約は、選挙が終わった以上ここでは扱いません(選挙公報は市選管のサイトで見られます)。
    Project Tracker

    市政の進捗トラッカー

    あの事業、今どこまで?

    「あの工事、いつ終わるん?」「あの計画、今どうなってる?」——金沢のまちで進んでいる主要な事業の進捗を、公的機関が公表している情報だけでまとめました。

    ⚖️ このコーナーのルール
    ① 完成時期は市・県が公式に発表した予定だけを載せます(憶測は書きません)。② 予定はあくまで予定で、変わることがあります。③ 金沢のまちには金沢市の事業石川県の事業が混在するので、それぞれ「主体」を明記します。④ すべて出典つき。最新情報は各主体の公式サイトでご確認ください。
    🔄 進行中 主体:石川県
    金沢城 二の丸御殿(にのまるごてん)の復元
    これまで菱櫓・五十間長屋(平成13年)、河北門、鼠多門・鼠多門橋(令和2年)と復元してきた金沢城の「総仕上げ」とされる事業。令和6年度から第1期工事に着手し、令和8年4月に起工式を行い本体工事に本格着手。躯体工事を令和12年度までに、その後の仕上げを経て令和15年度(2033年度)頃の第1期完成を目指すと県が公表しています。(※予定)

    💰 いくらかかる?:総事業費 約150億円(第1期)。石川県議会の予算委員会で知事が示した見通しです。この事業の主体は石川県なので、石川県民(約110万人)で単純に割ると県民ひとり当たり およそ1万3,600円の計算になります(あくまで割り算の目安。金沢市民だけの負担ではありません)。

    🏯 第1期はまだ御殿全体の約7%。総ケヤキ造りの玄関、63畳の「表式台」、虎の障壁画の「虎の間」などを復元します。参考までに、同規模の名古屋城本丸御殿は約150億円・約9年で完成しました。金沢は「良いものを時間をかけて」という姿勢で、県の調査研究所長は「県民に言ってほしくない言葉は『早くやれ』」と語っています。

    ✍️ 寄進もできます:5千円以上の寄進で御殿の天井板の裏に名前やメッセージを記名できる事業を県が実施中(記名会は令和10年度以降予定・ふるさと納税の対象外)。
    📄 出典:石川県「金沢城二の丸御殿の復元整備」公式ページ
    🔄 進行中 主体:石川県
    金沢城公園の整備(第三期)
    平成27年12月策定の第三期整備計画に基づく事業。鼠多門・鼠多門橋は令和2年7月に完成し、現在は石垣の計画的な保全対策に取り組んでいる段階、と県が公表しています。
    📄 出典:石川県「金沢城公園の整備について」
    🔄 進行中 主体:金沢市
    金沢駅西広場(にしひろば)の再整備
    金沢駅の西側の広場を再整備する市の事業。金沢市が「工事の経過状況」を公式サイトで随時公表しています。具体の進み具合は市のページで確認できます。
    📄 出典:金沢市「金沢駅西広場再整備 工事の経過状況」
    🔄 進行中 主体:日本銀行(跡地は市が活用検討)
    日本銀行 金沢支店の移転新築
    1909年から香林坊で営業してきた日本銀行金沢支店が、金沢駅西の広岡3丁目に移転新築。移転後の香林坊の跡地について、金沢市が活用の検討を進めています(予算にも関連経費が計上されています)。
    📄 出典:日本銀行、金沢市予算関連資料
    ✅ 完成 主体:石川県
    石川県立図書館(新館)
    1966年に本多町で開館した旧館の老朽化に伴い、小立野の金沢大学工学部跡地に移転新築。2022年(令和4年)7月16日に新築開館しました。館内を回遊する劇場型の空間で全国的にも話題に。
    📄 出典:石川県立図書館、金沢まちゲーション
    ✅ 完成 主体:石川県
    金沢城 鼠多門・鼠多門橋(ねずみたもん)
    金沢城公園と尾山神社側をつなぐ門と橋。令和2年(2020年)7月に復元完成。金沢城の回遊性が高まりました。
    📄 出典:石川県「金沢城公園の整備について」
    ✅ 完成 主体:金沢市
    西金沢駅(にしかなざわえき)周辺整備
    北陸新幹線の開業に併せ、駅舎の橋上化・自由通路・東西の駅前広場・アクセス道路などを整備。平成27年(2015年)2月に完成しています。
    📄 出典:金沢市「西金沢駅周辺整備事業」

    🧭 進捗の「見方」と「自分で調べる方法」共通

    💡 まず「誰の事業か」を見る
    金沢のまちで進む事業には、金沢市の事業石川県の事業があります。金沢城公園や県立図書館は、駅西広場や市道・市の施設は。「市に聞いても分からない」ときは、主体が県だったりします。まず主体を確認するのが第一歩です。
    🔍 自分で最新の進捗を調べるには
    ① 金沢市の「構想・計画」ページ(市の総合計画や個別計画が集まっている)。② 各事業の担当課ページ(例:駅周辺なら都市計画課)。③ 市議会の会議録・議案(→議会の賛否 / 議会の動き)で、予算や進捗が議論されます。④ 予算の裏付けは(→金沢のお金)で確認できます。
    💰 「ひとり当たりいくら?」で自分ごとにする
    大きな事業は「○億円」と言われてもピンときません。そこで人口で割って「ひとり当たり」に直すと、自分の負担として実感できます。ただし大事なのは「誰の事業かで、割る相手が変わる」こと。金沢城のような県の事業石川県民(約110万人)で、市の事業金沢市民(約45万人)で割るのが正しい。県事業を市民の数で割ると負担を過大に見せてしまうので、このサイトでは主体に合わせて計算します。
    ⚖️ なぜ「いつ完成」を断言しないのか
    工事の完成時期は、資材価格・人手・災害・予算などで変わることがあります。このサイトでは、市・県が公式に発表した予定だけを「※予定」と明記して載せ、独自の予想は書きません。予定が変わったら、それも公式発表に沿って更新します。

    ※このコーナーは主要事業の一部を抜粋したものです。掲載していない事業も多数あります。網羅ではなく「代表例で進捗の見方を知る」ことを目的としています。

    Voice of Citizens

    金沢市民の本音

    市の公式文書に残る、生の声

    じつは金沢市は、市民の声を集めてほめ言葉も辛口も公式に公開しています。市のホームページの奥で眠っているその「本音」を、掘り起こしました。すべて出典は市の公表資料です。

    📬 市の「聞く仕組み」——あなたも今日から参加できる金沢市

    eモニター
    制度
    メールで届く市のアンケートにネットで答える登録制の市民モニター。定員は250名(応募多数なら選考・新規優先)で、任期は年度末まで。テーマはエコライフ、緑と公園、観光、中心市街地、水道水、男女共同参画など幅広く、謝礼は任期終了後に図書カード1,000円分。注目すべきは、結果の公表だけでなく「アンケート結果の活用状況」——つまりあなたの回答がどの計画・施策に使われたかまで、担当課ごとに公表されることです。声が消えずに、行き先まで見える設計になっています。
    アンケート
    の網
    ほかにも、観光政策課は市民向けの観光アンケートを毎年実施して報告書を全文公開。まちづくりの節目には一般市民・各種団体への大規模調査も行われ、協働推進計画のアンケートは金沢大学の研究室と共同研究として設計されています。パブリックコメント(計画案への意見募集)も定番の回路です。ひとつの市に、これだけ「聞く窓口」がある——まず知られていない事実です。
    💡 数字で見ると: eモニターの定員250名は、金沢市の人口約45.4万人の約0.05%。1,800人にひとりです。制度はあるのに、担い手はごくわずか——「市民の声が届かない」と嘆く前に、空いている席があります(→市民の権利・使えるお金)。

    🏯 観光アンケートの本音——歓迎と悲鳴が同居している金沢市

    観光政策課の市民アンケート報告書(令和5〜7年度)には、自由意見がそのまま載っています。市民の心は、きれいに割れています。

    歓迎の声観光客でまちがにぎわい経済が潤う、旅行者が楽しそうで誇らしい、シェアサイクル「まちのり」は市民の足としても便利——観光を「まちの体力」として肯定する声は根強くあります。実際、観光は新幹線後の金沢経済の柱です(→北陸新幹線)。
    悲鳴の声一方で、観光地の飲食価格が「"ぼったくり"と思うほど高い」という声、これ以上増えると「パンク状態になる」という危機感、兼六園の無料開放は市民だけにとどめてほしいという提案、駐車や買い物への支障——オーバーツーリズムの実感が率直に綴られています。中には「市民より旅行者の方が、金沢に詳しい」という、笑えない名言も。
    🧭 読み方のヒント: どちらが正しいかではなく、「観光の恩恵」と「生活への負担」を受ける市民が別の人だという構図が見えてきます。まちなかに住む人ほど負担が重く、恩恵は経済全体に薄く広がる——観光政策の合意づくりが難しい理由が、この生声に詰まっています。

    🌶 辛口の声——公式文書に「自意識過剰」と書いてある金沢市

    まちへの
    苦言
    将来のまちづくりに関する市の調査報告書には、こんな自由意見まで載っています——「金沢は自意識過剰である」。ほかにも、観光や文化政策が何かにつけて前田家や百万石に頼りすぎるという指摘(→前田家ってなにした人?)、まちなみ保全の裏で画一的な再開発が進んでいるという批判。市が、自分への悪口を編集せずに公開している——これは行政の胆力として、むしろ評価できる点です。
    前向きな
    注文
    苦言だけではありません。金沢マラソンに市民ランナーの参加枠をもっと、地元スポーツを気軽に応援できる環境を、市民が遊べる場所を——「観光客のためのまち」から「住む人のためのまち」へという注文が、通奏低音のように流れています。
    🌱 このカードの結論: 市民の本音は、SNSの奥ではなく市の公式サイトに、実名の窓口つきで公開されています。読めば市政の解像度が一段上がる。そして答える側にも、250席の空きがある。声は「届かない」のではなく、回路を知らないだけかもしれません(→かなざわ選挙ガイド)。

    ※出典:金沢市公式サイト(eモニター制度・アンケート結果の活用状況)、金沢市観光政策課「金沢市の観光に関するアンケート調査報告書」(令和5〜7年度)、金沢市まちづくり関連アンケート調査結果、金沢市市民協働推進課調査(金沢大学と共同)。引用は市公表資料の自由意見欄より。個々の意見は市民ひとりの声であり、市全体の総意ではありません。

    Local Ordinances

    金沢の条例

    国が守らないなら、自分で守る

    まちの個性は、じつは議会の議決でできています。金沢が「条例」という道具でまちを守り、国まで動かした物語です。

    ⚔ 1968年——「京都・奈良・鎌倉だけ」への静かな反乱金沢市

    きっかけ1966年、国は「古都保存法」をつくり、歴史的風土を守る対象を京都・奈良・鎌倉などの一定区域に限定しました。空襲を免れた城下町・金沢は、対象外。高度成長の開発ラッシュが、守られないまちなみに迫っていました。
    1968年「国が守らないなら、自分たちのルールで守る」——金沢市は1968年(昭和43年)、「金沢市伝統環境保存条例」を制定します。全国初の景観条例とされる一手でした(同年に倉敷市も伝統美観保存条例を制定)。「景観」という言葉すら一般的でなかった時代に、法律の後ろ盾のない自主条例で開発に向き合ったのです。
    国が
    追いつく
    金沢・倉敷に続いて、柳川(1971年)、京都・高山・萩(1972年)、松江・妻籠(1973年)……と自治体の条例が全国に広がります。そしてこの流れに押される形で、1975年、国は文化財保護法を改正し「伝統的建造物群保存地区」制度を創設——地方の条例が、国の制度を生んだのです。金沢の景観条例はその後も進化を続け、平成元年、平成21年と全面刷新されて現在は3代目。2005年の景観法施行で、ようやく条例に法的な強制力の裏付けも備わりました。
    💡 ここがすごい: ふつう「先進事例」は東京や京都から地方へ流れます。景観行政は逆でした。金沢発→全国→国。年表の一行「1968年 日本初の景観条例」の裏には、この順番の物語があります(→金沢市民って、トクなん?)。

    🛡 「守る条例」のフルコース——風景の部位ごとに1本ずつ金沢市

    金沢のユニークさは、初代の1本で終わらせず、風景の「部位」ごとに専用の条例を作り続けたことです。主なラインナップ:

    まちなみこまちなみ保存条例——国の伝建地区に選ばれるほどではない「ふつうの歴史的まちなみ」を、市が独自に守る。金澤町家条例——昭和25年以前の木造建築を解体90日前届出で守る(→空き家と町家)。
    水と緑用水保全条例——市内を流れる55本の用水網を守る、全国でも珍しい水路専門の条例(→前田家の惣構とセット)。斜面緑地保全条例——寺町台や卯辰山の「緑の崖線」を開発から守る。
    光と眺め夜間景観形成条例——夜のライトアップや照明の色まで整える「夜専用」の景観条例。寺社風景保全条例や眺望の保全など、「視線の先」まで条例で設計する徹底ぶりです。
    ⚖ 裏返しの負担: 条例が多い=家を建てる・改装するときの届出や色・高さの制約が多いということでもあります。美しさは市民の不自由の上に成り立っている——この緊張関係こそ、議会で何度も議論されてきたテーマです。

    🎭 変わり種条例と、「条例のつくりかた」金沢市

    文学賞を
    条例で
    泉鏡花文学賞条例——文学賞そのものを条例で設置しているまちは全国でも希少。ほかに365日24時間使える市民芸術村も条例設置、学生のまち推進条例は学生を条例で応援する全国でも珍しい仕組みです(→金沢ならでは)。
    つくるのは
    誰?
    ここが本題です。条例は、市長が提案し市議会が議決して初めて生まれます。議員自身が提案する「議員提案条例」という道もあります。つまり1968年の反乱も、町家の90日ルールも、文学賞も——ぜんぶ、選挙で選ばれた人たちの賛成多数で生まれたものです(→議員のお仕事)。
    🌱 このカードの結論: 金沢の美しさは、偶然でも伝統の惰性でもなく、半世紀分の議決の積み重ねです。まちの個性は条例でできていて、条例は議会でできていて、議会はあなたの一票でできています(→かなざわ選挙ガイド)。

    ※出典:金沢市例規集(各条例本文)、地方自治研究機構「景観条例」解説、Wikipedia「景観条例」、国土交通省・歴史的風土審議会資料、金沢市公式サイト。

    ⚖ 条例の「土台」——地方自治法と、市民の直接の武器

    条例は、市が自由に作れるわけではありません。地方自治法という国の法律が、市のしくみと市民の権利の土台を定めています。

    📕 地方自治法とは: 1947年5月3日、日本国憲法と同じ日に施行された、都道府県と市町村の組織・運営のルールを定めた法律です。市長と議会の関係、予算・決算の手続き、住民の権利——金沢市という仕組みの設計図は、この1本が土台です。条例は「法律の範囲内」でしか作れず(第14条)、条例につけられる罰則は2年以下の拘禁刑や100万円以下の罰金などが上限と定められています。
    🏛 金沢市の「基本構造」も、この法律が決めています:市長と議員は別々の選挙で選ばれる(二元代表制)——国会が首相を選ぶ国のしくみとは違い、どちらも市民が直接選びます。②予算・決算・条例は、議会の議決がなければ動きません(第96条)。③議会には市政を強制的に調べる「100条調査権」があります——ニュースで聞く「100条委員会」の語源で、政務活動費の根拠も同じ第100条です(→議員のお仕事)。
    💪 選挙のほかにも、市民には「直接の武器」があります——金沢の実数つき:
    ① 条例をつくれ・変えろと請求する——有権者の50分の1以上の署名で、市長に条例の制定・改廃を請求できます(第74条)。金沢市では7,357筆以上(有権者367,808人〔2026年3月市長選時点〕の50分の1)。請求すると議会で審議されます(可決されるとは限りません)。
    ② 議会を解散させろ・辞めさせろと請求する——3分の1以上(金沢では約12.3万筆)の署名で、議会の解散や市長・議員の解職を請求でき、住民投票で決まります(第76条・第80条・第81条)。
    ③ 税金の使い方を調べろと請求する——署名は不要、市民1人からでも、市の違法・不当な支出について監査委員に監査を請求できます(住民監査請求・第242条)。結果に不服があれば裁判(住民訴訟・第242条の2)に進む道も定められています。市民の権利の全体像は「市民の権利・使えるお金」へ。
    🔎 条例の全文は、誰でも読めます: このカードで紹介した条例は、市が公開している「金沢市例規集」で全文を無料で読めます(条例・規則を検索できるデータベース)。

    ※出典:地方自治法(昭和22年法律第67号)第14条・第74条・第76条・第80条・第81条・第96条・第100条・第242条・第242条の2/署名数の概算は金沢市選挙管理委員会公表の当日有権者数367,808人(2026年3月執行 金沢市長選挙)による当サイトの計算/金沢市例規集。

    Waste & Landfill

    金沢のゴミ

    燃やして、埋めて、あと何年?

    出したゴミは、消えません。燃やして灰にし、その灰を山に埋めている——金沢のゴミの一生と、そこに流れるお金、そして「埋める場所はいつまで足りるのか」という未来の話です。

    ♻ ゴミの一生——「燃やすごみ」は消えていない金沢市

    燃やす家庭の「燃やすごみ」は、東部・西部の2つの環境エネルギーセンター(焼却場)で燃やされます。ここで大事な事実——燃やしても「消える」わけではありません。燃やすと重さは減りますが、必ず「燃え殻(焼却残渣)」という灰が残ります。ゴミ問題の本質は、この「燃やしても残る灰を、最後どこに置くか」にあります。
    埋めるその灰と、燃やせない「埋立ごみ」の最終行き先が、戸室(とむろ)にある「戸室新保埋立場」です。ここは市内で4カ所目の埋立場(第4期)で、令和2年10月に開設。これまで3つの埋立地を使い切ってきたということでもあります。埋立場ではゴミに触れた雨水(浸出液)を下水道につなぎ、近くの川や地下水を汚さないよう処理しています。
    資源へ一方で、あき缶・ペットボトル・びん・古紙・容器包装プラスチックなどは「資源」として回収され、リサイクルへ回ります。金沢は古紙を町会やPTAの「集団回収」で集める文化が根づいているのが特徴です(→校下ってなんや)。つまり家庭のゴミは、「燃やす/埋める/資源にする」の3つの川に分かれて流れていきます。
    💰 いくらかかっているのか石川県
    📊 ゴミ処理の相場: 石川県のまとめ(令和4年度)によると、県内のごみ処理事業に要した経費は年約151億円。これを住民ひとり当たりに直すと年約13,534円ゴミ1トンあたり約41,273円にもなります。「捨てる」という行為は、実はこれだけのお金を動かしています。金沢市単独の内訳(収集・運搬・焼却・埋立それぞれいくらか)は、まちの財布の中でも見えにくい部分です(→金沢のお金)。
    💡 ここがポイント: ゴミを1トン減らせば、単純計算で約4万円が浮く——わけではありません。収集車も焼却場も「動かし続ける固定費」が大半だからです。だからこそ「どこを減らせば本当にお金が浮くのか」を、市の実データ(収集運搬費・施設稼働費・埋立費の内訳)で確かめる必要があります。ここは公開情報だけでは足りず、情報開示請求で内訳を取りにいく価値のあるテーマです——そして、実際に取りにいきました。答えは次の通りです。
    🧾 金沢市の実額——ごみの家計簿、ぜんぶ出ました金沢市

    情報公開請求で入手した「令和6年度 主要施策の成果説明書」から、金沢市単独の実額です。

    集める
    12.4億円
    家庭ごみの収集は一部民間委託で年12.4億円(68,522トン)。ごみ処理費でいちばん大きなかたまりの一つです。
    燃やす
    12.3億円
    西部・東部の環境エネルギーセンター2施設の運転・維持で年12.3億円(計13.2万トンを処理)。※売電などの収入は上の囲みの通りです。
    埋める+
    分ける
    11.3億円
    戸室新保埋立場(第3期+第4期)で5.6億円、リサイクルプラザ3施設で5.7億円。「埋める・分ける」にも毎年これだけかかっています。
    袋代の
    ゆくえ
    指定ごみ袋の販売収入6.2億円は、処理費には使われません。全額を「地域コミュニティ活性化基金」に積み立て、町会活動などに充てる仕組みです。「袋代=処理代」ではない——意外と知られていない事実です。
    地震の年
    5.5億円
    令和6年度は災害ごみの処理に5.5億円——焼却1万トン・埋立3.3万トン・被災家屋の解体162棟(能登地区からの受け入れ分を含む)。

    出典:金沢市「令和6年度 主要施策の成果説明書」P104-105(情報公開請求で入手・当サイト転記)

    🔥 ごみ焼却場は、実は3.2億円「稼いでる」
    市営施設で年間支出がいちばん大きいのは環境エネルギーセンター(ごみ焼却場)の12.29億円。ただし決算書の歳入側を見ると、ごみを燃やした熱で発電した売電収入が3億2,070万円、さらに回収した金属類の処分収入が2億1,420万円入っています。「ごみ処理=お金を燃やすだけ」のイメージ、データで見ると半分ひっくり返ります。

    出典:金沢市「令和6年度一般会計歳入歳出決算事項別明細書」(令和7年12月定例月議会で認定)

    🚧 家庭ごみ有料化の「通信簿」——2018年の大改革金沢市
    何をした金沢市は2018年(平成30年)2月、家庭ごみの有料化に踏み切りました。「燃やすごみ」と「埋立ごみ」を出すときに、市の指定ごみ袋(有料)を使う制度です。目的は、ごみ減量・資源化の意識を高め、たくさん出す人ほど負担するという公平性の確保。全国の中核市の中でも大きな政策判断でした。
    効果は
    出た
    効果は数字に表れました。導入直後の2月、前年同月と比べて燃やすごみは約25%減、埋立ごみは約40%減。ごみ袋が有料になると、人は「本当に捨てるべきか」を考える——値段をつけることの威力が示されました。
    でも
    裏がある
    ただし、批判もあります。市議会では「減ったのではなく、移動しただけではないか」という指摘が出ました。有料の袋を避けて、無料の「資源ごみ」に回ったぶんが増えた——実際、資源の持ち込み先(民間含む)は2017年の48か所から61か所に、町会の回収団体も急増しました。「見かけの減量」と「本当の減量」を分けて見る——統計を疑う目が要る論点です。
    ⚖ 中立に言うと: 有料化は「ごみ総量を確かに減らした」のか「分類先を移しただけ」なのか——ここは立場で評価が割れます。判定には、燃やす・埋立・資源をぜんぶ足した総排出量の推移が必要で、それを校下別に見られれば、地域ごとの本当の努力が見えてきます。
    📉 答え合わせ——計画書が出した「総量」の数字金沢市

    上で「判定には総排出量の推移が必要」と書きました。その答えが、市の最新の計画書「金沢市ごみ処理基本計画(第7期)」(令和6年3月)に載っています。家庭も事業所も、燃やすも埋立も資源もぜんぶ足した「ごみ総排出量」の実績です。

    ごみ総排出量(平成30年度)
    157,562t
    有料化スタート直後の年度
    ごみ総排出量(令和4年度)
    146,993t
    4年間で ▲6.7%(▲10,569t)
    総量も
    減った
    「資源に移しただけ」批判への答え——総量ベースでも減少は続いています。さらにさかのぼると、有料化前の平成25年度は175,676t・1人1日あたり1,038g(当時の計画書に明記)。令和4年度までで▲16.3%です。ただしこの減少には次に見る「事業系の減少」も含まれるので、ぜんぶを有料化の手柄にはできません。
    減量の
    主役は
    事業系
    内訳を見ると意外な事実が。平成30→令和4年度で、家庭系は88,741t→86,253t(▲2.8%)にとどまる一方、事業系は68,821t→60,740t(▲11.7%)と大きく減っています。家庭系+事業系=総量が1トンの誤差もなく一致することも検算済み。「市民の努力」の物語だけでは、この数字は説明できません。
    コロナの
    指紋
    年ごとの動きには、暮らしの記録が刻まれています。家庭系は令和2年度に90.9千tへ増加(巣ごもり生活でゴミが家に集中)、逆に事業系は同年57.4千tへ急減(飲食・観光の停止)。その後、事業系は58.7→60.7千tと経済再開とともにリバウンド。ごみの量は、まちの体温計でもあります。
    次の一手
    はプラ
    第7期計画の目玉は、令和7年度からの「製品プラスチック」分別収集の開始(目標)。これまで容器包装プラだけだった資源回収を、プラ素材100%・1辺50cm以下の製品(おもちゃ・バケツなど)にも広げます。市の想定効果は燃やすごみ▲約900t/年、CO2▲約2,500t/年(市内廃棄物部門排出量の約2.3%)。
    🥚 宿題は「1人1日あと約70g」: 第7期計画の目標は令和10年度に総排出量134,000t/年=1人1日803g。市の計算では、達成に必要な削減は1人1日あたり約70g——卵1個分、きゅうり1本分、A4用紙15枚分です。平成25年度の1,038gから始まった道のりの、最終区間に入っています。

    ※出典:金沢市ごみ処理基本計画(第7期)概要版(令和6年3月・金沢市環境局)、金沢市ごみ処理基本計画(平成27年3月)。増減率は掲載実数から検算し一致を確認。

    🌡 温暖化と食品ロス、市民のホンネ——回答率89.2%はR7シリーズ最高金沢市・eモニター

    環境のアンケートに市民の9割近くが答えた(回答223人)——関心の高さ自体がひとつの結果です。中身はこちら。

    🌍
    温暖化への関心
    86.1%
    てまえどり実践も48.0%
    🎯
    市の温暖化対策実行計画
    76.2%が「知らない」
    2030年に50%削減・2050年実質ゼロの目標
    🍱
    家庭の食品ロス1位
    手つかず食品 44.8%
    原因1位「買ったのを忘れて期限切れ」
    🥢 行動はできてる。制度が知られてない——環境版の断層
    食品ロスの言葉と問題の認知88.8%、賞味/消費期限の理解80.3%、てまえどり実践48.0%——市民の行動レベルは既にかなり高いんです。知られていないのは市の仕組みの側:食べきり店を紹介する「いいね・食べきり推進店」は87.9%が知らず、宴会の「30・10運動」は79.8%が全く知らず、フードドライブ窓口(市内4か所)も62.8%が知らない。ちなみに家庭ごみで一番多く捨てられているのは食べ残しではなく「手つかず食品」=袋のまま期限切れ。冷蔵庫の奥が、金沢の食品ロスの最前線です。効果があると思う対策の1位は「小中学校での環境学習」——ここでも答えは学校でした。

    出典:金沢市eモニター制度「地球温暖化対策と食品ロスについてのアンケート」(令和7年7月実施・対象250人・回答223人・回答率89.2%、食品ロス削減推進計画の改定資料を兼ねる調査)。

    🌍 76%が知らない「実行計画」、開いてみた——ゼロカーボンかなざわの設計図金沢市・ゼロカーボンシティ推進課

    上のアンケートで76.2%が「知らない」と答えた市の地球温暖化対策実行計画(令和5年2月改定)。せっかくなので中身を読みました。目標と現在地はこうなっています。

    🎯
    目標
    2030年に▲50%
    2013年度比。2050年に実質ゼロ
    📉
    現在地(計画掲載の最新)
    ▲21.4%
    2020年度・277.8万トン
    🧍
    市民1人あたり排出
    6.0トン
    全国平均9.1トンよりだいぶ身軽
    🔌 減った最大の理由は、実は「電気の中身」
    2013年度比▲21.4%——順調に見えますが、計画自身が分析するとおり、減少の大きな要因は北陸電力の電源構成の改善(排出係数0.663→0.469)です。つまり市民の努力以上に「使う電気がきれいになった」効果が大きい。そして金沢の1人あたり排出6.0トンは全国(9.1トン)より少ないものの、部門別に見ると家庭・業務・運輸は全国平均を上回ります——雪国の暖房と、クルマ社会(→金沢の足の「週0日69.5%」)が金沢の弱点だと、計画に明記されています。
    ⚠️ 残り28.6ポイントの内訳——市の施策は「4分の1」だけ
    何もしなければ2030年は▲5.6%どまり(現状趨勢)と計画は試算。そこから50%へ届かせる削減量159.9万トンの内訳は、国の施策86.1万トン+業界団体の取組32.1万トン+市の施策41.7万トン——つまり目標達成の約4分の3は国と電力会社・業界頼みという構造です。市の施策の主力は次世代自動車の普及(15.5万トン・2030年に電気自動車31,400台目標)と省エネ行動(10.4万トン)。金澤町家の断熱改修支援(→町家と空き家)まで施策に入っているのは金沢らしいところ。計画と数字は公表されている——一方で、市民の76%が「知らない」と回答している状態です。

    出典:金沢市「金沢市地球温暖化対策実行計画【改定版】」(令和5年2月、ゼロカーボンシティ推進課所管。目標・排出量・排出係数・部門別分析・削減内訳・EV31,400台等すべて同計画本文より)。2020年度排出量にはコロナ禍の影響を含みます。

    ⏳ 埋立地の未来——「あと何年」問題金沢市

    今は
    余裕がある
    まず正確に言うと、金沢の埋立地はいま危機的に逼迫しているわけではありません。石川県の資料でも、令和2年に戸室新保の第4期が稼働したことで「残余年数が大幅に増加した」と明記されています。「もうすぐ満杯だ」と煽るのは事実に反します。
    でも
    無限では
    ない
    問題は長い目で見たときです。これまで金沢は第1期→第2期→第3期→第4期と、埋立地を使い切っては次を作ってきました。土地はいつか尽き、「第5期をどこに作るのか」はいつか必ず来る問い。新しい埋立場の建設には莫大な費用と、地元の理解が要ります。いま埋立ごみを減らすほど、第4期は長持ちし、次の建設を先送りできる——今日の1袋が、10年後の数十億円につながっています。
    未来への
    問い
    だからこのカードの問いは「満杯まであと何年か」ではなく、「埋めるゴミそのものを、どこまでゼロに近づけられるか」です。焼却灰を建設資材にリサイクルする技術、生ごみ(燃やすごみの約4割)の削減、資源化率の向上——埋立に頼らない未来をどう設計するか。ゴミは、いまの暮らしと次の世代をつなぐ、いちばん身近な「未来の話」です。
    🌱 このカードの結論: 金沢のゴミ問題は「危機」ではなく「猶予」です。第4期のおかげで時間はある。その時間を、値上げでも我慢でもなく、減らす仕組みと資源化にどう使うか。余裕があるうちに動けるかどうかが、次の世代の負担を決めます。

    ※出典:金沢市公式サイト(戸室新保埋立場・家庭ごみ有料化制度)、石川県生活環境部資源循環推進課「石川の廃棄物処理(一般廃棄物)令和4年度実績」、日本テレビNEWS24(2018年・有料化の効果)、金沢市議会議員の分析(2018年)。金額・削減率は各公表時点の値で、最新は市・県の資料で確認できます。

    🗄 そして「次の埋立場」の検討文書は、ありませんでした: 当サイトの開示請求に対し、市は「次期(第5期)埋立場の整備に関する検討状況が分かる文書は、作成しておらず保有していない」と正式に決定しました(環境政策課・令和8年8月6日付 環政第870号)。一方で、次の「燃やす施設」(環境エネルギーセンター等の再整備)は令和6年度に検討費660万円で調査が始まっています。埋める方の「次」は、まだ白紙——これも公文書で確定した事実です。上に書いた「余裕があるうちに動けるか」という問いは、まだ始まってもいません。

    出典:金沢市 行政情報非公開決定通知書(環政第870号・令和8年8月6日)、令和6年度 主要施策の成果説明書P105

    Water & Pipes

    金沢の水道

    蛇口の裏の、見えない時限爆弾

    毎日ひねる蛇口。その水が通る金沢の水道管は、半分近くが「寿命超え」です。誰も気にしないけれど、これは金沢のいちばん静かで、いちばん大きな未来の宿題です。

    🚰 水の旅——蛇口の水は、どこから来る?金沢市

    2つの
    浄水場
    金沢の水道水は、主に2つの浄水場から送られます。末浄水場(すえじょうすいじょう)は小立野台地の旧市街地や東部へ、犀川(さいがわ)浄水場は山間部や北部へ。さらに石川県から買う「県水」が西部・南部を支えます。犀川と手取川がもとをたどる水源で、金沢は水に恵まれたまちです。
    浄水場が
    「名勝」
    ここに金沢らしい話が一つ。末浄水場の園地は、国の「名勝」に指定されています——浄水場でありながら、庭園として国のお墨付きを持つ、全国でも珍しい施設です。昭和初期のモダンな造園で、水道施設が文化財を兼ねるという、金沢の「細部の豊かさ」を象徴する場所です。
    地中の
    大動脈
    浄水場から各家庭までを結ぶのが、地中に張りめぐらされた「水道管(管路)」です。ふだんは完全に見えませんが、この管が1本破れれば、その地区の水は止まります。金沢の暮らしは、この見えない大動脈にまるごと乗っかっています。そして——その大動脈が、いま静かに老いています。

    ⏳ 46.7%の衝撃——水道管の「半分」が寿命超え金沢市

    📊 衝撃の数字: 金沢市企業局の資料(令和6年3月)によると、水道管の老朽化率(法定耐用年数40年を超えた割合)は、令和4年度末で46.7%金沢の水道管の、およそ半分が「寿命の目安」を超えているのです。毎日あたりまえに出る水は、この老いた管を通っています。
    なぜ
    一斉に
    老いる
    理由は「まとめて埋めたから」です。金沢の水道管は1969年〜1973年の高度成長期に集中して敷設されました。当時いっせいに埋めた管が、いっせいに更新時期を迎えている。2009年ごろから更新需要に対応しきれなくなり、寿命超えの管が積み上がる状況が生まれています。これは金沢だけでなく、全国の都市が同時に抱える爆弾でもあります。
    地震で
    試された
    老朽管のこわさは、抽象論ではありません。2024年の能登半島地震では、石川県内の広い範囲で水道管が破断し、長期の断水が続きました。耐震性の低い古い継ぎ手の管は、揺れに弱い。金沢が「災害に強い水道」をつくれるかどうかは、この老朽管をどれだけ耐震管に替えられるかにかかっています(→もしもの金沢)。
    💸 お金と未来——「人口が減るのに、管は替えねばならない」ジレンマ金沢市
    構造的な
    ジレンマ
    水道事業は、水道料金だけで運営する独立採算が原則です。ところが金沢はこれから人口が減り、水を使う量も減っていく。つまり収入は先細りするのに、老朽管の更新費は膨らむ——これが全国の水道が直面する構造的なジレンマです。放っておけば、いつか「料金値上げ」か「更新の先送り(=断水リスク増)」かの二択が迫ります。
    市の
    打ち手
    金沢市企業局は令和6年、「アセットマネジメント基本方針」を策定しました。要は「限られたお金と人で、どの管から優先して替えるかを、根拠をもって決める」という戦略です。ダクタイル鋳鉄管は条件次第で耐用年数を超えても使えるため、一律40年で替えるのではなく、重要な幹線・被害の大きい場所から効率的に更新する。「全部は無理。だから賢く優先順位をつける」時代に入ったということです。
    見えにくい
    から怖い
    下水道も同じ道を歩んでいます。市自身が「認識されにくい・見えにくい事業」と認めているとおり、水道・下水道は「困っていないから、票にならない」典型です。だからこそ、破裂や断水という形で表面化する前に、市民が関心を持てるかどうかが問われます。あなたの水道料金の内訳、更新計画の進み具合——見えないものを見にいく価値のあるテーマです(→金沢のお金)。
    🌱 このカードの結論: 金沢の水道は、水源に恵まれ、浄水場が名勝になるほど豊かな一方で、管の半分が寿命を超え、人口減で財源が細るという時限爆弾を抱えています。爆発は静かで、気づいたときには断水か値上げ。「見えないインフラ」に、余裕のあるうちに目を向けられるか——ゴミ問題(→金沢のゴミ)とまったく同じ、「猶予のあるうちの決断」が問われます。

    ※出典:金沢市企業局「金沢版上下水道アセットマネジメント基本方針」(令和6年3月)、「水道施設再整備基本構想」(令和6年3月)、「かなざわ下水道21世紀ビジョン」、金沢市企業局公式サイト。老朽化率46.7%は令和4年度末時点の値です。

    📗 決算書で見る、水道と下水道のリアル(令和6年度)
    💧 水道:黒字。でも「料金だけでは足りない」ラインを割った
    水道事業の純利益は3.35億円の黒字。ただし料金回収率は98.86%——水道料金だけでは費用を賄えない水準(100%割れ)に入りました。もっと重いのはこれ:法定耐用年数を過ぎた水道管が全体の48.57%=約半分。年間の更新率は0.45%で、単純計算だと全部入れ替えるのに200年以上かかるペースです(だから耐震性の低い基幹管路を優先して更新中)。ほかにも、作った水の約9%は漏水などで料金にならないまま消え(有収率91.2%)、営業費用の約3割(24.5億円)は県から買う水の代金(手取川の県営水道)。134人の職員が、45.2万人分の蛇口を守っています。
    🕳 下水道:地下に「市道より長い管」と「1,036億円の借金」
    下水道管の総延長は2,361km——市道全部(約2,206km)より長いインフラが地下に眠っています。本業の収支は営業損失50.6億円。これを一般会計=税金からの負担金 約51.4億円などで埋めて最終黒字6.84億円——「雨水は税金で、汚水は料金で」という役割分担の実物です。そして企業債(借金)の残高は1,036億円。うち約567億円は将来、一般会計=税金が負担する見込みと決算書自身が注記しています。年間の支払利息だけで13.2億円。さらに汚泥焼却炉の更新1件で約60億円(令和11年まで)という大工事も進行中です。
    ♻️ 小ネタ:下水も「稼いで」ます/震災の傷はまだ残ってる
    汚泥処理で発生する消化ガスの売却収入が3,536万円——ごみ焼却場の売電と同じく、処理場もエネルギーを売っています。一方で、令和6年能登半島地震では市内の汚水管57.1kmが被災し、令和6年度からの3か年計画で復旧工事が続いています。蛇口とトイレの「当たり前」は、静かに戦っている最中です。
    📗 紙の決算書でさらに分かったこと
    ①水道の資産は帳簿価額で約739億円——その大半が、誰も見たことのない地下の配水管など(構築物・簿価約608億円)です。②手元の現金預金は約61.1億円。赤字見通しの事業ですが、備えは持っています。③料金回収率は令和5年度99.91%→令和6年度98.86%と2年連続で100%割れ——「料金だけでは賄えない」が定着しつつあります。④そして決算書の注記には、役目を終えた旧ポンプ場が市内8か所(山の上町・鳴和町・高尾南・大桑町・常盤町・不動寺町など)、遊休資産として静かに記録されています。まちの水道の歴史が、帳簿の隅に眠っています。

    出典:金沢市水道事業特別会計決算書・金沢市下水道事業特別会計決算書(いずれも令和6年度、金沢市企業局公表)、水道事業の令和9年度赤字見通しは北國新聞報道(2024年11月)。

    🗳 市民の答えは、もう出ている——水道アンケの圧倒的な民意金沢市・eモニター

    令和7年、企業局が市民に聞きました(回答205人)。「適切なコストをかけて優先すべき施策は?」——答えは、このカードで見てきた話とぴったり重なります。

    🏗
    優先すべきは
    耐震化 82.0%
    「震災に強い管路・施設の整備」
    💴
    水道料金は
    64.0%が「高い」
    「適正」は35.1%
    🚰
    蛇口の水を
    73.7%が飲む
    そのまま47.8%+浄水器25.9%
    💧 「高い。でも、耐震化はやってくれ」——矛盾じゃなく、成熟した答え
    6割超が料金を「高い」と感じつつ、優先施策では「おいしい水」10.7%や「サービス向上」4.4%を大差で抑えて、耐震化が82.0%。能登半島地震を経た市民は、「安さ」より「壊れない水道」を選びました。水質への信頼も厚く、「安心」69.8%・「不安」はわずか4.9%、味も「おいしい」43.9%に対し「おいしくない」8.3%。自由記述には「多少料金が上がっても安全な水を」という声まであります。老朽管46.7%の更新に必要な「値上げの合意」の土台は、実はもうあるのかもしれません。
    📢 ここでも「作ると届けるの断層」
    一方で、企業局のホームページを「見たことがない」66.8%。耐震化などの災害対策も、個々の取組の認知は1〜4割にとどまります。82%が求める耐震化を市は実際に進めているのに、その中身が届いていない——防災アプリ(→災害と金沢)、介護の相談窓口(→介護と高齢化)に続き、水道でも同じ構図です。

    出典:金沢市eモニター制度「水道の利用実態等についてのアンケート」(令和7年9月実施・対象250人・回答205人・回答率82.0%、企業局経営企画課)。

    Aging & Care

    金沢の介護と高齢化

    3人に1人が高齢者になる日

    金沢は、静かに年をとっています。2040年には、市民の約3人に1人が65歳以上。支える人が減り、支えられる人が増える——この避けられない未来に、まちはどう備えるのか。

    📈 2040年の金沢——「3人に1人が高齢者」金沢市
    📊 数字で見る未来: 金沢市の推計では、65歳以上の割合を示す高齢化率は、2040年度に約33.4%に達する見込みです。市民のおよそ3人に1人が高齢者になる計算。同じころ市の総人口は約42万人へ減っていくため(→未来年表)、「支えられる人が増え、支える人が減る」という、まちの体力そのものが問われる局面に入ります。
    認定者も
    増える
    高齢者が増えれば、介護が必要な人も増えます。金沢市の推計でも、要支援・要介護の認定者数は2040年度に向けて増え続けると見込まれています。介護は「一部の人の問題」ではなく、ほとんどの家庭がいつか通る道になります。あなたの親、そしていつかの自分の話です。
    金沢は
    まだマシ、
    でも
    救いもあります。金沢の高齢化は、全国平均と比べて極端に速いわけではありません。地方都市の中では人口減もゆるやか。ただし「よそよりマシ」は「大丈夫」ではない。猶予があるうちに手を打てるか——それが水道(→金沢の水道)やゴミと共通する、金沢の宿題です。
    📈 介護保険が始まってからの25年——数字が語る金沢の変化金沢市

    同じ「長寿安心プラン2024」の第2章には、介護保険が始まった2000年からの長い時系列が載っています。25年でまちがどう変わったか、3つの数字で。

    📋
    要介護認定者
    約3倍
    7,962人(2000)→24,181人(2023)
    🏠
    高齢ひとり暮らし世帯
    5.6倍
    3,809世帯(1985)→21,358世帯(2020)
    ⚖️
    高齢者1人を支える現役
    2.1人
    2000年は4.3人だった
    🏥 介護の重心は「施設」から「地域」へ、静かに移った
    給付費の中身を見ると、施設サービスは2000年度の約96億円から2023年度の約97億円までほぼ横ばい。増えたのは在宅と地域密着型で、いまや給付費の約74%が「施設の外」で使われています。「施設を増やして収容する」時代はとっくに終わり、住み慣れた家と地域で支える設計に変わっている——上の「地域包括ケア」は、理念ではなくすでにお金の流れの実態なんです。ちなみに65歳以上の要介護認定率は19.9%——高齢者のおよそ5人に1人です。

    出典:金沢市「長寿安心プラン2024」第2章(高齢化の進展と介護保険の現状)。世帯数は国勢調査。

    🗣 計画の「資料編」に眠っていた、高齢者のホンネ金沢市・ニーズ調査

    分厚い計画書のいちばん後ろ、第7章の資料編。ここに市が高齢者に行った「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」(令和5年2月実施)の生の集計が載っています。読むと、制度の課題が数字で浮かび上がります。

    💬
    家族・友人以外の相談相手
    42%が「いない」
    医師・包括・民生委員など誰も
    🏢
    地域包括支援センター
    35%が「知らない」
    利用したことがない人は75%
    🌱
    生きがい
    33%が「思いつかない」
    趣味なしも23%
    ⚠️ 「相談の入り口」が、届いていない
    介護の最初の窓口であるはずの地域包括支援センターを3人に1人が知らず、4人に3人は使ったことがない。市の介護予防教室や出前講座も67%が「知らない」。仕組みは整っているのに、認知が追いついていない——防災アプリ「にげまっし」(→災害と金沢)とまったく同じ、「作る」と「届ける」の断層がここにもあります。
    🔍 「何が原因で要介護になるか」——統計は無くても、アンケートにはあった
    上で書いたとおり、市の行政統計としては「要介護の原因別データは不存在」でした。でもこのニーズ調査には、本人の自己申告ベースの答えが載っています:1位「高齢による衰弱」25%、2位「骨折・転倒」19%、以下、関節の病気・心臓病(各13%)、糖尿病12%。あくまでアンケートの回答割合ですが、転倒予防と足腰づくりが介護予防の本丸であることを、市民の声が示しています。
    🤝 「参加はしてもいい。でもお世話役はイヤ」
    地域の健康づくり活動に「参加者としてなら参加してもよい」は46%いるのに、企画・運営(お世話役)となると60%が「参加したくない」。町会や金沢方式(→金沢方式)を支えてきた「担い手の層」の細りが、ここにも数字で出ています。ちなみに高齢者が日常的に出かける場所の1位はショッピングセンター(52%)——公民館やサロン(10%)の5倍。まちの実態は、制度の想定と差があります。それでも幸福度を10点満点で聞くと8点以上が約半数——金沢の高齢者は、けっこう幸せに暮らしています。

    出典:金沢市「長寿安心プラン2024」第7章資料編(介護予防・日常生活圏域ニーズ調査の単純集計、市民フォーラム・Webアンケートの概要)。割合は回答者ベース。介護保険料は所得に応じた13段階制(年額19,776円〜181,884円=月あたり1,648円〜15,157円)で、低所得層には公費軽減があります。

    💪 金沢の「健康寿命」通信簿——女性は目標達成、男性はイーブン金沢市・健康政策課

    介護のお世話にならず自立して暮らせる期間=健康寿命。市の健康プラン2024が、前計画6年間の答え合わせを公表しています。

    👨
    男性の健康寿命
    79.65 → 80.37歳
    6年で+0.72歳・平均寿命の延びと同着
    👩
    女性の健康寿命
    83.51 → 84.43歳
    +0.92歳・平均寿命の延びを上回り目標達成
    「不健康な期間」
    男1.5年・女3.1年
    女性は支援が必要な期間が男性の2倍
    🎯 目標は「寿命の延び」より「健康の延び」を大きくすること
    長生きしても、最後の数年が寝たきりでは切ない——だから市の目標は「平均寿命の延びを上回る健康寿命の延び」です。2016年→2022年の答え合わせでは、女性は健康寿命+0.92歳で平均寿命の延び(+0.78歳)を上回り達成。男性は両方+0.72歳のイーブンでした。一方で気になる数字も:平均寿命と健康寿命の差=支援や介護が必要な「不健康な期間」は男性約1.5年に対し女性は約3.1年と2倍。長生きする女性ほど、人生の最終盤に長い支援期間がある——介護保険の利用者に女性が多い理由が、この2つの数字に表れています。そして課題も記載されています:特定健診ではBMI・腹囲・血糖値(HbA1c)が増加傾向=メタボは悪化方向。新しい健康プラン2024(〜2035年度)が「未病対策」をスローガンに掲げたのは、この反省からです。

    出典:金沢市「金沢健康プラン2024」本編(令和6年度策定、健康政策課。健康プラン2018の評価結果=図表2-1の2016年/2022年比較、特定健診の傾向)。健康寿命は介護保険データ等による市町村算定方式(日常生活動作が自立している期間)で、国が公表する都道府県・全国値(国民生活基礎調査方式)とは算定方法が異なるため直接比較はできません。不健康な期間は平均寿命−健康寿命で算出。

    🏥 支える仕組み——お金と、場所と、人金沢市

    介護保険介護を社会で支える中心が介護保険です。40歳以上の全員が保険料を払い、必要になったら1〜3割の自己負担でサービスを使える仕組み。市の予算でも、介護を含む民生費は最大の支出で、家計に例えれば「一番お金がかかっているのは家族の世話」です(→金沢のお金)。高齢化が進むほど、この保険料と公費は重くなっていきます。
    地域包括
    ケア
    国と市がめざすのは「地域包括ケア」——病院や施設に頼りきりにせず、住み慣れた地域で、医療・介護・生活支援を組み合わせて暮らし続けるという考え方です。その入り口が中学校区ごとの「地域包括支援センター」。介護の相談はまずここ、と覚えておくと、いざというとき迷いません(→どこに聞く?)。
    施設と
    在宅
    暮らしの場も多様です。特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設、有料老人ホーム、そして自宅での訪問介護・訪問看護。金沢方式で根づいた地域のつながり(→金沢方式)や、校下単位の見守り(→校下)も、在宅を支える隠れた土台になっています。

    🤝 1,105人の「ご近所の相談役」——民生委員金沢市

    介護保険が「制度の支え」なら、その手前で困りごとに気づく「人の支え」がいます。民生委員・児童委員——金沢市内54地区で1,105人が活動する、地域のボランティアです(担当:福祉政策課)。

    無給の
    特別職
    公務員
    民生委員は不思議な立場です。厚生労働大臣から委嘱される非常勤の特別職公務員でありながら、給料は出ません(無給のボランティア)。任期は3年で再任可、守秘義務があります。同時に児童委員も兼ね、子どもの見守りも担います。「公務員だけど無給」——公私のあいだに立つ、日本独特の仕組みです。
    200世帯
    に1人の
    目安
    市の条例は、民生委員の定数を「おおむね200世帯ごとに1人」と定めています。あなたの町にも必ず担当がいる、という設計です。誰が担当かは福祉政策課で教えてもらえます。高齢者・障害のある方・子育て世帯の相談を受け、行政や専門機関につなぐ「最初のドア」の役割です。
    100年
    続く
    仕組み
    金沢の民生委員制度の起源は、大正11年(1922年)設置の「石川県社会改良委員」までさかのぼり、令和4年(2022年)に制度創設100周年を迎えました。困っている人を地域で見つけて支える——この100年続く仕組みが、いま人口減少と高齢化のなかで担い手不足という全国共通の課題に直面しています。
    🧭 覚えておくと役立つ: 「親が急に弱ってきた」「近所の一人暮らしが心配」——そんなとき、いきなり役所より地域の民生委員に相談するのが近道なことがあります。地域包括支援センターと並ぶ、もう一つの入り口です。担い手が足りない現実もあるので、「支えられる側」だけでなく「支える側」の候補としても、この制度を知っておく価値があります。(→金沢方式

    ※出典:金沢市公式サイト(福祉政策課「民生委員・児童委員」FAQ・市内54地区1,105名)、金沢市民生委員の定数を定める条例(おおむね200世帯に1人)、金沢市社会福祉協議会(制度の起源・大正11年/100周年)、民生委員法・児童福祉法。

    👴 敬老の日に、まちは1,410万円かけている
    令和6年度の敬老の日記念事業費は1,410万5,816円。長寿のお祝いは、家庭だけでなくまちの行事でもあります。介護の大きな数字(保険給付387.6億円)の隣にある、小さくてあたたかい支出です。

    出典:金沢市「令和6年度一般会計歳入歳出決算事項別明細書」(令和7年12月定例月議会で認定)

    📗 市の計画書に書いてある「介護の設計図」——保険料は2040年に4割上がる見込み
    市の老人福祉計画・介護保険事業計画「長寿安心プラン2024」には、未来の数字が記載されています。65歳以上の介護保険料は現在基準月額6,590円——ただしこれは基金を取り崩して据え置いた額で、計画自身が2040年度には「9,300円程度」(約4割増)になると推計しています。要介護認定者は現在の約2.5万人から2040年に約2.9万人へ。高齢者のひとり暮らしは37,248世帯——市の全世帯のおよそ6軒に1軒です。一方で希望も:認知症サポーターは累計43,142人、市民の約10人に1人が講習を受けています。地域包括支援センターへの相談は年約53,000件——1日145件、誰かの「どうしたらいい?」を受け止めています。
    🔍 そして、無いことが分かった数字
    「市民が何が原因で要介護になったか(転倒・骨折、関節疾患など)」の市独自の統計は、情報公開請求の結果、存在しないことが確認されました。全国平均は国の調査で分かっても、金沢の実態は集計されていません。測っていないものは、狙って予防できない——介護予防を本気でやるなら、「まず測ること」が最初の一歩かもしれません。

    出典:金沢市「長寿安心プラン2024」第6章(高齢者人口・認定者数の推計と介護保険サービスの見込量)、金沢市への情報公開請求の回答(令和8年7月・認定理由別統計は不存在)。

    ⚠ 見えている課題——「お金」と「担い手」金沢市
    担い手
    不足
    最大の課題は、介護する人が足りないことです。介護職は責任が重い一方で待遇が追いつかず、全国的に慢性的な人手不足。金沢も例外ではありません。施設をつくっても、働く人がいなければベッドは埋められない——「箱より人」が、これからの介護のボトルネックです。バス運転士不足(→金沢の足)と同じ構造が、ここにもあります。
    特養の
    待機
    「特養に入りたくても空きがない」という待機の問題も、全国で長く語られてきました。金沢市の実際の待機者数や、施設の空き状況が今どうなっているか——これは公表情報だけでは見えにくく、市に確かめる価値のあるデータです。数字がわかって初めて、「足りているのか、足りないのか」を市民が判断できます。
    静かな
    論点
    介護は、選挙で派手に語られにくいテーマです。困っている家庭は声を上げる余裕がなく、当事者になるまで自分ごとになりにくい。でも高齢化率が3割を超える金沢では、「介護に強いまちか」が、そのまま「住み続けられるまちか」を意味します。医療の裏側(→ハコモノ)と並ぶ、静かで巨大な争点です。
    🌱 このカードの結論: 金沢の高齢化は「危機」というより「確実に来る未来」です。2040年、3人に1人が高齢者。お金(介護保険)と場所(施設・在宅)は仕組みがある。足りないのは担い手と、市民の関心。声を上げにくい人たちの問題にこそ、政治が先回りできるか——それが問われています。

    ※出典:金沢市「高齢者人口・認定者数の推計と介護保険」(介護保険事業計画・第6章)、金沢市人口ビジョン、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」。高齢化率約33.4%は2040年度の市推計値です。

    🧓 いまの金沢の高齢者——「暮らし」を数字で見る金沢市

    2040年の推計だけでなく、いま(令和6年度)の実数も、情報公開で得た決算資料から並べます。

    12.3万人
    27.8%
    65歳以上は123,388人・高齢化率27.83%。うち75歳以上だけで人口の16%(約7.1万人)。市民の4人に1人以上が高齢者、6人に1人が後期高齢者です。
    ひとり暮らし
    2万人
    市が民生委員を通じて把握しているひとり暮らし高齢者は20,097人、高齢者だけの夫婦世帯35,763人。緊急通報システム(月300円・生活保護世帯は無料)で見守っています。
    認定
    2.5万人
    要介護・要支援の認定を受けているのは25,355人(要支援7,379・要介護1が5,640…要介護5が1,769)。65歳以上の約5人に1人です。
    特養
    520人待ち
    特別養護老人ホームの入所申込は520人(44施設・回答率100%)。一方で保育所は空きが3,290人分——「器」が足りないのは、子どもではなく高齢者の側です。
    お祝いと
    お風呂
    88歳に2,391人へタオルセット・100歳に172人へお祝い金と花束(計1,410万円)。高齢者の公衆浴場入浴補助は年9,922万円(160円で入浴・年22枚・延24,535人利用)——意外と大きな「銭湯予算」です。
    配食
    25万食
    ひとり暮らし等への配食サービスは延250,107食(948人利用・年4,723万円)。安否確認も兼ねた「食べる見守り」です。認知症サポーターは累計43,142人。

    出典:金沢市「令和6年度 主要施策の成果説明書」P65-69・成果説明書 介護保険特別会計(情報公開請求で入手・当サイト転記)

    💰 介護保険の家計簿——給付387.6億円、保険料は「貯金の取り崩し」で据え置き
    令和6年度の介護保険の給付は387.6億円(居宅サービス173.3億・地域密着型86.5億・施設サービス90.1億など)。第1号被保険者の保険料収納率は99.5%と極めて高い。注目は保険料の「据え置き」の裏側——市は介護給付費準備基金という貯金を、当初29.6億円から2.6億円取り崩し、年度末残高26.9億円にして保険料の値上げを回避しました。給付が毎年伸び続ければ、この貯金は数年で薄くなる——「据え置き」は無限には続けられない、というのが数字の語る現実です。

    出典:金沢市「令和6年度 主要施策の成果説明書」介護保険費特別会計P234-235

    City Center

    金沢のまちなか

    片町に行かなくなった、あなたへ

    「昔は片町によう買い物に行ったのに、最近さっぱり」——その実感、気のせいではありません。休日の人出は、ピーク時の6割弱まで減りました。金沢の中心市街地の、過去・現在・未来の物語です。

    🕰 過去——「北陸一の繁華街」だったころ金沢市
    二大
    百貨店
    金沢のまちなかは、かつて北陸最大の繁華街でした。象徴が2つの百貨店。大和(だいわ)は1923年に片町で「宮市百貨店」として創業し、戦時中に武蔵の丸越と合併。丸越の系譜は、名鉄丸越→めいてつ・エムザ→現在の金沢エムザへと続きます。金沢の買い物といえば「大和かエムザか」、つまり片町・香林坊か、武蔵か——この2極が、まちの背骨でした。
    大和は
    「引っ越した」
    実は大和は、もともと片町にありました。1981年に決まった香林坊再開発のキーテナントとして、大和は片町から香林坊へ移転。跡地はのちに「片町きらら」として再整備されます。かつて片町の旧大和本店の屋上には遊具が並び、家族連れでにぎわいました——「屋上遊園地でソフトクリーム」の記憶を持つ世代には、まさにこの場所の物語です。
    路面電車も
    走ってた
    さらにさかのぼれば、香林坊・片町には1919年から1967年まで路面電車(市内線)が走り、人の流れを運んでいました(→消えた金沢)。電車が消え、車の時代になり、そして今——まちなかの人の流れそのものが、細くなっています。
    💴 再開発に市はいくら出した?——3事業で13.2億円市の実データ

    まちなかの市街地再開発事業への市の補助金・負担金を、当サイトが情報公開の手続きで市街地再生課から入手しました(事業別・年度別)。

    片町きらら 8.5億円片町A地区(片町きらら)へは、平成24〜28年度の5年間で計8億5,250万円。ピークは開業前の平成26年度3億5,525万円です。市街地再開発は民間の事業ですが、公共施設部分などに市の補助が入ります。
    金沢駅武蔵南 4.4億円金沢駅武蔵南地区へは平成27〜令和3年度で計4億4,482万円。片町四番組海側地区(現在進行中)へは令和2〜6年度で計1,983万円——令和6年度に1,520万円と動き出しており、これから本格化する段階です。
    3事業あわせて3事業の合計は13億1,715万円(当サイトで合算)。まちの姿が変わるとき、そこには税金の一票も入っている——事業別・年度別の金額で確かめられるようになりました。

    出典:金沢市市街地再生課「情報提供」(令和8年8月4日付。片町A地区〈片町きらら〉=H24〜H28計852,500,000円、金沢駅武蔵南地区=H27〜R3計444,817,000円、片町四番組海側地区=R2〜R6計19,829,000円。各事業の年度別内訳の合算を当サイトで検算し一致。「等」に金沢駅武蔵南地区を含む旨は同資料の注記)。

    📉 現在——数字が語る「空洞化」金沢市
    📊 人出は6割弱に: 金沢市の第4期中心市街地活性化基本計画(国認定・計画期間は令和4年度〜)の基準値によると、主要商業地の休日1日の歩行者・自転車通行量は約59,155人。市はこれをコロナ前の水準・約103,660人に戻すことを目標に掲げています。裏を返せば、いまの人出は、かつての約6割弱まで落ちているということ。「片町に行かなくなった」という実感は、市の公式データに、はっきり表れています。
    なぜ
    減った
    理由は複合的です。①郊外の大型店——白山市の「イオンモール白山」(2021年)など、車で行けて何でも揃う郊外店に客が流れた。②ネット通販の普及。③まちなかの人口減少・高齢化と、老朽化したビル。④「用事がないと行かない」求心力の低下。市自身が課題として「店舗・販売額の減少」「平日歩行者交通量の減少」「空き店舗の増加」を挙げています。
    観光客は
    いるのに
    皮肉なのは、金沢に観光客はあふれているのに(→北陸新幹線)、その賑わいが必ずしも「市民の日常の買い物」を潤していないことです。観光客は近江町市場や兼六園へ流れ、地元客はまちなかから郊外へ。「観光は好調、まちなかは苦戦」——この二重構造が、いまの金沢です。
    📱 スマホが数えた、まちなかの人出——最新の歩行者動態調査金沢市・令和7年10月

    この調査、じつは昭和53年から続く定点観測です。昔は人がカウンターでカチカチ数えていましたが、令和5年からはスマホのGPSデータ(KDDI Location Analyzer)で市内22商店街・41地点を24時間計測する方式に進化しました。最新の令和7年調査から、まちなかの「今」です。

    📈
    前年からは回復
    +8.5%
    平日通行量(41地点計62,403人)
    📉
    でも地震前には遠い
    ▲23.1%
    休日・令和5年(震災前)比
    🌙
    香林坊の平日ピーク
    21時
    駅は13時・武蔵は12時
    ⚠️ 「回復」と「未回復」が同居している
    令和6年→7年で平日+8.5%・休日+3.0%と持ち直した一方、能登半島地震前の令和5年と比べると平日▲21.4%・休日▲23.1%。41地点のうち震災前を超えたのは1割ほど(平日8地点・休日9地点)だけです。まちなかの人出は「戻りつつあるが、戻りきっていない」——これが公式データの答えです。
    🗺 「観光の駅前、地元の片町」——GPSだから分かった来街者の正体
    休日の来街者は、金沢駅エリアと武蔵エリアでは約4割が石川県外。一方香林坊・片町エリアは平日8割・休日でも7割が県内在住——つまり片町・香林坊は、観光のまちではなく今も「地元の繁華街」なんです。時間帯も個性が出ていて、駅は13時、武蔵は12時がピークで夕方以降は人が引くのに対し、香林坊の平日ピークは21時——夜のまちの顔がデータにくっきり。武蔵エリアは70代の来街が目立ち、「エムザと近江町のまち」の常連さんが見えてきます。
    🚶 休日に化ける商店街、平日に生きる商店街
    41地点中37地点で休日のほうが人が多く、なかでも竪町(砂場ビル前)は休日が平日の約2.5倍、広坂・柿木畠・香林坊など11地点で1.5倍以上。逆に石引・平和町・伏見台は平日のほうが多い「生活の商店街」です。同じ「商店街」でも、役割はぜんぜん違う——にぎわい策も一律では効かない、ということです。

    ※出典:金沢市「令和7年度歩行者動態調査報告書」(商工労働課・令和8年3月)。調査は令和7年10月の平日・休日平均、20歳以上の歩行者(自転車含む・外国人除く)をGPSから拡大推計。

    💬 まちなかに住む人・住まない人のホンネ——中心市街地アンケ金沢市・eモニター

    令和7年、市が中心市街地について市民に聞きました(回答201人)。「空洞化」の数字の裏にある、市民の実感です。

    🏘
    まちなか住民の実感
    86.6%が「住みやすい」
    「とても住みやすい」だけで61.7%
    🚗
    日頃の外出先
    郊外派 53.7%
    中心市街地派は42.8%
    🖼
    まちなかへ行く目的
    2位が文化施設 52.2%
    1位は買い物56.7%・飲食は3位
    🔑 「住めば天国、通うには遠い」——これがまちなかの正体
    住んでいる人の満足度は9割近くと圧倒的。理由は交通の便・商業・文化施設の三拍子です。なのに、住んでいない多数派の日常は郊外へ——「買い物の場所」としては郊外に負けても、図書館・美術館などの文化施設が行き先の2位(52.2%)に食い込むのがまちなかの独自の武器。魅力あるまちのキーワードを聞いても1位「歴史・伝統」55.2%・2位「文化・芸術振興」51.2%。市が掲げる「買い物から暮らしへ」の転換(→上の未来の話)を、市民の答えが後押ししています。自由記述にはオーバーツーリズムへの懸念と「観光と住民の共存を」の声がずらり——にぎわいの中身が問われています。
    🏷 おまけ:SDGsの看板、9割が知って、8割が中身を知らない
    同じ調査のSDGs編では、言葉の認知は99.0%。でも金沢市が国の「SDGs未来都市」に選定されていることは71.6%が知らず、市の行動計画「金沢ミライシナリオ」は80.1%が「知らない」。市民が金沢で重要と選んだゴールの1位は「住み続けられるまちづくり」62.2%——看板より、暮らしの中身。ここでも「作ると届けるの断層」です。

    出典:金沢市eモニター制度「金沢SDGsに関する意識調査及び中心市街地活性化に関するアンケート」(令和7年11月実施・対象250人・回答201人・回答率80.4%、企画調整課)。外出先の割合は「どちらかというと」を含む合計。

    🏗 45年がかりの設計図「集約都市形成計画」——まちの形を、ゆっくり変える金沢市・都市計画課

    人口が減る時代に、まちの形をどうするか。金沢の答えが「集約都市形成計画」(平成29年策定・令和7年9月変更)です。キーワードは「軸線強化型都市構造」。

    🎯
    まちの設計思想
    核と軸
    まちなかを核に、バス幹線路線を軸に集約
    📅
    時間軸
    2040→2060→その先
    3ステージ・約45年がかりの長期計画
    🧽
    計画が直視する未来
    「スポンジ状」
    全域で空き地・空き家が増加、と明記
    🧭 「広げない。強制しない。ゆっくり寄せる」——金沢版コンパクトシティの本音
    計画の前提として明記されています:2040年に人口3〜10%減、そして「全域でスポンジ状に空き地・空き家が増加」——空き家3.6万戸(→町家と空き家)の未来形を、市自身が計画に書き込んでいます。対する処方箋が「軸線強化型都市構造」:まちなかを核、バスの公共交通重要路線を軸に、住まいと施設を中長期的に緩やかに誘導する。強制移住ではなく、居住誘導区域の外で一定規模以上の住宅を建てるときは30日前までに市へ届出、というソフトな網です。目指すのは「量的な成長ではなく質的な成長」——人口増を諦め、暮らしの質で勝負すると宣言した計画でもあります。第3次交通戦略(→金沢の足)とは公式に「両輪」の関係。クルマ社会のまま郊外に広がり続けるか、軸に寄って歩けるまちに変わるか——45年がかりの実験が、いま進行中です。

    出典:金沢市「金沢市集約都市形成計画」(平成29年3月策定・令和7年9月変更、都市計画課。第3章「本計画が目指す将来都市像」・届出制度の解説ページより。人口減少率・スポンジ状の記述・軸線強化型都市構造・段階的変革イメージはすべて計画本文の記載)。区域図は市の「まちづくり支援情報システム」で誰でも確認できます。

    🏗 未来——「買い物のまち」から「住む・歩くまち」へ金沢市

    発想の
    転換
    市が描く未来図は、かつての「買い物でにぎわう商店街」への復帰ではありません。狙いは「歩きたくなるまちなか(ウォーカブル)」「まちなか居住」——つまり買い物客を呼び戻すより、住む人・歩く人を増やす方向へ舵を切りました。目標には「中心市街地の45歳未満人口を増やす」「自動車に頼らないまちにする」といった、“にぎわい”から“暮らし”への転換がはっきり出ています。
    身の丈
    再開発
    象徴が2016年の「片町きらら」です。これは高く大きく建てる従来型ではなく、容積率をあえて半分に落とし、広場をつくる「ダウンサイジング型・身の丈再開発」。人口が減る時代に「大きくつくって埋まらない」愚を避ける発想です。一方で2024年には「片町四番組海側地区」が再開発を都市計画決定——商業・住宅・ホテルの複合ビルで「県都の新たな顔」をめざします。縮める再開発と、攻める再開発が同時に走っているのが今の金沢です。
    問われる
    こと
    ただし課題は残ります。身の丈で縮めるのか、大型再開発で攻めるのか——方向性は本当に一つにまとまっているのか。税金を投じた再開発ビルは、埋まるのか。LRTなど新しい交通(→金沢の足)とまちづくりは連動しているのか。「誰のための、何のためのまちなかか」——ここが、これからの市政の大きな論点です。
    🌱 このカードの結論: 片町に行かなくなったのは、あなたのせいでも、店のせいでもなく、まちの構造が変わったから。金沢のまちなかは「買い物の場所」という役割を終えつつあり、「住む・歩く・過ごす場所」へ生まれ変わろうとしています。その賭けが成功するかどうかは、数字(通行量・居住人口)を市民が見つづけられるかにかかっています。

    ※出典:金沢市「中心市街地都市機能向上計画」「第4期中心市街地活性化基本計画」(国認定・計画期間は令和4年度〜。通行量59,155人は同計画の基準値、103,660人は目標値)、中心市街地活性化協議会支援センター、北陸中日新聞(大和の歴史)、日本経済新聞、金沢市市街地再開発事業の公表資料、Wikipedia(香林坊・金沢丸越百貨店)。通行量は計画掲載の現状値・目標値です。

    Kaga Vegetables

    加賀野菜と金沢の農業

    ブランドは、絶滅寸前から生まれた

    「加賀野菜」は、昔から自然にあったブランドではありません。消えかけた伝統野菜を、市が制度でよみがえらせた——1997年に生まれた、比較的新しい「発明」なのです。その物語と、いま迫る担い手の危機。

    🧅 「加賀野菜」の正体——実は1997年生まれの制度金沢市

    絶滅の
    危機から
    意外に知られていませんが、「加賀野菜」は昔からあった呼び名ではありません。戦後、大量生産できる新しい品種(F1種)が広まり、手間のかかる伝統野菜の生産農家は激減。藩政期から受け継いだ野菜たちは、絶滅の危機に瀕していました。この危機感から1990年に懇話会が始まり、1997年、「金沢市農産物ブランド協会」が発足して"加賀野菜"の定義が定められたのです。つまり加賀野菜は、消えかけた宝を守るために作られた、比較的新しいブランド戦略なのです。
    きびしい
    定義
    加賀野菜を名乗るには基準があります。「昭和20年(1945年)以前から栽培され、今も主に金沢で作られている野菜」。この条件を満たすとブランド協会が認定し、1997年に10品目、2003年までに現在の15品目が出そろいました。「金沢でとれた新しい野菜」は、どんなに美味しくても加賀野菜にはなれない——“歴史”そのものが認定の条件という、金沢らしいこだわりです。
    名乗るにも
    ルール
    さらに徹底しています。加賀野菜として流通するには、品目ごとの「生産部会」から出荷されたものでなければならないというルールまである。ブランドマークの使用も申請・許可制。「金沢産だから加賀野菜」ではなく、認定と管理を通ったものだけが名乗れる——ブランドを安売りしない仕組みが、価値を守っています(→金沢の日本一)。
    🥗 15品目の物語——名前に土地が刻まれている金沢市

    加賀野菜15品目には、金沢の地名や特徴が刻まれています。代表的なものを。

    地名が
    名前に
    打木赤皮甘栗かぼちゃ(うつぎあかがわあまぐりかぼちゃ)は金沢市打木町、二塚からしな(ふたつかからしな)は二塚町が名の由来。源助だいこん(げんすけだいこん)は、篤農家・松本佐一郎が育てた品種を「源助」という人の名から。野菜の名前が、そのまま金沢の地図であり、人の記録になっています。
    個性派
    ぞろい
    スーパーの規格野菜とは違う、「効率より個性」の顔ぶれ。全15品目をひとことずつ——
    加賀野菜——金沢の伝統野菜たち
    🍠
    さつまいも
    砂丘の畑で育つホクホク系。「五郎島金時」の名で流通する金沢の看板いも
    🪷
    加賀れんこん
    穴の中まで白く、でんぷん質で粘りが強い。すりおろす郷土料理・蓮蒸しに
    🎋
    たけのこ
    金沢の竹林で育つ春の味覚。やわらかさと香りが身上
    🥒
    加賀太きゅうり
    ずんぐり太い姿。皮をむいて煮物やあんかけに向く
    🌿
    金時草
    葉の裏が鮮やかな赤紫。ゆでるととろみが出て、酢の物の定番。読みは「きんじそう」
    🫘
    加賀つるまめ
    平たく大きなさや豆。煮ても炒めても
    🍆
    ヘタ紫なす
    ヘタまで紫の小ぶりななす。肉質が締まる
    🥔
    源助だいこん
    白くずんぐり、煮くずれしにくい。金沢おでんの主役。名は篤農家が受け継いだ「源助」から
    🌱
    金沢せり
    清らかな水で育つ。シャキシャキの歯ざわり
    🎃
    打木赤皮甘栗かぼちゃ
    鮮やかな朱色の早生かぼちゃ。肉厚でしっとりした甘み。名は打木町から
    🧅
    金沢一本太ねぎ
    白い部分が太い一本ねぎ。鍋で甘みが出る
    🥬
    二塚からしな
    ピリッと辛みの葉物。名は二塚地区から
    🥢
    赤ずいき
    赤い茎(いもの葉柄)。シャキッと酢の物に
    🌰
    くわい
    「芽が出る」縁起物としておせちに使われる
    🍃
    金沢春菊
    葉が丸くやわらかで、香りがおだやか

    出典:金沢市農産物ブランド協会「品目紹介」、金沢市公式サイト「伝統野菜」ほか。認定15品目の一覧は同協会公表による。

    🍽 食べる話はこちら: 五郎島金時の「コボコボ」、金沢おでんの源助だいこん、治部煮やかぶら寿司——食卓・郷土料理の文脈は→金沢の食にまとめています。
    💡 豆知識: 加賀野菜は、加賀藩前田家の美食文化(→前田家)と地続きです。殿さまが良い味を求めて品種を改良させた歴史が、庶民の食卓の伝統野菜として残った。金沢の食(→金沢の食)の奥行きは、こういう積み重ねでできています。
    🦀 金沢の海の幸、市民のホンネ——「地元の魚が、地元で買えない」金沢市・eモニター

    市が海の幸について市民に聞いたアンケート(回答210人・回答率84.0%はR7シリーズ最高——さすが食いしん坊のまち)。誇りと悲鳴が同居する結果になっています。

    🦀
    金沢ゆかりの魚介1位
    香箱ガニ 87.6%
    オスの加能ガニ(52.9%)を圧倒
    🐟
    魚介の購入頻度
    週1回以上 66.2%
    地元産を意識する人69.5%
    💴
    買わない理由1位
    「価格が高い」47.8%
    下処理・調理が面倒も4割
    👑 金沢のカニの王様は、メスである
    「金沢にゆかりのある魚介」で香箱ガニ87.6%が断トツ1位。立派なオスの加能ガニ(52.9%)より、安くて内子・外子の詰まったメスの香箱こそが金沢の味——自由記述にも「香箱は初冬の旬」「ソウルフード」「解禁日に買うのが我が家の恒例行事」と、暮らしに根づいた愛が並びます。市のブランド認知も金沢香箱77.6%・加能ガニ金沢75.2%と高水準で、これは珍しく「届いている」政策です。
    ⚠️ でも自由記述は悲鳴の大合唱——「観光客価格で、地元の口に入らん」
    「近江町は観光客向けにシフトして晩のおかずの魚が減った」「ニュースでブリ大漁と流れても地元スーパーに並ばない。料理屋や東京に行ってしまう」「ブランド化で高級化して、子どもの頃当たり前に食べていたものが日常で食べられない」——観光の好調が、市民の食卓から地元の魚を遠ざけているという声が大量に寄せられています。まちなかの空洞化(→金沢のまちなか)と同じ「観光と暮らしの二重構造」が、魚売り場にも現れました。「ブランド化で売るか、地元の食文化を守るか」——次の海幸計画の、いちばんの論点です。

    出典:金沢市eモニター制度「金沢の海の幸についてのアンケート」(令和7年6〜7月実施・対象250人・回答210人・回答率84.0%、農水産振興課所管の海幸金沢魅力向上計画・次期計画策定のための調査)。

    🥬 加賀野菜のリアル——「残せ」83%の民意と、誰も食べたことのない「くわい」金沢市・eモニター

    農業と森づくりプランの改訂に向けて、市が農産物について市民に聞きました(回答218人・回答率87.2%)。加賀野菜15品目の「格差」がくっきり出ています。

    🥕
    加賀野菜の認知
    86.2%
    よく食べる人も61.9%
    🏛
    存続への行政支援
    「必要」83.0%
    理由1位「食文化に大切」70.6%
    「金沢そだち」
    53.2%が「知らない」
    すいか・なし等のもう一つの認証
    🏆 同じ「加賀野菜」でも、認知は4倍差——そして「くわい」実食0.0%
    15品目の認知は加賀れんこん83.0%・五郎島金時80.3%・金時草76.6%のスター選手から、金沢一本太ねぎ20.6%・二塚からしな24.8%まで4倍の開き。よく食べる品目に至っては、くわいは回答者218人中0人——お正月の縁起物が、日常から完全に消えています。品種改良していない伝統野菜ゆえ栽培が難しく生産者が減るなか、「行政の支援が必要」83.0%は加賀野菜が「農産物」ではなく「文化財」として見られている証拠。支援策の1位は既存生産者への支援60.1%と新規育成56.9%——ここでも継承問題は、職人・工芸(→文化と伝統)と同じ構図です。有機農産物の障壁は「価格」82.6%、価格が上がれば「購入が減る」61.0%——物価高のいま、食文化を守るコストを誰が持つかが問われています。

    出典:金沢市eモニター制度「金沢産農産物についてのアンケート」(令和7年8月実施・対象250人・回答218人・回答率87.2%、金沢の農業と森づくりプラン改訂のための調査)。

    🌾 数字で見る金沢の農業と、農地を守る「委員会」金沢市

    加賀野菜のブランド物語の裏で、金沢の農業全体はどんな規模なのか。そして、その土台である「農地」を誰が守っているのか。国の農林業センサスの数字と、農業委員会の役割を見ます。

    🌾
    耕地面積
    3,360ha
    市域の約7% / 田が2,590ha
    🚜
    総農家数
    2,127
    販売1,319+自給的808
    💰
    農業産出額
    約69.6億円
    野菜29.5億>米20.9億
    米より
    野菜の
    まち
    金沢の農業産出額は約69.6億円。内訳が意外です——野菜が29.5億円で、米の20.9億円を上回るのが金沢の特徴。加賀野菜をはじめとする園芸が、稲作より稼いでいます。作付ではすいか136ha、だいこん67haが目立ち、果実(ぶどう・うめ等)や花きも一定規模。「兼業の稲作地帯」というより、多品目の都市近郊農業が金沢の実像です。(数値は国のセンサス・産出額推計)
    農地の
    門番=
    農業
    委員会
    その農地を守るのが農業委員会です。田畑を売買・賃貸するには、宅地と違って農業委員会の許可や届出が必要——誰でも自由に農地を潰せない仕組みです。農地を農地以外に変える「農地転用」も、市街化区域なら農業委員会への届出、区域外なら県知事の許可が要ります。食料生産の基盤である農地を、虫食い的な開発から守る「門番」の役割です。
    所有
    から
    利用へ
    農業委員会のもう一つの顔が担い手対策です。平成21年(2009年)の農地法改正で、農政は「所有から利用へ」と大転換——農地を持っていなくても借りて農業ができるようになりました。金沢市も「農地バンク」で貸したい農地と借りたい担い手をマッチング。委員には従来の農業委員に加え、現場を回る「農地利用最適化推進委員」も置かれています。担い手不足(→上のeモニター)への、制度側の答えです。
    🧭 つながる話: 金沢は市域の6割が森、農地は約7%(→まるごとデータ)。限られた農地をどう守り、誰が耕すか——農業委員会の地味な許認可は、加賀野菜という「文化」を支える土台の土台です。漁業も金沢港でえび類541t・にぎす類312t(県内漁獲の一角)が水揚げされ、(→金沢の食)の豊かさにつながっています。

    ※出典:農林水産省「わがマチ・わがムラ(市町村別農林水産業データ)」金沢市(耕地面積は令和6年面積調査、農家数・経営体・作付は2020年農林業センサス、農業産出額は令和5年市町村別推計、漁獲量は平成30年海面漁業生産統計)、金沢市公式サイト(農業委員会事務局「農地転用」「農地バンク」「農地利用最適化推進委員」)、農地法(平成21年改正・所有から利用へ)。

    ⚠ 担い手の危機——ブランドを守る「人」がいない金沢市
    📉 実データで見る危機と希望——農家1戸だけの野菜がある市の実データ
    高齢化
    という壁
    ブランド化で価値は守られましたが、作る人の高齢化と後継者不足という最大の壁が残っています。加賀野菜は手間がかかり、栽培に熟練を要するものも多い。篤農家(とくのうか)の技術を、次の世代に受け継げるかどうか——ブランドの認定制度だけでは、畑に立つ人はつくれません。介護(→介護と高齢化)やバス運転士(→金沢の足)と同じ、「担い手不足」が金沢の各所で顔を出します。
    市の
    打ち手
    市も手を打っています。種子の保存栽培マニュアルの作成、農業大学校での担い手育成、新規就農者への支援。「種を絶やさない」「技術を残す」ことは、味の問題であると同時に、金沢の食文化そのものを次代へ渡せるかという問題です。
    まちなかと
    つながる
    加賀野菜は、農業だけの話ではありません。まちなかの飲食店や近江町市場で使われ、金沢のブランド価値を支え、観光の魅力にもなっている(→金沢のまちなか)。畑が消えれば、まちの個性も一つ消える。農業は郊外の話に見えて、実は金沢全体の魅力に直結しています。

    上の「危機」を、数字で確かめます。当サイトが情報公開の手続きで農業水産振興課から提供を受けた「金沢産農産物ブランド戦略2030」(令和8年2月策定)の実データと、新規就農者の3年分です。

    10年で農家3割減加賀野菜の農家は平成26年度466戸→令和6年度312戸(33%減)。栽培面積は303ha→268ha、出荷量は4,379t→3,792t。市全体の農家(約2,100戸・令和2年度)のうち、加賀野菜を作るのは約14%です。
    ヘタ紫なす、残り1戸15品目のうち10品目が農家10戸以下。ヘタ紫なすはついに1戸、金沢せり3戸、金時草6戸(認定当初は30戸)。出荷量が認定当初の半分以下になった品目は6つあります。ブランドで守っても、畑に立つ人は減り続けています。
    消えかけた野菜ほど、高い金時草の単価は457円→1,962円/kg(4.3倍)、加賀つるまめ1,920円(7.1倍)、金沢せりは3,460円。希少になるほど値が上がる——市場の正直な反応です。加賀野菜全体の平均単価343円も、市場の類似品目(325円)や主要都市(293円)より高く、ブランドは価格面では機能しています
    増えた品目もある全部が縮んでいるわけではありません。源助だいこんは出荷量が約10倍(21t→220t・農家12→20戸)、金沢春菊は農家1→8戸、打木赤皮甘栗かぼちゃ・金沢一本太ねぎも2倍超。半減6品目と倍増4品目——15品目の中で明暗がくっきり分かれています。
    担い手には希望の数字新規就農者は令和5年度16人→6年度15人→7年度21人。平成28年度からの累積は208人となり、10年で200人という市の目標を達成しました。育成拠点の金沢農業大学校は、修了生の就農率87.9%・3年後の定着率81%——入口は細くても、定着率は高い学校です。

    出典:金沢市「金沢産農産物ブランド戦略2030」(令和8年2月策定・P36〜43。農家戸数H26 466戸→R6 312戸、栽培面積303ha→268ha、出荷量4,379t→3,792t、販売単価343円/kg・市卸売市場類似品目325円・主要都市293円、品目別の農家数・面積・出荷量・単価の一覧。全文は市公式サイトで公開)、金沢市農林業振興協議会資料(新規就農者数R5=16人〈農業大学校5・法人4・独立親元7〉・R6=15人〈8・2・5〉・R7=21人〈10・8・3〉、H28〜R7累積208人・目標200人/10年、農業大学校修了生の就農率87.9%・3年後定着率81.0%〈1〜14期生〉)。いずれも農業水産振興課からの情報提供(2026年8月受領)・減少率と累積の連鎖は当サイトで検算し一致。農業従事者の年齢構成は、市の公開はR2農林業センサスが最新で、R7センサスは石川県の統計サイト(Excel)に掲載。

    💰 守るお金の内訳——種の保存は年40万円市の実データ

    では、市は加賀野菜に年いくら使っているのか。決算の「主要施策の成果説明書」から、加賀野菜関連の事業費3年分(令和4〜6年度)です。

    いちばん大きいのは機械生産基盤の強化(JA部会への機械・ハウス導入補助)が年2,548万〜3,396万円で最大。中身の多くは五郎島さつまいも部会のいも掘り機支援(令和6年度2,186万円)——強い品目の生産力に、いちばん厚くお金が入っています。
    希少品目には1桁小さく危機にある希少品目への生産振興は年26万〜348万円。令和5年度から新規生産者育成のモデル対策(15万→30万円・二塚からしな、赤ずいき)が始まり、6年度は金沢せりのパイプハウス導入(348万円)も——金額は小さいながら、希少側への手当てが動き出しています
    急増しているのは「市外の畑」内灘町へ出耕作する市内生産者への基盤整備助成が、55万→878万→1,566万円と3年で急増。すいか・だいこん・さつまいもの畑は、すでに市境を越えて広がっています(→金沢は何を目指してる?の圏域の話)。
    種の保存は年40万円「種を絶やさない」ための優良種苗の収集・保存・供給(メリクロン苗)の事業費は、令和4年度162万円→5年度38万円→6年度40万円。ブランドPRの309万〜350万円と並べて、この数字をどう見るか——判断は読者に委ねます。

    出典:金沢市「主要施策の成果説明書」令和4・5・6年度版の抜粋(農業水産振興課からの情報提供・2026年8月受領。加賀野菜産地生産基盤強化事業=R4 33,959千円・R5 25,476千円・R6 30,943千円〈各年度の部会別内訳の合算を当サイトで検算し一致。年度により掲載主体が異なるため、参考再掲値とは構成が異なる〉、加賀野菜産地活性化推進事業=各年度1,200千円、希少品目生産振興事業=R4 1,254千円・R5 261千円・R6 3,475千円、希少品目生産振興モデル対策事業=R5 150千円・R6 300千円、重点品目振興対策事業費=R4 549千円・R5 8,780千円・R6 15,660千円、加賀野菜ブランド力向上事業=R4 3,500千円・R5 3,093千円、加賀野菜優良種苗保存供給事業=R4 1,619千円・R5 376千円・R6 403千円。該当事業のマーカーは市による)。

    🌱 このカードの結論: 加賀野菜は「昔からある伝統」ではなく、絶滅寸前から市民と行政が制度で守り抜いた成果です。ブランドという“守り”は完成した。次の課題は、その野菜を実際に育てる「人」をどう確保するか。畑の担い手は、金沢の食文化の担い手でもあります。

    ※出典:金沢市公式サイト(伝統野菜)、金沢市農産物ブランド協会、環境省「つなげよう、支えよう森里川海」事例集(加賀野菜)。品目・年次は各公表資料に基づきます。

    🌾 金沢の農業を「支える金」——担い手・獣害・伝統野菜金沢市
    🐗 クマ・イノシシとの戦いに、年7,386万円
    令和6年度の鳥獣害防止対策費は7,385万7,945円。市街地へのクマ出没がニュースになる裏で、電気柵・捕獲・パトロールなど、まちは年7千万円規模で田畑と暮らしを守っています。加賀野菜が食卓に届くまでの、見えない防衛費です。

    出典:金沢市「令和6年度一般会計歳入歳出決算事項別明細書」(令和7年12月定例月議会で認定)

    🌸 金沢を通る花は年1,412万本。1本あたり67円
    西念の中央卸売市場の隣に、全国でも珍しい市営の花き市場があります(昭和62年開場)。令和6年度にここを通った花は切花1,304万本・鉢物31.7万鉢など計1,412万本鉢——市民1人あたり年32本の計算です。卸値の平均は切花1本67円35銭。お花屋さんの店先に並ぶ前の、花の「原価」の世界です。ちなみにこの市場、常勤職員2人で回っていて、開場37年目の令和6年度に経常収支比率が初めて100%を割りました(96.12%)。施設の減価償却も88%済み——小さな市場にも、まちのインフラと同じ「老い」が来ています。

    出典:金沢市公設花き地方卸売市場事業報告書・同決算書(令和6年度、令和7年12月定例月議会で認定)

    情報公開で得た決算資料から、金沢の農業の「いま」を数字で見ます。

    米農家
    4,331戸
    金沢で米を作る農家は4,331戸、生産調整の確定面積1,816ha。新しく農業を始める人への支援(新規就農者経営発展)に3,328万円——うち夫婦での就農も1組いました。担い手を育てる金沢農業大学校も運営しています。
    獣害
    7,400万円
    イノシシ・サル対策に年7,400万円(イノシシ3,668万・地域連携3,337万・サル352万)。捕獲や電気柵で農作物を守る——「山と里の境目」の攻防も、税金で戦われています。
    加賀野菜
    ブランド
    加賀野菜の産地基盤整備に3,094万円、高温化対策の実証園(加賀太きゅうり)に100万円。首都圏の日本料理店「大志満」3店舗で特別メニューを提供する販路支援も。ブランドは「守る」だけでなく「攻める」ものです。
    工芸の
    後継者
    (農業ではありませんが同じ「担い手」の話)——伝統工芸の後継者育成で、市が奨励金を出している対象は加賀竿1人・金沢和傘1人を含めて計十数人。「工芸のまち」の継承の最前線は、個人名で数えられる規模です。

    出典:金沢市「令和6年度 主要施策の成果説明書」P112-127・P141・P161(情報公開請求で入手・当サイト転記)

    Healthcare Cost

    医療費のしくみ

    保険料は、どこへ行くのか

    毎月払う保険料。その先で医療費がどう動き、どこに「適正化」の論点があり、金沢市が何をしているのか——事実だけを、出典つきで整理します。評価や賛否は書きません。判断は、読む人にゆだねます。

    🏥 基本のしくみ——お金は「3つの財布」から出る日本の制度
    誰が
    払うか
    病院でかかる医療費は、①患者の窓口負担(原則1〜3割)②保険料(加入者みんなで出し合う)③公費(税金)の3つで支えられています。窓口で払うのは一部で、残りは保険と税金。だから「自分は病院にあまり行かない」人も、保険料と税金を通じて医療費全体を支えている——これが公的医療保険の基本構造です(→1人あたりいくら)。
    3つの
    保険
    加入する保険は年齢や働き方で分かれます。会社員は健康保険、自営業や無職の方などは国民健康保険(国保)、75歳以上は後期高齢者医療制度。このうち国保と後期高齢者医療は、市区町村が深く関わる公的保険です。金沢市も国保の運営主体(保険者)の一つで、保険料の決定や給付を担っています。
    生活保護
    の場合
    生活保護を受けている方の医療は、「医療扶助」という別の仕組みで支えられ、費用は公費(税金)でまかなわれ、窓口負担は原則ありません。これは憲法が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を守るための制度です。この「窓口負担がない」という設計が、あとで述べる適正化の論点にも関わってきます。
    📋 生活保護って、金沢に何世帯?いくら?——ぜんぶ数字で金沢市

    「なんとなく知ってる」けど、実数を見たことはない——そんな制度の代表格です。金沢市の令和6年度の実績を、情報公開で得た決算資料から並べます。

    3,721
    世帯
    金沢市で生活保護を受けているのは3,721世帯・4,196人(令和6年度末)。保護率は9.23‰——市民1,000人あたり約9人、およそ109人に1人です。前年の3,700世帯からほぼ横ばい。
    76.9
    億円
    1年間の扶助費は合計76.9億円。市の一般会計(2,101億円)の約3.7%にあたります。※令和5年度(市統計書ベース・下の節)も約76.9億円で、2年連続ほぼ同水準です。その内訳がまた驚きます——次を見てください。
    医療が
    56%
    扶助費76.9億円のうち、いちばん大きいのは医療扶助43.1億円=56%。次いで生活費(生活扶助)20.2億円・家賃(住宅扶助)11.1億円・介護1.8億円・教育0.11億円・出産37.5万円(2件)・葬祭0.28億円(119件)。
    扶助費
    76.9億円
    医療扶助(56.0%)
    生活扶助(26.3%)
    住宅扶助(14.4%)
    介護扶助(2.3%)
    教育・出産・葬祭ほか(1.0%)
    令和6年度決算。割合は各扶助費÷76.9億円で当サイト算出(端数は丸めで100%に調整)。
    「生活保護=生活費」のイメージですが、実際は半分以上が医療費です。
    入る人
    出る人
    1年間の申請は474件、保護が始まった世帯439・終わった世帯431。入りと出がほぼ同数で、全体はゆっくり動く「静かな池」のような状態です。
    見舞金
    という制度
    保護費とは別に、市独自の「法外援護」があります。夏と歳末の見舞金が計6,089件(夏季438件・歳末5,651件)、総額2,329万円。制度の外側にも、こうした支えがあります。
    施設で
    暮らす人
    住まいが確保できない方のための救護施設には117人が入所(三谷の里ときわ苑69・三陽ホーム45・七尾更生園3)、措置費2.86億円。「保護=在宅」だけではありません。
    🔎 医療扶助「43億円」の中身も分かりました: この医療費に対する市の「適正化(重複投薬・多剤・頻回受診のチェック)」の実像は、3年間で対象204人・実際に指導したのは延べ3人。詳しくは同じカードの「🏛 金沢市の取り組み」タブに載せています。数字は「不正はほぼ無い」証明とも「チェックが形式的」の指摘とも読めます——判断はあなたに委ねます。

    出典:金沢市「令和6年度 主要施策の成果説明書」P84-85(情報公開請求で入手・当サイト転記)

    ♿ 障害のある人への支援——金沢の実数とお金金沢市

    障害福祉も、ふだん数字を見る機会がありません。情報公開で得た決算資料から並べます。

    手帳
    2.4万人
    障害者手帳を持つ人は——身体14,414人・療育(知的)3,558人・精神保健福祉5,587人。3手帳とも合わせると2万人超。特に精神の手帳は毎年増えています(前年比+167人)。
    サービス
    104.6億円
    障害福祉サービス費は年104.6億円(前年比+8.1%)。内訳では就労継続支援29.0億円(2,068人)が最大、次いでグループホーム13.0億円(680人)、生活介護28.5億円(972人)。「働く」を支える予算が伸びています。
    医療費
    17億円
    心身障害者医療費助成は年約17億円(65歳未満674,677千円+65歳以上1,020,476千円)。さらに人工透析などの自立支援医療は6.2億円で、その94%(5.8億円)が血液透析——腎臓病治療がいかに費用のかかる医療か、数字が示しています。
    放課後デイ
    18.6億円
    障害のある子の放課後等デイサービスは年18.6億円(延22,799人・176,202日)、児童発達支援3.2億円。障害児支援は「子どもの世界」でも大きな柱になっています。
    移動を
    支える
    外出が難しい人へのガイドヘルパー派遣(移動支援)1.7億円、福祉タクシー助成3,399万円(3,504人・48,808枚)、車いす利用者を運ぶメルシーキャブ(3台・802回)。「出かける自由」も税金が下支えしています。

    出典:金沢市「令和6年度 主要施策の成果説明書」P54-63(情報公開請求で入手・当サイト転記)

    👶 生まれる前後の支援——そして「出生減」が数字に出た金沢市
    妊娠から
    伴走
    妊産婦への伴走型支援は年2.75億円。妊婦健診(延33,917回)、産婦健診、新生児聴覚検査2,419件、赤ちゃん訪問2,588件——生まれる前から、市が細かく手を差し伸べています。
    出生減が
    見えた
    その伴走型給付の対象が、前年4,963人→今年2,871人(出産分)へ急減。国民健康保険の出産育児一時金も175件→148件に。別々の帳簿で、同時に「生まれる数の減少」が確認できます。これは金沢の未来を左右する最重要データです。
    不妊治療も
    支える
    不妊治療の助成は621件・3,012万円(先進医療248件・その他373件)、プレ妊活健診249件。「産みたい」を医療面から後押しする予算も、確かにあります。
    医療的ケア児
    を受け入れ
    日常的にたんの吸引などが必要な「医療的ケア児」を、保育所で本格的に受け入れ開始。看護師配置に係る経費を補助(5施設)。どんな体でも、地域で育つ——その仕組みづくりが進んでいます。

    出典:金沢市「令和6年度 主要施策の成果説明書」P89-90・母子保健/国民健康保険特別会計(情報公開請求で入手・当サイト転記)

    🔍 適正化の論点——「制度の穴」として指摘されていること

    医療費の「適正化」をめぐり、国の機関や報道で論点として挙がっている事柄を、賛否を交えず事実として並べます。いずれも制度の設計に関する議論であり、利用者個人を非難するものではありません

    生活保護と
    処方
    医療扶助は窓口負担がないため、患者・医療機関の双方にモラルハザードが生じうると参議院の調査資料で指摘されています。厚生労働省の研究では、生活保護受給者の向精神薬の多剤処方の割合が健保加入者より高いという調査結果があり、複数医療機関の受診(頻回受診)や向精神薬の重複処方が適正化の対象として挙げられています。
    訪問看護と
    施設
    訪問看護ステーションを併設した住宅型有料老人ホーム等で、訪問回数や診療報酬のあり方が論点となっています。厚生労働省が2025年に実態調査に着手し、2026年度の診療報酬改定で、短時間の訪問の扱いや頻回訪問の評価が見直されることが決まりました。これは国が制度側で対応を進めている事例です。
    柔道整復
    (整骨院)
    整骨院・接骨院で健康保険が使えるのは、骨折・脱臼・打撲・捻挫といった急性のケガに限られます。会計検査院は、慢性的な症状が急性のケガとして請求されている例があると指摘し、平成21年に厚生労働省へ改善を求めています。療養費の適正化は、国が継続して取り組む課題とされています。
    終末期
    医療
    終末期の延命治療については、内閣府の調査で高齢者の多くが「延命だけの医療は望まない」と回答しています。一方で、「終末期医療が国全体の医療費を大きく押し上げている」という見方に対しては、複数の医療経済学者が「データ上は裏づけられない」と反論しており、専門家の間でも見解が分かれています。ここは事実として「議論が定まっていない」領域です。
    🧭 読むときの注意: これらはすべて「制度設計の論点」であり、生活保護を受けている方や、治療を必要とする方を非難する趣旨ではありません。多くは国(診療報酬・生活保護の基準)が決める仕組みで、市が単独で変えられる範囲は限られます。事実の紹介にとどめ、評価は読む人にゆだねます。
    🏛 金沢市の取り組み——市の権限でできること金沢市
    📊 で、金沢の実データはこうなっている市の実データ
    データ
    ヘルス
    計画
    金沢市は「第3期金沢市保健事業実施計画(データヘルス計画)」を策定しています。レセプト(診療報酬明細)や健診データを分析し、糖尿病などの生活習慣病の重症化予防にターゲットを絞って保健事業を行う計画です。「病気になってから治す」だけでなく「なる前に防ぐ」ことで、結果的に医療費をおさえる狙いがあります。
    ジェネ
    リック
    通知
    金沢市は、先発医薬品をジェネリック医薬品(後発薬)に切り替えた場合いくら安くなるかを試算した通知ハガキを対象者に郵送しています。希望シールの配布も実施。薬代の自己負担と、保険全体の支出の両方をおさえる、市の具体的な取り組みの一つです。
    医療扶助
    審議会
    生活保護については、金沢市は「金沢市医療扶助審議会」を条例で設置し、医療扶助が適正に行われているかを審議する仕組みを持っています。また、市内に所在する医療機関を生活保護の指定医療機関として指定するのは金沢市長の権限です。国保・医療扶助ともに、市はレセプト点検を通じて請求内容を確認しています。
    見にいく
    には
    医療費の実額(金沢市の国保・後期高齢者医療の総額や1人あたり額)、生活習慣病の割合、適正化事業の効果などは、市の「データヘルス計画」や各種統計で公表されています。より詳しい内訳は情報開示請求でも確認できます。数字を自分の目で確かめることが、この分野の第一歩です(→公文書ツアー)。

    当サイトが情報公開の手続きで保険年金課から提供を受けた実データです(国民健康保険=自営業・退職後74歳までの人などが入る保険。75歳からは県単位の後期高齢者医療へ)。

    総額は329億円金沢の国保の療養給付等費用額は、令和2年度350億円→令和6年度329億円(前年比94.7%)。4年で21億円減りました。ただし被保険者も85,052人→73,667人と13.4%減。1人あたりは41.2万円→44.7万円へ増です(令和5年度45.2万円がピーク・6年度は微減)。
    使い手の重心令和6年度の診療分では、70〜74歳が被保険者の25.1%で診療費の37.8%を使っています。60歳以上でみると人数の50.6%が、診療費の70.1%。医療費の議論が高齢層の話と切り離せない理由が、数字でわかります。
    60歳以上(令和6年度診療分)
    人数
    50.6%
    診療費
    70.1%
    70〜74歳(同)
    人数
    25.1%
    診療費
    37.8%
    上=被保険者に占める割合/下=診療費に占める割合(金沢の国保・保険年金課提供データ)
    達成している目標上のジェネリック通知は令和7年度に計6,481通を発送、通知時点の切替率は88.7%→90.3%と上昇。後発医薬品の使用割合は90.5%(令和7年)で、計画目標86.8%を先行達成しています。糖尿病性腎症による新規透析導入も45人(令和6年度)まで減り、目標達成です。
    大きく未達の目標一方、特定健診の受診率41.6%・特定保健指導の実施率31.0%(令和7年実績)は、目標60%に遠く届いていません。「なる前に防ぐ」計画の入口である健診に、6割の目標へ2〜3割の開きがある——ここがデータヘルス計画の最大の宿題です。
    正直な注記重症化予防の受診勧奨通知は令和7年度510通。市の資料には「受診勧奨による将来の医療費の変動の把握は難しい」と明記されています。効果を測りきれない事業がある——それを資料に正直に書いてあること自体、評価できる点です。

    出典:金沢市保険年金課「金沢の国保」(令和7年度版・令和6年度実績。療養給付等費用額R2=350億2,904万円→R6=328億9,568万円、年間平均被保険者85,052人→73,667人、1人あたり療養給付費411,854円→446,546円、年齢階層別の被保険者・診療費構成)、「『データヘルス計画』に基づく医療費適正化事業 実績」(ジェネリック差額通知R7年度2,551+2,153+1,777=6,481通・切替率88.7〜90.3%、重複投与者150通・多剤投与者102通、重症化予防510通)、「第3期データヘルス計画 目標値管理一覧」(令和8年1月国民健康保険運営協議会資料。特定健診受診率R7実績41.6%・特定保健指導実施率31.0%・目標各60%、後発医薬品使用割合R7実績90.5%・目標86.8%、新規透析導入R6実績45人)。いずれも2026年8月受領の情報提供資料・構成比等の合算は当サイトで検算。

    🚶 「なる前に防ぐ」の新兵器——健康ポイントアプリの通信簿市の実データ

    スマホアプリで歩数などを記録するとポイントが貯まる「健康ポイントアプリ事業」。令和6年10月に始まった新しい施策の、最初の2年分の実データを健康政策課から提供を受けました。

    お金と人数決算は令和6年度659.8万円(半年分・予算900万円)→令和7年度979.3万円(予算996.3万円・執行率98.3%)。アプリ登録者は1,894人→3,798人(累計)。令和7年度は登録者1人あたり年約2,578円の計算です(当サイトで計算)。
    委託先は1年で交代初年度の委託先(株)グッピーズから、令和7年度は(株)FiNK Technologiesへ事業継承。契約金額(決算)は572.4万円→686.3万円です。ウォーキングイベントは令和6年度0回→令和7年度2回・692人
    教室は財団が担当「公民館等での運動教室」などの健康増進事業は、(公財)金沢健康福祉財団への委託です。財団の報告では、健康増進・介護予防教室等の参加者は10,498人→13,147人→16,257人(令和4〜6年度)と5割増。費用は年4,400万〜4,700万円です。
    まだ分からないこと「アプリ参加者と非参加者で医療費に差が出たか」の比較分析は、今回の回答に含まれていません。特定健診の受診率41.6%(上の節・目標60%)を動かせるか——登録3,798人という規模がこれからどう育つかが、この事業の見どころです。

    出典:金沢市健康政策課「情報提供」(2026年8月受領。健康ポイントアプリ事業=令和6年10月開始、R6予算9,000千円・決算6,598千円、R7予算9,963千円・決算9,793千円、アプリ登録者数R6 1,894人・R7 3,798人〈累計〉、委託先R6(株)グッピーズ5,723,894円・R7(株)FiNK Technologies 6,862,680円〈事業継承〉、ウォーキングイベントR6 0回・R7 2回692人、広報費等147,290円/75,350円)、(公財)金沢健康福祉財団「法人の経営状況の報告」(議会報告・令和4〜6年度決算。健康増進事業費43,571→46,667→47,053千円、健康増進・介護予防教室等の参加者10,498→13,147→16,257人。財団全体の事業費+管理費=945,840→889,956→913,589千円は当サイトで合算検算し一致)。1人あたり額・執行率は当サイトの計算。

    🌱 このカードのまとめ(事実の要約): 医療費は「窓口負担・保険料・税金」で支えられ、その適正化にはいくつかの論点が国レベルで指摘されている。多くは国が決める仕組みだが、金沢市もデータヘルス計画・ジェネリック通知・医療扶助審議会・レセプト点検という手段を持っている。——このカードは事実の整理であり、特定の立場を推奨するものではありません。

    ※出典:金沢市公式サイト(国民健康保険・後期高齢者医療制度・保健事業実施計画・生活保護)、金沢市医療扶助審議会条例、厚生労働省(診療報酬改定・生活保護の医療扶助)、会計検査院報告、参議院調査室資料、内閣府「高齢者の健康に関する意識調査」。専門家の見解が分かれる事項はその旨を明記しています。数値・制度は各公表時点のものです。

    🛟 金沢の生活保護、数字の全貌——市統計書の一次データ金沢市

    上で「医療扶助」の制度論を紹介しました。では金沢の実数はどうなっているのか。金沢市統計書(令和6年度版)の「生活保護 総括表・生活保護費」(資料:生活支援課)から、平成26〜令和5年度の10年分を整理します。

    受給世帯(月平均・R5年度)
    約3,695世帯
    人員は約4,181人
    市民に占める割合(R5)
    109人に1人
    4,181人÷人口457,312人=9.1‰
    保護費(R5年度決算)
    76.9億円
    うち医療扶助52.8%
    世帯は
    増、人は
    横ばい
    月平均でみると、受給世帯はコロナ前後の令和2年度の約3,529世帯を底に、令和5年度は約3,695世帯へ増加。一方、人員はピークの平成28年度・約4,406人から令和3年度・約4,061人まで減り、その後約4,181人へ。1世帯あたり人員は10年で1.21人→1.13人に低下——「世帯は増えて人は増えない」の答えは、単身受給の増加です。
    保護費の
    半分超は
    病院代
    令和5年度の保護費7,688,630千円の内訳は、医療扶助が4,056,939千円で52.8%。生活費そのもの(生活扶助)は26.5%、家賃(住宅扶助)は14.4%です。「生活保護費」と聞いて想像される生活費より、医療費の方がずっと大きい——これが上の「医療扶助の適正化」が制度論として重い理由です。なお内訳11項目の合計は総額と千円単位まで完全に一致(検算済み)。
    高齢化の
    指紋
    扶助別の10年の動きに、受給者の高齢化がくっきり刻まれています。介護扶助の延べ人員は8,639→12,296で+42.3%。逆に子どものいる世帯が使う教育扶助は延べ2,185→1,097でほぼ半減(▲49.8%)、出産扶助は令和5年度で年3件。生活保護の風景は、この10年で「高齢の単身者を支える制度」へ大きく傾きました
    総額は
    ピーク比
    ▲9%
    保護費の総額は平成28年度の84.6億円がピークで、令和3年度の73.1億円まで減少、令和5年度は76.9億円(ピーク比▲9.2%)。令和5年度の増加分の主因は医療扶助の+3.0億円です。予算側では令和6年度当初で扶助費79.7億円が計上されており(→金沢のお金)、決算とほぼ整合します。
    🧭 読むときの注意: ここにあるのは市統計書の実数と、そこから計算できる割合だけです。受給の増減を「良い・悪い」で語ることはしません。109人に1人という数字は、憲法25条のセーフティネットが金沢でどれだけ使われているかの体温計であり、制度の議論(基準・医療扶助のあり方)はほぼ国の権限です。市の役割は適正な運営——その仕組みは上の「医療扶助審議会」の節をどうぞ。

    ※出典:金沢市統計書 令和6年度版「12-14 生活保護 総括表」「12-15 生活保護 生活保護費」(資料:生活支援課)。世帯数・人員は延数のため12で割った月平均で表記(例:令和5年度 延44,336世帯÷12≒3,695世帯。月末値3,677〜3,714世帯と整合・検算済み)。割合は人口457,312人(令和6年1月1日・市推計人口)で当サイトが算出。

    🎗 あなたの検診と予防接種、まちが払っています
    がん検診の費用、令和6年度の実額は——肺がん1億1,621万円、大腸がん6,590万円、乳がん3,256万円、前立腺がん1,494万円、骨粗しょう症・緑内障・聴力・肝炎ウイルスまで含めると検診シリーズ合計 約2.6億円。無料やワンコインで受けられるのは、市が裏で払っているからです。さらに予防接種費は20億6,607万円——子どもの定期接種から高齢者のものまで。「受けるだけ得」というより、受けないと、まちが用意したお金が使われないままになります。

    出典:金沢市「令和6年度一般会計歳入歳出決算事項別明細書」(令和7年12月定例月議会で認定)

    🏥 市立病院のリアル——税金11.3億円を入れて、なお4億円の赤字
    令和6年度の決算:純損失 約3.99億円
    金沢市立病院(平和町・311床)の令和6年度は、収益56.6億円に対し費用60.6億円で約3.99億円の純損失。しかもこの収益には一般会計=税金からの繰入金11.3億円が既に含まれています。実は令和4年度は4.2億円の黒字でした——コロナ関連補助金12.9億円があったから。補助金がほぼゼロになった令和5年度から、赤字が露出した構造です。
    でも「無駄」と呼ぶ前に——これは"儲からない仕事"の塊です
    令和6年度、市立病院は救急車2,198台を受け入れ、石川中央医療圏で結核・2類感染症に対応する指定病院を担い、災害拠点病院としてDMAT(災害派遣医療チーム)を持ち、能登半島地震後は消防と合同訓練も実施。民間病院が担いにくい「政策的医療」を引き受けるのが公立病院の役割で、赤字の一部はその値段です。現場も止まってはいません——病床利用率は73.1%(+7.3ポイント)、延べ入院患者は前年比10.8%増。一方で病院自身が「給与費率68.8%を今後10%以上削減する必要がある」と報告書に明記しており、経営改善は待ったなしです。
    🏗 そして次の大型事業:病院の移転・建て替えが進行中
    築30年超の老朽化を受け、平和町公園を候補地とする移転整備の「再整備基本計画」を令和6年度に策定。スタジアム、歌劇座に続く次の大型公共事業がこれです。報告書は「新病院再整備を踏まえた収支改善を迅速に行う必要がある」と自ら書いています——つまり、建て替えの前提は経営の立て直し。ここは今後の市政の大きな注目点です。ちなみに小ネタ:姉妹都市ナンシー(フランス)の大学病院と、研修医を相互派遣しています。
    📗 決算書本編でさらに見えた「市立病院の1日」
    令和6年度の実数を1日に直すと——外来351人、入院200人。19の診療科がこれを毎日受け止めています。病床利用率73.1%は直近5年でいちばん高い数字(70.5→68.8→61.4→65.8→73.1%)で、現場は明確に回復基調。そして決算書には胸を打つ1行がありました:感染症病床6床、令和6年度の患者数0人——使われないことが仕事のベッドです。空いていることに、税金で備える価値がある。ほかに病児保育事業(1,742万円)も病院が担い、借金(企業債残高)は24.4億円・年間利息848万円と、下水道(1,036億円)に比べれば身軽です。純損失3.99億円は、評価報告書・概況・収益費用明細の3ルートで一致を確認済み。

    出典:金沢市立病院「経営強化プラン点検・評価報告書(令和6年度実績)」(令和7年11月)、金沢市立病院再整備基本計画(令和6年度策定)、金沢市病院事業会計決算書(令和6年度)。

    🩺 生活保護の医療扶助——「43億円」と「3人」金沢市

    当サイトの開示請求で、金沢市の生活保護と医療の実像がそろいました。令和6年度の数字です。

    半分以上が
    医療費
    生活保護の扶助費76.9億円のうち、医療扶助は43.1億円=56%。対象は3,721世帯・4,196人(保護率9.23‰=市民1,000人あたり約9人)。医療費は窓口負担がなく、市が医療機関へ直接支払う「現物給付」です。
    お金の
    内訳
    医療43.1億円のほかは、生活費20.2億円・家賃(住宅扶助)11.1億円・介護1.8億円など。年間の申請は474件、開始439件・廃止431件——出入りはほぼ同数で、世帯数は横ばい圏です。
    「適正化」
    の実像
    重複投薬・多剤投与・頻回受診のチェックで、市が3年間に把握したのは延べ204人。嘱託医・薬剤師との協議でほとんどが「適切」と判定され、実際に指導したのは延べ3人(3人とも改善)でした。
    見張りの
    しくみ
    医療扶助審議会は年1回・約1時間+専門の精神部会が年1〜2回。令和7年度からは医療券の電子化が議題に上がっています。
    🧭 2つの読み方ができます: この「204人中、指導3人」は、「不正はほとんど無い」という証明とも、「チェックが形式的ではないか」という指摘とも読めます。当サイトは判断せず、数字だけを置きます。確かなのは——「生活保護の医療費にメスを」と誰かが語るとき、その現場の実数がこれだ、ということです。

    出典:金沢市福祉局「重複投薬者・多剤投与者・頻回受診者に対する指導結果」(令和5〜7年度・生支第375号で開示)、令和6年度 主要施策の成果説明書P84

    Votes

    議会の賛否まるわかり

    令和8年6月定例月議会

    📊 6月議会、結果はこうだった金沢市の実数

    2026年6月8日〜25日にひらかれた6月定例月議会。3月に市長選があったため、2月議会では最低限の「骨格予算」だけを組み、この6月議会で新しい事業を上乗せする「肉付け予算」(一般会計46億円の補正)が審議されました。いわば市長選後、最初の本格的な議会です。

    🤝
    市長が出した議案
    27件中22件が全会一致
    水道・工事契約・道路認定など、対立のない実務的な議案が大半
    ⚔️
    賛否が分かれた議案
    5件
    補正予算・税の特例・副市長人事など。5件すべて「共産3人が反対、他34人が賛成」で可決
    📨
    議員が出した意見書
    8件中6件が否決
    可決はケアラー支援と石油価格対策の2件(全会一致)だけ
    💡 全会一致が8割なのは、なぜ? 議案の多くは「工事の契約」「道路の認定」「国の法改正に合わせた条例の修正」など、そもそも対立する要素がない実務の案件だから。21世紀美術館の改修工事契約(3本)も全会一致でした。もめる議案は少数——だからこそ、分かれた議案にこそ「政治」があるんです。

    🗳 会派ごとの賛否(分かれた議案だけ)金沢

    金沢市議会は38人。自民19(うち1人は議長で採決に加わらず)・みらい金沢6・市民目線の会5・公明2・共産3・1人会派3(創生かなざわ・金沢さくら会・結び会)。気になる議案をポチると、会派ごとの◯×と中身が出ます。◯=賛成 ×=反対 △=会派の中で割れた

    ※出典:金沢市議会「令和8年度 6月定例月議会 議案の審議結果」「議員別賛否一覧」(市公式サイトで公開)。次の定例月議会は9月。閉会後、このページと議員名鑑を更新します。議員個人ごとの賛否は公式PDFで誰でも確認できます。会派名は議決時点のもの。

    📖 ◯×表の「読み方」——ここが分からんと意味がない金沢

    💡 その1:「共産だけ×」が多いのは、思想だけでなく“仕組み”の話。 予算は何十もの事業をまとめて1回で採決(一括採決)します。100の事業のうち99に賛成でも、1つ譲れないものがあれば、賛否は「×」としてしか表せません。実際、共産党の議員自身がこう説明しています——「反対討論は反対したものについて述べるので反対したことしか分かりませんが、賛成した予算のほうが多いのが実態です」(広田美代議員の公式サイトより)。今回も27議案中22件には共産も賛成しています。×の数だけ見て「何でも反対の党」と決めつけるのは、データの読み間違いです。
    💡 その2:「自民が×なら、ほぼ否決」の構図。 自民は採決に加わる37票のうち18票。単独では過半数(19票)にあと1票届きませんが、1人会派(創生かなざわ・金沢さくら会)が同調することが多く、合わせて20票=多数になります。今回の「住まいの安定と居住支援を求める意見書」は、みらい・市民目線・公明・共産・結び会の全員(17人)が賛成しても、自民+1人会派2人の反対(20人)で否決されました。逆に言えば、自民から1〜2人でも動けば結果が変わる、際どいバランスの議会です。
    💡 その3:△(会派内で割れる)は、悪いことじゃない。 みらい金沢と市民目線の会は、今回いくつもの採決で会派内の票が割れています。これは会派拘束(党議拘束の市議会版)が緩く、議員が自分の判断で投票しているということ。「党でマルバツが揃う」のが当たり前ではない、というのも金沢市議会のリアルです。
    💡 その4:「意見書」は国への手紙。 否決された6件は、健康保険法・税制・防衛費・住宅政策など、ほぼ国政のテーマ。意見書は市議会から国へ「こうしてほしい」と送る文書で、法的な強制力はありません。でも、どの会派がどんな意見書を出し、誰が賛成したかには、各会派の国政に対するスタンスがはっきり表れます。◯×表がいちばん雄弁になる場所です。
    ⚠️ このサイトは「なぜ」を推測しません。 賛成・反対の理由は、採決の前に議場で行われる討論・提案理由説明で各会派が自分の言葉で述べています。私たちはそれを要約して載せることはあっても、「本音はこうだろう」という深読みは書きません。理由の原文は、市議会の録画中継と会議録で誰でも見られます——判断するのは、あなたです。

    ※6月議会の討論の会議録は公開され次第、各議案の「言い分」に追記します。それまでは市議会の録画中継(インターネットで無料公開)で確認できます。

    Citizen Voice

    市民のホンネ調査

    満足度・要望ランキング編
    📊 観光客は大満足。市民の実感は——金沢市の調査

    金沢市は毎年、観光客向け市民向けの2つのアンケートをやっています。2つを並べると、面白い構図が見えてきます。

    😊
    観光客の満足度
    93.6%
    「とても満足」49.0%+「概ね満足」44.6%。1人あたり消費額は32,884円(2024年・市観光調査)
    💸
    経済の恩恵を「自分が受けた」市民
    5.4%
    56.4%は「特に影響はなかった」。22.6億円の経済効果、市民の財布には届いていない?(令和7年度・市民アンケート)
    🤝
    それでも旅行者を歓迎する市民
    89.1%
    「大いに歓迎」35.6%+「どちらかといえば歓迎」53.5%
    🤔
    でも観光「政策」に満足は
    27.6%
    最多は「どちらでもない」56.3%。嫌いじゃない、でも評価もしていない
    🏙
    まちなか混雑の影響を受けた市民
    47.2%
    中心部6校下(犀桜・小立野・兼六・中央・明成・森山町)では、さらに高い
    🏨
    宿泊税の効果を実感できない市民
    約74%
    「特に影響なし」47.8%+「わからない」26.3%。年8.2億円、使われ方が見えていない
    💡 このデータの読み方: 市民は観光客が「嫌い」なわけではありません——9割が歓迎しています。すれ違っているのは「恩恵の還元が見えない」こと。「経済効果22.6億円」と言われても、自分が受けたと感じる人は5.4%。ここが、いま市が検討している市民割・二重価格(→いま動いている話)と、並べて見てほしいデータです。

    ※出典:金沢市経済局観光政策課「令和7(2025)年度 市民アンケート調査結果」(市民2,000人に郵送・有効回答615人)、「金沢市観光調査結果報告書 令和6(2024)年」(観光客対象)。

    📢 市の「伝え方」を市民はどう見てる?——広報アンケの答え合わせ金沢市・eモニター

    令和7年度、市が自分の広報について市民に聞きました(回答192人)。このサイトが存在する理由みたいな結果が出ています。

    💬
    勝ち組はLINE
    82.3%
    市公式SNSで利用率断トツ・満足83%
    📻
    ラジオ広報
    71.4%が「知らない」
    新聞広報も約半数が読まず
    📸
    公式Instagram
    47.9%が「知らない」
    見たことがある人は16.1%
    📱 情報の入口は、もう変わった
    普段の情報源はWebサイト78.1%・テレビ63.5%・SNS50.5%で、新聞は47.4%。市の情報の入手先も1位が公式SNS(62.0%)で、毎週火曜の新聞掲載「金沢市広報」(42.7%)を上回りました。一方、公式ホームページへの不満は「知りたい情報にたどり着けない」の大合唱。市民が必要とする情報の上位はごみ63.0%・イベント55.2%・災害52.1%——暮らしの実用情報です。「市民に『届ける』ではなく、市民が『見に行く』を考えねば」という自由記述の声が、全部を言い当てています。
    🔦 このサイトの答え合わせでもある
    防災アプリ認知17%、介護の相談窓口「知らない」35%、企業局HP「見たことない」67%、そして公式Instagram「知らない」48%——各カードで見てきた「作ったのに届いていない」問題は、広報アンケ自身が裏付けました。金沢市の情報はちゃんと公開されています。足りないのは情報ではなく、たどり着ける入口と、読みたくなる編集。まさにそれをやるのが、このサイトです。

    出典:金沢市eモニター制度「金沢市の広報に関するアンケート」(令和7年11〜12月実施・対象250人・回答192人・回答率76.8%、広報広聴課)。LINE満足度は利用者ベース。

    💻 市役所のデジタル化、市民の通信簿——DXアンケの光と影金沢市・eモニター

    令和8年1〜2月、市がDX推進について市民に聞きました(回答191人)。総論は高評価。でも各論に、このサイト史上最強の「断層」が眠っていました。

    市のデジタル化
    79.5%が「進んでいる」
    電子申請等の利用経験も61.8%
    🏪
    納付書のコンビニ・スマホ決済
    97.4%が「効果あり」
    コンビニ証明書も90.6%が支持
    📱
    市のアプリ「カナカ」
    利用者 1.0%
    「存在を知らなかった」88.0%
    ⚠️ 191人中、使っているのは2人——断層シリーズの新王者
    市が令和6年度から提供するデジタルカードアプリ「カナカ」(図書館カードなどをスマホに集約)は、回答者の88.0%が「存在を知らなかった」、現在使用しているのはわずか1.0%=191人中2人。市所蔵の美術品をデジタル鑑賞できる「金沢ミュージアム+」も83.8%が未利用です。一方で、納付書のバーコード決済(97.4%)やコンビニでの証明書取得(90.6%)など「暮らしの手間が減るDX」への支持は圧倒的。市民の答えは明快です——アプリを作るより、手続きを楽にしてくれ。にげまっし17%・木の文化都市34%を大きく下回る「カナカ1%」は、「作ると届けるの断層」の決定版になりました。

    出典:金沢市eモニター制度「本市のDX推進についてのアンケート」(令和8年1〜2月実施・対象250人・回答191人・回答率76.4%)。調査自体がDXアクションプランと国のデジタル田園都市国家構想補助金のKPI測定を目的とするもの。

    🎤 最後に、アンケートについてのアンケート——eモニター制度そのものの通信簿金沢市・eモニター

    このカードで紹介してきた市民アンケートの数々は、市民250人の「eモニター」が年間を通して答えたもの。年度の最後に、制度そのものへの評価を聞いています(回答199人)。

    🔁
    来年度も続けたい
    85.4%
    「したくない」はわずか3.0%
    📱
    回答端末
    スマホ 71.9%
    興味を引いた調査1位は「広報」39.7%
    📣
    最多の要望
    「反映を見せて」
    「取って終わり感」への指摘多数
    🔄 「聴く」はできてる。「活かしたと見せる」が宿題——断層シリーズの最終回
    継続希望85.4%、「モニターを通じて社会参加できた」「金沢を知るきっかけになった」——制度への満足度は高く、アンケート自体が市政の学びの入口として機能しています。そのうえで自由記述に繰り返し登場するのが「アンケートがどう市政に反映されたのか可視化してほしい」「結果ページだけでは取って終わり感が否めない」の声。市は活用状況ページを公開していますが、それ自体が届いていない——「作ると届けるの断層」は、市民の声を聴く制度にまで及んでいた、というオチです。ちなみに「回答前からラジオボタンが選択されている」という調査設計への鋭い指摘も複数あり、市民のリテラシー、なかなか侮れません。なお、このサイトのeモニター連載も、まさにその「公開されているのに届いていない」結果を届ける試みです。

    出典:金沢市eモニター制度「金沢市eモニター制度についてのアンケート」(令和8年2月実施・対象250人・回答199人・回答率79.6%、市民協働推進課)。モニターは公募250人・任期1年・謝礼は図書カード。結果と活用状況は市公式サイトで年度別に公開。

    📋 市民が「必要」と答えた取り組みランキング金沢

    「旅行者を快く受け入れるために、どんな取り組みが必要?」(複数回答)への市民の答え、上位はこうなっています。

    🚯 旅行者のマナー違反対策
    63.4%
    🚌 公共交通の混雑対策
    51.5%
    🛡 災害時の安心安全の確保
    38.9%
    🎫 観光施設における市民割引
    38.5%
    🏘 まちなみの景観の保全
    35.1%
    🚶 旅行者の分散化
    30.7%
    ⚠️ 注目は4位の「市民割引」38.5%。 市民の約4割が、公式の調査で「観光施設の市民割引が必要」と答えています。市長が「年度内に方向性」と答弁した二重価格・市民割の議論(→いま動いている話)と同じ時期に、市自身の調査でこの数字が出ています。つなげて見るかどうかは、あなたの判断です。1位のマナー対策(63.4%)と2位の交通混雑(51.5%)は、自由意見でも圧倒的に多い不満でした。
    💡 政策とデータのつながりを見る癖: 市の政策は思いつきではなく、こうした調査を根拠に動くことが多い。逆に言えば、調査で高い数字が出ているのに動かない項目(たとえば2位の公共交通)を見つけたら、それは議会で聞く価値のある質問です。

    ※出典:同・令和7年度市民アンケート 問4(回答者615人・複数回答)。

    🗣 市民の生の声(市の調査の自由意見・原文のまま)金沢

    アンケートの自由記述から。賛否バランスよく、原文のまま引用します(出典:令和7年度市民アンケート)。

    歓迎「観光都市として観光客が増え、街中が賑わっているのは嬉しい。」
    歓迎「観光客が増えても、市民に悪い影響が出ていないと感じるから」
    複雑「観光客が増えて経済が回るサイクルは理解できるが、住んでいる市民としてその経済効果が上がって、幸福度が上がったか?といった恩恵の実感値はない。」
    複雑「近江町や21世紀美術館など、当たり前の日常生活で利用していたところに、行きにくくなりました。」
    複雑「飲食店の価格が観光客向けすぎて、市民にとっては高すぎる」
    提案「21美なども金沢市民割引デーがあれば良い。金沢市が観光客を歓迎して頑張っているのは伝わっています。」
    提案「受益を市民に分かる形で還元すること。」
    ⚠️ このデータの「限界」: このアンケートは2,000人に郵送して回答したのは615人(回収率30.8%)。回答してくれるのは市政への関心が高い人に偏りがちで、「金沢市民全員の声」とは言えません。どんな調査にも限界がある——数字を見るときは、「何人に聞いたか(回答者数)」と「どうやって聞いたか(調査のやり方)」をセットで見る。それがデータの正しい付き合い方です。

    ※引用はすべて金沢市公表の報告書に原文どおり掲載されているものです。全文は市公式サイトの「金沢市の観光に関するアンケート調査」で読めます。毎年更新されるので、来年の結果と比べるのも面白い。

    In Progress

    いま動いている話

    2026年7月時点

    🔥 決まる前だから、意味がある

    ニュースは「決まったこと」を伝えます。でも本当に大事なのは、決まる前。ここでは、いま金沢で進行中の議論を集めました。まだ間に合う話ばかりです——パブリックコメントや議会の傍聴で、あなたの声を入れられます。

    📌 進行中のテーマ
    議論中「二重価格(市民割)」を入れるか?——21世紀美術館などの文化・スポーツ施設で、観光客と市民で料金を変える案。市長は「2026年度内に方向性を決める」と答弁。観光客の増加で施設の維持管理コストが上がっていることが背景。「市民を優遇して当然」か「差別的では」か、賛否が分かれる全国的テーマの最前線が金沢。ちなみに市の調査では市民の38.5%が「市民割引が必要」と回答している(→市民のホンネ調査)。
    議論中「金沢方式」の見直し——公民館や児童館の建て替え費・消防団の車両代の一部(約4分の1)を、市ではなく地元の町会が負担する全国でも珍しい仕組み。1952年から続くが、町会加入率の低下と建設費の高騰で「もう限界」の声。負担率は引き下げられたが「焼け石に水」と、仕組みそのものの見直しを求める議論が続いている。くわしくは金沢方式まるわかりへ。
    協議中北陸鉄道 石川線・浅野川線をどう残すか——利用者減で存続が課題に。沿線自治体でお金をどう出し合うか、便利にする策とあわせて協議会で議論中。「電車を税金で支えるべきか」は、まさに市民が考えるべきテーマ。
    対策中路線バスの運転士不足——バスの本数を保てなくなる恐れがあり、市は市内に移住するバス運転士に移住支援金を出す策を開始。地域の足をどう守るかは全国共通の課題。
    対策中危険な暑さから避難する「クーリングシェルター」——猛暑のときに暑さをしのげる施設を、市が2026年6月から137施設で開設(日経報道)。熱中症対策が「個人の心がけ」だけでなくまちの設備として整えられる段階に入っています。お近くの指定施設は市の案内で確認できます。
    準備中不登校の子のための新しい学校——「学びの多様化学校(不登校特例校)」を旧馬場小学校を改修して開設する準備が進行中。一人ひとりのペースに合わせた特別の教育課程を組める、文部科学大臣が指定する学校。
    始まったこども誰でも通園制度——親が働いていなくても子どもを保育園などに預けられる国の新制度が、2026年4月から本格スタート。理念は歓迎される一方、保育現場の人手や安全面を心配する声も議会で出ている。
    決定国民健康保険料の引き上げ——2026年度から保険料が上がる。自営業やフリーランス、退職した人に直接ひびく話なのに、あまり大きく報じられない。
    計画開始観光と暮らしのバランス——観光客の増加で混雑・渋滞など市民生活への影響が出ており、市は2026年度から5年間の「持続可能な観光振興推進計画2026」をスタート。観光客に守ってほしいことをまとめた「金沢観光たしなみ帖」も作られた。
    始まった
    ばかり
    学生を、まちなかに呼び戻せるか——2026年7月8日、市は「金沢学生まちなか回帰検討会議」の第1回を開催。人口あたりの学生数が全国トップクラスの「学都」なのに、学生は中心市街地にあまり来ず、卒業すると多くが県外へ出ていく——市長も、金沢の良さを感じないまま離れる学生が多いと認めています。注目は委員の半数近くが学生団体の代表など若者であること。会議では「理由がないと中心市街地に行かない」「交通費が高い」といった当事者の率直な声が出ました。イベント頼みだった「学生のまち」政策が、学生を意思決定の席に着かせる段階に入るか——動き始めたところです。

    ※出典:金沢市議会6月定例会での市長答弁(北國新聞 2026年6月報道)、市議会2月議会の一般質問、北陸中日新聞(金沢方式)、金沢市「持続可能な観光振興推進計画2026」、日本経済新聞(2026年7月・学生まちなか回帰検討会議)。状況は変わるため、最新は市議会の会議録・中継で確認できます。

    🏡 「金沢に引っ越してきて」に、年8,752万円
    人口が減っていくまちは、来てもらうためにもお金を使います。令和6年度は定住促進費6,716万円+移住促進費2,036万円=約8,752万円。住宅取得の支援や移住相談などの原資です。「選ばれるまち」は、待っているだけでは生まれません。

    出典:金沢市「令和6年度一般会計歳入歳出決算事項別明細書」(令和7年12月定例月議会で認定)

    🏙 都心軸59ヘクタールが「国の特区」に——金沢駅東地域、緊急整備地域に指定金沢市・都市再生推進室

    令和7年7月2日、金沢駅から武蔵・南町・香林坊・片町に至る都心軸沿線が、国の「都市再生緊急整備地域」に指定されました。渋谷駅や新宿駅周辺と同じ制度の仲間入り——金沢のまちなかの、これから10年を決める話です。

    🗺
    指定エリア
    金沢駅東地域 59ha
    駅〜武蔵〜香林坊〜片町の都心軸
    🎁
    何が変わる?
    高さ規制の特例+税優遇
    都市計画の特例手続き・固定資産税軽減など
    🏗
    動く可能性のある場所
    都ホテル跡地ほか
    エムザ建替え・旧日銀支店・プレーゴ跡
    🔑 「7年更地」の駅前一等地に、ようやく動く条件が揃った
    指定エリアには、金沢の再開発の宿題が勢揃いしています:2018年から更地のままの金沢都ホテル跡地(従来は高さ60mの制限、特例手続きで除外が可能に)、建て替えが予定される金沢エムザ、令和8年3月末で閉鎖したプレーゴ、そして市が取得を目指す旧日銀金沢支店——歌劇座の移転候補地の一つでもあるあの場所(→ハコモノ)。村山市長は指定を受け「老朽化ビルの建て直しやホテル跡地の再開発が進むことに期待する」とコメントしました。仕組みとしては、市がお金を出すのではなく、規制緩和と税優遇で民間の投資を呼び込む方式。まちなかの空洞化(→金沢のまちなか)に対する、国の制度を使った勝負手です。指定にあたっては産学金官の準備協議会と市民アンケート、国のパブリックコメントも経ています——都心軸の姿がどう変わっていくか、このカードで追いかけ続けます

    出典:金沢市都市再生推進室「都市再生緊急整備地域」ページ(金沢駅東地域・令和7年7月2日指定、区域図・地域整備方針を公開)、同「都市再生緊急整備地域指定に向けて」(準備協議会・市民アンケート・パブコメの経緯)、閣議決定・面積59ha・含まれる施設・市長コメントは日本経済新聞(2025年6月27日)・北國新聞(2025年6月28日)報道。区域は市の「まちづくり支援情報システム」でも確認可。

    🔍 「問題」はどこで見つかるのか

    このリストは特別な取材で作ったものではありません。誰でも見られる場所から拾っています。つまり、あなたにも見つけられます。

    🏛
    市議会の一般質問
    宝の山
    議員が市にぶつける質問=いまの問題リスト。昭和63年3月以降の本会議(委員会は平成15年9月以降)が会議録検索システムで全部読める。掲載は本会議が閉会約2か月後・委員会は約4週間後
    📝
    審議会・検討会
    決まる前の現場
    市には数十の審議会があり、多くは傍聴OK。「新しい交通システム導入検討委員会」なんてものも
    💬
    パブリックコメント
    意見を出せる
    市が計画を決める前に市民の意見を募集。市公式サイトに一覧がある
    💡 このサイトの使い方: 気になるテーマを見つけたら、「ことば辞典」で言葉を調べて、「市民の権利」で動き方(傍聴・パブコメ・情報公開請求)を確認。知る→調べる→声を届ける、この流れを金沢で当たり前にするのが、このサイトの目標です。
    Don't Miss Out

    知らんと損する制度

    申請しないと、もらえない

    📖 先にこれだけは——「もらい方の鉄則」7か条金沢

    日本の行政の大原則は「申請主義」。どんなにあなたが対象でも、申請しなければ1円ももらえません。そして、制度の存在があなたに届いているとは限りません。だからこのページがあります。個別の制度より先に、全制度に共通するルールを頭に入れてください。

    鉄則1申請しないと、もらえない。市役所から「あなたは対象です」と教えに来ることは、基本ありません。知っている人だけが得をする——それが申請主義です。
    鉄則2ほとんどの補助は「事前申請」。工事や契約のに申請が必要で、着工してから気づいても、対象工事でもゼロになります。リフォーム・耐震・住宅系は特に。「動く前に、まず市に聞く」が正解。
    鉄則3税金の滞納があると対象外になる制度が多い。市税をちゃんと納めていることが、制度を使う入場券です。
    鉄則4予算切れ・先着順がある。補助金は年度予算で動くので、年度の後半には枯れることも。使う予定があるなら年度の早い時期(4〜6月)に動くのが有利。
    鉄則5「市内業者で施工」などの条件つきの制度もある。見積もりの前に条件を確認。
    鉄則6探し方は3つ。①市公式サイトの「くらし・手続き」 ②毎月届く「広報かなざわ」(制度の告知はだいたいここに出る) ③そして最強の一言——人生の節目(家を建てる・子が生まれる・親の介護・転職)が来たら、担当課に電話して「私の場合、使える制度はありますか?」と聞く。担当課に直接聞くのが、いちばん確実です。
    鉄則7このページも完全ではない。制度は毎年変わり、新設も廃止もされます。ここに載っていなくても諦めず、鉄則6で確認を。

    🏠 住まい関係——金額がデカい順金沢

    🕒 なぜ今、住宅の補助が手厚いのか: 金沢市の耐震・住宅補助は、能登半島地震(2024年1月)を境に増額・新設が相次いでいます。耐震改修の補助額は2024年10月、2025年7月と段階的に引き上げられ、2024年7月には「被災木造住宅」向け、2025年4月には古い家を壊す「除却」向けの補助が新設されました。「直す・建て替える・たたむ」のどの選択にも支援が広がったのは、地震で耐震化の遅れが可視化されたから。いまは制度が厚い時期——裏を返せば、この手厚さがいつまで続くかはわかりません。使う予定があるなら早めが得です。
    🏚
    木造住宅の耐震改修
    最大280万円
    1981年(昭和56年)5月以前に建てた木造住宅の耐震工事。2025年7月に250万円から増額。まず耐震診断(補助あり・上限15万円前後)から。能登半島地震のあと、これを知らないのはもったいない
    🧱
    古い木造住宅の解体にも補助
    除却工事費補助(2025年新設)
    耐震性のない古い木造住宅を解体するときの費用補助が新しくできた。「直す」だけでなく「たたむ」にも支援がある。被災した木造住宅の耐震改修・建替えには、別枠の補助(複数の補助を組み合わせて条件により最大280万円規模)も新設
    🏡
    まちなか・居住誘導区域の住宅取得奨励金
    上限200万円(加算あり)
    今より中心部寄りの区域に新築・購入する人の住宅ローンを助成(10年以上のローン等の条件)。令和6年10月開始で、令和7年度は74件・7,199万円が交付(1件平均約97万円・市の情報提供資料)。断られた実績はゼロで、予算はまだ余っています
    ✈️
    移住支援金(東京圏から)
    世帯100万円+子1人100万円
    単身でも60万円。金沢に呼びたい友達がいたら教えてあげよう
    🏠
    空き家バンク物件のリフォーム
    上限50万円
    「かなざわ空き家活用バンク」掲載物件を買って住む人の内部リフォーム費。契約前の申請が必須。ただし利用は4制度で3年13件(→実データは空き家と町家のカードへ)
    🌲
    金沢産材で家を建てる
    柱1本2,800円(上限25万円)
    地元の木を使うと補助。地区計画区域等の取得奨励金(最大40万円)も別にある
    がけ地の防災工事
    補助制度あり
    崖の近くに住む人の防災工事費を補助。対象条件は市パンフレットで
    📊 移住支援金、実際どれだけ使われている?——当サイトの情報公開請求に対し、市から実績の情報提供がありました(2026年7月・市商工労働課)。交付件数と決算額は、令和5年度 27件・3,490万円(予算6,300万円・執行率55.4%)→令和6年度 48件・7,270万円(予算8,000万円・執行率90.9%)→令和7年度 30件・4,360万円(予算5,960万円・執行率73.2%)。令和5年度には12月上旬〜翌1月末まで申請受付を停止した実績があります(2・3月は例年受付なし)——申請は年度の早い時期ほど確実です。この3年間の不交付(却下)は1件のみで、理由は「東京23区に在住、または東京圏に住み23区へ通勤していた期間が、転入直前の10年間で通算5年以上」という要件を満たさなかったためでした。
    💡 全部まとまった公式パンフがある: 市の住宅支援制度は「金沢住まいのススメ」というパンフレット(市公式サイトでPDF公開)に一覧化されています。住宅関係の相談窓口は住宅政策課(076-220-2333)。家に関わる予定ができたら、まずこの2つ。

    ※金額・条件は2026年7月時点の公開情報(金沢市公式・住宅事業者まとめ)。制度は年度で変わるため、申請前に必ず市の最新ページで確認してください。区域・築年・所得などの条件があります。

    👶 子育て・くらし——「対象なのに未申請」が多いゾーン金沢+国

    子育て児童手当(国)——2024年の拡充で所得制限が撤廃され、高校生年代まで対象に。転入時・出生時に申請が必要。子ども医療費助成は金沢市の窓口(こども家庭サポート課など)で最新の対象年齢・自己負担を確認(公約で「高校生まで原則無償化」が掲げられており、今後変わる可能性大→公約トラッカー)。
    学校就学援助——所得が一定以下の家庭に、小中学校の給食費・学用品費・修学旅行費などを援助する制度。学校経由で案内が来るが、年度途中でも申請できる。家計が急変したときこそ思い出してほしい制度。
    保育こども誰でも通園制度——親が働いていなくても預けられる新制度が2026年4月から本格実施(→いま動いている話)。
    医療高額療養費(国)——医療費の自己負担には月ごとの上限があり、超えた分は戻ってくる。帯状疱疹ワクチンは2025年度から65歳などを対象に定期接種化(国の制度)。
    保険料国民健康保険料の軽減・減免——所得が低い世帯は自動軽減があるほか、失業・災害などで払えなくなったときは申請による減免の仕組みがある。国保料は2026年度から上がったからこそ(→いま動いている話)、減免制度は知っておくべき。
    事業者中小企業の電気・ガス料金高騰の支援金——県の支援金に市が独自上乗せする制度が公募中(上限20万円・2026年7月15日締切)など、事業者向けは常に何かしら動いている。商売をしている人は市の産業支援ページを定期チェック。

    ※国の制度と市の制度を区別して書いています。金額・条件は変わるため、申請前に必ず担当課で確認を。この一覧は「入口」です——あなたのケースの正解は、鉄則6の電話一本で確かめてください。

    The 30-Billion-Yen Deal

    ガスと発電、売った話

    2022年・300億円

    📖 金沢は「ガスも発電も持つ市」——全国で唯一だった金沢

    1921年金沢市が民間の「金沢電気瓦斯」を買収し、市営の電気・ガス事業がスタート。実は最初は民間→市営の流れだった。以来約100年、市がガスと水力発電所を持ち続けた。
    〜2022年都道府県以外の自治体で市営の発電事業を持つのは金沢だけ(犀川水系などに水力発電所5か所)。ガスと発電の両方を市が営む、全国でも唯一の存在だった。
    2019年電力・ガスの自由化で競争が激化。「公営のままでは法令の制約で多様なサービスができない」として、有識者の検討委員会が「株式会社への譲渡が適当」と答申
    2022年4月1日公募(条件:186億円以上)の結果、北陸電力を代表とするグループが300億円で落札し、新会社「金沢エナジー」へ譲渡。100年続いた市営のガス・発電が幕を閉じた。北陸3県から公営の電気・ガスが消えた瞬間でもある。
    💡 なんで話題になりにくいのか: 料金の請求元が「金沢市企業局」から「金沢エナジー」に変わっただけで、ガスは今も同じ管から届きます。日々の暮らしで変化を感じる場面が少ない出来事でした。でも、市の財産としては百年分の資産が動いた大事件。「変化を感じにくい民営化」こそ、市民が一番検証すべきテーマです。

    ※出典:金沢市企業局公式サイト(譲渡の経緯・基本方針)、日本経済新聞(2020〜2022年の一連の報道)、Wikipedia「金沢市企業局」。

    💰 取引の中身を全部並べる金沢

    💴
    譲渡価格
    300億円
    募集の最低条件は186億円以上。それを大きく上回る額で決着
    🏢
    買い手(金沢エナジー)
    北陸電力48%・東邦ガス43%
    ほか北國銀行・北國新聞社・松村物産・小松ガスの6社連合。金沢市も3%出資して経営に関与を残した
    🏔
    売ったもの
    水力発電所5か所+ガス管網など全部
    市の職員約80人も新会社へ派遣
    📜
    市民を守る約束
    料金は10年間、譲渡前を上回らない
    さらに10年間は第三者への転売・合併も原則禁止という誓約つき
    💡 論点も両面で: 【売ってよかった派】自由化の競争で公営のままではジリ貧・民間なら電気とガスのセット割などサービス拡大・300億円が市の財産に。【心配派】公共インフラを民間に渡してよいのか・10年の約束が切れた後(2032年〜)の料金は?・災害時の対応は?——当時の議会でも賛否は分かれました。どちらの心配も、これからの10年で答え合わせされていきます。
    ⚡ 発電を売った市は、いま北陸電力の株主でもある
    令和6年度の決算書には、市の基金が保有する北陸電力株式会社の配当金3,141万円が歳入として載っています。発電事業を譲渡した相手方グループの株を市が持ち、毎年配当を受け取っている——売却の話とセットで知っておきたい構図です。

    出典:金沢市「令和6年度一般会計歳入歳出決算事項別明細書」(令和7年12月定例月議会で認定)

    🔍 これから市民が見張るべき3つのポイント金沢

    2032年「料金を上げない」約束の期限が来る。10年誓約が切れた後、金沢のガス料金がどうなるか——これは2030年代の金沢の大きな市政テーマになる可能性がある。今から覚えておこう。
    毎年市は毎年、金沢エナジーの経営状況を確認して公表している(企業局サイトに2023・2024・2025年と掲載)。3%株主として市が「見張り役」を続けているか、その報告が形だけになっていないか——見張り役を見張るのは市民の仕事。
    300億円売却で得た300億円は、何に使われた(使われる)のか? 市民が気軽に追える形の説明は見当たらない——これは「まだ分からないこと」に追加した。市の財政資料や議会審議で追跡できるはずのテーマ。
    ⚠️ このページの意味: 民営化は「良い」「悪い」ではなく、取引の条件と、その後の検証がすべて。条件(300億・10年誓約・3%出資)はここに記録した。検証(料金・サービス・300億の使途)はこれから。このサイトは両方を追い続けます。

    ※関連:金沢市民って、トクなん?(金沢だけシリーズ)、まだ分からないこと

    Public Payroll

    市役所の給料、全公開

    実は毎年公表されている

    👑 トップの給料——条例で決まり、公表されている金沢市の公式公表値

    🏛
    市長
    月額 118万円
    +期末手当(ボーナス)3.40月分が別につく
    🏢
    副市長
    月額 96万円
    +期末手当3.40月分
    🎤
    議長
    月額 81万円
    副議長は74.5万円。+期末手当3.40月分
    🗳
    市議会議員
    月額 70万円
    石川県内の市でトップの水準(2位の小松市は52万円)。+期末手当3.40月分
    💡 誰が決めてるん? これらの額は条例(=議会の議決)で決まります。「自分たちの給料を自分たちで決めるの?」という疑問はもっともで、だから金沢市には特別職報酬等審議会という第三者の審議会があり、市民や有識者が額を審議してから改定される仕組みになっています。額そのものより、この手続きが機能しているかを見るのが大人の見方。

    ※金額は金沢市の公式公表資料(広報かなざわの給与公表・令和2年4月1日現在)より。改定されることがあるため、最新値は市人事課「給与・定員管理等の公表」ページで確認できます。議員報酬の県内比較は全国市議会議長会調査・自治体例規データより。

    👥 職員のリアル——多い?少ない?高い?安い?金沢
    🧑‍💼 3,269人に数えられない職員——会計年度任用職員金沢市
    💴
    一般行政職の平均年収
    約654万円
    2024年・総務省データ。全国の市区町村で214位、石川県内で4位=真ん中よりやや上
    🌱
    初任給(大卒)
    約18.3万円
    経験30年で給料月額約40.7万円へ(令和2年公表の給料表)
    🎓
    退職金(60歳定年)
    約2,497万円
    2024年・総務省データ
    🧑‍💼
    職員の数(普通会計)
    1,655人
    人口1,000人あたり3.7人。中核市60市の平均(4.7人)より少ない——職員1人で市民272人を担当している計算。※「普通会計」って何?は下の説明へ
    💡 意外な事実:金沢市役所は「少なめの人数」で回っている。 「公務員は多すぎる」というイメージがありますが、データを見ると金沢市の職員数は中核市平均より少ない。人件費の総額は年約158億円(令和2年度普通会計予算)——1万円パネルで見た「市役所の運営850円」の中身の大部分がこれです(→金沢のお金)。
    📖 「1,655人」と「3,269人」——2つの職員数、なにが違う?
    市役所の職員数には、数え方(ものさし)が2つあります。
    ① 普通会計の1,655人——市の本体の仕事(市長部局・教育委員会・消防など)で働く常勤の職員の数です。国が全国共通のルールで毎年集計しているので、「他の市と比べる」ときの物差しはこちら。このカードの「中核市平均より少ない」もこの数え方での比較です。
    ② 全会計の常勤3,269人——水道や市立病院など(お客さんからの料金で運営する会計)で働く職員まで含めた、常勤職員の総数です(令和6年4月1日・下の「3,269人の通信簿」の数字)。ただし会計年度任用職員——1年度ごとの任用で働く非常勤の職員(窓口・事務補助・保育補助など)——は、この数に原則入っていません(下の節へ)。
    同じ「職員数」でも、物差しが違えば人数は変わります。比べるなら①、全会計の常勤なら②——数字は、定義とセットでしか意味を持ちません。

    ※出典:総務省「地方公務員給与実態調査」(2024年)、金沢市の給与・定員管理等の公表(広報かなざわ・令和2年度版)。

    窓口、事務補助、保育、給食調理、図書館——市役所の仕事の一部は、会計年度任用職員(1年度ごとの任用で働く非正規の地方公務員・2020年度に制度化)が担っています。上の3,269人は常勤職員の数。ではこの人たちは何人いるのか?

    フルタイムは10人市の公表資料に載る会計年度任用職員(フルタイム)は、公営企業等会計部門(病院)の10人だけ(令和6年4月1日)。つまり金沢市の会計年度任用職員は、ほぼ全員が勤務時間の短いパートタイム型です。
    人数は出てこないそしてパートタイム型の総人数は、この公表資料には記載がありません。3,269人の外側に、人数が公表資料からは見えない働き手がいる——これ自体が、読み取れる事実です。
    4人に3人が女性見える手がかりもあります。会計年度任用職員の女性割合は76.3%(令和6年4月1日・参考値)。常勤職員全体の女性割合40.3%と並べると、構図がくっきりします。
    給与の差も公表男性の年間平均給与に対する女性の割合(令和5年度)は、任期の定めのない常勤職員で86.4%。一方、それ以外の職員(会計年度任用職員などを含む区分)では60.6%です。
    令和8年度の動き令和8年度の議案では、給料が民間の賃金の最低基準を下回らないようにする第2種初任給調整手当が新設されました。ただし会計年度任用職員の給与条例では、対象は従来の第1種に限る、と定められています(議案第77号の条文)。
    💡 ここがポイント: 「市役所の職員数」という1つの言葉の中に、数えられる人と数えられない人がいる——公表資料を読むときは、その数字に誰が入っていて、誰が入っていないかから確かめるのがコツです。

    出典:金沢市「人事行政の運営等の状況の公表」(令和6年公表版。会計年度任用職員〈フルタイム〉10人〈病院・令和6年4月1日〉、会計年度任用職員の女性割合76.3%・常勤職員全体40.3%〈同日〉、男女の給与差異〈令和5年度〉86.4%/60.6%はいずれも同資料の掲載値。パートタイム型の総人数は同資料に記載なし)、金沢市「令和8年度当初 議案書」議案第77号(職員の給与に関する条例等の一部改正・第2種初任給調整手当の新設と会計年度任用職員給与条例の改正条文)。

    ⚖️ 処分と休職のリアル——3,300人の組織で何が起きているか金沢市

    市が毎年公表する「人事行政の運営等の状況」から、あまり読まれないページを開きます。Webの公表は直近2年度分のみ——それより前の8年分は当サイトが開示請求の手続きで人事課から入手し、10年分をそろえました。

    懲戒は10年で32人職員の責任を問う懲戒処分は、平成27年度から令和6年度までの10年間で計32人・年平均3.2人(年ごとに2・2・2・10・2・1・2・2・3・6人)。最多は平成30年度の10人——一般服務違反の減給5人に加え、監督責任で4人が処分された年です。免職は10年で2人(令和3年度に収賄等関係で1人、令和6年度に欠勤・勤務態度不良等で1人)。直近は令和5年度3人(全員停職)→令和6年度6人で、道路交通法違反が2年連続2人ずつです。
    本当の大きな数字は休職本人の責任を問わない分限処分は、令和5年度75人・令和6年度67人——そのほとんどが心身の故障による休職(74人/64人)です。懲戒の10倍以上の規模で、病気で長期に休む職員がいる。組織の健康を測るなら、見るべきはこちらの数字かもしれません。
    働き方の数字令和6年度の時間外勤務は1人あたり月平均12.1時間(前年14.6時間から減)、年休の平均取得は12.2日(目標12日を達成・消化率32.2%)、男性職員の育児休業取得率は89.2%(数値目標30%を大幅に超過)です。
    不服申立てはゼロ処分に対する職員側の対抗手段である公平委員会への審査請求・措置要求は、令和5・6年度とも0件でした。
    💡 ここがポイント: 職員約3,300人の組織で、懲戒は年平均3.2人(0.1%)。一方、病気による休職はその20倍の規模です。処分の少なさは「問題がない」ことの証明にも「見えていない」ことの兆候にもなり得ます——だから10年分の推移を、そのまま並べておきます。

    出典:金沢市「人事行政の運営等の状況」平成28年度〜令和5年度公表の抜粋(懲戒処分の状況・人事課からの送付〈2026年8月受領・開示請求への対応〉。年度別実績: H27=減給2、H28=戒告2、H29=減給2、H30=戒告3減給6停職1の計10、R元=減給1停職1、R2=停職1、R3=戒告1免職1〈免職は収賄等関係〉、R4=減給1停職1。各表の内訳と計の一致・10年合計32人は当サイトで検算)、同 令和6年度公表版(令和5年度実績:懲戒3人=停職3、分限75人〈心身の故障による休職74・適格性による降任1〉、公平委員会0件)・令和7年度公表版(令和6年度実績:懲戒6人=戒告3・停職2・免職1、分限67人〈心身の故障64・条例事由の降任3〉、時間外月平均12.1時間、年休12.2日・消化率32.2%、男性育休89.2%、公平委員会0件)。

    🏢 市役所3,269人の通信簿——「人事行政の運営状況」を開く金沢市・公式公表資料

    市は条例に基づき、職員数・給与・働き方の詳細を毎年まるごと公表しています(令和6年公表版)。読むと市役所のいまが立体的に見えてきます。

    👥
    職員数
    3,269人
    市民およそ139人に職員1人の計算
    👶
    男性職員の育休取得率
    71.6%
    目標30%の倍以上・事務系は82.4%
    🏖
    年休の消化率
    31.3%
    平均11.7日で目標12日に届かず
    📈 職員が増えた場所を見ると、まちの課題がわかる
    令和6年は前年比+59人。増えた部署の理由欄が時代を映しています:民生+20人(児童虐待防止への対応・こども家庭センターの運営)、消防+9人(救急隊の増隊)、土木+7人(災害対策の強化)——このカード群で見てきた「子ども・救急・災害」がそのまま人員配置に現れました。給与水準はラスパイレス指数99.2=国家公務員をわずかに下回る水準で、一般行政職の平均は41.4歳・月額給与40.99万円。働き方は明暗があり、男性育休71.6%は目標を大きく超える優等生(消防ですら62.9%)である一方、年休消化は31.3%、時間外は月平均14.6時間、心身の故障による休職は年74人——市民サービスを支える側の健康も、市政の足腰です。管理職の女性割合は課長級以上17.0%(目標15%は達成、局長級は8.7%)。こうした「耳の痛い数字も含めて全部出す」公表資料が毎年更新されている——それ自体が、チェックする市民への招待状です。

    出典:金沢市「人事行政の運営等の状況の公表」(令和6年公表版、金沢市人事行政の運営等の状況の公表に関する条例に基づく。職員数3,269人〈令和6年4月1日〉と部門別増減理由・ラスパイレス指数99.2〈令和5年〉・平均給与・時間外月平均14.6時間・年休11.7日/31.3%・男性育休取得率・女性管理職割合・休職74人はいずれも同資料の掲載値)。市民139人に1人はR7国勢調査速報人口454,071人÷職員数で算出。

    📖 この数字、どう見たらええん?金沢

    💡 その1:これは秘密でも暴露でもない。 給与・定員の公表は法律と国の指針で毎年義務づけられていて、市の人事課ページと「広報かなざわ」12月号あたりに毎年載っています。毎年、公開されています。このカードは、その公表資料を読みやすくしただけです。
    💡 その2:「高い・安い」はこのサイトでは判断しません。 かわりに比べ方を置いておきます:職員の平均年収654万円は全国の市区町村で214位(上位1〜2割)。議員報酬70万円は県内トップだが、政令市や大都市はもっと高い。市長の118万円は民間大企業の役員より低く、中小企業の社長より高い——何と比べるかで見え方が変わる数字です。
    💡 その3:議員報酬には「なり手」の論点がある。 「議員の給料を下げろ」という意見は人気がありますが、報酬を下げると生活に余裕のある人しか議員になれなくなるという副作用も指摘されています。若い人や普通の会社員が立候補できる報酬水準はいくらか——単純な高い安いより、こっちが本当の論点です。
    ⚠️ 時点に注意: 特別職の月額は令和2年公表値で、その後改定されている可能性があります。正確な現在値は市人事課の公表ページ・市の例規集(誰でも無料で読めます)でいつでも確認できます。定期的にこのカードも更新します。
    Kanazawa Method

    金沢方式まるわかり

    市政ニュースの最頻出ワード
    🧩 金沢方式=「地域の施設は、市と地元で支える」金沢

    一言でいうと——地区公民館・児童館・消防分団の施設など「地域の公共施設」を、市が全部やるのではなく、お金も運営も市と地元(校下・町会)で分け合って支える、金沢独特の仕組み。中身は3点セットです。

    🤝
    ① 地域主導
    運営は地元に委託
    公民館の館長は地元の推薦で決まり、60館それぞれに「振興協力会」という地元の管理団体がある
    🙋
    ② ボランティア
    担い手は住民
    行事も委員も、地域のボランティアが支える
    💴
    ③ 地元負担
    運営費・整備費の1/4
    建て替え費や運営費の一定割合(基本は4分の1)を地元が負担する
    🧮 お金のイメージ: 公民館の建て替えに2億円かかるとしたら——市が約1.5億円、地元が約5,000万円。この5,000万円を、校下の町会が会費や寄付で集めます。あなたが払っている町会費の一部は、こうして地域の施設になっている——いわば「第二の税金」です。
    💡 なんで教育でも税金でも都市開発でも出てくるん? それ、いい所に気づいてます。金沢方式は1つの仕組みが3つの顔を持っているから:①公民館は教育委員会が所管する社会教育施設(=教育の話)、②地元負担は町会費・寄付=事実上の住民負担(=税金・お金の話)、③施設整備と校下単位のまちづくり(=都市開発・コミュニティの話)。だから市政のあらゆる場面に顔を出す——金沢の市政を理解する最重要ワードです。

    ※出典:金沢市地区公民館の公式説明(地域主導・ボランティア・地元負担1/4の3要素)、北陸中日新聞。対象施設や負担割合の詳細は施設の種類・時期により異なります。

    🚒 実データで見る金沢方式——消防の施設、3割は町会が払っている市の実データ5年分

    「金沢方式」の実際の負担額を、当サイトが情報公開の手続きで消防局から入手しました。消防団の機械器具置場・ポンプ車などの整備実績(令和3〜7年度)です。

    5年で74件・4.6億円整備は5年間で74件・総事業費4億5,778万円。うち市の補助が2億7,438万円地元(町会など)の負担が1億3,924万円——総事業費の30.4%です(当サイトで検算・令和3〜6年度は「補助+地元=総事業費」が全年度で一致)。まちを守る消防団の建物と車の、およそ3割は住民のお金で建っています。
    昭和44年から57年もの根拠の「消防施設に対する補助取扱要領」は昭和44年制定・改正約50回——ほぼ毎年手直しされながら半世紀以上続く、金沢方式の生きた現物です。対象は防火水そう・警鐘台・機械器具置場・ポンプ自動車など8種類。
    令和7年度、大きな手直し「地元負担が重い」への対応が令和7年度に入りました。補助率3/4→4/5へ引き上げ、小さな町会(500世帯未満)は9割補助解体工事や屋上・外壁改修は市が全額負担に、建築の補助基準単価も耐火構造で165,700円→309,100円/㎡とほぼ倍増(建築費高騰への追いつき)。ポンプ車購入も含め、負担軽減が予算の【共創】枠で措置されています。
    数字の正直な注記令和7年度は総事業費1億2,869万円に対し補助5,800万円+地元2,654万円で、約4,416万円の差があります。同年度から始まった「市が全額負担する解体・改修」を含むためとみられますが、内訳の明細は今回の資料にはありません。

    出典:金沢市消防局消防総務課「消防団関係施設 年度別執行件数・執行額一覧(令和3〜7年度)」(情報提供・2026年8月受領。R3=14件・総事業費66,160,073円・補助41,370,000円・地元24,790,073円/R4=14件・138,885,290円・90,850,000円・48,035,290円/R5=28件・77,181,297円・53,280,000円・23,901,297円/R6=9件・46,854,880円・30,880,000円・15,974,880円/R7=9件・128,693,689円・58,000,000円・26,538,469円。5年計74件・457,775,229円・274,380,000円・139,240,009円=地元負担率30.4%。縦横の合算・各年度の内訳一致は当サイトで検算)、「消防施設に対する補助取扱要領」(昭和44年4月1日制定・別表に全分団のエリア区分)、金沢市「令和7年度当初予算概要」抜粋(消防団施設整備助成費105,820千円=ポンプ自動車等購入費補助39,140千円・機械器具置場等整備費補助59,980千円、補助率・単価改定と全額市負担の新設、消防団運営費181,733千円〈女性消防分団の全団創設9,316千円等〉)。

    📜 なぜ生まれた?——1952年の「取引」金沢

    1952年戦後の財政難の中、金沢市は校下ごとに公民館をつくりたかった。でも市のお金だけでは全然足りない。そこで生まれたのが「地元もお金と人を出す。そのかわり早くつくり、運営も地元に任せる」という取引——これが金沢方式の始まり。
    結果①全国でも異例の公民館密度が実現。全国標準は中学校区に1館のところ、金沢は小学校区(校下)ごとに60館(→校下ってなんや?)。市のお金だけでやっていたら、この数は不可能だった。
    結果②「自分たちの施設」という当事者意識。自分たちで払い、自分たちで運営するから、愛着も発言権も生まれる。地域の運動会・防災訓練・子ども会——金沢の地域力の土台はここにある。災害時の共助の強さにもつながっている。
    ルーツさらにさかのぼれば、加賀藩の時代から金沢は町人が町のことを自分たちで担う伝統のまち(→金沢市民って、トクなん?の「株主モデル」)。金沢方式は、その伝統が制度になったものとも言える。

    ⚠️ そして今、限界が来ている金沢

    📈
    建設費の高騰
    数千万円を町会が集める時代
    資材費・人件費の高騰で建て替え費が急上昇。「1/4」の重さが昔と桁違いに
    📉
    町会加入率の低下
    払う人が減っていく
    しかも町会に入っていない人も施設は使える——「公平なのか?」という問題
    🚒
    実際に起きていること
    計画が止まる地区も
    材木・味噌蔵地区では消防分団の施設計画が宙に浮き、地域の安全に不安の声(北陸中日新聞 2026年2月)
    ⚠️ 市の対応と、地元の声: 市は2025年度に地元負担率の引き下げ(軽減措置)に踏み切りました。でも現場からは「工事費が上がる中で、負担率引き下げは焼け石に水。地元が負担する仕組み自体を見直してほしい」(材木・味噌蔵地区の町会役員・北陸中日新聞より)という声。市議会でも取り上げられ、議論は続いています(→いま動いている話)。
    ⚖️ 論点を中立に整理すると:
    【続けたい側の言い分】①地域の当事者意識と自治の伝統が失われる ②全部市の負担にすれば財政を圧迫し、施設の統廃合が早まるかもしれない ③「タダでもらう施設」は大事にされない。
    【見直したい側の言い分】①人口減・高齢化・加入率低下で、もう地域に体力がない ②未加入者も使えるのに負担は加入者だけという不公平 ③施設や安全(消防)は本来、市の仕事ではないか。
    ——どちらにも筋があります。これは「昭和の金沢」がつくった仕組みを「令和の金沢」がどう引き継ぐかという問題。決めるのは、これからの市民と議会です。

    ※出典:北陸中日新聞(2024年5月・2026年2月)、金沢市地区公民館の公式説明、市議会会議録(2月議会一般質問)。

    🗣️ 論争の最前線——「そもそも、払う義務はあるのか」金沢

    市が
    動いた
    負担への不満の高まりを受け、金沢市は2024年に「金沢方式あり方検討懇話会」を設置しました。学識経験者・地域団体・若い世代で構成し、公民館・児童館・消防団の施設整備における地元負担の軽減などを議論。これを踏まえて令和7年(2025年)4月から負担軽減が適用されました。「昭和の仕組み」を市が公式に見直しのテーブルに載せた、歴史的な動きです。
    最大の
    争点
    しかし、より根源的な問いを投げかける市民団体(「市民目線で金沢方式を考える会」)が現れました。主張はこうです——「そもそも市が住民から施設の建設費を集める“法的根拠”があるのか」「町会費に上乗せして集める寄付は、本当に“任意”か、事実上の“強制”ではないか」。これに対し市は「あくまで任意の負担であり問題はない」という立場。負担率を何%にするかという議論の、さらに一段深いところで、「税外負担」という仕組みそのものの正当性が問われています。
    実は
    定義が
    あいまい
    議論を難しくしているのが、「金沢方式とは何か」の公式な定義が、実ははっきりしないことです。市は懇話会で、その始まり(昭和27年、地元負担で当初計画より30館多く公民館を開設した経緯)を説明しましたが、市民団体はこれを「定義ではなく“経緯”の説明にすぎない」と指摘。70年以上続く仕組みなのに、その根拠が明文化されていない——議論の土台そのものが揺れているのです。
    🌱 このカードの結論: 金沢方式は、金沢の地域自治の密度を生んだ誇るべき仕組みであると同時に、いま「負担の重さ」「不公平さ」「法的根拠」という3つの問いに直面しています。市は軽減で応じ、市民団体は仕組みそのものを問う。あなたの町会費の一部が、どこへ、どんな根拠で流れているか——知ることが、この論争に参加する第一歩です(→金沢市民の本音)。

    ※出典:金沢市「金沢方式のあり方に関する検討について」(企画調整課)、北陸中日新聞、市議会会議録、「市民目線で金沢方式を考える会」シンポジウム報道・公開資料。論点整理は各主体の主張を対比したもので、当サイトの立場を示すものではありません。

    💡 町会の街路灯にも、市のお金が入ってます
    令和6年度決算では、町会が管理する公衆街路灯の電気料金等への補助が7,237万円、防犯灯のLED化事業費が1億856万円。夜道の明かりは「地元が守り、市が支える」——金沢方式の考え方が、こんな身近なところにも生きています。

    出典:金沢市「令和6年度一般会計歳入歳出決算事項別明細書」(令和7年12月定例月議会で認定)

    🚒 本業を持ちながら火事に駆けつける人たちに、年2.65億円
    消防団関係の令和6年度決算は、団員費1億4,244万円+運営費1億408万円+施設整備助成1,211万円+活性化対策620万円=約2億6,483万円。分団の施設は地元も負担する金沢方式の一方で、団員の報酬・装備・運営はまちが支えています。「地元が担い、市が支える」——この仕組みの、消防版です。

    出典:金沢市「令和6年度一般会計歳入歳出決算事項別明細書」(令和7年12月定例月議会で認定)

    Only in Kanazawa

    金沢市民って、トクなん?

    他の市との違い

    🥇 実は金沢が「日本で最初」だったもの金沢

    1889年全国で最初に「市」になった31市のひとつ。市としてのキャリアは日本最古参組。
    1968年日本初の景観条例「金沢市伝統環境保存条例」。まだ「景観」という言葉すら一般的でなかった高度成長期に、開発から古い街並みを守るルールを全国で最初につくったのが金沢。国が景観法をつくる37年も前の話。その後も用水保全条例・斜面緑地保全条例・寺社風景保全条例・夜間景観形成条例と、「景観を守る条例のフルコース」を持つまちになった。制定の物語は金沢の条例に詳しく。
    1973年泉鏡花文学賞——全国規模の自治体主催文学賞として全国に先駆けて制定(市の公式説明より)。五木寛之らが選考委員を務め、吉本ばなな・髙村薫らが受賞してきた本格派。しかも条例(鏡花文学賞条例)で設置されている。文学賞を条例で持つまち、なかなかない。
    1996年金沢市民芸術村——全国の公立文化施設で初めて「365日24時間」使える施設を実現。紡績工場の倉庫群を改修し、深夜でも早朝でも、バンド練習も演劇稽古もできる。
    2009年ユネスコ創造都市(クラフト分野)にアジアで初めて登録(→金沢の文化)。

    ※出典:Wikipedia「景観条例」・国土交通省資料・都市計画学会論文(伝統環境保存条例)、金沢市公式サイト(泉鏡花文学賞・例規集)、IDEAS FOR GOOD取材記事および金沢市民芸術村条例。 「全国唯一」だったガス・発電の話はガスと発電、売った話へ。

    🎫 金沢市民が実際に使える「金沢ならでは」金沢(料金・制度は2026年8月時点)

    🎸
    市民芸術村
    24時間・365日
    工房は2時間1,100円ほど。深夜のバンド練習も演劇稽古もOK。運営は公募の「市民ディレクター」——市は「金は出すが、口は出さない」方針
    ✍️
    市民文学賞
    市民が応募できる
    泉鏡花記念金沢市民文学賞。あなたの小説やエッセイが、あの鏡花の名を冠した賞の対象になる
    🎓
    市立の美大
    金沢美術工芸大学
    市が美術大学を持つのは全国でも数えるほど。卒業生には世界的デザイナーや芸術家がずらり
    🏫
    校下公民館 60館
    歩いて行ける距離に必ずある
    全国標準(中学校区に1館)の倍以上の密度(→校下ってなんや?
    🧑‍🎓
    学生のまち条例
    学生を条例で応援
    「学生のまち推進条例」を持ち、片町に学生と市民の交流館まで設置している
    🖼
    文化施設の密度
    21美・工芸館・美術館…
    21世紀美術館(市立!)、国立工芸館、県立美術館などが徒歩圏にぎゅっと集積
    🚌
    ふらっとバス
    大人100円・小学生50円
    路線バスが通れない細い路地を巡る市のコミュニティバス。4ルート・約20分間隔・バス停は約200mおき。子育て虹色クーポンで親子利用なら大人1人無料になる
    🚲
    まちのり(シェアサイクル)
    電動アシスト 30分165円
    まちなか約70か所のポートでどこでも借りてどこでも返せる。約500台のうち5台だけ、金箔装飾の「はくのり」が走っている——見つけたら強運
    💡 で、結局「金沢市民の特徴」って何なん? 調べて見えてきた答えはこれ——「市民がお客さんじゃなくて、担い手にされるまち」。芸術村は市民ディレクターが運営し、公民館は校下が支え、文学賞は市民参加で選考し、まつりは校下単位で歩く。行政サービスを「受ける」だけじゃなく「担う」設計が、江戸時代の町人文化からずっと続いている。これが金沢市民である一番の違いです。そして——

    ⚖️ その裏返し:「金沢だけの負担」もある金沢

    「市民が担い手」には、裏の顔もあります。トクな話だけ載せるのはフェアじゃないので、こちらも。

    お金金沢方式——公民館や児童館の建て替え費の一部を、市ではなく地元の町会=住民が負担する全国でも珍しい仕組み。「担い手」文化のお金バージョン。しくみの全体像は金沢方式まるわかりで(→いま動いている話)。
    景観のルールが厳しい——日本初の景観条例のまちは、裏を返せば家を建てるときの届出や、色・形・高さの制約が多いまちでもある。区域によっては外壁の色ひとつにも基準がある。美しい街並みは、市民一人ひとりの「不自由」の積み重ねでできている。
    地域校下の付き合いが濃い——町会・子ども会・消防団・公民館行事。地域のつながりが強いことは防災や子育てでは大きな財産だが、「役が回ってくる」まちでもある。町会加入率の低下は、この負担感の表れという見方もできる。
    ⚖️ 中立に言えばこう: 金沢市民であることは、「文化と自治の株主」になることに近い。配当(24時間の芸術村、美しい街並み、濃い地域コミュニティ)は大きいけれど、出資(金沢方式、景観の制約、地域の役)も求められる。この「株主モデル」を続けるか、少しずつ「お客さんモデル」に変えていくか——金沢方式の見直し議論の本質は、実はここにあります。あなたはどっち派?

    ※景観規制の対象区域・基準は場所により異なります。詳細は市の景観政策課ページで確認できます。

    The Maeda Family

    前田家ってなにした人?

    金沢をつくった殿さまたち

    金沢の歴史をたどると、茶屋街も、寺院群も、用水も、兼六園も、ぜんぶ前田家(まえだけ)という殿さまの一族にたどりつきます。加賀百万石(かがひゃくまんごく)を約260年おさめた前田家。有名なのは初代の利家(としいえ)ですが、金沢の文化をつくったのは、実は2代・3代・5代あたりの殿さまたちです。ここでは「誰が何をしたか」をざっくり紹介します。

    📏 「加賀百万石」ってどれくらい?
    加賀藩は、江戸幕府をのぞくと大名で最大の102万5千石(ごく)を領しました。石高(こくだか)は米のとれ高で、その土地の豊かさ・力の大きさを表します。金沢は江戸・大坂・京の三都につぐ規模の大都市でした。

    💰 どれだけスゴかったの?(数字で見る加賀百万石)

    🥇 大名では、ぶっちぎりの日本一
    江戸時代の石高ランキングを見ると、加賀藩の別格ぶりがわかります。

    ① 徳川幕府 ……… 約800万石(別格)
    ② 加賀藩 ……… 102万石 👑大名トップ
    ③ 薩摩藩 ………… 約72万石
    ④ 仙台藩 ………… 約62万石
    ⑤ 尾張藩 ………… 約61万石

    幕府をのぞけば、加賀藩はずっと日本一の大名でした。しかも「102万石」は表向きの数字(表高)で、実際の生産力(実高・内高)は幕末には約130万石あったといわれます。ちなみに富山藩・大聖寺藩を分ける前(1634年確定)の表高は約119万石でした。
    👑 家臣なのに「大名級」がゴロゴロ
    加賀藩には、家臣なのに大名並み(1万石以上)の家がいくつもありました。特に藩政をになった8つの重臣の家を「加賀八家(かがはっか)」と呼びます。筆頭の本多家はなんと5万石。これは小さな藩ひとつ分。

    「藩主の前田家+加賀八家で、金沢には大名が9人いた」とも言われました。本多家の5万石を今のお金にざっくり直すと年収およそ25億円という試算も(1石≒1両≒約5万円で換算)。家臣でこれです。
    🎌 待遇は「徳川御三家なみ」の別格
    前田家は外様(とざま=もとは徳川の家来ではない)大名でしたが、徳川将軍家と何度も結婚で結びつき、特別あつかいを受けました。松平(まつだいら)の名字と、葵(あおい)の紋の使用を許され、将軍に会うときの控えの間も、御三家と同じ格の高い「大廊下(おおろうか)」でした。外様なのに、ほぼ親戚あつかいだったのです。
    🎉 「金沢百万石まつり」は、なぜあるの?
    金沢で毎年6月に開かれる最大のお祭り「金沢百万石まつり」。その由来は、まさに前田家にあります。藩祖・前田利家が、天正11年(1583年)6月14日に金沢城へ入城し、金沢の街の礎を築いた——この偉業をしのんで開かれているのです。

    ルーツは、利家を祀る尾山神社のお祭り。現在の形の百万石まつりは、戦後の1952年(昭和27年)に、金沢市と商工会議所が中心となって始めた「商工まつり」が第1回でした。今では、俳優が利家役をつとめる豪華絢爛な「百万石行列」をはじめ、加賀獅子や加賀とびなど、400年余り受けつがれた伝統が街を彩ります。

    金沢の一年でいちばん大きなお祭りが、前田利家の金沢入城の記念日から生まれている——これこそ、金沢が今も前田家とともにあることの、いちばんの証かもしれません。
    🔗 校下の歴史は、ぜんぶ前田家につながる
    このサイトの「校下」を選んで歴史を読むと、必ずといっていいほど前田家の殿さまが出てきます。茶屋街も、寺院群も、用水も、醤油も、焼き物も——金沢という街は、前田家が約260年かけてつくり、育てたまちなのです。校下カードで「また前田か!」と気づいたら、それが金沢を理解する第一歩です。(→校下カードへ

    ※出典:前田家歴代当主については、兼六園公式サイト、加賀藩関連資料、各藩主のWikipedia等の一次・二次資料にもとづきます。石高・年号・業績は諸資料で確認できるもののみ記載しています。藩主の代数は、藩祖・利家を初代とし、利常を3代、綱紀を5代、慶寧を14代とする、金沢で広く使われる「前田家当主」の数え方に従っています(別に、利長を1代とする「加賀藩主」基準の数え方もあり、その場合は綱紀が4代・慶寧が13代となります)。

    🏯 金沢城って、どんな城だった?
    🗼 幻の天守と、火事とのたたかい
    もとは加賀一向一揆の拠点「尾山御坊(おやまごぼう)」があった場所。織田信長がこれを攻め落とし、のちに前田利家が入りました。利家は1592年から城を大改修し、望楼型(ぼうろうがた)5重6階の天守をそびえさせました。ところが1602年に落雷で焼失。以後、天守は再建されませんでした。金沢城は「火事の城」といえるほど何度も焼け、そのたびに再建されています。
    🚪 城内最大の建物「二の丸御殿」——60を超える部屋
    藩主が暮らし、政治を行った中心は二の丸御殿(にのまるごてん)。その広さは約3,200坪(テニスコートおよそ40面分!)、部屋数は60を超えました。中は大きく3つに分かれていて——

    表向(おもてむき)=儀式や政治の公式な場
    御居間廻り(おいままわり)=藩主の日常の生活空間
    奥向(おくむき)=女性たちが暮らす場所

    金や障壁画(しょうへきが=ふすまや壁の絵)でかざられた、加賀百万石の栄華の象徴でした。加賀の絵師・岸駒(がんく)が描いた虎の絵があった「虎の間」などの部屋もありました。1881年(明治14年)に焼けて以来、長く姿を消していましたが、今、石川県が「令和の築城」として復元を進めています。
    🪨 城を積んだ石と、庭
    金沢城の石垣は、その大半が東の戸室山でとれた戸室石(→医王山校下)。積み方が場所ごとに違い、「石垣の博物館」と呼ばれます。城のとなりの兼六園は、もともと5代・綱紀が城に付属して作らせた庭がはじまりで、日本三名園のひとつになりました。
    ⚔ 幕末、加賀藩は7,793人を送り出した
    時代が明治にかわるとき、加賀藩は戊辰戦争(ぼしんせんそう)に7,793名という大軍を送り出しました。これは新政府軍のなかでも随一の人数。最後まで、加賀百万石の「人の多さ・力の大きさ」を示した数字です。
    🕳 惣構(そうがまえ)——まちに残る「見えない城壁」金沢

    金沢のまちなかを流れる用水。あれ、ただの水路やないんです。400年前の「城の防衛線」の生き残りです。

    ⚔️ 27日で掘られた、まちを囲む堀: 1599年(慶長4年)、2代・利長が高山右近(あの有名なキリシタン大名。前田家の客将でした)に命じて、城下を囲む内惣構を造らせました。1610年には3代・利常が家臣の篠原一孝に外惣構を。堀と土居(土の壁)の二重の輪で城下町をまるごと囲んだんです。堀は深いところで約5m、土居は最大9mの高さがあったといわれます。
    💧 いまも、そこにある: 役割を終えた惣構の堀は埋められて細くなり、用水としていまも市内を流れています。惣構は河岸段丘の斜面を利用して造られたので、まちなかの「坂の下の水路」がその名残。2008年に金沢市指定史跡になり、主計町緑水苑や枯木橋のたもと、升形などで堀と土居が復元されています。散歩の景色が、実は城壁の跡——これが空襲を受けなかった金沢の底力です。

    ※出典:金沢市「金沢城惣構跡」、文化財保護課の調査・整備資料。

    🚶 参勤交代——2000人の大行列、片道◯億円
    🏯 全国最大規模の大名行列
    参勤交代(さんきんこうたい)は、大名が江戸と自分の領地を行き来する制度。加賀藩の行列は、少なくても約2,000人、多いときは4,000人を超え、全国の大名でも最大規模でした。金沢から江戸まで約480km(北国街道→中山道)を、12泊13日かけて歩きました。

    その費用は、資料によって幅がありますが片道でおよそ1億2千万円〜数億円と試算されています。この出費は諸大名の財政を弱らせ、結果として幕府の力を強めることにつながりました(それも幕府のねらいでした)。
    🌳 兼六園——「六勝」を兼ねる庭
    🎋 名前の意味を知ってる金沢人は意外と少ない
    兼六園(けんろくえん)の「兼六」とは、ふつう両立しない6つのすぐれた景色(六勝)を兼ね備えるという意味です。中国の古い書物『洛陽名園記(らくようめいえんき)』が由来で、その6つとは——

    宏大(こうだい)=広々/幽邃(ゆうすい)=奥ぶかい静けさ/人力(じんりょく)=人の手/蒼古(そうこ)=古びた趣/水泉(すいせん)=池や滝/眺望(ちょうぼう)=見晴らし。

    「広いと静けさがない」「人の手が入ると古びた趣が減る」——ふつうは相反するこの6つを、すべて兼ねているという意味です。1822年(文政5年)に、幕府の老中・松平定信(まつだいらさだのぶ)が扁額(へんがく=額の字)を書いたと伝わります。
    ⏳ 180年かけて完成した庭
    兼六園は、5代・綱紀が1676年に建てた別荘の庭にはじまり、歴代の藩主が手を加えつづけて、13代・斉泰の頃にほぼ今の姿になりました。じつに約180年がかり。雪吊りで有名な唐崎松は、13代・斉泰が琵琶湖畔の唐崎から松の種子を取り寄せて育てたもの——名前は滋賀の地名なんです。園内には日本最古とされる噴水もあり、ポンプを使わず自然の水圧だけで約3.5m吹き上がります(辰巳用水の高低差を利用。→田上校下)。
    💍 珠姫(たまひめ)——3歳で金沢へ嫁いだ姫
    👶 戦国最強クラスの血すじ
    3代・利常の正室珠姫は、徳川2代将軍・秀忠の次女。母のお江(ごう)は織田信長の妹・お市の娘で、織田・豊臣・徳川の血すじを引く、当時屈指の姫でした。

    藩祖・利家の死後、「前田が徳川を討つ」といううわさが流れ、徳川が前田を攻めようとする緊張が走ります。前田家は、利家の妻・まつ(芳春院)を人質として江戸に送ることで難を避け、その代わりに珠姫を利常の妻に迎えることになりました。
    💐 わずか3歳で輿入れ、24歳で早世
    珠姫が金沢城に輿入れしたのは1601年、わずか3歳のとき。14歳で5歳年上の利常と結婚し、10年で3男5女をもうけました。夫婦仲はよく、実父の将軍に「参勤交代中の夫を早く金沢に帰して」と手紙を書いたほほえましい話も残ります。

    しかし1622年、24歳の若さで死去。利常が妻を弔うため建てたのが天徳院で、その敷地は往時約4万坪(東京ドーム約3個分)もありました(→小立野校下)。珠姫は、加賀百万石の危機を救った姫として、今も金沢で敬愛されています。
    🎭 加賀騒動——足軽の子の出世と転落
    📈 17回の昇進、異例の大出世
    18世紀なかば、加賀藩で大きなお家騒動が起きました。「加賀騒動」です。主役は大槻伝蔵(おおつきでんぞう)。もとは足軽(下級の武士)の子でしたが、6代・吉徳の遊び相手から取り立てられ、18年間で17回もの加増・昇進を重ね、3,800石の上級家臣にまで駆けあがりました。
    📉 後ろ盾を失い、失脚
    ところが、伝蔵を引き立てた吉徳が亡くなると、伝蔵をよく思わない門閥・保守派に追い落とされます。禄(給料)を取り上げられ、越中の五箇山(ごかやま)へ流され、配所で自ら命を絶ちました。連動して、吉徳の側室・真如院(しんにょいん)とその子も、毒殺未遂事件にからんで幽閉され、命を落とします。改革派と保守派、家督をめぐる争いが複雑にからんだ、加賀藩最大のスキャンダルでした。

    🎨 なぜ金沢は「工芸のまち」なのか

    🛠 前田家が職人を育てた
    金沢が今も「工芸のまち」と呼ばれるのは、前田家が学問とともに工芸を手あつく保護したからです。加賀藩は、外様(とざま)大名として幕府に警戒されないよう、軍事よりも文化・芸術に力を注ぐという道を選びました。

    藩は、刀の細工や蒔絵(まきえ)、金工などの職人を城で抱えて技をみがかせ、京都から一流の職人(大樋焼など→森山校下)も招きました。こうして加賀友禅・金沢箔・九谷焼・加賀象嵌(ぞうがん)など、数々の伝統工芸が花ひらいたのです。学者・新井白石が「加賀は天下の書府(=学問・文化の宝庫)」と言ったのは、こうした前田家の姿勢があってのことでした。
    🌳 前田家14代の家系図

    加賀藩をおさめた前田家の当主14代。★は特に金沢に大きな足あとを残した殿さまです。タップで、その殿さまに関わる校下へ飛べます。

    藩祖前田利家としいえ / 1538-1599加賀百万石の祖
    2代前田利長としなが / 1562-1614関ヶ原で東軍→119万石・高岡を開く
    養子(兄→弟)
    3代前田利常としつね / 1593-1658利家の四男。三寺院群・大野醤油・珠姫。金沢文化の土台
    4代前田光高みつたか / 1616-164529歳で早世
    5代前田綱紀つなのり / 1643-17243歳で継ぎ80年治世。兼六園の原型・大樋焼・天下の書府
    6代前田吉徳よしのり / 1690-1745大槻伝蔵を登用→加賀騒動
    吉徳の子が兄弟で継承(早世つづく)
    7代宗辰むねとき
    8代重煕しげひろ
    9代重靖しげのぶ
    10代重教しげみち
    11代前田治脩はるなが / 1745-1810吉徳の子。藩校・明倫堂を創設
    12代前田斉広なりなが / 1782-1824竹沢御殿→兼六園の整備へ
    13代前田斉泰なりやす / 1811-1884兼六園を今の姿に完成。約40年治世
    14代前田慶寧よしやす / 1830-1874卯辰山開拓。加賀藩最後の藩主

    ※3代・利常は利家の四男で、子のなかった兄・利長の養子として家督を継ぎました。7〜11代は6代・吉徳の子どもたちが、早世のため次々と兄弟で継いでいます。(数え方は藩祖・利家を初代とする当主基準)

    👑 金沢をつくった主な殿さま

    ※このサイトでは、前田家の当主としての代数(藩祖・利家を初代とし、利常を3代、綱紀を5代…と数える、金沢で広く使われる数え方)で表記しています。ここでは特に金沢に関わりの深い殿さまを取り上げます。

    🌸 藩祖・前田利家(としいえ)
    尾張(今の名古屋あたり)生まれ。若いころは「槍(やり)の又左(またざ)」と呼ばれた織田信長の家臣でした。のちに豊臣秀吉の政権で五大老(ごたいろう)という最高幹部の一人に。1583年(天正11年)に金沢城に入り、加賀百万石の礎(いしずえ)を築きました。金沢の「尾張町」は、利家が故郷から呼んだ商人のまちです(→味噌蔵町校下)。
    ②代・前田利長(としなが)
    利家の長男。関ヶ原の戦いでは徳川(東軍)側につき、加賀・能登・越中の3国で119万石という日本最大の大名になりました。富山県の高岡(たかおか)のまちを開いたのもこの人です。
    ③代・前田利常(としつね)
    利家の四男。徳川との対立をさけつつ、藩のしくみを整えた名君。城下に散らばっていた寺を3か所に集めて金沢三寺院群をつくり(→小立野弥生馬場)、大野の醤油づくりを後おしし(→大野町)、妻に徳川秀忠の娘・珠姫(たまひめ)を迎えました(→天徳院・小立野)。金沢文化の土台をつくった殿さまです。
    ⑤代・前田綱紀(つなのり)
    3歳で藩主になり、祖父の利常が後見しました。学問と工芸を手あつく保護し、学者・新井白石に「加賀は天下の書府(=学問の宝庫)」と言わせたほど。兼六園のはじまり(蓮池庭)をつくり、京都から茶道と大樋焼(おおひやき)を招きました(→大樋焼・森山)。80年以上生きた長寿の名君です。
    ⑪代・前田治脩(はるなが)
    藩主の早世が続いたため、いちど出家していたのに呼びもどされて藩主になった人。学問を好み、1792年(寛政4年)に藩校明倫堂(めいりんどう)を兼六園のとなりに創設しました。
    ⑬代・前田斉泰(なりやす)/⑭代・前田慶寧(よしやす)
    13代・斉泰は、今に伝わる兼六園をほぼ今の姿に整えた殿さま。約40年の治世は幕末の激動期でした。その長男の14代・慶寧が加賀藩最後の藩主です。慶寧は、福沢諭吉「西洋事情」に触発され、庶民のための病院や施設を卯辰山に開きました(→卯辰山・浅野町)。明治維新をむかえ、260年つづいた加賀藩は幕を閉じます。

    🎩 明治維新のあと、前田家はどうなった?

    🏯 藩がなくなり、東京へ
    明治になり、1871年(明治4年)の廃藩置県で加賀藩はなくなりました。最後の藩主・14代慶寧(よしやす)は東京へ移り住み、父の13代斉泰(なりやす)も上京。約290年つづいた前田家の金沢での歩みは、ここで一区切りをむかえます。
    🎖 「侯爵(こうしゃく)」になった前田家
    明治の世で、旧大名などには「華族(かぞく)」という新しい身分が与えられました。前田家は、そのなかでも上位の「侯爵」とされ、「皇室の守り」として東京に住むことになりました。

    じつは、江戸時代に前田家が置いていた本郷(今の東京大学のあたり)の広大な屋敷跡が、のちに東京大学の敷地になっています。東大の名所「赤門」は、もともと前田家の門(13代・斉泰が徳川将軍の娘を迎えるときに建てた朱塗りの御守殿門)でした。
    ⚔ 陸軍大将になった16代・前田利為(としなり)
    近代の前田家で最も知られるのが、16代当主・前田利為です。支藩の七日市(なのかいち)藩から本家の養子に入り、陸軍で大将にまで昇りました。陸軍士官学校の同期には、のちの首相・東條英機がいます。東京・駒場に建てた邸宅は「東洋一の大邸宅」と呼ばれ、今も目黒区の駒場公園に「旧前田侯爵邸」として残っています。利為は1942年(昭和17年)、南方のボルネオで亡くなりました。
    📚 加賀百万石の宝は、今も金沢で見られる
    5代・綱紀が集めた「天下の書府」の流れをくむ前田家の宝物は、尊經閣文庫(そんけいかくぶんこ)として今に伝わっています。国宝22件・重要文化財77件という、一つの家のコレクションとしては驚くべき質と量。金沢本万葉集や土佐日記(藤原定家の写し)など、日本の宝がふくまれます。

    文庫そのものは東京(目黒区駒場)にありますが、前田家と金沢の深いつながりから、そのうち約400点は、石川県立美術館や成巽閣(せいそんかく)で見ることができます。殿さまが集めた宝を、今も金沢で目にできるのです。なお、前田家は今も続いており、18代当主・前田利祐(としやす)氏は利家の直系の子孫にあたります。
    🤝 前田と徳川、昭和の会社で「同僚」に
    ここに、歴史のめぐり合わせを感じるエピソードがあります。18代当主・前田利祐氏は、学習院大学を出たあと日本郵船(にっぽんゆうせん)という会社に勤めました。そして、徳川将軍家(徳川宗家)の18代当主・徳川恒孝(つねなり)氏が、その会社の後輩として入り、一時期、二人は本社の同じ部署で机を並べて働いていたことがあるのです。

    徳川氏は、当時のことをこう振り返っています。職場に、人を怒鳴ることで有名な副部長がいて、「前田!徳川!ちょっと来い!」と二人まとめて呼びつけていた、と。そして「前田と徳川を呼びつけたのは、太閤(たいこう=豊臣秀吉)以来おれだけだ」と、その副部長は冗談を言っていたそうです。

    戦国の世であれば、天下を左右した二つの大名家。その子孫が、昭和の会社で同じ部署の先輩・後輩として働いていた——時代の移り変わりを、これほど感じさせる話もありません。
    Kanazawa Sports

    金沢のスポーツ

    日本一の王朝、苦闘のクラブ、百万石の球団

    金沢には「うちの町のチーム」が4つあります。日本一の王朝も、地震を乗り越えたチームも、名前に隠し味があるクラブも。知れば知るほど、応援したくなる話を集めました。

    🤾‍♀️ ハニービー石川——「巨人のV9超え」が金沢にある金沢

    1975年、北國銀行のチームとして創設。いまや日本リーグ前人未踏の10連覇(2014〜2024)・通算11回優勝の絶対王者です。

    📉→📈 最初から強かったわけやない: リーグ参加した1978-79シーズンは8チーム中7位で、入れ替え戦をなんとか生き残る弱小チームでした。翌年もその翌年も入れ替え戦ギリギリ。そこから40年かけて、プロ野球・巨人のV9を超える10連覇の王朝を金沢に築いたんです。2022-23シーズンは社会人選手権・国体・日本選手権・リーグの四冠。エースの中山佳穂・相澤菜月はドイツのクラブへ移籍——金沢から世界に選手を送り出しています。
    💡 名前が変わった理由: 2024年に法人化し、2025年から「北國銀行ハニービー」→「ハニービー石川」に。銀行の実業団チームから、地域のクラブへ。10連覇は2024-25シーズンにストップしましたが、王座奪還を懸けた戦いが続いています。

    ⚽ ツエーゲン金沢——名前に「金沢弁」が隠れている金沢

    前身は1956年創設の金沢サッカークラブ。実は70年の歴史があります。2006年に改名、2014年にJリーグ入り。

    🗣 「ツエーゲン」の正体: ドイツ語のzwei(2)+gehen(進む)で「チームとサポーターが共に進む」——と見せかけて、本当の元ネタは金沢弁の「つえーげん!(強いんだ!)」。方言とドイツ語のダブルミーニングです。ちなみに本物のドイツ語でzweigenは「(複数の)枝に」という意味になってしまい、発音も「ツヴァイグン」。ドイツ人が聞いたら「枝?」となる、世界にひとつの名前です。
    💰 クラブのお金、ぜんぶ公開されています: Jリーグのクラブは毎年決算を公開する決まり。近年のツエーゲンは売上約7.4億円——うちスポンサー収入約3.3億円、入場料約7千万円。選手・監督などの人件費は約3.3億円です。新スタジアム元年の2024年は平均観客5,435人で過去最多を記録し、社長が市長に「スタジアムのおかげ」と報告しました(→金沢のハコモノ)。
    ⚽ もうひとつの金沢サッカー話: 本田圭佑は金沢の星稜高校出身。金沢に恩義を感じた本田は、小学生のための人工芝コート「本田圭佑クライフコート」(2011年)を金沢に残しています。

    🏀 金沢サムライズ——どん底から立ち上がり続けるチーム金沢

    2015年、石川県初のプロバスケとして「金沢武士団」の名で参入。全部漢字のチーム名はリーグ初でした。マスコットはライゾウ。

    ⚡ 実は波乱万丈: 一度はB2昇格を果たしたものの、3期連続で年1億円規模の赤字となり、2019年にB2ライセンス不交付——成績と関係なくB3へ。さらに2024年1月の能登半島地震で、練習拠点の田鶴浜体育館(七尾市)が被災してホーム開催すらできなくなりました。
    🤝 それでも、金沢らしかった: 選手たちは避難所になった体育館で毎晩「語ろう亭」を開き、被災者と語り合いました。対戦相手の岐阜は自分のホームゲームを「Wホームゲーム」として金沢の応援演出で開催してくれ、東京・代々木ではチャリティマッチも。スポーツが地域のためにあることを、いちばん苦しいときに証明したチームです。2026年、チーム名を「金沢サムライズ」に改めて再出発しています。

    ⚾ 石川ミリオンスターズ——名前は「百万石」金沢

    2007年、独立リーグ・BCリーグの初代王者。チーム名の由来は加賀百万石(百万=ミリオン)、チームカラーの紺は日本海の色です。

    🌟 記録もドラマも持ってる球団: 独立リーグ日本一2回。明石家さんまが「1日コーチ」に来た日は15,877人——国内独立リーグの観客動員最多記録です。開幕直前に能登半島地震(2007年)が起きた初年度は、ユニフォームに「がんばろう能登」のワッペンを付けて戦いました。楽天やオリックス、西武、巨人へ選手を送り出し、地元出身の高卒選手がNPBに指名される夢の通り道にもなっています。2024年は日本海リーグ優勝。会社は金沢市西念にあります。

    💰 スポーツとお金と、まち金沢

    🏆 「日本一」が、こんなに身近にある: ハニービーの試合も、Jリーグも、プロバスケも、プロ野球(独立リーグ)も、ぜんぶ地元で、手の届く値段で見られる。この4枚看板が揃っている街は、実はそう多くありません。
    🧾 スポーツは「見るもの」であり「まちの事業」でもある: 新スタジアムは総事業費約110〜120億円の市のハコモノ(命名権・クラファンで財源を工夫)。市営スポーツ施設の運営費と利用料の関係は金沢のハコモノ、学校部活の地域移行は教育と子どもで。

    ※出典:各チーム公式、Jリーグ経営情報開示資料、日本ハンドボールリーグ、B3リーグ、北陸中日新聞ほか報道。成績・所属・数字はシーズンや年度で変わります。

    Made in Kanazawa

    金沢の会社

    世界を回し、詰め、元気にする

    派手な看板は出とらんでも、世界の裏側を金沢の会社が支えている——そんな話を集めました。読んだら、コンビニでも回転寿司でも、見える景色が変わります。

    🍣 石野製作所——日本中の寿司は、金沢が回している金沢

    回転寿司のコンベア、ほぼ100%が石川県製です。うち約6割を作るのが金沢市増泉の石野製作所。スシローも、はま寿司も、かっぱ寿司も、この会社の技術で回っています。

    🍵 始まりは「お茶が倒れて危ない」: 1954年、金沢発条商会として創業。もとは繊維機械の部品屋でした。転機は、回転寿司の元祖・元禄寿司からの相談——「レーンで回しているお茶が倒れて危ない、何とかならんか」。石野はラーメンにタレを注入する装置を応用して給茶装置を開発。1974年の「自動給茶装置付寿司コンベア機」で実用新案を取り、下請け加工業から食品機械メーカーへ大転身しました。蛇口をひねるとお茶が出る、あの席の給茶——発明したのは金沢です。
    🚀 「回らない回転寿司」も金沢製: タッチパネルで注文すると新幹線型のトレーが寿司を運んでくる「特急レーン®」も石野の発明。「回らない回転寿司」という言葉を生んだのはこの会社です(2023年には店舗の80%が回転させずに営業)。開発の狙いは「子どものハートを掴めば、親を巻き込んでリピーターになる」——見事に当たりました。特許は370件以上、かつては自前の回転寿司店「くるくる寿司」を約10店構えて、開業希望者に住み込み研修までやっていた——知られざる、寿司業界の功労企業です。2022年には新工場で生産能力を倍増、世界市場に挑んでいます。

    🧴 澁谷工業——あなたのペットボトル、金沢の機械が詰めた金沢

    1931年創業。前身は蒸した酒米に使う麻布を扱う「澁谷商店」でした。それが今や、飲み物を容器に詰めるボトリングシステムで国内シェア6割、東証上場の機械メーカーです。

    🥛 ペットボトルの中身は、ほぼ金沢経由: ペットボトル飲料の無菌充填システムは国内シェア80〜90%とされます。つまり——今日あなたが飲んだペットボトル、金沢の機械が中身を詰めた可能性が極めて高い。1953年の「二連式瓶洗機」(一升瓶2本を同時に洗える機械。いしかわモノづくり産業遺産)から70年、酒のまち金沢の「洗って詰める」技術が世界に届きました。海外売上は約4割です。
    🧬 失敗が、医療への扉を開けた: 1985年、レーザー水虫治療器を開発するも600万円で全く売れず。ところが「医療機器に進出した」という報道から話がつながり、人工透析器はOEMシェア20%まで成長。さらに無菌技術を活かしてiPS細胞を使う再生医療の装置で世界初の技術をいくつも開発(理化学研究所と網膜再生で共同開発)。経営理念は「喜んで働く」「カスタマーファースト」。いま金沢と能美に4つの新工場(総額300億円規模)を建設中——金沢の雇用の未来にも直結する話です。

    🦍 ゴーゴーカレー——松井秀喜のホームラン1本から生まれた会社金沢

    2003年4月8日、ヤンキース松井秀喜(石川出身)が本拠地開幕戦で満塁ホームラン。テレビでそれを見た金沢の旅行会社の添乗員・宮森宏和(金沢市生まれ・農家の長男)の人生が、その一発で変わりました。

    💥 「55」に、ぜんぶ懸けた: 「自分もニューヨークで成功する」と3か月後に辞表。松井の背番号55にちなんで「ゴーゴーカレー」と名付け、1号店は2004年5月5日に新宿へ。ルーは55の工程と55時間、開店時は1皿55円キャンペーン。3年後の2007年5月5日、宣言どおりニューヨークに出店し、初日は用意した555食が完売しました。ちなみにマークのゴリラ——本当は松井の愛称「ゴジラ」を使いたかったが権利の関係で、語感が似たゴリラになったといわれます。
    🏠 そして金沢に帰ってきた: 倒産の危機も乗り越え、国内外約100店舗に成長。金沢カレー元祖のターバンカレーや老舗ホットハウスの運営を引き継ぎ、のれんを守るM&Aを進めています。そして2023年1月、本社を東京から金沢に移転——理念は「美味しいカレーを世の中に広め、世界を元気にすること」。金沢カレーという言葉を全国区にした張本人が、故郷に戻ってきた話です。

    🧠 共通点:「ニッチの頂点」を取る金沢

    🎯 金沢の会社の勝ち方: 寿司のコンベア、飲料の充填、金沢カレー——どれも「誰もが使うのに、誰も気にしない場所」で世界レベルのシェアを握っています。派手さより細部の技術で頂点を取る。これ、加賀藩が武の代わりに工芸を極めた話と、どこか似ていませんか(→前田家)。

    ※出典:日本経済新聞、各社公式サイト・沿革、Wikipedia(回転寿司)、報道・インタビュー各種。数字は取材時点のもので変動します。津田駒工業(織機)、アイ・オー・データ機器、森八・福光屋(ともに1625年創業)など、載せるべき会社はまだあります——調査でき次第、追加します。

    People of Kanazawa

    金沢の人物

    文豪も、総理も、世界のZENも、Perfumeの音も

    金沢は人口45万の街です。なのに——内閣総理大臣を2人、文化勲章クラスの巨人を何人も、世界が知る名前をいくつも出しています。歴史から現在まで、一気に紹介します。

    🖋 金沢三文豪——同じ街から、3人の国民的作家金沢

    泉鏡花1873年生まれ。『高野聖』などの幻想文学の巨匠で、極度の潔癖症の逸話が数多く残る人。金沢市は1973年、鏡花を記念して泉鏡花文学賞を創設——自治体がつくった文学賞の先駆けといわれます。
    徳田秋声1872年生まれ。自然主義文学の大家で『あらくれ』など。川端康成ら後輩作家たちから極めて高く評価されました。同じ金沢生まれ・同じ尾崎紅葉門下の鏡花とは、激しく衝突した逸話も残っています——天才同士は仲良しとは限らんのです。
    室生犀星1889年生まれ。生後まもなく犀川近くの雨宝院に引き取られて育ちました。あの「ふるさとは遠きにありて思ふもの」——実は東京ではなく、金沢に帰っていた時期に書かれたとする説が有力といわれます。故郷への複雑な想いの詩なんです。

    🎓 奇跡の「1870年世代」——同じ頃、同じ街で天才が量産された金沢

    明治3年(1870年)前後、金沢とその周辺で生まれた同世代がすごい。しかも彼らは互いに友人でした。

    鈴木大拙1870年金沢生まれ(本多町)。英語で禅(ZEN)を世界に伝えた仏教哲学者。「D.T. Suzuki」の名は欧米の知識人に広く知られ、世界の思想に影響を与えました。金沢の鈴木大拙館は必見です。
    西田幾多郎1870年、隣のかほく市(旧宇ノ気)生まれ。日本初の独創的哲学書といわれる『善の研究』の哲学者。金沢の旧制四高で学び、教えました。そして——大拙とは四高以来の生涯の親友。日本を代表する「禅」と「哲学」が、金沢の同じ学び舎の友達同士から生まれたんです。
    藤岡作太郎1870年金沢生まれの国文学者。西田・鈴木(本名は貞太郎)と親しく、3人合わせて「加賀の三太郎」と呼ばれたといわれます——幾多郎・貞太郎・作太郎。名前まで揃っとった。
    木村栄1870年金沢生まれの天文学者。地球の自転軸のふらつきの式に隠れていた「Z項」を発見し、世界の天文学の教科書に名を刻みました。1937年、第1回文化勲章の受章者のひとりです。読み方は「きむら・ひさし」——これも意外と知られていません。
    📚 なんでこんなに出たん?: 加賀藩は「天下の書府」と呼ばれた学問の藩。明治になってその蓄積の上に旧制第四高等学校(四高)が置かれ、全国から俊英が集まりました。人材は一晩では育たない——300年の仕込みの結果やと考えると、教育への投資の意味が見えてきます(→前田家)。

    🌏 世界に何かを残した金沢人金沢

    八田與一1886年金沢生まれの土木技師。日本統治時代の台湾で、当時東洋一級の烏山頭ダムと灌漑網を建設し、不毛だった嘉南平野を大穀倉地帯に変えました。台湾では「嘉南大圳の父」として今も尊敬され、命日には慰霊祭が続いています。戦時中、金属供出を免れるためダムの銅像が地元の人に隠されて守られたという逸話も。台湾で一番有名な金沢人です。
    高峰譲吉1854年高岡生まれ、加賀藩医の子として金沢で育った化学者。消化酵素剤タカジアスターゼを発明し、アドレナリンの結晶化に世界で初めて成功。理化学研究所の設立を提唱し、ワシントンへの桜の寄贈にも尽力した「日本のバイオテクノロジーの父」といわれる人です。
    谷口吉郎・吉生吉郎は1904年金沢生まれの建築家。東宮御所などを手がけ文化勲章、博物館明治村の初代館長も務めました。息子の吉生はニューヨーク近代美術館(MoMA)新館の設計者——世界のアート の殿堂を、金沢にルーツを持つ建築家が設計したんです。吉生は金沢で鈴木大拙館も設計。ひがし茶屋街近くには谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館があります。
    松田権六1896年金沢生まれ。蒔絵の人間国宝で、「漆聖」と呼ばれた工芸の巨人。文化勲章受章。金沢の工芸の系譜が生んだ頂点のひとりです。

    🏛 金沢は内閣総理大臣を「2人」出している金沢

    💡 これ、地元でもほぼ知られていません: 林銑十郎(第33代・1937年)と阿部信行(第36代・1939〜40年)、ともに金沢市出身の内閣総理大臣です。2人とも陸軍軍人出身で在任は短命でしたが、人口45万の市が総理を2人というのは立派な事実。ちなみに石川県ではもうひとり、森喜朗(能美市)も総理になっています。
    異才たち大野弁吉——幕末、金沢・大野に住んだからくり師。写真機や精密機械を自作し「加賀のダ・ヴィンチ」とも評される人物で、豪商・銭屋五兵衛とも交流がありました(→銭屋五兵衛)。三宅雪嶺——1860年金沢生まれの言論人。雑誌『日本人』を創刊し明治言論界を代表、文化勲章受章。

    🎤 いまの金沢人——世界のポップスは金沢の音金沢

    🎹 中田ヤスタカ(1980年・金沢市出身)

    Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅをプロデュースし、日本のエレクトロポップを世界に響かせた音楽プロデューサー。金沢伏見高校の出身で、10歳で作曲を始め、16歳のときサンプラーを買う資金ほしさに出たコンテストでテクニック賞。1997年、同じ金沢市出身のこしじまとしことCAPSULEを結成しました。

    知らん人が多い事実を3つ——①北陸新幹線・金沢駅の発車メロディは中田ヤスタカ制作。金沢に着いた人が最初に聴く音は、金沢人の音なんです。②リオ五輪閉会式(東京への引き継ぎ式)のダンス曲を担当。③ハリウッド映画『スター・トレック イントゥ・ダークネス』でJ・J・エイブラムス監督と劇中曲を共同プロデュース

    おまけ:声優の能登麻美子(金沢市出身)とは生年月日が全く同じ(1980年2月6日)です。
    俳優鹿賀丈史(『レ・ミゼラブル』『料理の鉄人』の名優)、篠井英介(現代演劇で女形を演じられる稀有な俳優)、田中美里(朝ドラ『あぐり』ヒロイン、『利家とまつ』にも出演)、吉田日出子(舞台の伝説的女優)——みんな金沢市出身です。
    声・歌声優能登麻美子洲崎綾、CAPSULEのボーカルこしじまとしこ、そしてジブリ『となりのトトロ』『天空の城ラピュタ』の歌声井上あずみ(「さんぽ」「君をのせて」)も金沢市出身。日本中の子どもが歌う「さんぽ」は金沢の声です。
    作家唯川恵(『肩ごしの恋人』で直木賞)と桐野夏生(『OUT』が世界で翻訳される国際的作家)は金沢生まれ。五木寛之は福岡出身ですが金沢に暮らし、金沢を描き続けた「名誉金沢人」的存在です。

    🏅 スポーツの金沢人金沢

    相撲出島——金沢市出身の大関。幕内優勝も果たした平成の実力者です。炎鵬——金沢市出身の小兵力士。幕内最軽量級の体で大男を投げる「技のデパート」ぶりが全国区の人気になりました。
    プロ野球金沢市出身では金森栄治(PL学園→早稲田→西武など)、上野裕平(巨人)、由田慎太郎(オリックス)、谷内亮太(金沢西高→ヤクルトなど)らがNPBでプレー。地元のミリオンスターズもNPBへの通り道です。
    「金沢で育った」枠松井秀喜(能美出身)、本田圭佑(大阪出身)、奥川恭伸(かほく出身)——出身地は金沢ではありませんが、3人とも金沢の星稜高校で青春を過ごしました。松井の甲子園5打席連続敬遠も、本田が金沢に残したクライフコートも、金沢の物語の一部です(→金沢のスポーツ)。

    ※出典:Wikipedia(石川県出身の人物一覧・各人物記事)、各人物の公式プロフィール、金沢ふるさと偉人館の顕彰人物ほか。出身地表記が資料で揺れる人物は多数派の記載に従い、「育ち」の人は区別して書いています。ここに載せた約30人がすべてではありません——調査でき次第、追加していきます。

    Kanazawa Dialect

    金沢弁

    きまっし、のやさしさ

    金沢弁は、京都の言葉の流れをくむ「城下町のことば」です。近畿方言の影響を受けながら、雪国の暮らしの中で独特のやわらかさに育ちました。まずは殿堂入りの5語から。

    👑 殿堂入り金沢弁・五枚看板金沢

    きんかん
    なまなま
    路面が凍ってツルツルの状態のこと。「寒いさけ、きんかんなまなまやろうし、気ぃつけて行きまっし」。由来は金柑の皮が新鮮なほどつるつるなことから「金柑生生」といわれます。そして切ない事実——道路の融雪装置が普及した今、路面凍結じたいが減り、この言葉は死語になりつつあるとされます。つまり、消雪装置は雪と一緒に、金沢弁をひとつ溶かしかけているんです。
    つるつる
    いっぱい
    コップの飲み物が表面張力ギリギリまで注がれた状態。「つるつるいっぱいにして」と言えば、なみなみと注いでくれます。富山・福井でも通じる北陸共通語。この状態を一語で言える方言は全国でも貴重です。
    おんぼらーとゆったり、のんびり。実は使い分けがあり、「おんぼらーと」は精神的にゆっくり、「いんぎらーと」は物理的にゆったりくつろぐ様子——と説明されます。「いんぎらーとしていきまっし」=ゆっくりしていってね。
    〜まっし「食べまっし」「来まっし」——やさしい命令。古い助動詞「まさる」の命令形の生き残りで、共通語には存在しない「押しつけない勧め方」ができる便利な表現。若い世代にも使われ続けていて、近年は励ましや勧誘の意味に変わってきているという指摘もあります。
    だら「バカ」のこと。「だらなこと言うな」。語源は「足らず」がなまった説があり、石川・富山のほか、なんと島根・鳥取にも分布——言葉が京の都から同心円状に広がった名残と考えると、日本海側の裏で繋がっているのが面白いところです。

    📖 日常の金沢弁ミニ辞典金沢

    つかうがんこ=すごく(「がんこうまい」)/ちょっこし=少し/かたがる=傾く(「看板かたがっとるじ」)/いじっかしい=わずらわしい/なーん=いいえ、気にしないで(「なーん、いいがや」)/おいね=そうなんだよ(相づち)。
    語尾〜げん=〜なんだ(「つえーげん!」=強いんだ!→この一言がJリーグクラブの名前になりました:ツエーゲン金沢)/〜がや・〜がいね=〜じゃないの/〜さけ=〜だから(「ほやさけ」=だから)/〜じー=〜だねえ。
    ていねいおいでる=いらっしゃる(「先生おいでるけ?」——会議のような場でも使われる現役の敬語)/おゆるっしゅ=よろしく。金沢弁は敬語が発達した方言で、1990年代の市民調査では高齢層の70%が金沢弁を「丁寧」と評価しました(壮年層では26%——世代で感覚が変わってきています)。
    あるある金沢のタクシーで「この先を左に」と頼むと、運転手さんが「曲がらん?」。これは拒否ではなく「曲がるの?」という確認です——「〜らん?」は疑問形。県外の人が一度は混乱する定番です。

    🏯 なぜ金沢弁は「やわらかい」のか金沢

    ⛩ ルーツは京都: 金沢弁は近畿方言の影響を色濃く受けた城下町のことばです。「言った」を「ゆーた」、「買った」を「こーた」と言うウ音便は関西と共通。参勤交代と北前船が運んだ上方文化が、言葉にも染み込んでいます(→前田家北前船)。アクセントも面白く、京阪式と東京式の中間——「犬」は京都風に、「山」は東京風に発音される、東西のちょうど境目の言葉です。
    🎵 「ゆすりイントネーション」: 金沢の人の話し方には、語尾で音が一瞬ずり上がってから下りる独特のうねりがあります。「間投イントネーション」「ゆすりイントネーション」と呼ばれる北陸一帯特有のもので、共通語化が進んだ若い世代でも残っている——単語は標準語でも、メロディは金沢のまま、というわけです。
    🌸 「金沢言葉」は別にある: 実は「金沢弁」と「金沢言葉」は使い分けられることがあり、「金沢言葉」は旧市街の花街——茶屋街を中心に発達した接客のことばを指します。ひがし茶屋街の「おいであそばせ」の世界。城下町は、言葉まで幾層にもなっているんです。

    ※出典:Wikipedia「金沢弁」、金沢くらしの博物館「金沢のことば」、金沢日和、いいじ金沢ほか。方言の意味・使われ方は地域や世代で差があります。

    Slopes & Bridges

    金沢の坂と橋

    名前には、ぜんぶ物語がある

    金沢は2つの川(男川・犀川と女川・浅野川)と、寺町台・小立野台・卯辰山の高台でできた、坂だらけのまち。江戸時代の古地図がいまも使えるほど町割りが残っているので、坂の名前が江戸からそのまま生きています

    ⛰ 名前に物語がある坂たち金沢

    蛤坂犀川大橋のたもとから寺町台(忍者寺方面)へ上る坂。1733年(享保18年)の大火のあとに道が開けたので——「焼けて口開くハマグリ坂」。火事で口が開いた貝に例えた、金沢一ユーモアのある命名です。
    W坂正式名は石伐坂(いしきりざか)——藩政期、坂の上に金沢城の石垣を刻む石伐職人の町があったから。Wの字に折れ曲がる形から「W坂」とも呼ばれますが、この愛称の名付け親は旧制四高の学生たち。四高出身の井上靖『北の海』の一節を刻んだ石碑も立っています。
    暗がり坂
    あかり坂
    主計町茶屋街の裏手にある2本の石段。暗がり坂は、旦那衆が人目を避けてお茶屋に通った昼でも薄暗い坂。その隣の名無しの石段に、2008年、作家・五木寛之が小説の中で名前を付けました——あかり坂。標柱には「暗い夜のなかに明かりをともすような美しい作品を書いた鏡花を偲んで、あかり坂と名づけた。あかり坂は、また、上がり坂の意(こころ)でもある」。長さ11m、日本でいちばん新しい物語を持つ坂のひとつです(→金沢の人物)。
    子来坂
    帰厚坂
    どちらも慶応3年(1867年)、13代藩主・前田慶寧の卯辰山開拓で生まれた坂。子来坂は、開拓に集まった住民が大勢で登る様子が子どもが登るように見えた説と、子どもに来てほしいという願いの説。帰厚坂「藩主の厚き徳に帰する」の意——幕末の一大公共事業の記憶が、坂の名に残っています。
    まだある馬坂=田井村の農民が草刈りに馬をひいて登った坂。八坂=木こりが通う8つの坂があり、1つだけ残った。天神坂=前田家の祈願所・椿原天満宮のそば。嫁坂=娘の嫁入りのために坂を開いたと伝わります。名前は、まちの記憶装置なんです。

    🌉 橋は「流された歴史」でできている金沢

    🌊 犀川大橋——3万人が渡り初めた橋: いまの犀川大橋は、大水害で流された先代に代わって1924年に完成した橋。完成の日には両岸に約3万人が集まったと記録されています(長さ200フィート・総工費26万7千円)。男川の暴れっぷりと、橋への愛の証です。浅野川大橋も1922年かけ替えの大正の名橋。ふたつの川の物語は男川と女川で。
    💡 散歩のすすめ: 坂の上と下で、まちの表情はガラッと変わります。W坂を上れば寺町、暗がり坂を下れば茶屋街。坂は金沢の「無料のタイムマシン」——お金のかからない最高の観光資源です。

    ※出典:金沢の坂道(kanazawasaka.com)、箔一「金沢の坂道散歩」、金沢旅行系各サイト、五木寛之『金沢あかり坂』関連資料。嫁坂の由来は伝承です。

    Kanazawa Future Timeline

    金沢の未来年表

    これから何が起きるか、事実だけ

    「これからの金沢」を、決まっていること・報道された事実だけで年表にしました。予想や願望は書きません。動きがあれば更新します。

    🚆 最大テーマ:北陸新幹線は、いつ大阪に着くのか国・与党

    これまで2015年に金沢開業、2024年に敦賀へ延伸。ただしこの延伸で大阪方面の特急サンダーバードは敦賀止まりになり、関西へは乗り換えが必要になりました。その先・新大阪までは2016年に「小浜・京都ルート」と決まったものの、京都の地下水への懸念や反対運動などで着工できないまま10年が経過しました。
    2026年7月2026年7月15日、大きな動きがありました。与党(自民・維新)が8ルートを再検証した結果、「小浜・京都ルート」の採用を再決定。京都の新駅はJR桂川駅近くに置く案です。再検証では、東京〜新大阪を一体評価する新基準で小浜・京都ルートだけが費用対効果1.1と、唯一1を超えました。
    開業したら金沢から京都まで23分短縮、新大阪まで45分短縮の見込み。概算建設費は物価高騰込みで約5.5兆円です。
    でも、いつ?桂川案の工期は約26年。財源問題も未解決のため、報道の試算では最速でも開業は2050年代——いまの金沢の小学生が40代になる頃です。それまで関西方面は敦賀乗り換えが続きます。「新幹線が来た街」の次の章は、想像よりずっと長い物語なんです。

    📅 決まっている近未来金沢

    2026年12月澁谷工業の森本テクノパーク新工場が竣工予定(建設費91億円)。ペットボトル無菌充填システムの製造拠点で、金沢のものづくり雇用に直結します(→金沢の会社)。
    2027年1月同じく澁谷工業の医療機若宮工場B棟が竣工予定(約175億円)。人工透析システムの増産拠点です。
    2027年春統一地方選挙——金沢市議会議員選挙が行われる年です。このサイトで読んだ数字や制度を、投票の材料にしてもらえたら嬉しいです(→投票に行こう)。
    2040年旧・金沢市民サッカー場が耐用年数的に使えたはずだった年。新スタジアム(総事業費110〜120億円)の判断を振り返るときの基準点になります(→金沢のハコモノ)。

    ※出典:日本経済新聞(2026年7月15日)、Wikipedia「北陸新幹線敦賀以西のルート選定」、福井県、旅行総合研究所タビリス、各社発表。人口推計・都市計画・新交通構想は現在調査中で、確認でき次第この年表に追加します。

    Kanazawa Household

    金沢の家計簿

    まちの財布と、私たちの財布

    このカードは「私たち市民の財布」の話です。何にお金を使い、いくら稼ぎ、どれだけ貯めているか——統計で見る金沢の暮らしのリアル。「まちの財布」(市の予算約2,091億円のゆくえ)は、姉妹カードの金沢のお金でどうぞ。

    🍭 その1:公式記録「日本一の甘党」金沢

    🥇 菓子類の支出、ずーっと全国1位: 金沢市は「菓子類」の年間支出金額で、3年平均ランキングの掲載が始まった平成21〜23年から連続で全国1位(石川県統計協会・総務省統計局)。最新の令和4〜6年平均でも和菓子1位・洋菓子1位・菓子類1位の三冠です。ある年の集計では全国平均約8.3万円に対し金沢は約10.1万円——1世帯が1年にお菓子へ10万円。茶の湯の文化と、空襲を免れて老舗が残ったことが背景といわれます(→前田家)。
    意外な1位アイスクリーム——雪国なのに、総務省の3年平均ランキングで10回連続全国1位(2020〜22年平均まで)。直近の2021〜23年平均は2位に譲りましたが、同じ集計で菓子類・ケーキ・チョコレート菓子は1位——甘党ぶりは健在です。ほかの年の集計ではすし(外食)1位、もち1位、れんこん1位——もちは福井・富山と北陸トップ3独占の年もあり、れんこんは加賀野菜の面目躍如です。学校給食の支出も1位になった年があります。
    意外な最下位2020年の集計では食塩の消費量が全国52位=最下位。かつお節・削り節も最下位でした。日本一の甘党は、日本一塩を買わない街でもある——昆布だしの文化圏らしさ、と読みたくなる数字です(→北前船)。
    大雪の年の家計大雪だった2018年は面白い動きが出ました。自動車関連の支出が1世帯平均で約12.7万円増え、その分お菓子や外食が節約に。アイスは首位から陥落し、代わりにキャンディが28位から1位へ急浮上——「除雪で疲れて懐も寒い、でも甘いものは欲しい。なら早い・安い・甘いキャンディ」という分析があります。家計簿は、天気まで映す鏡なんです。

    💰 その2:給料と物価のいま石川・金沢

    給料石川県の毎月勤労統計(令和7年3月分)では、定期給与は月255,892円(前年同月比+1.4%)。※県全体・事業所ベースの平均です。
    物価金沢市の消費者物価指数(令和7年4月分)は総合112.1(2020年=100)、前年同月比+3.9%。とくに光熱・水道が上がっています。給料の伸び(+1.4%)より物価の伸び(+3.9%)が速い——この差が「生活が苦しい」の正体です。
    平均所得総務省『市町村税課税状況等の調』(毎年度公表)の課税対象所得を納税義務者数で割った金沢市の「平均所得」は、2024年(令和6年度)で約376万円——全国1,700超の市区町村中228位です(年収ガイド調べ。別の集計では約364万円で、集計方法の差によりおおむね360万〜376万円のレンジ)。上位は東京の港区・千代田区などが独占する中、金沢は全国の上位15%圏に入っています。
    数字の罠ただし、ここが大事——この「約376万円」は額面の年収ではありません。統計上の「課税対象所得」は給与所得控除などを引いた後の所得で、給与収入だけの人に単純換算すると額面年収でおよそ520万円前後に相当する計算です。さらに大事なのが分母の正体——この統計の分母は「納税義務者」、つまり住民税を課税されている人だけです。子どもはもちろん、専業主婦・主夫、所得が低く非課税の方も入っていません。金沢市の人口約45.4万人に対し、分母はおよそ半分の約21万人(民間集計)。そして「平均」は少数の高所得者に引き上げられるため、真ん中の人(中央値)はこれよりかなり低いのが所得統計の常です。同じカードの「月の定期給与25.6万円」はパートも含む働く人全員の月給、こちらは納税者だけの年間所得——モノサシが違うだけで両方正しい。つまりネットでよく見る「金沢の平均年収376万円」という書き方は幾重にも誤解を招く——数字は、定義とセットでしか意味を持たんのです。

    ※出典:総務省統計局「家計調査 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング」、石川県統計協会(2025年6月)、石川県毎月勤労統計・金沢市消費者物価指数、総務省「市町村税課税状況等の調」に基づく年収ガイド(nenshuu.net)等の集計(2024年)。家計調査は2人以上世帯・標本調査のため年による変動があります。平均所得の額面年収への換算は給与所得控除の逆算による当サイトの概算です。

    💸 その3:リアル編——「平均」のウソと、貯金ゼロの真実全国

    真ん中の人「じゃあ普通の人はいくらなの?」——金沢市単体の年収の中央値は、実は公的統計として存在しません(作られていないんです)。代わりに全国調査の確定値を置きます:単身世帯の手取り収入(税引後)は平均273万円、中央値215万円(家計の金融行動に関する世論調査・2024年)。真ん中の人の手取りは月18万円弱——「平均年収◯百万」の見出しと生活実感がズレる理由が、この平均と中央値の差です。なお年収そのものの平均・中央値・分布(平均478万円・中央値約351万円など)は金沢のお金の「年収分布(全国)」タブに詳しくまとめています。
    貯金ゼロ「貯金ゼロが半分」という話をよく聞きますが、確定値はこうです——金融資産を保有していない世帯は単身で32.8%、二人以上で24.0%(2024年)。半分ではないけれど、単身の3人に1人。しかも50代の単身では40.2%と、氷河期世代を含む層で最も厳しくなっています。ただしここにも定義の罠——この調査の「金融資産」は日常の出し入れ用の預貯金を除くため、「非保有=口座が空っぽ」ではありません(口座を一切持たない世帯は1〜2%)。
    平均の正体同じ調査の金融資産保有額を見ると——単身世帯は平均989万円なのに、中央値はたったの100万円。そして8割弱の世帯が「平均値」より下にいます。調査の公式解説自身が「平均値だけでみると、多くの世帯が実感とかけ離れた印象をもつ」と書いているほど。平均は上を見る数字、中央値は真ん中を見る数字——ニュースの「平均」に落ち込む必要は、まったくないんです。
    ボーナスの
    正体
    「平均年収」を語るとき、忘れられがちな前提がボーナスです。しかし——働く人(役員を除く雇用者)の3人に1人強・約36〜37%(約2,100万人)は非正規雇用女性に限れば52.8%と半分超、65歳以上では76.4%が非正規です(労働力調査)。賞与は雇用形態で大きく差がつくため、「ボーナス込みの平均年収」は、ボーナスを満額もらえる層に引っ張られた数字になります。ちなみに、よく報道される「不本意非正規は8.4%だけ」という数字には注意が必要です。誰も「不本意です」と答えたわけではありません——労働力調査が「現職についた主な理由を1つだけ」選ばせ、「正規の職員・従業員の仕事がないから」を選んだ人を、行政が「不本意非正規」と呼んでいるだけです。「本当は正社員がいいけど、育児と両立できないから」の人は「本意」側に数えられます。調査分析機関自身が「データ上での本意が真の本意とは限らない」と認めており、この数字は小さめに出る構造です。大事なのは、平均年収の後ろに、ボーナスのない働き方が3分の1あるという事実です。
    保育の
    現場から
    職種で見ると谷はもっと深くなります。令和6年の賃金構造基本統計調査で、保育士の平均は月給27.7万円・年間賞与74.2万円——年収換算で約407万円と、調査史上初めて400万円を超えました。それでも全産業平均(約507万円)より年収で約100万円低いまま。初任給は約23.4万円で手取りは18万円前後、地方の私立園の若手なら「手取り14〜15万円、ボーナスは雀の涙」という現場の声とも整合します(地域差は年収100万円近く開くことも)。なぜ低いか——保育園の収入は国が単価を決める「公定価格」に上限があり、人件費の原資そのものが縛られている構造だからです。処遇改善の積み重ねで過去5年で月収は約2.7万円上がりましたが、子どもの命を預かる仕事の値段としてこれでいいのかは、まちが考えるべき問いです。
    統計は隠され
    ていない
    「国は都合のいい数字しか出さないのでは?」——実は、統計そのものは中央値も分布も非正規率も、全部公開されています(このブロックの数字はすべて公的調査から取れました)。国の調査自身が「平均値だけでみると実感とかけ離れた印象をもつ」と注意書きまで載せています。偏りが生まれるのは、見出しと引用の段階——平均は1つの数字で語れて記事にしやすく、賃上げ報道の「5%超」も労働組合のある大企業中心の集計です。数字は全部そこにあるのに、拾われるのはいつも平均だけ。だからこそ、読み方を知っている人が強いんです。
    🧭 このブロックの結論: 「平均所得376万・年収換算520万」も「手取り中央値215万」も、同じ日本の姿です。前者は納税者だけの平均を高所得者が引き上げた数字、後者は無職も含む単身世帯の真ん中。政治の議論では都合のいい方だけが引用されがち——両方を並べて見られる人だけが、まちの本当の懐事情を語れます

    ※出典:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査」2024年(単身世帯・二人以上世帯)、大和総研レポート(2025年9月)、総務省「労働力調査」、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」、リクルートワークス研究所、労働政策研究・研修機構。全国調査であり金沢市単独の値ではありません。

    🧾 税金を「集める」のにも、お金がかかってます
    令和6年度の決算では、税金を計算して請求する賦課費が3.12億円、集める徴収費が0.99億円——合わせて年4.1億円が「集金のコスト」です。さらに取りすぎた分の返金(市税還付金)が3.19億円。家計簿でいう「銀行の手数料」みたいな存在ですが、意外と大きいでしょう?

    出典:金沢市「令和6年度一般会計歳入歳出決算事項別明細書」(令和7年12月定例月議会で認定)

    History of the Festival

    百万石まつりの歴史

    起源と、その変わりかた

    金沢で毎年6月に開かれる最大のお祭り「金沢百万石まつり」。今では俳優が前田利家に扮する豪華な行列や、加賀鳶(かがとび)のはしご登り、おどり流しなど華やかですが、はじめからこの形だったわけではありません。その起源と、時代とともに変わってきた歩みをまとめました。

    🏯 起源:前田利家の金沢入城(1583年)
    お祭りの由来は、加賀藩祖・前田利家が天正11年(1583年)6月14日に金沢城へ入城し、金沢の街の礎を築いたことにあります。この偉業をしのんで開かれるのがお祭りの原点です(6月14日という日付は、利家を祀る尾山神社の記録にもとづきます)。(→前田家カードへ
    📅 3つの時代を経て、今の形へ

    今の百万石まつりは、じつは名前も主催者も変えながら、大きく3つの段階を経てきました。

    ① 金沢市祭の時代(1923〜1945年)
    大正12年(1923年)、利家を祀る尾山神社の行事に合わせて、金沢市のお祭りとして始まりました。これが直接のルーツです。昭和20年(1945年)まで続きます。
    ② 尾山まつりの時代(1946〜1951年ごろ)
    終戦後、GHQ(連合国軍総司令部)の指導のもとで、尾山神社の奉賛会による「尾山まつり」として数年間おこなわれました。戦後の混乱期をはさんだ時期です。
    ③ 現在の「百万石まつり」へ(1952年〜)
    昭和27年(1952年)、金沢市と金沢商工会議所が中心となって開いた「商工まつり」が、現在の百万石まつりの第1回とされています。つまり、今のお祭りの直接の出発点は戦後の「商工業のふりこみイベント」でした。ここから少しずつ、百万石行列や子ども提灯太鼓行列などが加わり、今の華やかな姿に育っていきました。
    🎭 全国区になった転機:俳優の起用(1984年〜)
    お祭りが全国に知られるようになった大きな転機は、行列の主役・利家役に有名俳優を起用したことです。それまで利家役は市役所や商工会議所の職員がつとめていましたが、昭和59年(1984年・第33回)に初めて俳優が起用されました。以降、その年ごとに話題の俳優が利家を演じ、妻・お松の方も女優・タレントがつとめるようになって、初夏の一大イベントに成長しました。行列の内容も、加賀獅子・加賀とび・武者行列・おどり流し・薪能(たきぎのう)・茶会など、年々多彩になっています。
    💴 まつりの収支——市はいくら出しているのか実行委員会の決算書

    当サイトが情報公開の手続きで観光政策課から提供を受けた、実行委員会の収支決算書3年分の実物データです。金沢市の支出は「負担金+委託料(パーク&ライド等)+のと応援事業などの特別負担分」の合計です。

    🏮
    第72回(令和5年)
    5,472万円
    総事業費9,525万円の57.5%
    🏮
    第73回(令和6年)
    6,884万円
    総事業費1億31万円の68.6%
    🏮
    第74回(令和7年)
    7,378万円
    総事業費1億864万円の67.9%
    お金の
    中身
    総事業費は3年で9,525万円→1億864万円と約14%増。最大の費目は百万石行列(3,450万〜3,650万円・俳優経費等を含む)で、交通警備費も907万円→1,133万円と年々増えています。収入側では市の負担金が5,170万円→6,890万円と増える一方、広告料は364万〜385万円の間で推移(3年で増えていない)——費用の伸びを主に公費が受け止めている構図です。ほかの主な収入は商工会議所負担金1,960万円(3年間同額)と石川県補助金200万円(同)。
    のと応援令和6年からは「のと応援事業」の特別負担分(令和6年=市200万円、令和7年=市270万円)が加わっています。能登半島地震の被災地支援をまつりの中で行う枠組みです。

    出典:金沢百万石まつり実行委員会「第72回〜第74回 収支決算」(市観光政策課からの情報提供・2026年7月受領。市の支出=負担金+委託料+特別負担金の市分の合計。第72回5,472万4,756円/第73回6,884万4,493円/第74回7,378万2,498円)。

    City Symbols

    金沢のシンボル

    市の木・市章・市の歌

    市の花や旗、動物…どこの市にもある「シンボル」。金沢のそれには、加賀百万石の歴史がぎゅっと詰まっています。そして「実は無いもの」もあって、これがちょっと面白い。

    🌸 金沢の「木・花・章」金沢市の公式

    🌸
    市の木
    梅(うめ)
    加賀藩前田家の「梅鉢(うめばち)の紋章」からとったもの。昭和45年(1970年)11月11日に指定
    市の花
    実は…定めていない!
    金沢市は「市の花」を正式には決めていません。かわりに昭和58年(1983年)に「市民推奨花」5種を選定
    🏅
    市章(き章)
    梅の花+「金」
    梅鉢紋の梅の花の形の中に、金沢を意味する「金」の字。明治24年(1891年)3月7日制定と、とても古い
    💡 「市民推奨花」って何? 金沢は市の花を1つに絞らず、花菖蒲(はなしょうぶ)・サルビア・四季咲きベゴニア・インパチェンス・ゼラニウムの5種類を「市民に推奨する花」として選んでいます(昭和58年10月選定)。「1つに決めない」——これも金沢らしい選択かもしれません。
    ⚖️ 豆知識: 全国の多くの市は「市の花」「市の鳥」「市の魚」などをきっちり定めていますが、金沢は木(梅)と章だけを正式指定し、花・鳥・動物は定めていません。「シンボルを盛らない」のは、逆に加賀百万石という歴史そのものが最大のシンボルだから、とも読めます。

    ※出典:金沢市公式サイト「市章・市の木」「よくある質問(市の木・市の花)」(総務課)。制定年月日も市公式の記載どおりです。

    🎵 金沢には「市の歌」が2つある金沢

    大正12年「金沢市歌」(かなざわしか)——1923年、第1回金沢市祭(今の百万石まつりの前身)を記念してつくられた古いほうの歌。作詞は旧制第四高等学校の教諭・鴻巣盛広(こうのすもりひろ)。著作権が切れてパブリックドメインになっており、北鉄金沢駅の発車メロディにも使われている。
    昭和24年「金沢市民の歌」(かなざわしみんのうた)——1949年、市制60周年を記念して新たにつくられた歌。新聞社と合同で歌詞を公募して選ばれた。
    面白い古い歌を廃止せず、2曲が今も並んで存在しているのが金沢の特徴。市役所は「知らない市民も多いけれど少しでも聞き慣れてほしい」と、市役所の電話の保留音に両方を採用している。市役所に電話して保留になったら、それは市の歌かもしれません。
    おまけ市民憲章の制定1周年を記念して、シンガーソングライターの小椋佳(おぐらけい)が作曲した「金木犀(きんもくせい)の匂う道」という曲(1980年)もある。

    📜 金沢市民憲章——全文

    1979年(昭和54年)に制定。市民が目指すまちの姿を、5つの誓いにしたことばです。ふだん目にする機会は少ないですが、これが金沢の「憲法」のような約束です。

    金沢を愛するわたくしたちは、兼六園の四季のいろどり、犀川・浅野川の清い流れ、山や街の豊かな緑、かおり高い伝統文化を誇りとし、希望と活力にみちたはたらく基盤と、創造性あふれる教育・文化の華さくまちづくりにつとめます。

    一 ひらこう世界と未来に心の窓を 一 めざそういきいきと明るいくらしの創造を 一 まもろう美しい心とふるさとの自然を 一 つなごうみんなの力でまちづくりの手を 一 きずこう個性ゆたかなあすの金沢を

    出典:金沢市「令和7年度 市税のしおり」(総務局納税課・令和7年9月発行)掲載の金沢市民憲章。制定は1979年。

    ※出典:金沢市公式サイト、Wikipedia「金沢市歌」「金沢市民の歌」。歌詞そのものは著作権に配慮し、ここには載せていません。「金沢市歌」の楽譜・歌詞は市公式サイトでPDF公開されています。

    💡 そもそも、なぜ「金沢」なのか金沢

    伝説昔、山芋を掘って売っていた芋掘り藤五郎(いもほりとうごろう)という青年が、山芋を洗ったら砂金(さきん)が出てきた。その泉が「金洗いの沢(かなあらいのさわ)」と呼ばれ、これが「金沢」という地名の由来と伝えられています。
    今も残るその泉は、兼六園のとなり・金澤神社のそばにある「金城霊澤(きんじょうれいたく)」として今も残っています。現在は金運のパワースポットとして人気。地名の由来の地に、実際に立てるまちは珍しい。
    つながるだから市章の真ん中の文字が「金」なのは、単なる当て字ではなくこの砂金伝説とつながっている。梅(前田家)+金(地名の由来)=金沢の歴史そのものが、あのマーク1つに詰まっているわけです。
    💡 ちなみに: 金沢は金箔(きんぱく)の生産量が国内シェア99%。地名の由来が「金」で、名産が「金箔」。偶然か必然か、金沢はどこまでも「金」のまちです。金澤神社の御朱印は、「金」の字に本物の金箔が貼ってあります。(→金沢の文化

    ※出典:金沢市公式サイト「金沢市の紹介」、金沢旅物語(金沢市観光協会)、Wikipedia「金沢市」。伝説は市公式にも記載されています。

    Kanazawa Food

    金沢の食

    加賀野菜・金沢カレー・郷土料理

    加賀百万石は「食文化の宝庫」。前田家が美食家だったこともあり、野菜も郷土料理もB級グルメも独特です。金沢ならではの食を、まるっと集めました。

    🥬 加賀野菜——食べるなら、まずこの3つ金沢

    加賀野菜は、金沢市が認定する15品目の伝統野菜。ここでは「食べる側」の入口として、食卓で出会いやすい3つを紹介します(認定の定義・全15品目の写真つき図鑑・誰が作っているかの現実は→加賀野菜と金沢の農業)。

    さつまいも(五郎島金時/ごろうじまきんとき)——日本海に面した五郎島エリアの砂丘地で育つブランド芋。金沢弁で「コボコボ(=ホクホク)」した食感と上品な甘み。焼き芋・天ぷら・スイートポテトに。加賀野菜の中でも全国区の知名度。
    金時草(きんじそう)——葉の表が緑、裏が鮮やかな紫という個性的な見た目。茹でるとぬめりが出る。全国で商品として栽培しているのはほぼ金沢だけ。標準和名は「水前寺菜(すいぜんじな)」。※「きんときぐさ」ではなく「きんじそう」と読む。
    源助だいこん(げんすけだいこん)——肉質が緻密で雪のように白い。おでんや煮物にすると味がしみて絶品。金沢おでんの主役級。
    残りの
    12品目
    加賀れんこん・くわい・金沢春菊など残り12品目の図鑑(写真つき)は→加賀野菜と金沢の農業で。旬をずらして一年中どれかが穫れるのが、金沢の食卓の豊かさです。

    ※品目の認定は金沢市農産物ブランド協会。認定の定義と全品目リストの出典は「加賀野菜と金沢の農業」に記載しています。

    💧 金沢の食を支えてきた、見えない主役——地下水: 金沢はきれいでミネラル豊富な地下水に恵まれ、酒・醤油・和菓子・麩(ふ)の製造は、この地下水が育てたと市の資料にも記されています。大野の醤油も、金沢の和菓子文化も、足元の水から始まっている——「食のまち」の土台は、地面の下にあります。

    🍲 加賀の郷土料理・金沢めし金沢

    代表治部煮(じぶに)——加賀料理の代表格。鴨肉や鶏肉に小麦粉や片栗粉をまぶし、だしで野菜・すだれ麩と一緒に煮てとろみをつける。名前は「じぶじぶ煮る」音からという説が有力。金沢の武家料理の流れをくむ一品。
    洋食ハントンライス——ケチャップライスのオムレツに、白身魚のフライとタルタルソースをのせた金沢発祥の洋食。名前は「ハンガリーのハン」+「フランス語でマグロのトン」の造語といわれるが由来は諸説。
    かぶら寿司(かぶらずし)——かぶwith魚を米麹で漬ける発酵食品。江戸時代から金沢の冬の味。「冬の雷が旬を告げる」といわれ、正月・縁起物の定番。
    おでん金沢おでん——香箱ガニ(こうばこがに)を使った「カニ面」、焼き麩の「車麩(くるまぶ)」、バイ貝などが入る金沢流おでん。透き通っただしが特徴で、おでん屋の数は人口比で全国トップクラスといわれる地元のソウルフード。
    鯛の唐蒸し(たいのからむし)——鯛に卯の花(おから)を詰めて蒸す縁起料理。結婚式や祭りのハレの日に。ほかに笹寿司(笹の葉で包む押し寿司)、加能ガニ(かのうがに)(石川のブランドズワイガニ・青タグ)なども金沢の食を彩る。

    ※出典:農林水産省「うちの郷土料理」、金沢市観光協会ほか。料理の由来には諸説あるものは「説」と明記しています。

    🍛 金沢カレー——全国で唯一、都市名を冠したカレー金沢

    数あるご当地カレーの中で、都市の名前がそのままジャンル名になっているのは「金沢カレー」だけ。その定義は、金沢カレー協会が5つにまとめています。

    🟤
    ①ルー
    濃厚でドロッと黒い
    野菜と牛肉を長時間煮込み、カラメルで深い色とコク
    🥬
    ②付け合わせ
    キャベツの千切り
    皿の端に添えられる
    🍽
    ③器
    ステンレスの皿
    割れにくく、提供が速い店に合理的
    🍴
    ④食べ方
    フォークか先割れスプーン
    スプーンではない
    🍖
    ⑤カツ
    ルーの上にカツ+ソース
    ご飯が見えないほどルーをかける
    💡 意外な歴史: 金沢カレーの原型は1961年、洋食シェフの田中吉和さんが開いた「洋食タナカ」で生まれ、遅くとも1963年には今のスタイルが確立。ここから独立した料理人たちがそれぞれの店を開き、チャンピオンカレー・ゴーゴーカレー・ターバン・アルバなどに広がりました。「金沢カレー」という呼び名自体は2000年代に東京進出したチェーンがきっかけで全国区に。2008年には金沢市議会の一般質問でもご当地グルメの例として取り上げられています。
    ⚖️ 地元のホンネ: 元祖とされる「チャンピオンカレー」の本店は、実は金沢市の隣の野々市市(ののいちし)。「じゃあ金沢カレーやなくて野々市カレーでは?」というツッコミは、地元では"言わないお約束"だとか。また、テレビで有名な「キャベツをカレーに混ぜて食べる」作法は、地元では混ぜない人の方が多いという声もあります。

    ※出典:金沢カレー協会(定義)、チャンピオンカレー公式「金沢カレーの歴史」、Wikipedia「金沢カレー」。店舗の系譜や歴史は各社の公表情報に基づきます。

    🍜 まだある、ソウルフード——「8」と「ナンバーギョーザ」金沢・石川
    8番8番らーめん——1967年、加賀市の国道8号沿いの25席の店から始まった。店名の由来は国道8号。「8を横にすると∞(無限大)」も理由のひとつ。野菜らーめんは鍋料理の発想から生まれ、当時よそのラーメンが70円の時代に100円でも1日1,300杯売れた。麺の上の「8」のかまぼこ(ハチカマ)が目印。いまや海外にも店がある、石川発の巨人や。
    第7ナンバーギョーザ——金沢には「第一餃子」からのれん分けした順に第二、第三…と数字を継いだ餃子店が点在した歴史がある。いま残るのは第5〜第7。いちばん有名な「第7ギョーザの店」は、皮の厚い「ホワイト餃子」が名物で、テレビでも紹介される行列店。数字の系譜は、知る人が減りつつある金沢の食の裏歴史や。

    ※出典:ハチバン社史・報道、現地ルポ等。(スポーツと食の「8」つながり、偶然です→金沢のスポーツ

    🐟 「台所の台所」——中央卸売市場、北陸の魚の7割がここを通る金沢市・中央卸売市場

    近江町市場の魚は、どこから来るのか。答えは西念の金沢市中央卸売市場(昭和41年開設)。市の再整備検討会が公表したデータ集に、この市場の実力と曲がり角が記録されています。

    💰
    年間取扱高
    776.6億円
    青果274.0億+水産502.6億・計約11.0万トン(令和6年度
    🏆
    水産物の全国順位
    金額7位・数量8位
    中央卸売市場を持つ全国30都市等の中で(平成30年度の市の分析)
    🗾
    北陸3県シェア(水産)
    数量70.2%・金額72.1%
    富山・福井の市場を圧倒(平成30年度の市の分析)
    ⚖️ 「食のまち」の看板を支える強さと、ピークの半分という現実
    北陸3県の市場を流れる魚の7割超が金沢経由——金沢は文字どおり「北陸の魚の首都」で、鮮魚のせり比率45.8%は全国平均(26.2%)より20ポイント高く、競りの文化が色濃く残る市場でもあります。ただしデータは曲がり角も映します:水産物の取扱量はピークの平成4年(10.8万トン)から令和6年度は3.3万トン——約7割減まで細りました(令和6年度は能登半島地震や異常気象の影響も、と市は分析)。一方で取扱金額は単価の上昇で近年むしろ増加傾向——「量は減り、金額は増える」のがいまの市場の姿です。市場外流通の拡大や魚食の変化という全国的な波は、魚の首都も例外ではありません。しかも本館は昭和41年築で老朽化——だから市は再整備基本計画を作り、市場の建て替えを進めようとしています。近江町の賑わい(→金沢の一番)も、寿司も、ハントンライスの魚フライも、すべてこの「台所の台所」の上に載っている——見学もできます(市場事務局に申込み)。

    出典:取扱高(令和6年度=青果77,602t・274.0億円、水産物32,679t・502.6億円、計776.6億円)と「数量減・金額増」の分析は金沢市「金沢市中央卸売市場中長期経営戦略」概要版(市公式サイト)。全国順位・北陸シェア・せり比率は金沢市「卸売市場データ集」(再整備の在り方検討会資料・平成30年度実績の分析値。以降の順位は市の同形式の公表がないため、当時の値を時点明記のうえ掲載)。ピークは平成4年10.8万トン(同データ集)。再整備基本計画は市公式サイトで公開中。

    One Day in Kanazawa

    金沢の1日

    年間の数字を365で割った

    年間◯万件と言われてもピンとこない。そこで、公表されている年間の数字をぜんぶ「きょう1日」に直しました(すべて単純計算・出典つき)。あなたが今日を過ごしている間に、金沢ではこれだけのことが起きています。

    🌅 金沢の、ある1日金沢

    👶
    生まれる子ども
    約8人
    年2,829人(2023年・住民基本台帳)÷365日
    🕊
    亡くなる人
    約12人
    年4,378人(2015年・市人口ビジョン)÷365日。金沢は2012年から、亡くなる人が生まれる子を上回る「自然減」のまち
    🗑
    家庭から出るごみ
    約300トン
    年約11万トン÷365日。1人あたり毎日約600グラム——おにぎり6個ぶんを、あなたも今日捨てている
    💸
    ごみ処理に使う税金
    約1,370万円
    年約50億円÷365日。1人あたり年約1万円(市の環境ハンドブックより)
    📚
    図書館で借りられる本
    約5,200冊
    年間貸出1,880,894冊(令和5年度・CD等含む)÷365日。ウソみたいな数字だが検算すると——1日約1,250人が借りて、1人平均約4冊。泉野図書館だけで1日約2,400冊(市の公式資料の「1日平均」欄より)。登録者は市民の37.1%、市民1人あたり年4.03冊(市の公式計算)

    ※出典:金沢市人口ビジョン改訂版(出生・死亡は2015年実績。最新値は市統計書で更新予定)、金沢市発行の環境ハンドブック(ごみ)、金沢市図書館「図書館概要」令和5年度版・利用状況統計(一次資料PDF・図書館公式サイトで公開)。

    🚨 サイレンと事件の1日金沢+石川県

    🚑
    救急車の出動
    約68回=約21分に1回
    年24,645件(令和7年中・金沢市消防局 確定統計)÷365日。あなたが昼メシを食べている間にも、市内のどこかで2回出動している
    🚒
    火災出動
    約2件
    年769件(令和6年中)÷365日。救助出動も約1.2件/日。これを支える消防吏員は445名(令和7年4月1日現在)
    🚔
    刑法犯(石川県全体)
    約15件
    県内年5,376件÷365日(県警データ・県全体)
    📱
    特殊詐欺の被害(石川県全体)
    1日約360万円
    県内年約13.3億円÷365日。今日もどこかで、誰かの老後資金が電話1本で消えている
    🚗
    交通死亡事故(金沢市)
    約33日に1件
    年11件(→犯罪と事故のリアル)。毎日ではない。でも月に1回、誰かが帰れなくなっている

    ※救急は金沢市消防局「2025年 火災・救急・救助統計」(令和7年中・確定統計)。火災出動・救助出動・消防吏員数は総務省消防庁公表値(出動は令和6年中、吏員数は令和7年4月1日現在)。刑法犯・特殊詐欺は石川県全体の数字です(金沢市分のみの通年値は県警の公表資料で確認できます)。

    💴 お金の1日と、まだ取れていない1日金沢

    約5.7億円市が1日に使うお金(令和8年度・一般会計実質当初予算約2,091億円÷365日)。1時間あたり約2,390万円。人件費は1日約4,300万円、ふるさと納税は1日約480万円届き、宿泊税は1日約225万円入る——お金の1日あたりシリーズの全部は金沢のお金
    🔎 まだ取れていない「1日」があります: 結婚は1日何組か。離婚は。交通違反の切符は何枚か。市民の医療費は。市役所には1日何本電話がかかってくるのか。——実はこの多く、市の「金沢市統計書」(毎年発行・Excelで全公開)や各機関の公表資料に眠っています。統計書には図書館の利用状況から公害の苦情件数、裁判所の事件数まで載っている——「そんな情報まで!?」の宝庫です。このカードは見つけ次第、更新していきます。
    💡 このカードの遊び方: 「1日あたり」は、大きな数字を自分の時間感覚に翻訳する道具です。「救急車が21分に1回」を知ってから街のサイレンを聞くと、聞こえ方が変わる。数字が変わると、まちの見え方が変わる——それがこのサイト全体でやりたいことです。

    ※すべて公表されている年間値を365で割った単純計算です。年により変動します。

    City Vision

    金沢は何を目指してる?

    都市像と理念・市政の背骨

    このサイトには金沢の話が山ほど載っています。でも、そもそも金沢市は「どんなまちを目指す」と決めているのか——その一番おおもとの答えが、ここにあります。市長の思いつきではなく、市議会が正式に議決した公式の「都市像」です。

    🎯 「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」金沢市

    令和5年(2023年)12月15日、金沢市議会が議決した、いまの金沢の目標像です。目標年次は令和16年(2034年)——約10年先を見すえた、まちづくりの一番上の看板。サブタイトルはこうです。

    未来を拓く世界の共創文化都市・金沢
    〜 すべての人々と共に、心豊かで活力ある未来を創る 〜

    難しい言葉ですが、芯は一点です——「金沢の個性は"文化"にある」。都市像の本文が、はっきりそう言い切っています。

    文化の
    定義が
    広い
    ここでいう「文化」は、芸能・工芸・食だけではありません。都市像は文化を「年月を経て形成される、人と暮らしに関わるすべてのもの」と広くとらえています。だから「金沢方式」も「金沢しぐさ」も"まちづくりの文化"——善隣館や義勇消防を起源とする地域の連帯、公私協働を重んじる市民の精神性まで、金沢の文化に含めています。(→金沢方式
    なぜ
    いま
    作った
    都市像は、5つの環境変化を理由に挙げています——①人口減少・少子高齢化 ②コロナで変わった価値観 ③SDGs・脱炭素 ④北陸新幹線敦賀延伸という「第二の開業」 ⑤地震・豪雨への備え。特に新幹線延伸を好機ととらえ、「都市間競争が激しさを増すなか、金沢は日本海側のリーダーであれ」という気概がにじんでいます。
    合言葉は
    「共創」
    タイトルの「共創」がキーワードです。行政だけでなく、若い世代・民間事業者・移住者・大学など「地域に関わる多様な人々」と一緒に創るという宣言。都市像づくり自体も、市民ワークショップ・地域との意見交換13回・大学生の「未来へつなぐ金沢行動会議」など、多くの市民の声を集めて作られました。
    🧭 なぜ知っておくと得か: この都市像は、市の予算・計画・事業すべての大もとです。「未来共創計画」(令和6〜15年度)という最上位の行動計画がこの下にぶら下がり、さらにその下に各分野の個別計画が連なります。市が何かをやる/やらない理由は、たいていここに遡れます。市政の議論をするときの"憲法"のようなもの、と思ってください。

    ※出典:金沢市都市像「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」(令和5年12月15日議決・全文)、金沢市「新たな都市像の検討」(企画調整課)、「未来共創計画」策定資料。

    🖐 都市像を支える「5つの基本方針」金沢市

    都市像は、5つの分野に整理されています。それぞれ「〜づくり」という副題がついていて、魅力・暮らし・人・仕事・都市の順。金沢が10年で力を入れる場所の地図です。全方針に共通する横串は「文化の活用」「多様な人の参画」「デジタル化」の3つ。

    方針1
    魅力
    づくり
    世界に誇る伝統と創造の文化が息づくまち。 誰もが文化芸術に親しめる環境、金澤町家や用水の継承、スポーツ文化・建築文化・木の文化の振興、食文化と金沢クラフトの世界発信による都市ブランド力の向上。金沢の"看板"を磨く方針です。(→金沢の文化
    方針2
    暮らし
    づくり
    多様な人々が共生し、心豊かに暮らせるまち。 地域コミュニティの活性化、年齢・性別・障害の有無・国籍に関わりなく多様性を認め合う共生社会、未病対策と健康都市、ゼロカーボンシティとごみ減量。(→介護と高齢化金沢のゴミ
    方針3

    づくり
    共に学び、未来を創る人を育むまち。 妊娠・出産から切れ目ない子育て支援、誰一人取り残さない子どもの学び、学都金沢の強みを生かした担い手育成、生涯学習と情操教育。人口減少時代の"次の世代"への投資です。(→教育と子ども
    方針4
    仕事
    づくり
    創造・変革により成長するまち。 DX・GXと文化・産業の融合、産学官金の連携、起業に挑む学生・若者・女性への支援、商店街とものづくり産業の継承、農林水産業の振興。稼ぐ力と挑戦を後押しする方針。(→金沢の会社
    方針5
    都市
    づくり
    活力と個性があふれ、安全で持続可能なまち。 中心市街地の活性化、歴史・自然と調和した都市景観、移住・定住と関係人口、公共交通ネットワーク、災害に強いまちづくり。ハード・インフラと防災の方針です。(→まちなか災害と金沢
    ⚖ 読み方のコツ: この5つは「きれいごとの並べ立て」に見えるかもしれません。大事なのは、各方針にKPI(数値目標)が設定され、達成状況で計画が見直されると決まっていること。つまり言いっぱなしにしない仕組みがある——その進み具合を追うのが、このサイトの「進捗トラッカー」です。(→市政の進捗トラッカー

    ※出典:金沢市都市像「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」全文(4 基本方針)、「未来共創計画」(令和6〜15年度・KPIと進捗管理の仕組み)。

    🌳 40年変わらない、金沢の3つの理念金沢市

    じつは金沢には、いまの都市像よりさらに古くて深い「理念」があります。昭和60年(1985年)に定めた「金沢市基本構想」——ここに掲げた3つの理念を、金沢は約40年間、市政の最上位の基本理念として受け継いできました。令和5年の新しい都市像も、この3つを「引き続き継承する」と明記しています。

    🙋
    理念その1
    市民主体
    🌿
    理念その2
    豊かな人間環境
    の構築
    🌏
    理念その3
    国際的文化
    産業都市

    都市像はこれを「金沢の歴史や個性、価値観などを礎とした普遍的な考え方」と表現しています。市長が代わっても、時代が変わっても、この3本の柱は動かさない——という宣言です。特に「市民主体」が一番目に来ていることは、市民として覚えておく価値があります。

    🧭 つまり金沢は二層構造: 一番おおもとに「40年不変の3理念」(1985年〜)があり、その上に時代ごとの「10年の都市像」(今は"共創文化都市")が乗る。土台は動かさず、目標像だけ時代に合わせて更新していく——これが金沢のまちづくりの設計思想です。「金沢って結局どんなまち?」と聞かれたら、「市民主体で、文化を軸に、世界とつながろうとしているまち」と答えれば、まず外れません。

    ※出典:金沢市都市像「未来を拓く世界の共創文化都市・金沢」全文(1 趣旨・基本構想の三理念の継承を明記)、金沢市基本構想(昭和60年策定)。

    🤝 市境を越えた金沢——石川中央都市圏の「中心市」金沢

    金沢市の役割は、市境の内側で終わりません。金沢は白山・かほく・野々市・津幡・内灘とつくる「石川中央都市圏」の中心市として、圏域ぐるみの行政を引っぱる立場にあります。

    4市2町2016年3月28日、金沢市は白山市・かほく市・野々市市・津幡町・内灘町の5市町それぞれと1対1で連携協約を結び、国の制度上の連携中枢都市(圏域の中心市)になりました。圏域の将来像をまとめた「石川中央都市圏ビジョン」は同月に策定され、毎年度改訂されています。
    制度連携中枢都市圏は、人口減少の時代に人口20万人以上などの要件を満たす中心都市が近隣市町と手を組み、①経済成長のけん引 ②高次都市機能の集積・強化 ③生活関連サービスの向上、の3つを圏域単位で担う国の仕組みです。
    規模圏域の人口は約72.8万人(平成27年国勢調査)で石川県の約63%、面積は約1,430平方キロで県の約34%。県民の3人に2人近くが、この圏域で暮らしている計算です。
    生活の中の実例令和8年度の金沢市予算から拾うと——夜間の子ども救急を担う金沢広域急病センターの小児科は4市2町の広域運営。子育て情報アプリ「いしかわ中央子育てアプリ」は圏域で共同運用。婚活イベントも圏域市町と共同開催。太陽光発電など脱炭素の推進では、金沢市が圏域内の4市町に補助金6,700万円を交付する側に立ちます。不登校支援でも圏域の教育支援センターが連絡会をつくり、縄文から近世までの歴史遺産も圏域で共同発信。上下水道は2017年2月に圏域の広域連携ビジョンが策定されています。
    お金の裏づけこの仕組みには国の後押しがあります。中心市となった金沢市には圏域人口に応じて算定される普通交付税の措置、圏域で連携する取組には特別交付税の措置——広域連携は、国が地方交付税で応援する政策です。
    実データ:夜間急病が3年で59%増上の実例の中で、いま数字が大きく動いているのが夜間の急病診療です。毎夜、内科と小児科を開ける急病診療事業——担い手は市の外郭団体(公財)金沢健康福祉財団——の利用者は、令和4年度5,566人→令和5年度7,619人→令和6年度8,847人3年で59%増え、令和6年度の事業費用は約1億3,317万円です(→財団の全体像は金沢のお金の外郭団体の節へ)。夜間に子どもを診てもらえる場所の需要が、圏域で伸び続けています。
    💡 ここがポイント: 「金沢市の予算」の中に、市外のまちの脱炭素や圏域共通のアプリ運用が入っている——中心市は圏域の事務局役・とりまとめ役を担うからです。金沢の行政を見るときは、市境の内側だけでなく「圏域の中心市としての金沢」という顔もあわせて見ると、仕事の全体像に近づきます。

    出典:金沢市企画調整課「連携中枢都市圏について」(4市2町・連携協約・ビジョンの毎年度改訂)、白山市・野々市市の公式サイト(2016年3月28日の協約締結式・制度の3つの役割)、金沢市企業局資料(圏域人口約72.8万人〔平成27年国勢調査〕・面積約1,430平方キロ・上下水道広域連携ビジョン2017年2月策定)、金沢市「令和8年度予算概要」(脱炭素補助6,700万円・広域急病センター・子育てアプリ・婚活・教育支援センター連絡会・歴史遺産活用の各事業)、総務省「多様な広域連携」・経済財政諮問会議提出資料(令和6年11月・連携中枢都市への普通交付税措置〔圏域人口に応じて算定〕と特別交付税措置)、(公財)金沢健康福祉財団「法人の経営状況の報告」(議会報告・令和4〜6年度決算。急病診療事業の利用者5,566→7,619→8,847人・令和6年度費用133,169千円)。

    Basic Data

    金沢まるごとデータ

    基本データと歴史
    📊 数字で見る金沢金沢市
    🧍
    人口
    454,071人
    令和7年国勢調査(速報)。毎月の住民基本台帳では約44万人。ゆるやかに減少中
    🗺
    面積
    468.64km²
    海から山まで
    🏛
    市になった年
    1889年
    全国で最初の31市のひとつ
    市のかたち
    中核市
    1996年・最初の中核市のひとつ
    🌏
    世界からの評価
    ユネスコ創造都市
    クラフト分野・2009年にアジアで初めて登録
    天気の特徴
    雨の日が全国トップ級
    「弁当忘れても傘忘れるな」
    🛣
    市道の長さ
    約2,206km
    11,894路線・2,206,403m(令和6年度)。単純計算で市民1人あたり約5m!
    🏘
    世帯数
    212,869世帯
    令和7年国勢調査(速報)。1世帯あたり2.13人(毎月の住民基本台帳では約21.8万世帯)
    🌏
    外国人住民
    9,375人
    令和8年6月1日現在。市民の約47人に1人で、10年前(4,829人)の約1.9倍に
    🏢
    事業所数
    24,881事業所
    令和3年経済センサス(民営)。石川県全体の44.1%が金沢に集中
    👷
    働く人の数
    251,596人
    市内事業所の従業者数(令和3年経済センサス)。県全体の46.3%
    🐕
    犬がまちに納めるお金
    年約1,300万円
    犬の登録手数料527万円+狂犬病予防注射済票770万円(令和6年度決算)。ちなみに犬猫の引取り手数料収入は年2万円だけ
    💡 「百万石」って本当? 加賀藩の石高は実際には約102万5千石。米がとれる量で藩の大きさを表したもので、江戸幕府の親せき(御三家)をのぞくと日本一大きな藩でした。だから金沢は「加賀百万石の城下町」と呼ばれます。
    💡 「金沢」の名前の由来は? 山で芋を掘って暮らしていた藤五郎が、芋を洗った沢から砂金が出た——という「芋掘り藤五郎」の伝説から、「金を洗った沢」=金沢になったと伝えられています。兼六園のとなりには今も「金城霊沢(きんじょうれいたく)」という泉が残っています。

    ※出典:金沢市調査統計室(住民基本台帳人口・世帯数)、金沢市道路管理課(道路現況)、令和3年経済センサス-活動調査(石川県結果概要)、金沢市公式サイト、ユネスコ創造都市ネットワーク。人口・世帯は毎月更新されるため、最新値は市の統計ページで確認できます。

    🐾 金沢のペット事情——「殺処分ゼロ」を宣言したまち金沢

    金沢市には市営の動物愛護管理センター(才田町)があります。あまり知られていませんが、ここは「殺処分ゼロ」を公式に掲げた施設です。

    覚悟金沢市は殺処分ゼロをめざして獣医師を2名体制に増強し、犬猫の救命と飼育管理を強化。象徴的なのは——死体焼却用の焼却炉そのものを撤去したこと。跡地には動物愛護のための施設を整備していく方針です。設備を消すことで、後戻りしない決意を形にしました。
    譲渡センターに収容された犬猫は、新しい飼い主に無料で譲渡されます。しかも金沢方式の工夫が「事前飼い主登録」——先に登録しておくと、収容された動物を優先的に紹介してもらえます。「いつか飼いたい」人は、ペットショップより先にセンターに登録する手があります。📞 076-258-9070
    仕組み飼い主のいない猫を減らすため、市民・動物愛護団体・獣医師会と協力した不妊・去勢の支援事業を実施。センター内には犬のしつけ練習場「ドッグラン金沢」があり、しつけ教室も開催。生まれたての子猫に授乳する「ミルクボランティア」の活動まであります。
    義務犬を飼ったら30日以内の登録が法律上の義務(鑑札が発行されます)。狂犬病予防注射は毎年1回で、毎年4月に集合注射の会場が設けられます。登録は動物愛護管理センターか保健所衛生指導課で。

    ※出典:金沢市動物愛護管理センター「殺処分ゼロをめざして!」ほか市公式ページ。

    🧮 【速報】令和7年国勢調査——金沢の人口、5年でこう変わった金沢市・調査統計室

    5年に1度の国勢調査(令和7年10月1日時点)の速報値が公表されました。金沢のいまを測る、いちばん基本の数字です。
    ※このサイトでは人口は国勢調査(5年に1度・実際に住んでいる人を数える全数調査)の454,071人を基準にしています。住民登録ベースの住民基本台帳では毎月更新で約44万人と、集計方法の違いで少しずれます。

    👥
    人口
    454,071人
    5年で▲9,183人(▲1.98%)
    🏠
    世帯数
    212,869世帯
    逆に+5,349世帯(+2.58%)
    1世帯あたり
    2.23人 → 2.13人
    世帯の「小型化」が進行
    🔍 人は減るのに、世帯は増える——この「ねじれ」が金沢のいま
    5年間で減った9,183人は、ひとつの校下がまるごと消えたくらいの規模。それでも世帯数は5,349世帯増えました。人が減って世帯が増える——つまりひとり暮らし・ふたり暮らしへの分解が進んでいるということです。高齢ひとり暮らし世帯が25年で5.6倍になった話(→介護と高齢化)と、まちなかの空洞化(→金沢のまちなか)の背景が、この2つの数字に凝縮されています。ちなみに男女比は女性が約1.5万人多く、減少率は男性(▲2.15%)のほうが女性(▲1.82%)よりやや大きめ。市は校区別・統計区別・町丁別の人口・世帯数まで公開しているので、「自分の校下は増えたか減ったか」も調べられます。

    出典:金沢市調査統計室「令和7年国勢調査結果 速報」(令和7年10月1日時点の速報値)。確報値は総務省統計局が令和8年9月頃公表予定で、速報値と相違する場合があります。1世帯あたり人員は人口÷世帯数から算出。

    🎯 市の「人口目標」と現実の答え合わせ——ビジョンから10年金沢市・企画調整課

    金沢市は人口ビジョン(平成27年策定・令和2年改訂)で、施策によって人口減少を食い止める目標を掲げています。上の国勢調査速報と突き合わせてみましょう。

    🏁
    市の長期目標
    2060年に43万2千人
    何もしない推計34万7千人+8万5千人
    📐
    目標コースの2025年
    461,297人
    出生率回復+若者定着策が効いた場合
    📍
    現実(R7速報)
    454,071人
    目標コース比 ▲7,226人
    ⚠️ 現実は「目標ライン」ではなく「趨勢ライン」の上を歩いている
    国の研究機関(社人研)が2018年に出した趨勢推計では、2025年の金沢は453,493人。実績454,071人は、これとわずか578人差のほぼドンピシャです。一方、市が目標に置いた「施策が効いたコース」の461,297人からは7,226人のビハインド——つまりこの10年、人口は「対策を講じた未来」ではなく「成り行きの未来」の線をなぞって進んでいます。目標の前提は出生率の回復(2030年1.8)と若年層の転出抑制200人/年でしたが、出生率は1.5前後で足踏み。そして人口ビジョンの改訂は、国の方針待ちで「次年度以降」に先送り中(令和6年度総合戦略会議資料より)。2060年目標43.2万人と成り行き34.7万人の差は8万5千人=校下20個分。どちらの未来を歩くかは、これからの施策——と、それを選ぶ選挙にかかっています。

    出典:金沢市人口ビジョン【改訂版】(令和2年3月、企画調整課)、金沢市「人口動態の現況について」(総合戦略会議資料・パターン②推計値461,297人/2025年ほか)、「金沢市人口ビジョンの改訂について」(令和6年度資料)、社人研「日本の地域別将来推計人口」(2018年推計453,493人/2025年)、令和7年国勢調査速報値454,071人。

    🌳 みどりのデータ——実は「市域の6割が森」のまち金沢市・緑と花の課/森林再生課

    金沢のイメージは城下町と兼六園。でも地図を引いて見ると、このまちの本当の姿は「森のまち」です。公園と森林、2つの緑のデータをまとめました。

    🌲
    森林面積
    28,142ha=市域の約60%
    国有林23%・民有林77%
    🏞
    都市公園
    585か所・約595ha
    卯辰山公園は開園100年超の老舗
    📐
    1人あたり公園面積
    12.99㎡
    畳約8枚分が市民1人の持ち分
    🪓 「6割が森」の誇りと、「手入れ不足」の宿題
    市域46,864haのうち森林が28,142ha——金沢市民は実は、面積で言えば「森に住むまち」の住民です。ただし市自身がページで率直に認めています:「近年手入れが不足し、荒廃が進んでいます」。森の77%は民有林で、林業の担い手不足はここでも課題。市は平成15年に森づくり条例を作り(「森林を育て・親しみ・木を活かし・絆を強める」)、国の森林環境譲与税を整備や担い手育成に充て、使途も公表しています。公共建築に金沢産材を使う方針も令和5年に対象拡大。まちなかの585の公園(身近な街区公園から卯辰山・大乗寺丘陵まで)が「日常の緑」なら、市域の6割の森は「まちの背景であり水源」——手取川の水(→水道の話)も、この森が蓄えた雨の恵みです。

    出典:金沢市森林再生課「金沢の森林」(市域46,864ha・森林28,142ha≒60.1%・国有林6,470ha/民有林21,672haは内訳合計を検算済み)、同「森林再生施策」(手入れ不足の記述・森づくり条例H15・木材利用方針・森林環境譲与税の使途公表)、緑と花の課「よくある質問」(都市公園585か所・約594.6ha・1人あたり12.99㎡=5,952,000㎡÷458,005人、市の掲載計算式を検算済み)、市キッズページ「金沢市の公園」(卯辰山公園は大正3年開園)。

    🧹 その公園、誰が守ってる?——町会365団体と、年13.3億円令和7年度行政監査より

    市の監査委員が令和7年度、テーマ監査(行政監査)で公園の維持管理を丸ごと調べました。緑と花の課が管理する公園・緑地は862か所・345.5ha(都市公園578+緑地など284・令和7年8月末の管理分)。その裏側のデータです。

    守り手は町会身近な公園の除草・清掃を担っているのは、町会などの愛護団体365団体(482公園)。昭和46年から続く仕組みで、報奨金は1団体あたり基本12,000円+面積割(自主管理は100㎡あたり3,600円・指定ごみ袋の販売収入を財源とする基金で令和3年度に倍増)。年間総額は約2,084万円——13.3億円の維持管理費のわずか1.6%で、まちの公園のきれいさが支えられています(→町会文化の背景は校下という文化)。
    その守り手が、細っている「愛護団体だけで管理」の公園は平成18年度の58.8%→令和7年度は45.9%に減り、業者委託との併用が54.1%に増えました。監査報告は理由を「団体構成員の高齢化や新規加入者の減少」と明記。地域の担い手不足は、公園の草むしりにまで及んでいます。
    通報・要望は2倍市民から緑と花の課への通報・要望は平成18年度1,314件→令和6年度2,746件と2倍以上に。令和5年度は3,771件に跳ねましたが、これは能登半島地震による施設破損の通報増でした。
    これからの宿題設置から30年以上の公園が約6割、10年後には約8割になる見込み。578公園・15,451施設を対象にした長寿命化計画(令和5〜14年度・総額約10.2億円)で更新を平準化する設計ですが、令和5年度は突発修繕で計画を3,360万円超過。トイレのある街区公園は456か所中89か所(19.5%)です。
    監査の結論結果は「適正に執行されている」。そのうえで意見2件——長寿命化コストの着実な縮減と、「オンラインを活用した意見募集など、子どもや若年層を取り込む仕組みを」。1人あたり都市公園面積13.4㎡は中核市平均11.2㎡を上回る水準です(→監査の仕組みは公文書ツアー)。

    出典:金沢市監査委員「行政監査結果報告(公園・緑地の維持管理について)」(令和8年3月23日公表・監査対象は緑と花の課。管理862か所345.5ha〔都市公園578・319.2ha+都市公園以外284・26.3ha、令和7年8月31日現在〕、愛護団体365団体・愛護公園482か所、報奨金基準〔基本12,000円・自主管理100㎡3,600円・令和3年度改定〕と報奨金総額20,848,270円、維持管理経費計1,333,534,408円〔令和6年度・樹木等維持管理委託58.3%〕、愛護団体のみ管理58.8%→45.9%、高齢化・新規加入者減少の記述、通報・要望1,314→3,771→2,746件(報告書は「2.05倍」と記載していますが、2,746÷1,314=2.09倍のため本節は「2倍以上」としています)、設置30年以上約6割・10年後約8割、長寿命化計画〔令和5〜14年度・15,451施設・年次計画合計1,019,079千円〕と令和5年度33,616千円超過、トイレ89/456か所、1人あたり13.4㎡と中核市平均11.2㎡、監査結果と意見2件はすべて同報告より。構成比1.6%=2,084万÷13.3億は当サイトの計算)。※上のカードの都市公園585か所・約595haは市サイト「よくある質問」掲載の市内の都市公園の数字で、本節の578か所・319.2haは「緑と花の課が管理する都市公園」の数字です(集計の範囲が異なります)。

    🦋 その森と生きものを、どう守るか——金沢の環境戦略金沢市

    市域の6割が森、というのは上で見たとおり。ではその自然を守る「設計図」はあるのか——あります。担当は環境政策課。金沢は環境を守る計画と条例を、実は早くから持っていました。

    生物
    多様性
    戦略
    金沢は「金沢版生物多様性戦略(生物多様性地域計画)」を策定し、市固有の生きものと自然環境を次世代に継承することを掲げています。特徴的なのは市民が身近な生きものを記録する「市民ウォッチャー登録制度」——専門家だけでなく、市民の目で金沢の自然を見守る仕組みです。用水路のホタルやトンボ、里山の植物——金沢の生物多様性は、まちなかと自然が近い金沢ならではの財産です。
    環境
    基本
    計画
    金沢の環境行政の背骨は「金沢市環境保全条例」と、それに基づく「環境基本計画」。第1次は平成11年(1999年)策定と歴史があり、現在は第3次。「潤いのある都市」「環境への負荷が少ない都市」「市民・事業者・市が力を合わせる都市」を柱に、自然・生活環境から地球温暖化対策まで束ねる、環境分野の最上位計画です。(→金沢の都市像とも連動)
    見えない
    監視
    業務
    環境政策課の仕事は計画づくりだけではありません。大気汚染・水質汚濁・騒音・振動・悪臭・土壌汚染の調査と規制、大気と水質の常時監視、地下水保全、浄化槽の監視——市民が普段意識しない「環境の見張り番」を担っています。公害の苦情相談窓口もここ。きれいな空気と水は、こうした地道な監視の上に成り立っています。
    🧭 意外な事実: 金沢の環境基本計画の第1次は1999年——景観条例(1968年・全国初)ほどではないにせよ、環境分野でも金沢は早くから動いていました。環境審議会(委員15人・平成10年設置)には大学教授だけでなく町会・婦人会・公募市民も入っており、専門家任せにしない金沢らしい仕組みです。森を守るのは(→水道の水源)を守ることでもあります。

    ※出典:金沢市公式サイト(環境政策課「金沢版生物多様性戦略」「金沢市環境基本計画(第3次)」「環境審議会」「業務概要」)、金沢市環境保全条例(第21条・環境審議会)、環境基本法第44条。環境基本計画の第1次策定は平成11年3月。

    📜 5分でわかる金沢の歴史金沢

    1546年金沢御堂(尾山御坊)ができる。お坊さんと農民たちが治める「一向一揆」の拠点で、これが金沢のまちの始まり。
    1583年前田利家が金沢城に入城。ここから約290年続く加賀藩・前田家の時代が始まる。百万石まつりはこの日を記念したもの。
    1602年落雷で金沢城の天守が焼失。幕府に警戒されないよう、その後も天守は再建されなかった。今の金沢城に天守閣がないのはこのため。
    1632年大火をきっかけに辰巳用水が完成。犀川の水を約11kmも引いてきた江戸時代の大工事で、今も兼六園の水はここから来ている。
    江戸時代前田家は幕府に疑われないよう、武器ではなく学問と工芸にお金を注いだ。加賀友禅・金箔・九谷焼・能楽…今の「文化のまち金沢」の土台がこの時代にできた。
    1871年廃藩置県で加賀藩が終わり、石川県が誕生。
    1889年金沢市が誕生。全国で最初に市になった31市のひとつ。当時の人口は約9万5千人で、全国有数の大都市だった。
    1945年太平洋戦争で金沢は空襲を受けなかった。だから江戸時代からの街並み・茶屋街・用水が今も残っている。これが観光都市・金沢の最大の財産。
    2015年北陸新幹線が金沢に開業。東京から約2時間半になり、観光客が一気に増えた。金沢マラソンもこの年に始まった。
    2024年1月1日、能登半島地震が発生。金沢市も震度5強を観測し、液状化などの被害が出た(くわしくは「災害と金沢」へ)。

    ※出典:金沢市「金沢の歴史(通史)」、金沢市史年表、石川県公式サイトほか。

    Festival & Marathon

    まつり・マラソンとお金

    税金はいくら使われてる?

    🎌 百万石まつりって、どんなまつり?金沢

    📅
    始まり
    1952年
    市と商工会議所の「商工まつり」が第1回
    👥
    観客
    約40万人
    金沢市の人口とほぼ同じ人数!
    🎬
    利家公役
    有名俳優
    1984年から毎年起用

    加賀藩祖・前田利家が1583年6月14日に金沢城へ入城した偉業を記念して、毎年6月の第1土曜日を中心に3日間ひらかれる金沢最大のまつり。主催は金沢百万石まつり実行委員会(金沢市+金沢商工会議所)です。

    ⚠️ ここが「知り得ない」ポイント:まつりのお金の中身
    まつりの費用は、市の予算(観光費)から実行委員会への負担金として支出されます。つまり税金が使われています。でも——総額いくらかかって、何にいくら使ったのか(たとえば俳優さんの出演料)は、細かい内訳が公表されていません。実行委員会という「市そのものではない団体」が主催する形だと、市の決算書だけでは中身が見えにくくなります。
    💡 調べる方法はある: 市民には情報公開請求という道具があります(「市民の権利」の章を見てね)。実行委員会への負担金の額は市の予算書・決算書に載っているので、まずはそこから。このサイトでも今後、実際に調べて報告する予定です。
    💡 観光とお金つながりで、もう一つ: 金沢のホテル・旅館に泊まると、1人1泊200円〜500円の宿泊税が市に入ります。2019年に導入した、全国でも早い都市のひとつ。令和7年度予算で約8.2億円——観光客にも「金沢の会費」を払ってもらう仕組みです(出典:金沢市「市税概要」令和7年度)。

    ※出典:金沢百万石まつり公式サイト、金沢市観光政策課、Wikipedia(まつりの沿革)。お金の詳細は現時点で未確認のため、確認できた事実だけを書いています。

    🏃 金沢マラソンのお金、ざっくり計算金沢
    🏃
    定員
    15,000人
    応募は約2.9万人・倍率約2倍
    💴
    参加料
    14,000円
    2025年に1,000円値下げ
    📈
    経済効果
    約22.6億円
    2019年大会・組織委員会の発表

    2015年、北陸新幹線の開業に合わせて始まった市民マラソン。兼六園・金沢駅・ひがし茶屋街などまちの名所をめぐる42.195kmで、エイドでは金沢カレーや和菓子も食べられます。主催は金沢マラソン組織委員会(石川県・金沢市・北國新聞社・陸上競技協会など)

    🧮 ざっくり計算してみよう: 参加料収入は 15,000人 × 14,000円 = 約2.1億円。でも、これだけの大会を開くには警備・交通規制・コース運営などで数億円規模の費用がかかるのが一般的です(東京や大阪の大会では、収入の6割以上をスポンサーと行政のお金でまかなっています)。つまり金沢マラソンも、参加料だけでは足りず、県や市の負担金=税金が入っていると考えられます。
    ⚠️ かつて「知り得ない」だったポイント: 組織委員会の収支の全体像(市がいくら負担しているか)は、市民が気軽に見られる形では公表されていませんでした。「経済効果22.6億円」という良い数字は発表される一方で、かかったお金の側はあまり語られない——これはイベント行政によくあるパターン。そこで当サイトが情報公開の手続きで請求したところ、公開の組織委員会会議の資料として収支3年分の情報提供を受けました。答え合わせは下の実データです。

    ※出典:金沢マラソン公式サイト(募集要項)、金沢マラソン組織委員会の発表(経済効果)、MRO北陸放送の報道(応募者数・参加料値下げ)、東京マラソン財団・大阪マラソンの公開決算(大会運営費の一般的な構造)。

    📊 実データで答え合わせ——組織委員会の収支3年分市の実データ

    当サイトが情報公開の手続きでマラソン推進課から提供を受けた、金沢マラソン組織委員会の収支決算3年分です(組織委員会会議は公開で開催・その会議資料)。

    総事業費は5.6億円大会の総事業費(準備費込み)は、第9回(2023年)4億6,961万円→第10回(2024年)5億7,848万円→第11回(2025年)5億5,715万円。上の「ざっくり計算」の予想どおり、参加料だけでは足りない規模です。
    でも市の負担は2割弱第11回の収入は参加料2億3,957万円+協賛金2億629万円で、自主財源が約74%。自治体などからの委託金等1億1,100万円(3年間同額)のうち、金沢市の支出は9,100万円(残りは石川県と北國新聞社の負担金・推進課回答)。市の負担は総事業費の16〜19%です。
    まつりとの対比百万石まつりは総事業費の57〜69%を市が負担(→百万石まつりのタブ)。マラソンは2割弱——ランナーの参加料とスポンサーが支える、自立度の高い構造です。同じ「金沢の2大イベント」でも、お金の姿はまったく違います。
    毎年黒字で繰越収支は3年とも黒字で、剰余金9,398万円→6,893万円→7,381万円を翌大会の準備費に繰り越しています。支出の中身は委託料が約75%(大会運営委託・シャトルバス運行・広告出稿等)。
    能登とマラソン震災後の第10回(2024年)は被災地ランナー枠500人を無料で設け、義援金357万円を支出。第11回(2025年)は能登地域枠1,000人の優先抽選+出走申込時のチャリティ募金に形を変えて、復興応援を続けています。
    💡 数字の突き合わせ: 上の節の「市の決算書では9,000万円ちょうど」に対し、組織委員会側の回答では市の支出9,100万円——100万円の差があります。市側の支出科目の範囲の違いとみられますが、理由は資料からは特定できません。両方の一次資料の数字を、そのまま並べておきます。

    出典:金沢マラソン組織委員会「令和5〜7年度 収支予算・補正予算・収支決算」(市マラソン推進課からの情報提供・2026年8月受領。組織委員会会議〈公開開催〉の資料。総事業費=大会総支出:第9回469,605,614円・第10回578,477,223円・第11回557,154,889円、第11回収入=参加料239,568,380円・協賛金206,285,337円・自治体より委託金等111,000,000円・剰余金の繰越等を含む合計604,293,187円、剰余金93,980,527円→68,933,937円→73,809,901円。収入合計・剰余・繰越の連鎖は当サイトで検算し全一致)。市の支出9,100万円(91,000千円・3年間同額)はマラソン推進課の回答による。

    🏃 金沢マラソン、市の負担はぴったり9,000万円
    令和6年度の「金沢マラソン開催費」は90,000,000円ちょうど(市から大会への負担金)。参加費や協賛金と合わせた大会全体の財源の中で、市はこの額を出しています。1万人超が走るあの日の交通規制・給水・沿道の応援——その土台の一部は、市民みんなの財布です。

    出典:金沢市「令和6年度一般会計歳入歳出決算事項別明細書」(令和7年12月定例月議会で認定)

    Culture

    金沢の文化

    工芸・芸能・百万石の実力

    金沢が「文化都市」と呼ばれる、その中身。加賀百万石の前田家は、戦ではなく文化に力を注ぎました。その政策が生んだ工芸と芸能は、いま金沢の「真の実力」になっています。

    🏆 数字で見る「文化都市・金沢」金沢
    🎨
    伝統工芸
    26業種
    金沢の伝統工芸は26業種に及ぶ。人間国宝・伝統工芸士が東京・京都に次いで多い土地柄
    🌍
    ユネスコ
    創造都市
    2009年、クラフト&フォークアート分野で認定。この分野ではアジア初
    金箔シェア
    99%超
    金沢箔は全国生産の99%以上を独占
    💡 なぜ金沢に文化が集まったのか
    加賀百万石の前田家は、幕府に「反乱の意思なし」を示すため、軍事ではなく学問・工芸に藩の財力を注ぎました。五代藩主・前田綱紀は日本中から学者と書物を集め、「加賀は天下の書府」と称されたほど。この文化奨励策が、工芸・能楽・茶の湯・和菓子という金沢文化の土台になりました。「戦わないための文化投資」が、400年後の世界的な文化都市を生んだわけです。
    ⚖️ 御細工所(おさいくしょ)という仕組み
    加賀藩は金沢城内に御細工所という工房を置き、美術工芸品の製作・修復を手がけました。さらに工芸技術を記録・保存する「百工比照(ひゃっこうひしょう)」という見本帳もつくった。技を「属人」で終わらせず組織で継承する仕組みがあったからこそ、金沢の工芸は途切れずに続いています。(→金沢の食 も百万石文化の一部)

    ※出典:金沢市観光協会「金沢一期一会」、金沢市公式サイト、ユネスコ創造都市ネットワーク、石川の伝統工芸。26業種・人間国宝数は観光協会公表資料に基づきます。

    🏛 数えてみた——金沢の文化財は、あわせて626件金沢市

    「文化のまち」と言うけれど、実際いくつあるのか。市の公式一覧から数えました(指定は令和7年3月21日現在・登録は令和8年2月10日現在)。

    指定文化財457件内訳は国宝・特別クラス3件、国指定73件、県指定146件、市指定235件。これに国の登録文化財130件(届出制のゆるやかな保護・大半は建造物127件)と、景観条例による市独自の指定保存建造物39件を足すと、守られている文化財はあわせて626件です(当サイトで合算)。
    最多は工芸品の117件種別でいちばん多いのは工芸品117件——そして金沢市内の国宝1件も工芸品です。絵画74件・建造物70件がこれに続きます。「工芸のまち」は、看板ではなく指定件数の構成に表れています。
    踊りも祭りも文化財形のないものも守られています。無形民俗文化財は13件(市指定11・県指定2)——市指定11件の顔ぶれは、最古参のジョンカラ節(東長江町・昭和34年指定)から、山王悪魔払・加賀獅子・さかたおどり・加賀万歳・大野湊神社の寺中神事能・上野町餅つき踊・南無とせ節・大野湊神社の夏季大祭・奴行列・湯涌念仏踊り(平成27年)まで。ちなみに「じょんから」の正式指定名は踊りではなく「ジョンカラ節」(保持団体=長江谷ジョンカラ保存会)。西南部の「チカモリジョンガラ踊り」は文化財指定とは別の無形歴史文化遺産という制度で守られている、というややこしい二本立てです。ほかに芸能・工芸技術の無形文化財7件、選定保存技術2件。「持っている人・団体」ごと認定して技を残すのが、この制度の面白いところです。
    3階建ての守り方文化財の保護は国>県>市の3階建て+登録制度+市独自制度の重ね着です。件数は市公式サイト「金沢市の文化財」で公開されていて、件数をクリックすると全件の名前が見られます。あなたの町の近くにも、きっと1つはあります。

    出典:金沢市文化財保護課「金沢市の文化財」(指定文化財=令和7年3月21日現在: 有形374件〈建造物70・絵画74・彫刻25・工芸品117・書跡典籍31・古文書16・考古資料16・歴史資料25〉・無形7件・民俗24件〈有形11・無形13〉・史跡名勝天然記念物45件・伝統的建造物群4件・文化的景観1件・選定保存技術2件=計457件〔市235・県146・国73・国宝特別3〕。国登録文化財=令和8年2月10日現在130件〈建造物127・有形民俗1・記念物2〉。市指定保存建造物39件。各表の縦横の合計は当サイトで検算し一致。626件は当サイトの合算)。

    🏘 金澤町家——消えゆく「金沢らしい風景」金沢

    金澤町家=昭和25年(1950年)より前に建てられた木造の建築。これが並ぶことで「金沢らしい風景」ができています。でも、保全条例後の5年間だけで約550棟が消え、いまも解体の届出だけで年30件超(→空き家と町家に実データ)。

    条例金沢市は2013年に金澤町家条例を制定。中心市街の「保全活用推進区域」では、町家を大規模改修・解体するとき90日前までの届出が必要です。「壊す前に、一度立ち止まって相談してもらう」仕組みです。
    補助壊すのではなく直すなら、金澤町家再生活用事業で修理費の一部を市が補助。屋根瓦・漆喰壁・下見板張りなど「本来の姿」に戻す工事が対象で、県外から移り住む人(UJIターン)には加算枠もあります。
    相談総合窓口は金澤町家情報館(実際の町家を改修した建物!)。「売りたい・貸したい」と「買いたい・借りたい」のマッチングまでやっています。町家でカフェや宿を開く人の入口です。
    🤔 考えるポイント: 町家は個人の財産です。維持にはお金がかかる。でも、町家が消えれば「金沢らしさ」も消える。個人の負担と、まちの風景——どうバランスを取るか。金沢が条例と補助で挑んでいる、現在進行形の問いです。

    ※出典:金沢市歴史都市推進課「金澤町家の保全と活用」、金澤町家情報館。

    ♨️ 「石川銭湯王国」——大阪の風呂のルーツは石川やった金沢・石川

    石川県の銭湯組合の名前、知っていますか。その名も「石川銭湯王国」。冗談みたいですが、公式名称です。そして王国を名乗るだけの歴史があります。

    歴史江戸〜明治、多くの石川県出身者が関西・関東へ出て銭湯を開業しました。特に京阪地域では、初代の銭湯経営者の多くが石川県出身だったという記録が残っています。つまり——大阪や京都の風呂文化の礎を築いたのは、石川の人たちやった可能性が高いんです。
    値段銭湯の入浴料は、実は県知事が上限を決めています(物価統制令に基づく統制額。スーパー銭湯は対象外)。「庶民の風呂」は法律で守られた公共インフラなんです。65歳以上向けの入浴補助券の制度もあります。
    いま金沢には天然温泉の銭湯(温泉銭湯)が残り、長町の「松の湯」は70年以上愛されて一度廃業したあと、市民の熱意で復活。薪で沸かした湯と九谷焼タイルの浴場が今日も営業しています。

    ※出典:石川県公衆浴場業生活衛生同業組合「石川銭湯王国」、金沢市観光協会、石川県(入浴料金統制額)。料金・営業状況は変わります。

    🏅 国宝と人間国宝——「日本にどれだけあるうちの」で見る金沢
    🏆 金沢市内の国宝は、たった1つ
    仁清作「色絵雉香炉」(石川県立美術館・昭和26年指定)。国宝は全国に約1,144件(2026年1月時点)しかなく、そのうち金沢市内にあるのはこの1件だけ。逆に言えば、日本に約1,144個しかない「本物の国宝」を、金沢では今日ふらっと見に行けます
    👤 人間国宝が、いま金沢に3人住んでいる
    重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)は全国で存命105人(2025年7月時点)。うち金沢市には三代 魚住為楽(銅鑼)、中川衛(彫金)、二塚長生(友禅)の3人。石川県ゆかりでは11人——日本の人間国宝の約1割が石川です。歴史をさかのぼれば、金沢市大桑町生まれの松田権六(蒔絵・文化勲章・「漆聖」と呼ばれた)、その内弟子の大場松魚(平文)と、蒔絵の人間国宝の系譜が金沢から続いています。
    🏘 「まち並みごと文化財」が4地区
    国が選ぶ重要伝統的建造物群保存地区は全国129地区(2025年時点)。金沢は東山ひがし・主計町・卯辰山麓・寺町台の4地区が選定されています。1つの市で4地区は全国屈指。さらに市中心部は重要文化的景観「城下町の伝統と文化」(全国73件)にも選定。建物単体では、石川門・成巽閣・志摩・大乗寺仏殿など重要文化財の建造物が市内に13件あります。
    🌍 で、世界遺産は?——ありません
    金沢市内にユネスコ世界遺産はゼロ。それでも世界から人が来るのは、戦災を免れた本物のまち並みと、いまも現役の工芸・芸能があるから。「世界遺産がないのに世界が来るまち」——それが金沢の立ち位置です。金箔は用具が重要有形民俗文化財、縁付金箔製造は国の選定保存技術に選ばれています。

    出典:金沢市文化財保護課「国指定・選定文化財一覧」、文化庁の指定件数(国宝約1,144件・重要伝統的建造物群保存地区129地区・重要文化的景観73件)、重要無形文化財保持者数は2025年7月時点。

    🎨 市民は「文化都市・金沢」をどう生きてる?——文化芸術アンケの答え金沢市・eモニター

    令和7年、市が市民に文化芸術について聞きました(回答193人)。「文化都市」の看板を、市民の側から見た数字です。

    🏯
    「文化芸術が盛んな都市」
    94.3%が同意
    「思わない」はわずか2.6%
    🖼
    21世紀美術館
    認知97.9%
    「行ったことがある」も96.4%
    🎫
    有料でも観たい
    88.1%
    ただし約8割は「1,000円まで」
    🎭 金沢の文化イメージは「伝統」が8割——現代アートは6%
    文化芸術でイメージするものは伝統芸能45.6%+伝統工芸37.3%で8割超。21美が世界的に有名でも、市民の心の中の金沢文化は圧倒的に「伝統」なんです(現代アートは6.2%)。施設めぐりでは21美がほぼ全員制覇の一方、認知最下位は金沢文芸館の30.1%——同じ「市の文化施設」でも3倍の差。行ったことがない理由の2位は「展示内容が分からない」27.5%で、ここでも「作ると届けるの断層」(→市民のホンネ調査)が顔を出します。ちなみに歌劇座を監修した谷口吉郎の記念建築館(→ハコモノ)の認知は48.7%です。
    👧 「子どもには学校で」86%——文化の入口の圧倒的第1位
    子どもが文化芸術に親しむために必要なことの1位は「学校での鑑賞・体験の機会」86.0%。習い事でもイベントでもなく、学校。文化活動を実際にやっている大人は24.4%にとどまり、やらない理由は「時間がない」25.9%と「お金がかかる」26.4%が並びます。有料でも観たい人は9割いても、払えるのは1,000円まで——文化都市の未来は、学校教育と「安く触れられる入口」にかかっている。市民の答えは明快です。

    出典:金沢市eモニター制度「金沢の文化芸術についてのアンケート」(令和7年9〜10月実施・対象250人・回答193人・回答率77.2%、文化政策課)。

    🏺 工芸王国のリアル——誇りはある、でも1年で買った人は2割弱金沢市・eモニター

    加賀友禅・九谷焼・金沢箔…17品目を数える工芸のまち。その足元を市民に聞いた結果(回答185人)は、誇りと距離感が同居しています。

    🎁
    市外の人にすすめられる
    67.0%
    工芸品を持っている人も69.7%
    🛍
    この1年で自分用に購入
    17.8%
    「購入していない」82.2%
    💴
    検討できる価格帯
    5千円未満 54.1%
    1万円未満まで含めて8割強
    🎎 「誇れるけど、買えない・使えない」——工芸の距離感
    7割が工芸品を持ち、7割が市外の人にすすめられる。でも日頃「使っている」は33.5%で、使わない理由は「高価で日常使いに不向き」32.4%。市民が出せるのは5千円まで、が過半数です。普段使いの主役は九谷焼(使用36.2%)、贈り物の主役も九谷焼(43.9%)——「九谷は金沢ではないのでは」という自由記述のツッコミ込みで、工芸王国の日常は九谷が支えています。子どもが工芸に触れる機会は「少ない」計64.9%——文化芸術アンケの「入口は学校」86%と、答えは同じ方向を向いています。
    ⚠️ そして、作り手の生の声——「時給換算すると最低賃金を下回る」
    自由記述に、工芸の仕事に携わる方からこんな声が寄せられています:「時給に計算すると最低賃金を下回ると感じます。職人辛いです。その上仕事は減っていくのだろうと実感しています」。市の販売拠点「金沢・クラフト広坂」は38.4%が全く知らず、「金沢市デジタル工芸展」は87.6%が見たことがない——買い手には高すぎ、作り手には安すぎ、売り場は知られていない。工芸王国の継承問題は、精神論ではなく経済の問題です。

    出典:金沢市eモニター制度「金沢の工芸についてのアンケート」(令和7年12月実施・対象250人・回答185人・回答率74.0%、クラフト政策推進課所管)。自由記述は公表資料の原文どおり。

    📚 年間97万人が通う「文化の装置」——金沢の図書館、数字で見る金沢市・図書館総務課

    文化都市の土台は、実は図書館かもしれません。玉川・泉野・海みらい・玉川こども・城北・近世史料館——市立図書館ネットワークの令和5年度の記録です。

    🚪
    年間入館者
    97万1,250人
    市民全員が年2回強通う計算
    📖
    年間貸出
    約188万冊
    蔵書は約172万冊・市民1人あたり年4冊強
    🪪
    利用登録者
    約16.9万人
    市民のおよそ3人に1人
    🏛 一番人が集まる文化施設は、たぶん図書館である
    年間97万人——多くの観光施設や文化施設を上回る来館者を、市立図書館は静かに受け入れています。館別で最多は泉野図書館の33万人(1日平均1,119人)、次いで海みらい図書館の22.7万人。それぞれ役割分担があり、玉川は郷土資料の保存館、泉野は国連寄託図書館(日本海側初)と視覚障害者サービスの拠点、海みらいはものづくり・日本海の情報、玉川こどもは読書のスタート地点。重度障害の方への郵送貸出や対面朗読・音訳サービスまで備え、誰にでも開かれた文化の装置として動いています。文化都市金沢のイメージは伝統工芸に寄りがちですが(上のアンケート参照)、市民の日常の文化活動を支えている最大のインフラは、無料で誰でも入れるこの6つの建物——使い倒すのが一番の応援です。

    出典:金沢市図書館「金沢市図書館概要」統計(令和5年度。入館者数971,250人は館別掲載値の合計〈玉川216,982・城北68,092・泉野330,136・玉川こども129,006・海みらい227,034、玉川は近世史料館含む〉・登録者168,821人・郵送貸出等サービス実績)、蔵書約172万冊・年間貸出約188万冊はWikipedia「金沢市図書館」(2023年度統計として同概要を引用)より。

    🎨 金沢の伝統工芸金沢

    加賀友禅(かがゆうぜん)——日本三大友禅の一つ。京都の宮崎友禅斎が加賀に伝え、加賀染めを改良して生まれた。加賀五彩(臙脂・藍・黄土・草・古代紫)を基調に、写実的な草花模様が特徴。「外ぼかし」(外側を濃く)や虫食い(虫喰い)の技法で自然を描く。浅野川の「友禅流し」は染めの仕上げ工程。
    金沢箔(かなざわはく)——1593年、前田利家が金箔・銀箔の製造を命じたのが起源。純金に微量の銀・銅を加え、1万分の1ミリ(10円玉大を畳4〜5枚に広げる薄さ)まで均一に打ち延ばす。全国生産の99%以上を金沢が占める。仏壇・漆器・九谷焼の絵付けにも使われる。伝統製法「縁付金箔(えんつけきんぱく)」はユネスコ無形文化遺産。
    九谷焼(くたにやき)——「ジャパンクタニ」として海外でも人気の色絵磁器。1807年、金沢の春日山(卯辰山)で再興九谷がスタート。九谷五彩(緑・黄・赤・紫・紺青)を使った豪華絢爛な絵付けが特徴。
    金沢漆器(かなざわしっき)——「木地の山中、塗りの輪島、蒔絵(まきえ)の金沢」と称される。加賀蒔絵の華やかな装飾が特徴で、実用品というより美術工芸品の趣が強い。大樋焼(おおひやき)(茶陶・飴色の手捏ね)も茶の湯文化とともに360年続く。
    加賀水引(かがみずひき)(水引を立体的にした細工)、加賀繍(かがぬい)(金銀糸の刺繍)、加賀象嵌(かがぞうがん)(金属に異なる金属を埋める)など。水引そのものは金沢産でないが、細工の文化が根付いた。

    ※出典:金沢市公式サイト「金沢の伝統文化」、石川県伝統工芸、金沢市観光協会。国指定の伝統的工芸品は金沢箔・加賀友禅・九谷焼など。

    🎭 「空から謡が降ってくる」まち金沢

    加賀宝生(かがほうしょう)——金沢市指定の無形文化財。五代藩主・前田綱紀が宝生流の能楽を奨励したのが始まり。加賀藩は町人にも能を奨励し、町役者には税免除・名字を名乗る優遇を与えた。大工や屋根屋まで謡の心得があり、屋根を葺きながら口ずさむので「謡が空から降ってくる」といわれた。
    教育金沢のすごいところ——昭和24年(1949年)から市内の中学生全員が能楽を鑑賞する「中学生能楽教室」を実施。2002年からは小中学生向けの「加賀宝生子ども塾」も。能楽が"特別な芸術"でなく"市民の教養"として受け継がれている。大野湊神社の神事能は400回以上を数える。
    加賀万歳(かがまんざい)——金沢市指定の民俗文化財。前田利家の越前時代に領民が年頭に舞っていたのが金沢に伝わったもの。太夫・才蔵(さいぞう)の掛け合いで祝言を唄い舞う。能楽の影響を受け、ユーモアの中にも品格があるのが特徴。
    金沢芸妓(げいこ)と3つの茶屋街——ひがし・にし・主計町(かずえまち)の三茶屋街で、藩政期からの芸が今も継承されている。踊り・太鼓・三味線・お座敷遊びなど、磨き抜かれた芸は国内外から高く評価。金沢素囃子(かなざわすばやし)もお座敷芸として受け継がれている。

    ※出典:金沢市公式サイト(加賀宝生・加賀万歳の文化財指定)、金沢能楽会、石川県。「中学生全員が能楽鑑賞」は金沢市の実施事業です。

    Big Three

    金沢の三大なんとか

    三つそろって一人前

    金沢には「三つそろって一人前」というものがいくつもあります。全国の三本指に金沢が入るものも、金沢の中で三つそろうものも。ぜんぶ出典のはっきりした話だけを集めました。

    金沢三茶屋街
    ひがし茶屋街・にし茶屋街・主計町(かずえまち)茶屋街。江戸時代から続く花街で、いまも三味線の音が流れます。ひがし茶屋街は2001年、京都の祇園に次いで全国2番目に国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれました。
    金沢三文豪
    泉鏡花・徳田秋声・室生犀星。三人とも明治のほぼ同じ時期に金沢で生まれた作家です。この「三文豪」という呼び方は、金沢市内の小学生のリクエストで選ばれたものと伝わります。
    日本三名園(兼六園)
    兼六園・後楽園(岡山)・偕楽園(茨城)。金沢の兼六園はそのひとつで、1985年に日本庭園の最高格「特別名勝」に指定されています。
    日本三大和菓子処(金沢)
    金沢・京都・松江。金沢は加賀藩が茶道を大切にした歴史から和菓子文化が根づき、1世帯あたりの和菓子の購入額は全国トップクラスとされます(総務省の家計調査より)。
    日本三大銘菓(森八の長生殿)
    長生殿(金沢・森八)・越乃雪(新潟)・山川(松江)。長生殿は加賀藩三代・前田利常の命でつくられた落雁で、茶人・小堀遠州が字を書いたと伝わります。

    出典:金沢市観光協会、金沢おどり公式、各店公式、総務省統計局 家計調査。「三大料亭」などは呼び方が定まっていないため、ここには載せていません。

    Scenic Views

    金沢の絶景ポイント

    市が公式に指定する「眺望点」

    実は金沢市は、美しい眺めを楽しめる場所を「眺望点」として公式に15箇所指定しています(景観政策課)。まちの眺めそのものを守るべき財産と考えている、金沢らしい制度です。ここでは代表的な絶景スポットを紹介します。

    卯辰山公園 見晴らし台
    市指定の眺望点のひとつ。医王山・戸室山から金沢城公園、金沢駅方面まで見渡せるパノラマの展望芝生広場です。無料・24時間開放で、バス停「卯辰山公園」から徒歩約3分。夜景スポットとしても親しまれています。
    卯辰山 眺望の丘
    2019年3月に新しく整備された展望スポット。見晴らし台とは反対側の、金沢港から河北潟方向に広がる景色を一望できます。同じ卯辰山には昔からの展望台「望湖台」もあり、1つの山で3つの眺めが楽しめます。
    石川県庁 19階展望ロビー
    地上約80m・東西南北360度ガラス張りの無料展望スペース。晴れた日には白山や立山連峰まで見えます。開放時間は10時〜20時(1月〜3月の平日は19時まで、12月29日〜31日は閉庁)。雨の日でも楽しめる、まちなか絶景の穴場です。

    出典:金沢市景観政策課「眺望点」、金沢市観光協会、石川県庁(19階展望ロビー施設案内)、石川県観光連盟「ほっと石川旅ねっと」。開放時間などは変わることがあります。

    Cost of a child

    子ども1人に、社会はいくら使ってる?

    18歳までの積み上げ

    子ども1人が18歳になるまでに、社会はいくら出しているのか——国の統計と制度から、現金でもらえるお金学校で使われる公費を積み上げてみました。

    💴 まず、現金でもらえるお金——全員コースで約294万円
    🍼
    出産育児一時金
    50万円
    出産1回につき健康保険から支給
    🤰
    妊娠・出産時の給付
    10万円
    妊娠時5万+出産後5万(妊婦のための支援給付)
    👛
    児童手当
    約234万円
    0〜3歳は月1.5万円、以降は高校卒業まで月1万円。2024年10月から所得制限なし・高校生年代まで拡大
    👶👶👶 第3子から、景色が変わる
    第3子以降の児童手当は月3万円——18歳まで満額なら最大約648万円(現金合計で最大約710万円)。ただし「第3子」の数え方はいちばん上の子が22歳の年度末までが対象で、きょうだいの年齢差が大きいと途中から月1万円に戻ります。それでも「多子世帯には実はかなり出す」制度に変わったことは確かです。
    🏫 つぎに、学校で使われる公費——公立12年で約1,330万円

    教科書代の話ではありません。先生の給料・校舎・光熱費・給食補助まで、公立学校の運営にかかる公費ぜんぶを、子ども1人あたりに割った数字です(令和5会計年度・文部科学省「地方教育費調査」ベース=算定方法は下の注記参照)。

    🎒
    小学校
    年 約103万円
    ×6年=約618万円
    📚
    中学校
    年 約115万円
    ×3年=約345万円
    🏫
    高校(公立)
    年 約122万円
    ×3年=約366万円(控えめの算定)。授業料の実質無償化(就学支援金・年11万8,800円)もこの公費の中に含まれています
    💡 「もらっとる実感ゼロ」の正体はここ
    現金やなくサービス(先生・校舎・授業)で届くから、親の財布には見えません。しかも金沢の場合、市の教育費約278億円に、小中学校の先生の給料の大部分は入っていません——教員給与は原則として県が払う「県費負担教職員制度」のため、子ども1人の公費は国+県+市の三層を足して初めて見えます。市の決算書だけ眺めても、この1,330万円は絶対に出てこない数字です。
    🧮 合計——18歳までに、社会は約1,620万円
    💰
    現金+公立12年の合計
    約1,620万円
    現金約294万円+学校の公費約1,330万円。保育・子ども医療費助成・大学は含まない控えめの勘定で、保育を使えばさらに数百万円規模の公費が上乗せ

    ※算定方法:学校の公費は文部科学省「地方教育費調査(令和6年度調査・令和5会計年度)」の学校教育費(小学校6兆1,242億円・中学校3兆3,520億円・高校全日制2兆3,130億円)を「学校基本調査(令和5年度確定値)」の公立在学者数(小593万人・中290万人・高190万人)で割った1人あたり年額。高校は全日制の経費を全課程の生徒数で割った控えめの値。現金給付は健康保険法(出産育児一時金)・こども家庭庁(児童手当・妊婦等包括相談支援)の現行制度による。高校授業料の実質無償化(高等学校等就学支援金)は、地方教育費調査の「補助活動費」に含まれるため、二重に数えないよう学校の公費の側に一本化した。児童手当の総額は誕生月により約234万〜244万円の幅があり、本カードは少なめの側で数えている。第3子加算・多子カウント(上の子が22歳年度末まで)はこども家庭庁の現行制度による。金額は概数。

    🪞 逆に、親の財布からはいくら出ていく?——国の公式調査

    社会が出すお金の鏡うつしで、保護者が実際に払うお金にも国の公式統計があります。文部科学省「子供の学習費調査」(令和5年度・最新)——学校に払うお金+給食費+塾・習い事までぜんぶ込みの実額です。

    🎒
    公立小学校
    年 約36.7万円
    私立なら年約174.2万円(4.8倍)
    📚
    公立中学校
    年 約54.2万円
    私立なら年約156.0万円。公立でも塾代(学校外活動費)が6割超
    🏫
    公立高校(全日制)
    年 約59.7万円
    私立なら年約117.9万円
    👛
    幼稚園3歳→高校卒業の15年間
    全部公立 約614万円
    全部私立なら約1,969万円。幼稚園だけ私立(いちばん多いパターン)は約665万円
    🍚 ただし、ここに食費・衣類・おむつは入っていない
    この調査が数えているのは「学校と学びのお金」だけ。食費・衣類・医療・レジャーまで含む「子育て費用」全体の全国調査は、内閣府が2009年度に行ったのを最後に、最新の公的版が見当たりません——つまり「子ども1人にほんまは総額いくらかかるか」を、国はもう15年以上ちゃんと測り直していない。ちなみに公立中学校で親の支出の6割超は塾・習い事——学校がタダに近づくほど、競争は学校の外へ移るという構図も、この統計から読み取れます。

    ※出典:文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」(令和8年1月公表)。学習費総額=学校教育費+学校給食費+学校外活動費(塾・習い事等)。15年間の額は各学年の平均年額の単純合計。

    🍼 金沢の保育——「待機児童ゼロ」の中身と、増える空き市の実データ5年分

    当サイトが情報公開の手続きで保育幼稚園課から提供を受けた、市の実データです。「保育園に入れない」問題はどうなっているのか——結論から言うと、金沢は国の定義の待機児童が5年連続ゼロ。そして今起きているのは、逆の現象です。

    待機児童(国定義)
    0人
    令和4〜8年度、5年連続ゼロ
    入所保留児童
    1〜4人
    各年度2・1・4・1・3人(育休延長・特定園希望など)
    📉
    保育の「空き」
    3,290人分
    令和8年度。令和4年度2,290人分→1.4倍に拡大
    問題が
    反転した
    認可保育所・認定こども園の入所児童は令和4年度の14,479人から令和8年度の12,865人へ、4年で1,614人減。施設定員も16,769人分から16,155人分へ縮小していますが、子どもの減少の方が速く、定員の充足率は86.3%→79.6%に低下。「入れない」から「埋まらない」へ、問題が反転しています。とくに0歳児は定員1,105人分に対し入所309人(令和8年度)——7割以上が空きです(育休の普及で0歳から預ける家庭が少ないことも背景にあります)。
    保留児童
    とは
    「待機児童ゼロ」でも、育児休業を延長した人や特定の園だけを希望した人などは「入所保留児童」として別に数えられます。金沢は各年度1〜4人。全国で「隠れ待機児童」と呼ばれ議論になる区分ですが、金沢では1桁にとどまっています。

    出典:金沢市保育幼稚園課からの情報提供資料「保育の受入れ状況(待機・保留児童)」(2026年7月受領)。各年度の待機児童数・入所保留児童数、認可保育所・認定こども園等の施設定員と入所児童数(年齢別)。数値は保育認定・教育認定、管内・管外受託の合計。

    Shrines & Temples

    金沢の神社とお寺

    祈りでできた都市計画

    金沢のお寺と神社は、なんとなく建っているのではありません。まちの始まりも、まちの防衛も、まちの名前の由来も——ぜんぶ祈りの場所と結びついています。

    🏯 そもそも金沢は「寺から生まれたまち」
    金沢の都市としての起源は、天文15年(1546)に一向宗(浄土真宗)が築いた「金沢御坊(尾山御坊)」——お寺を中心に人が集まる「寺内町」でした。今の金沢城の場所は、城の前にお寺だったんです(→ 前田家ってなにした人?)。
    🛡 三寺院群——寺の配置は、軍事戦略だった
    3代藩主・前田利常は元和〜寛永年間(1615〜1644)、当時強大だった一向宗を監視するため、一向宗以外の寺院を3か所に集めて配置しました。城下の出入口を寺で固める防衛線でもあります。それが金沢三寺院群——寺町寺院群(約70か寺・最大。忍者寺こと妙立寺、犀星ゆかりの雨宝院。夕暮れの鐘は「日本の音風景100選」)、卯辰山山麓寺院群(約50か寺)、小立野寺院群(約40か寺。前田家菩提寺の宝円寺、珠姫の天徳院)。うち寺町台と卯辰山麓は、まち並みごと国の重要伝統的建造物群保存地区です(→ 金沢の文化)。
    ⛩ 格式の話——尾山神社は「別格」だった
    前田利家とお松の方を祀る尾山神社の旧社格は「別格官幣社」——国家に功績のあった人物を祀る神社として、国が特別に列した格式です(社格制度自体は昭和21年に廃止されたため「旧」が付きます)。和漢洋の三様式が混ざった神門は国の重要文化財で、例祭は利家の命日・4月27日。ほかに尾崎神社、大乗寺仏殿も国の重要文化財です。
    🕰 最古の話——城より1,000年先輩の神社
    金沢最古の神社とされるのは、21世紀美術館の隣にある石浦神社(旧県社)。平安時代の全国神社リスト「延喜式」に載る「三輪神社」の有力候補(論社)で、創建は天平11年(739)の勅創建説など諸説、社伝ではさらに古く古墳時代と伝わります。天正8年(1580)の金沢御坊攻めの兵火で焼失した記録もあり、まちの歴史をずっと隣で見てきた神社です。いまは101基の赤鳥居ときまちゃんで大人気。
    💧 「金沢」の名前も、神社の横にある
    兼六園に隣接する金澤神社のそばに湧く泉「金城霊沢」——芋掘り藤五郎が砂金を洗ったという「金洗いの沢」の伝承が、「金沢」という地名の由来とされています(伝承です)。まちの名前の原点まで、祈りの場所のすぐ横にあるわけです。

    出典:金沢市観光協会「金沢旅物語」(三寺院群)、石川県神社庁、各神社の社伝・由緒(創建年は伝承を含みます)、金沢市文化財保護課「国指定・選定文化財一覧」(重要文化財)。

    Safety

    犯罪・事故のデータ

    金沢は安全なまち?

    🚨 犯罪は減っている。でも——

    📉
    刑法犯の認知件数
    5,376件
    令和7年・石川県全体。ピーク時(平成15年:17,770件)の約3分の1に減少
    📱
    特殊詐欺の被害
    約13億3,000万円
    令和7年・石川県。被害242件。1件あたり平均500万円超!
    🔍
    「認知件数」とは
    警察が把握した数
    届け出のない犯罪(暗数)は含まれない点に注意
    ⚠️ 市民がなかなか知らない事実: 泥棒や街の犯罪は20年で3分の1に減った一方、特殊詐欺(オレオレ詐欺・還付金詐欺など)の被害は急増しています。石川県だけで年間13億円超——これは市の給食費論争よりはるかに大きなお金が、毎年だまし取られているということ。狙われるのは高齢者。家族での声かけが最大の防犯です。
    📝 宿題: 「金沢市だけ」の犯罪件数は、石川県警の警察署別データ(金沢中・金沢東・金沢西署)や金沢市統計書で確認できます。校下別の傾向もふくめて、今後このサイトで整理予定です。

    ※出典:石川県警察本部「主な刑法犯の認知と検挙状況」(令和7年)。

    🚗 交通事故のリアル金沢市の実数
    🕯
    交通死亡事故
    11件
    令和6年・金沢市。高齢者の死者が7人
    🧍
    人口10万人あたりの死傷者
    225.2人
    62の中核市の中で20番目(前年は30番目)
    🌆
    事故が多い時間
    17〜19時
    夕方の暗くなり始めが毎年ピーク。通勤・下校の時間帯が全体の半数近く
    ⚠️ 全国調査でわかった、金沢の意外な事実: 交通事故の分析機関(イタルダ)の調べでは、金沢市は一般道路での交通事故の死者が10人以上となった全国でも少数の市区町村に入っています。「金沢は安全なまち」というイメージと、データはすこし違う——夜間の死亡事故が多いのが特徴です。
    💡 子どもと家族で気をつけること: ①自転車の事故の57.7%は「出会い頭」=交差点の飛び出し。小さい交差点こそ一時停止。②夕方は反射材とライト。③子どもの死傷は「歩行中」が最多。暗くなる前に帰るだけで、リスクは大きく下がります。

    ※出典:金沢市「交通事故統計」(令和6年)、公益財団法人交通事故総合分析センター(ITARDA)の全国分析。

    🚒 消防と救急の1年——「21分に1回」出動するまち金沢市・消防局

    金沢市消防局が公表した2025年(令和7年)の確定統計。火事のまちの記録と、救急のリアルです。

    🚑
    救急出動
    24,645件
    1日平均68件・約21分に1回
    🔥
    火災件数
    64件
    約6日に1件・過去10年で最少
    🍳
    出火原因1位
    こんろ 13件
    2位たばこ6件・3位放火(疑い含む)5件
    📉 火事は減り、「駆けつけ」は増える——消防の仕事の中身が変わった
    火災は2016年の86件から2025年は64件へと減少傾向(死者3人・損害額約1億円)。木造密集のまちで「約6日に1件」まで抑えているのは、予防と地域の消防団の成果です。一方で救急を除く災害出動の総数は同じ10年で1,121件→2,663件と2.4倍——増えたのは火災報知器の発報対応や救急活動支援などの「駆けつけ仕事」。そして救急出動2万4,645件の中身は、急病が68.2%(16,815件)で圧倒的。交通事故(1,151件)の14倍以上です。高齢化するまちの消防局は、「火を消す組織」から「暮らしの緊急事態に駆けつける組織」へと役割の重心が移っています。なお不搬送も年3,714件(15.1%)——本当に必要なときに救急車が来られるよう、迷ったら救急相談#7119という選択肢も覚えておきたいところです。

    出典:金沢市消防局「2025年 火災・救急・救助統計」(確定統計。火災64件・出火原因・死者3人・損害額102,589千円・救急24,645件/搬送20,990人/急病68.2%/不搬送15.1%・救助出動228件・10年推移の災害件数1,121→2,663件はいずれも同統計の掲載値)。消防年報(令和6年版ほか)も消防局サイトで公開。

    🚑 救急車、1回走ると約3万1千円——監査が数えた救急のコストと限界令和5年度行政監査

    市の監査委員が令和5年度、テーマ監査で救急業務を丸ごと検証しました。上の最新統計の「背景」が読める報告書です。

    1回=約3万1千円令和4年度に救急業務へかかった費用は約6億6,309万円(人件費6.3億+車両・資機材・燃料など)。出動21,251件で割ると1回あたり約3万1千円——救急車は「無料」ですが、コストはゼロではありません。この割り算は監査報告書自身が行っています。
    11隊 vs 国の基準12隊金沢の救急隊は11隊・隊員98人(うち救急救命士64人)。平成18年の8隊から3隊増やしてきましたが、国の「消防力の整備指針」では本市の人口規模なら12隊配置が基準。監査は「将来の救急需要を予測しつつ、さらなる増隊の必要性を検討されたい」と意見しました。出動は平成17年比で60.4%増(全国は37.0%増)——金沢の増え方は全国より急です。
    それでも全国より速い現場到着は平均8.8分(全国9.4分)、病院収容まで36.5分(全国42.8分)——全国より約1分・約8分速い水準を維持。一方で「受入れ照会4回以上+現場滞在30分以上」の搬送困難事案は205件→612件(令和2→4年)と3倍に。夜間出動の増加で、隊員が休憩時間中に出動する時間は年132時間(20年前比70.3%増)に達しています。
    こんな備えも日本語を話せない人や聴覚・言語に障害のある人のため、市医師会の助言を受けて消防局が独自開発した多言語対応の救急アプリ(10言語+日本語表示)を全救急車のタブレットに搭載。スマホの画面操作で119番できるNET119も運用中です。監査のもう1つの意見は「本当に必要な人の搬送に遅れが出ないよう、適正利用の啓発と救急相談の情報提供を」——上の#7119の話に、そのままつながります。

    出典:金沢市監査委員「行政監査結果報告(救急業務について)」(令和6年3月21日公表・対象は消防局消防総務課・警防課。救急業務費663,088千円〔人件費630,140・車両資機材16,080・燃料4,675・消耗品12,193〕と1件あたり約3万1千円〔÷21,251件・報告書掲載の算定〕、救急隊11隊・隊員98人・救命士64人、平成18年8隊からの増隊経緯、整備指針の12隊基準、出動60.4%増と全国37.0%増、現場到着8.8分/全国9.4分・収容36.5分/全国42.8分〔令和4年〕、搬送困難205→255→612件、休憩時間中出動年132時間と70.3%増、多言語アプリ〔平成28年運用開始・英中韓仏伊露蘭葡西泰〕、NET119、監査結果「適正」と意見2件はすべて同報告より)。

    Dictionary

    ことば辞典

    全199語

    政治や経済のニュースに出てくる「???」なことばを、やさしいことばで解説します。気になることばをポチッと押すと、意味が出ます。上の「ふりがな」ボタンで読みがなも付きます。

    金沢 金沢・地方のこと 国の政治・経済 共通 一般のことば
    Yearly Calendar

    金沢の年間カレンダー

    市政は1年でこう動く

    市役所や議会は、1年のなかで決まったリズムで動いています。「今の時期は何が動いてるか」が分かると、市政がぐっと身近になります。金沢市議会は毎年3月・6月・9月・12月に定例月議会を開きます。

    📅 金沢市政・議会の1年金沢

    金沢
    ことば
    校下(こうか) = 小学校の学区のこと 金沢(石川)で使われる言い方で、他県の「校区・学区」にあたります。金沢では小学校の学区が町会・公民館・消防分団などの地域コミュニティの単位と重なっていて、「◯◯校下」がそのまま「地域」を指す言葉として日常で使われます。このサイトでも地区の単位として使っています。
    3月3月定例月議会 = 予算を決める その年の使い道(当初予算)を審議して決める、一年で最も重要な議会。新年度(4月〜)の予算がここで固まります。議会の賛否
    4月新年度スタート 決まった予算で新しい事業が動き出す。人事異動も。市民税・保育所など各種手続きの季節。
    6月6月定例月議会 当初予算のあとの最初の議会。追加の予算(肉付け・補正)や条例などを審議。金沢のお金
    6月金沢百万石まつり 前田利家の金沢入城にちなむ最大の祭り。市も関わるため収支・負担金が話題に。まつり・マラソンのお金
    8月政務活動費の公開 前年度分の政務活動費の収支報告書が公開される時期。議員のお金の使い道をチェックできる。議員のお仕事
    9月9月定例月議会 = 決算をチェック 前の年度にお金をちゃんと使えたか(決算)を認定する議会。「予算どおり使えたか」の答え合わせ。
    10月金沢マラソン 市が関わる大規模イベント。収支や経済効果が公表される。まつり・マラソンのお金
    11月兼六園の雪吊り開始 11月1日、唐崎松から。冬の風物詩の始まり(※兼六園は県管理)。1人あたりいくら?
    12月12月定例月議会 年末の議会。補正予算や条例、意見書などを審議。
    1〜2月翌年度の予算編成 市役所が来年度の予算案をつくる時期。次の3月議会に向けた準備が水面下で進む。
    💡 覚えておくと便利:3月=予算(これから使う)9月=決算(ちゃんと使えたか)。この2つが議会の二大イベントです。あなたが市政に一言いいたいとき、予算が決まる前の1〜3月が最も影響を与えやすいタイミング。パブリックコメントや陳情もこの時期を意識すると効果的です。(→市民の権利)

    ※議会の具体的な日程は年によって変わります。正確な日程は金沢市議会「市議会日程」でご確認ください。祭り・イベントの日程も年によって変わります。

    Open Questions

    まだ分からないこと

    このサイトの宿題

    ❓ 分からないことは、分からないと書きます

    このサイトは、公に公表されている数字だけを載せています。推測で数字を書くことは、しません。だから、どうしても「分からない」ことが残ります。それを隠さずに、ここに並べます。

    これらは市に情報公開請求をすれば、分かる可能性があります。請求のしかたは「市民の権利」のページに書きました。もし誰かが取り寄せたら、ここに載せます。

    📋 いま、分からないこと

    🧭 入手経路の見方: 🌐=ネットで自分でも取れる 🚪=開示請求(市役所3階・文書法制課)が必要 🚫=不存在・非開示で調べようが無い。
    💡 なぜ「分からない」と書くのか: 数字がないところに推測を入れると、それは事実のように見えてしまいます。一度広まった推測は、取り消せません。だから書きません。

    ✅ 解決済みリスト——このサイトが実際にこじ開けたもの

    かつて上のリストに並んでいた「分からないこと」です。解決しても消しません——歩みそのものだからです。

    百万石まつりの収支🚪開示請求で解決。総事業費と市の負担(57〜69%)・全科目の内訳3年分を入手→百万石まつりのカードに掲載。
    金沢マラソンの収支🚪開示請求で解決。組織委員会の収支3年分・市の支出9,100万円(総事業費の2割弱)を入手→まつり・マラソンのカードに掲載。
    債務負担行為の全容🌐ネットで解決。予算書「第3表」を議案書PDFから読み、全21件・132億円と21世紀美術館の58億円を確定→金沢のお金のカードに掲載。
    職員の懲戒処分10年分🌐+🚪の合わせ技で解決。Web公表2年分+開示請求で過去8年分を入手し、平成27年度からの10年系列を完成→給料のカードに掲載。
    公共施設の更新費60年分🚪開示請求で解決。「年平均147億円」の元データ(2023〜2082年度の内訳)を入手し検算→ハコモノのカードに掲載。
    再開発への市の補助🚪開示請求で解決。片町きらら8.5億円など3事業13.2億円の年度別内訳を入手→まちなかのカードに掲載。
    住宅補助・耐震補助の実績🚪開示請求で解決。取得奨励金・空き家リフォーム・耐震3補助の利用実績を入手→お得な制度・空き家と町家のカードに掲載。
    主要施策の
    成果説明書
    全236頁
    🚪開示請求で解決。市の全事業の決算実績(令和6年度)を写しで入手し、全頁を転記・検算しました(撮影漏れ3頁のみ補充待ち)。総括と各カードへ順次反映していきます。
    除雪の
    年間費用
    🚪成果説明書P157で解決。令和6年度の除排雪事業は14.04億円(稼働77日)・前年は5.9億円(25日)——雪の量で2倍以上変わる費目だと確定。決算書の「除排雪費」15.81億円はこれを含む一段上の費目です(→雪と災害のカードに内訳)。
    ごみ処理費の
    実額内訳
    🚪成果説明書で解決。収集委託12.4億・焼却12.3億・埋立5.6億・リサイクル5.7億→ゴミのカードに掲載。(「固定費/変動費」という区分の資料は市にはありませんでした)
    スタジアム指定管理と
    体育施設費
    🚪開示請求で解決。指定管理料の実払い3年分・評価表・次期指定の通知と、体育施設費の決算内訳を入手(支出内訳2頁は黒塗り→新しい宿題へ)。
    特養待機・介護現場・
    医療扶助の記録
    🚪開示請求で解決。特養の入所申込520人・介護現場アンケート・医療扶助の個別指導3年分(指導は延べ3人)を入手→医療費のカードに掲載。
    ふらっとバスの
    ルート別収支
    🚪開示請求で解決。当初は「届かず終了」だったが、令和8年8月に郵送で到着。4ルート×5年分の利用者・運行経費・運賃収入・市の負担額を入手(利用者は5年連続増、市の負担は年約1.1〜1.2億円)→金沢の足のカードに掲載。
    まちのりの
    収支
    🚪開示請求で解決。こちらも当初「届かず終了」→令和8年8月に到着。5年分の利用回数・会員数・市の負担額を入手(会員3.7倍でも市の負担は微減)→金沢の足のカードに掲載。
    📞 あなたにも調べられます: 情報公開請求は、市内に住んでいる人、通勤・通学している人なら誰でもできます。市役所第一本庁舎3階「文書法制課」(076-220-2073)へ。原則15日以内に返事が来ます。費用はコピー代だけ。
    🎯 このページの意味

    行政を批判するためのページではありません。
    何が公開されていて、何が公開されていないかを、はっきりさせるためのページです。

    数字がないことと、問題があることは、別です。
    でも数字がなければ、議論もできません。

    ※このリストは随時更新します。分かったことは本文に反映し、下の「解決済みリスト」へ移します——消しません。解決の積み重ねも、このサイトの歩みだからです。

    About

    このサイトについて

    「金沢まるっと」の約束

    金沢の政治や行政は、情報がありすぎて、どこを見ればいいのか分かりづらい。その結果、市政に興味を持ちにくくなっています。だからこのサイトは、市政をできるだけガラス張りにして、だれもが金沢のいまを知れる場所を目指します。

    私たちは、良い悪いの判断をしません。事実をわかりやすく整理して届けるだけ。どう考えるかは、市民のあなたにゆだねます。

    特定の政党によらない 事実だけを届ける だれでも無料で見られる 出典は必ず公式へ
    📏 このサイトが「載せる・載せない」を決める基準

    実は、「何を載せるか」を選ぶこと自体が、ひとつの編集判断です。完全に中立なサイトは世の中に存在しません。だからこのサイトは、判断を消すのではなく、判断の基準を公開することで中立に近づきます。

    基準1公的記録・公表資料・報道で確認できる事実だけを載せる。確認できないことは書かないか、「まだ分からないこと」に入れる。
    基準2お金と暮らしに関わることを優先する。税金の使われ方・もらえる制度・決めごとの現場を、専門知識ゼロでも分かる形にする。
    基準3良い・悪いの評価、動機の推測は書かない。意見が分かれるテーマは、両方の言い分を並べて終わる。判断するのは読者。
    基準4誤りは直し、直したことを隠さない。指摘はいつでも歓迎。訂正の記録はサイトに残す。
    🤖 このサイトのつくり方
    AI活用このサイトは、運営者がAI(Anthropic社のClaude)を活用して制作しています。金沢市の決算書・監査公報・統計・公式資料といった一次資料をAIとともに読み込み、数値を照合・検証しながら記事にしています。人力なら1年かかる作業を、新しい技術で圧縮しました。
    編集責任ただし、何を調べ、何を載せ、何を載せないかの判断は、すべて運営者が行っています。AIは道具であり、編集責任は人間にあります。AIの誤り(もっともらしい間違い)を防ぐため、一次資料と突き合わせて確認できた情報だけを掲載しています。
    更新について📅 最終更新:2026年8月15日。掲載データの基準時点(多くは令和6年度決算・令和8年度予算)は各記事の出典欄に明記しています。数字は年度が替われば古くなります——最新値は必ず出典リンク先の公式資料でご確認ください。
    ⚠️ 読むときの、おねがい(免責)

    このサイトは金沢市の公式サイトではありません。金沢に住むひとりの市民が、公開されている資料を手で写してまとめた、非公式のサイトです。

    数字や制度は、年度がかわると更新されたり、あとから見直されたりします。ここに載せた内容も、古くなっていたり、写しまちがいが残っていることがあります。大事な判断をするときは、各ページに書いた出典(もとの資料)や、金沢市の公式発表で、もう一度たしかめてください

    このサイトの内容を使って行動した結果について、運営者は責任を負いかねます。気づいたまちがいは、下の窓口から教えてください。確認して直します。

    🤝 まちがい、見つけたら教えてください

    このサイトは、236頁の決算書や307枚の開示資料を、ひとつずつ手で写して作っています。正確さには本気で取り組んでいますが、この分量でミスがゼロとは言い切れません。数字の誤り・古くなった情報・リンク切れ——気づいたことがあれば、下のフォームからそっと教えてください。確認して、直します。あなたの一言が、このサイトを金沢いちばん「確かな地図」にします。一緒に、よくしていきましょう。

    送信内容は運営者に届きます(送信サービス FormSubmit を利用・迷惑送信防止のため確認画面が出る場合があります)。いただいた内容への返信をお約束するものではありませんが、すべて目を通します。

    🔍 一次資料への道しるべ——「本当か?」は、自分の目で

    このサイトを信じる必要はありません。すべての数字には元の資料(一次資料)があります。疑ったら、原本へ。それがいちばん強い確かめ方です。

    金沢市
    公式サイト
    予算・決算・統計・各課のページはすべてここから。当サイトの「市の公表資料」出典は、原則この中にあります。→
    成果説明書
    の原本
    当サイトの大量データの源「主要施策の成果説明書」(全236頁)は、市の公式サイトには載っていません。金沢市図書館のデジタルライブラリで電子公開されています(「金沢市図書館 デジタルライブラリ」で検索→行政資料)。紙の原本は市役所の情報公開コーナー・図書館にもあります。
    開示請求の
    実物記録
    当サイトが情報公開請求で入手した記録は、公文書ツアーの「開示請求live」に全29項目を公開しています。請求のやり方は市民の権利へ——あなたも同じ書類を、同じ手続きで取れます
    政治とカネ
    の原本
    政治資金収支報告書は石川県選挙管理委員会が公開。「政治とカネ」カードの転記元PDFはここで誰でも見られます。→
    🧭 このサイトの立ち位置: 私たちは「信じてください」とは言いません。「確かめてください」と言います。原本にあたり、違いを見つけたら、上のフォームでそっと教えてください。それがこのサイトの育ち方です。